東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 デート終わって帰ると飛鶴に怒られた。



 それではどうぞ!


第30話 嫌いなこと(ミッション)

side一輝

 

「暇だ」

 

 俺は一人部室で呟いた。

 今日も今日とて依頼ゼロ。確実にこの前の事件が俺に牙を向いている。飛鶴には出来るだけ楽をさせてあげたいから、このままだと報酬が入らなくて困る。

 この前のデートの時はあれも確かに依頼だったが、なんだかいけない事をしているような気分になって報酬は半額にしておいた。でも何故取ったのかと言うと本当に生活がギリギリだからだ。

 

 授業を受ける気にもならないし、寝ようかな……。そう思って帽子を深く被った瞬間だった。

 

 バゴン!

 扉が蹴り破られた音がした。この音を聞くのは久しいな。しかもこのタイミングで来るってのもなかなか珍しい。

 帽子を直して扉の方を見ると数人の男たちが立っていて、それぞれが手に鈍器を持っている。

 このイベントを俺はストレス発散イベントと呼んでいる。このイベントが来れば俺は正当防衛を謳って合法的にストレスを発散できる。

 このイベントは主にナンパやカツアゲを助けた時に起こるイベントだ。しかし、ここ最近はそんな依頼は受けていないんだけどな。

 

「あんたが輝山 一輝か?」

「そうだが……」

「よくも俺たちの仲間をいたぶってくれたな」

 

 へ? いや、記憶にないんだけど?

 そもそも最近はそんな依頼受けてないし、学校内で恨みを買いそうな依頼を最後に受けたのは宇佐見の時……ってもしかしてあの時の?

 いや、遅いしいつまで根に持ってんの? もうアイツらの事なんか忘れかけていたんだけど。

 

「おい、あれを出せ」

「はっ!」

 

 そう言って男が出したのはたくさんの写真だった。

 それがどうしたって感じだったが、その写真を見た瞬間、息を飲んだ。

 なぜならそこには俺と宇佐見たちが並んで歩いている所が写し出されていたからだ。それだけじゃ無い。

 

「極めつけはこれだ」

 

 男が最後に取りだした写真、そこには俺の家から出ていく飛鶴、更に俺と一緒に家に入っていく飛鶴が映っていた。

 

「く、盗撮か」

「そうだ。これをばらまかれたくなければ殴られろ」

 

 これはまずい。ばらまかれてしまったら俺以外のみんなにも迷惑をかけてしまう。しかもこの学校とは無関係の飛鶴にまで……。

 こいつら、この時のために俺の弱みを収集して居やがったな。そして今日、実行した。しかも教師はみんな授業で、助けに来る可能性が一番低いこの時間帯に俺をボコるためだけにここまで計画してやがったか。

 警察に連絡……いやダメだ。連絡したらこいつらは逆上して最悪の展開になる可能性があるな。

 万事休すか……これは俺が大人しくボコられていた方がみんなに迷惑をかけずに済むな。

 

 多分、こいつらも俺に暴力を奮ったってバレたくないから顔には拳を落としては来ないだろう。だから俺が黙っていれば迷惑をかけることも無い。

 はぁ、こういうのは一番気に食わねぇ。正々堂々と喧嘩しろよな。相手の弱みを握るってのは俺は大嫌いだ。

 今回のイベントはストレス増殖イベントだったか……。

 

「やれ」

 

 そして俺はその時間中は殴られ続けた。

 


 

side飛鶴

 

 今日も学校が終わったので家事をします。

 お兄ちゃんが帰ってくる前に家事を終わらせてお料理をしておきたいと思います。

 今日も多分遅くなるのでお料理は全て家事を済ませた後でも良いかもしれませんね。

 

 お兄ちゃんはいつも美味しそうに私の作った料理を食べてくれます。その事が嬉しくて私はいつも料理を作ったり、家事を率先して行ったりしてます。

 

「さて、とりあえず掃除でも」

 

 そう言っていつも通りイヤホンで音楽を聴きながら掃除機を手に取ると、急に玄関から物音がしました。

 こんな時間にお兄ちゃんが帰ってくる訳ありません。つまりこれは泥棒?

 私は掃除機を持って恐る恐る玄関に向かいます。するとそこにはやはり人影がありました。今この家にいるのは私だけ、お兄ちゃんの家を守ってみせます。

 

「覚悟ーーっ!」

「おう、飛鶴。ただい――ぐはぁ!」

 

 掃除機を振り下ろした瞬間、泥棒だと思われる人物は悲鳴をあげました。しかし、その声は今までに何度も聞いたことのある大好きな声で……。

 

「お、お兄ちゃん!? どうしたんですか? 誰にやられたんですか!?」

「か、鏡を見ることをおすすめするよ」

 

 なんと、今入って来た人物はお兄ちゃんだったようで、私はお兄ちゃんを泥棒だと勘違いして掃除機で殴ってしまったようです。

 あぁ、なんで取り返しのつかないことを! 大好きなお兄ちゃんを掃除機で叩いてしまうなんて……。これはもう嫌われて当然。出ていけとか言われるんでしょうか? そうなったらもう私は生きて行けません。私はお兄ちゃんに嫌われたらもう……。

 

「いい一撃だった。だけど撃退するには足りないぞ? もっと強い一撃を与えなきゃな」

 

 そう言ってお兄ちゃんは笑いました。

 殴られて怒るのではなく、逆に笑いました。お兄ちゃんってドMなんでしょうか?

 でも嫌われてはいないようでよかったです。

 

「でもどうしたんですか? こんな早い時間に」

「ああ、早くサークル活動が終わったから帰ってきたんだ」

 

 そう言えばお兄ちゃんはいつもサークル活動が長引いていたせいで帰りが遅いんでしたね。

 

「それより風呂、いいか?」

「わ、分かりました。今準備しますのでお待ちください」

 

 予想外の帰りで予定が狂ってしまいましたが今日はお兄ちゃんと居られる時間が長そうで良かったです。

 でもこの時間に帰って来るって初めてですので、サークル活動が早く終わった以外に何かがありそうですね。




 はい!第30話終了

 サークル活動が長引いたせい  ×
      昼寝していたせい 〇

 一輝は飛鶴にいつもサークル活動が長引いたと説明しています。

 それでは!

 さようなら

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