東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

「その依頼、承ったぜ宇佐見」



 それではどうぞ!


第22話 告白(ミッション)

side一輝

 

 俺は男を殴った後、もう一発腹に叩き込む。

 するとその男は崩れ落ちたものの、背後から違う男が鈍器を持って殴りかかって来る。

 それを見て宇佐見と飛鶴は声にならない悲鳴を上げた。

 

 鈍器で戦うのか……。俺は残念な気分になった。武器を持った事によって俺の中でそいつ等は自分より格下認定した。

 今まで何度も武器を持った敵と殴り合った事がある。だから武器持ちの相手の対処法は心得ている。その為、武器等は俺に対してはただ荷物が多くなり、不利になる道具でしか無くなるのだ。

 

「武器を使ってる時点でお前らの勝利はねぇよ」

 

 背後から縦に振り下ろされた金属の棒を体を回転させる事で躱し、その勢いのまま回し蹴りを放つ。

 蹴りが入った瞬間、男の体からバキッと言う痛々しい音が聞こえてきた。しかしそんな事に構っている暇は無い。これはただの喧嘩では無い。大切な人を守る為の戦い。俺の大切な人を傷付ける奴らには容赦は不要だ!

 

 今度は一人の男が俺を壁際に追い詰めてきた。その瞬間、勝利を確信したのかガードが甘くなった。

 俺はその隙を見逃さず、壁を駆け上がって壁キック。男の頭に踵落としをお見舞した。

 そのまま綺麗に着地、男はフラフラとよろめいた後そのまま倒れた。

 

「強い」

 

 宇佐見が呟いた。

 昔は宇佐見の方が強く、俺が守ってもらう側だったような気がする。

 だが、今はもう俺が宇佐見を守れる。

 空手を習っていたのもあるし喧嘩を知った今、喧嘩でなら誰にも負けない自信があった。

 全ては宇佐見を守る為に鍛えたからだ。

 

「漸くこの力を使える時が来た!」

「調子に乗るなぁ!」

 

 今度はヌンチャクを持った奴。ヌンチャクに関しては柔らかいし、攻撃範囲が広いから少し苦手なんだが、一応対策法は考えてある。

 

「仲間の仇!」

「んじゃあ、俺はあの二人の分を込めたこの鉄拳でケリをつけてやろう」

 

 ヌンチャクが俺目掛けて振り回される。それを間一髪の所で躱し続けてチャンス到来。

 何と俺の腕に巻きついたのだ。恐らく向こうもこれを狙っていたんだろうが、これを狙っていたのはお前だけじゃないぞ!

 引っ張って引き寄せようとして来る男。俺はそれに引き寄せられて物凄い勢いで男のもとへ。

 さすがにこれは予想していなかったのか、ヌンチャク男は反応に遅れ、その隙を俺は見逃さなかった。

 その勢いのまま拳を男の顔面に叩きつける。

 

 そのままヌンチャク男は気を失い、その場に倒れた。

 さすがにちょっと疲れたな。疲れて鈍くなった体を引き摺りながらまだピンピンしている男達の方へと向き直る。

 俺は疲れていてもお前らなんか直ぐに倒せると言う意思表示だった。

 男達は俺の動きを見て怖気付いたのか一目散に逃げて行く。それを見て俺は崩れ落ちた。

 

「はぁ……全力疾走後のこれはきついって……」

 

 ただでさえ全力疾走をしたせいで体力が限界だったってのにその上、こんな戦い……俺を殺してぇのかよ。

 とりあえず俺はフラフラになりながらも二人を解放。その瞬間、飛鶴は物凄い勢いで俺に抱き着いてきた。

 俺は少し驚きつつも、抱きしめ返した。二人は怖い思いをしただろう。宇佐見はあんまり弱音を吐いていないが、怖かったのは事実な筈。

 

「……でも、飛鶴のそばに居たのが宇佐見で良かったよ」

 

 多分二人は何も言わないが、宇佐見は必死に飛鶴を守ろうとしてくれていたであろう事は分かった。だから俺はそっと宇佐見の頭を撫でて手に持っていた帽子を被せてやった。

 

「これ」

「落し物だ」

 

 宇佐見は帽子を手に取り、抱きしめた。二人の無事な姿を再び見れたことに安堵して一気に疲れが押し寄せてくる。だがまだ油断は出来ない。残党達がまだ襲ってくる可能性があるからだ。

 だけど今日はもう疲れた。

 

「飛鶴」

「なんですか?」

「兄ちゃんは不良だ。怖いと思うか?」

 

 今まで怖くて打ち明けられなかった事、そして聞けなかった事を聞いてみた。

 俺は宇佐見と飛鶴に拒絶されたらもう生きて行けないとすら思える位に依存してしまっているんだなと感じる。

 確かに飛鶴は俺に依存しているだろう。だが、それ以上に依存しているのは俺なのかもしれない。

 

「お兄ちゃん。お兄ちゃんはかっこいいと思います。あんな状況でもしっかりと私達を助けに来てくれました。私はそんなお兄ちゃんを見てもっと好きになりました」

「そうか……」

 

 嫌われてないなら良かった。

 こういう事をすると大体は嫌われる。昔、女の子を助けた時に「私、暴力的な人は怖くて嫌い」と言われて距離を置かれた。

 少しその時見たいになってしまうのではと覚悟していたが、その心配は要らなかったようで安心。

 宇佐見の顔を見てみると一切嫌われた様子は無く、逆に優しい表情をしていた。

 

 そうだ、俺はこの表情を見る為に頑張ってきたんだ。

 

「宇佐見、今度は俺がお前を守る番だな」

「ううん。今度はじゃなくていつも輝山君は私を助けてくれてたよ」

 

 いつも? そんな事は無い。昔はいつも助けられてたし、大学に入ってからは暫く避け続けていた。それでなんで守った事になるんだよ。

 

「輝山君、多分だけど不良の自分と一緒に居たら私まで変に思われるって思ったんでしょ」

 

 図星だった。だから俺は宇佐見と距離を置いた。

 気づかれないよう、冷たい態度も取って嫌った風に演じてたのにな。

 

「優しいよね。うんうん、そんな優しい不良がいる訳が無いよ。だから私はあなたを不良だなんて思ってません」

 

 そうか。簡単な事だったんだ。

 俺は宇佐見の事を本当に信頼しきれてなかったって事か。信頼しきっていたらそんな行動には出なかったはずだ。

 

 信頼してくれと言いつつも一番信用してなかったのは俺だったわけか。

 

「ありがとう宇佐見。飛鶴」

「ううん。お礼を言うのは私の方、ありがとう。大好きだよ」

 

 ……ん? 今宇佐見なんて?

 大好きなんて言葉が聞こえた気がする。俺にかけるはずがない言葉ナンバーワンだと思っていた……いや、一人だけ物好きが居たな。

 だけど宇佐見が何故?

 

 そこからは俺の思考は停止してしまい、何も考えることが出来なかった。

 歩いて帰っている間も無言で重い空気が。

 いつもムードブレイカーな飛鶴も流石に口を開けないらしく、終始無言だった。

 


 

「えー。以上報告です」

 

 俺は校長室にて今回の件の報告書を提出していた。それを真剣に眺める校長。

 時折俺の顔をチラチラと見ながら報告書に目を通していく。

 

 一通り読み終わったのだろうか。報告書を机の上に置くと校長が一番最初に言い放った言葉は――

 

「受理出来ぬな」

 

 それは俺にとって死刑宣告にも似た言葉だった。




 はい!第22話終了

 果たして一輝はどうなってしまうのか?

 それでは!

 さようなら
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