東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
それでは前回のあらすじ
秘封倶楽部が一輝のアシスタントについた。
それではどうぞ!
side一輝
「何見てるの?」
隣に座っていた宇佐見が俺のパソコンの画面を覗きながら聞いてきた。
まぁ、俺は基本的にゲームなんてやらない。だからパソコンゲームをやっている訳でも無いし、俺がパソコンでやる事なんて限られてくる。
「依頼確認だ」
俺はこれをバイトにしているから依頼が来てくれないと困るんだが、あの事件の後、中々依頼が来なくて財布が寂しい。そろそろ依頼が来てくれないと俺はかなり厳しい
ため息をつきつつ、再びパソコンの画面へ視線を戻す。
パソコンの画面は相変わらず平和なままで事件は特に起きていないようだ。
再び財布の中身を確認する。
「一万。これじゃあんまり持たねぇな」
「ん? 結構足りそうだけど」
一応宇佐見を通して俺が一人暮らししていると言う情報が伝わっていて何も知らないメリーが純粋な言葉を述べてくる。だがそれは間違いである。
「一人ならな……」
一応俺の責任でもある宇佐見との同居だ。飛鶴が独立するまで養うのが当然の義務ってことだろう。
だと言うのに二人暮しでこのまま依頼が来ないと直ぐに金が尽きる。
「で、でもまぁ、こう言う職業が暇なのって平和の証だからさ。もし大変だったら手伝うし」
最後の方は小声で俺の耳元で囁くように言った。
少しくすぐったかったが、その言葉でだいぶ救われた。
「でもなんで依頼がぱったりと止まったんでしょう」
まぁ、一つ心当たりがある。俺が校長室に呼び出された事によって俺はかなりやばい事をしたと噂になっていた。更に言うと今まではそうやって相談屋達は退学させられてたのに俺が戻って来たことによって不正を働いたのではないかと言う言われのない噂が立っていた。
全く噂好きの奴が変な噂をしてるんだなと思っていただけだったが、そいつが原因なのだとしたら放っておく事は出来ない。
「とりあえず消しとくか」
「やめて。輝山君なら出来そうだけどやめて」
だがそれは宇佐見に止められてしまった。
でも俺にとっては死活問題なんだ。一刻も早くそんな変な噂は取り消してもらわなくてはならない。
「なんだ。とりあえず宇佐見、何か悩みは無いか? 今なら特別に聞いてやるぞ」
「そこまでして依頼をしたいの……? 特に今は悩みは無いわよ……それにこれは話せない事だし」
何やら最後の方の言葉が小さくて聞こえなかったが、宇佐見に悩みは無いか……。
「メリーは?」
「私も特にこれと言って無いわね」
「宇佐見も無い。メリーも無い。……進奏と和成妹は何かあるかな」
だがまぁ、進奏はあんまり悩みなんて無さそうだ。和成妹はいつも進奏の事で困ってそうなイメージ。まぁ、和成妹とは出会ってからあんまり経ってないからそんなに知らないけど何となくあの兄を持った妹がどうなるかは分かる。
希望の星としては和成妹だな。
「ちょっと和成妹の所へ行ってくる。あの子ならば悩みの一つや二つ持っていたとしてもおかしくない」
「何気に酷いことを言ってる気が……」
「という訳で来たんだが」
「そ、そうなんですか」
俺は全てを和成妹に説明した。そして俺は今、廊下のど真ん中で土下座をして頼み込んでいる。
相談屋は有名になりやすいので俺の名前と姿は広く知れ渡っているだろう。そんな相談屋が低学年の廊下のど真ん中で後輩に向かって土下座をしだしたらどんなことになるのかは想像に容易い。
「そ、相談でしたよね?」
「あ、あるのか!?」
「え、えっと……そんなに近づかれると照れてしまいます」
気がついたら俺は興奮して立ち上がってもの凄い至近距離まで距離を詰めていた。
だが、この結果に俺の全てがかかっていると言っても過言ではないから興奮するのも無理はないと思うんだ。
「えっと……あ、先輩と一緒に遊びたいです」
「俺と?」
「はい! あの、ダメでしょうか……」
「いや、ダメってことは無いが」
でもそんな事でいいのか? そう思ってしまった。
今の俺は死活問題だから例えどんな依頼でも甘んじて受け入れるつもりであった。だが、彼女の口から出たのはそんな依頼だった。
正直、きつい依頼も覚悟していた。きっと今の俺だったら暗殺命令とかでも甘んじて受け入れていたかもしれない。
「私はそれがいいんです。先輩ともっと仲良くなりたいんです!」
物凄い勢いで言ってくる。それで俺は彼女が遠慮している訳ではなく本当にしたいと思っているんだなと分かった。ここで遠慮されても後味が悪いだけだったけど遠慮じゃないならそれでいいかと思う。
「つまりデートね」
「ででで、デート!?」
そこで横にいた宇佐見が余計な事を口走る。
デートと言う単語を聞いた和成妹は顔を真っ赤に上気させて俯いてしまった。
まぁ、男女が出掛けることをデートと定義するのならばデートなのだろうが、そんなにストレートに言う必要も無かったんじゃないかと思う。
「でもデートなんて言ったらあいつが荒れそうだな」
『私というものがありながらデート!? 許しませんよ、その女はどこの誰ですか? 教えてください。その女を処分しなくてはならないので』
「まぁ、デートと言わなければ良いか。分かった、デートだな」
「はい! よろしくお願い致します」
こうして俺は和成妹とデートする事になった。
はい!第25話終了
次回はデート辺です。
本編(前)とは少し違う雰囲気の話になっていきます。
それでは!
さようなら