東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 一成妹とデートをすることになった。




 それではどうぞ。


第26話 デート(ミッション)

side一輝

 

 デート当日、俺はデートの10分前に待ち合わせ場所まで来ていた。

 確か昔に無理やり読まされた少女漫画にこんなシーンがあった気がするのでそれを参考に行動している。

 俺はデートの経験は無いから少し不安だが、依頼として受けたなら全力で遂行するのが相談屋の仕事だ。だから何が来ても俺は全力で対応するだけだ。

 

 それから約9分後、件の人物がこちらへ走ってきた。

 その姿はまるで天使を彷彿とさせた。可愛すぎてその光景に目を奪われてしまった。

 走ってきて俺の前で息を整える天使。世の中の男子はこのワンシーンのみでイチコロだろう。それくらいの可愛さがあった。

 

「ま、待ちましたか?」

「いや、俺も今来たところだ。それに遅れたわけじゃ無いんだ。申し訳なさそうにする必要は無い」

 

 確かデートで女の子がこう聞いてきたらこう答えるというのもあったはずだ。

 まさかあの無理やり読まされた少女漫画がこんな所で役に立つとは思わなかった、

 

「先輩は優しいですね。惚れ直しました」

 

 こんなことで惚れ直すって……将来悪い男につかまらないことを祈るよ。

 

「ところでどうですか?」

 

 そう言って一回転する和成妹。これも確か少女漫画にあったはずだ。

 どうかと聞いてきた時はだいたい服の事を聞いていると宇佐見の解説も入ったくらいの重要イベントだったはずだ。このデートを成功させるためには絶対に回答を間違えられない。

 なのでもう一度彼女の服装を確かめる。

 白を基調としたワンピースで、和成妹の童顔ととてもマッチしていて、清楚な感じが伝わってくる。

 

「すごくいいと思う。とても似合ってるよ」

「それなら良かったです。先輩とのデートのために仕立てて来たんですよ」

 

 随分気合を入れて準備してきたようだ。なんだかそんなに思ってくれていると思うと悪い気はしない。今回は依頼って形式だが、とても嬉しくなる。この依頼を受けて良かった。

 無理やり相談屋をやらされている形だが、そんな俺でもこの仕事にやりがいを感じている。

 礼を言われ慣れていないので礼なんて要らないが、その嬉しそうな顔を見ているとなんだかこっちまで嬉しくなってくる。

 

「そうか。じゃあ、早速行くか」

「はい!」

 

 とても嬉しそうな声で返事をしてくれた。とりあえず第一関門はクリアの様だ。

 今の今までデートをしたこと無い俺にとってはハードモード過ぎる。

 これなら喧嘩に関することの方がまだ楽だ。

 

「先輩。私、行きたい場所があるんですが良いですか?」

「あぁ、いいぞ。それでどこに行きたいんだ?」

「着いてからのお楽しみです」

 

 随分浮かれている様子だl。

 かく言う俺も表には出さないが正直浮かれている。だってこんな可愛い女の子とデートなんてそうそう無いだろう。嬉しいに決まっている。

 だが、この子とデートしたことを知られたら進奏がうるさそうだな。口止めしておいた方が良いな。

 

 それから5分くらい歩いたら目的地に着いたようだ。

 

「ここは?」

「映画館って書いてあるじゃ無いですか」

 

 そうか、ここが映画館。

 多分、物心着いてからは一度も来た事が無いはずだ。特に見たい映画がある訳でもないし、俺自身、あまりテレビを見ないのだ。

 だから、部屋に置いてあるテレビは半分飾りと化している。

 何も無い日は自室で携帯ゲームをしていることが多い。

 まぁ、最近は飛鶴がテレビを見てくれているのでガラクタとはならずに済んでいる。

 

「先輩はこういう系はどうですか?」

 

 そう言って和成妹が提示してきたのは恋愛系映画だった。特にこれといってダメって事は無い。昔宇佐美に無理やり少女漫画の他にも映画や小説、アニメなんかも見せられたので耐性はついている。

 

「大丈夫だ」

 

 やはり女の子って恋愛映画とかが好きな子が多いのか? 俺にはその世界はよくわからない。

 

 そうして映画を一緒に見ることになったのだが――これはどうなんだ?

 この映画には想像よりも濃厚なラブシーンがあったのだ。非常に気まずい。この映画を女子と見るのは俺にはハードルが高すぎる。

 そのことは和成妹も感じているようでさっきから顔を赤く染めてモジモジしている。

 しかし、そんな俺たちの気持ちも知らず、映画は更なるラブシーンへと移行した。

 そこで隣に座っている和成妹が手を繋いできた。しかもただ繋ぐだけではなく、おそらくこれは恋人繋ぎだ。

 とてもいい雰囲気だ。これで俺たちが本当の恋人ならばこの後俺たちもラブシーンへと移行していただろう。

 

 この雰囲気は俺はダメだと判断し、俺は映画が終わるまで何も考えないことにした。

 


 

side宇佐見

 

「今日の秘封倶楽部活動は輝山君のデート観察です!!」

「ねぇ蓮子。私もう帰って良いかしら」

「だめだよ! まだ活動始まってすらいないよ!?」

 

 今日は輝山君がデートするって事を聞き付けて尾行をすることにしたんだけど、メリーがあんまり乗り気じゃ無いみたい。

 どうやら人のデートなんて見たくないとか。

 

「それに、蓮子。あなた、秘封倶楽部の活動だって建前を立てて本当は他の女に輝山君が取られないかを監視したいだけなんでしょ?」

「違うよ!」

 

 図星なところはあるけど、決してやましい気持ちは一切ない。輝山君が悪い女に誑かされていないか陰ながら監視するだけなんだから1

 

「じゃあ、早速追いかけるよ!」

「蓮子、あなたが遅れたせいでもうとっくに2人は出発したわよ」

「え?」

 

 輝山君尾行は幸先が悪いようです。




 はい!第26話終了

 今回は結乃とのデート回でした。

 しかし、タグを見てわかる通り結乃はメインヒロインじゃ無いんですよね。

 次回も結乃とのデート回です。

 それでは!

 さようなら

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