東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
それでは前回のあらすじ
裕斗がリンチされた。
それではどうぞ!
side一輝
くぅ、水が染みる。
散々殴られたからな、傷口にお湯が染みる。放課後になってやっと開放されたが、また明日やられるかと思うと憂鬱でしかない。
この時間が一番心休まる。家に居るのが一番安全だ。
流石の奴らも家の中にまで来ることは無いだろう。だから今日は早く休んで明日に備えるのがいいだろう。
飛鶴や宇佐見達に知られる訳にはいかない、特に飛鶴だ。飛鶴は何をするか分からない。
もっとも、飛鶴には平和に不自由無く暮らして欲しいと願っている。だから、これに関しては隠し通さなくてはならない。
幸いにもアイツらが攻撃してきたのは服で隠れて見えないところだ。普通ならゲスだと思うところだが、今回に関してはありがたかった。
風呂から出ると既に飯が用意されていた。飛鶴は本当に仕事が早い。俺が帰ってくる前はまだ手もつけていない様子だったが、風呂から出てきたらもう出来上がっていた。俺が風呂に入っていた時間はあまりなかったはずだがな。
「どうですか?」
「……どうですか? って、なにかいいことでもあったのか? やけに豪勢じゃないか」
普段よりも豪勢な料理たちがそこには並んでいた。確かに美味しそうだが、今日だけで何円かかっているんだ?
「ううん。何も無いよ」
(とにかくなんでもいいから気分をよくして吐かせてみせる)
なんかよく分からないけどとにかく怖い。寄らば斬る、的なオーラを出している。しかも料理が終わったと言うのに飛鶴の手には未だに包丁が握られていた。それが怖さをより一層引き立てている。
とにかくこれは逆らわない方が良いな。大人しく深く聞かずに食った方が良いだろう。
そして頂きますを言ってから俺はひと口食べた。
うん、これは美味い。やはり飛鶴の飯は美味い。美味いのだが、飛鶴の方から威圧感を感じる。俺が食事している間、ずっと俺を見てきているので食いにくい。何が楽しいのか俺を見てニコニコしているし。
「美味しいですか?」
「うん、美味いぞ」
く、食いにくすぎる。
「というか、飛鶴も食ったらどうだ?」
「私は大丈夫」
大丈夫って何が大丈夫なんだ? というか、一緒に食べていて欲しいんだが……。ずっと見ていられると落ち着かない。
なので俺は直ぐに食べ終わると足早に自室に逃げ込んだ。あの場にいると視線に殺されそうな気がした。
なんかさっきまでは家は安全だと思っていたが実は一番危険な場所は家だったのかもしれない。
☆☆☆☆☆
side飛鶴
うーん……なかなか言ってくれませんね。
何かがあったら言って欲しいんですが、流石お兄ちゃんですね、頑固です。
昔からお兄ちゃんは私達には決して弱みを見せずに自分の中で溜め込む人です。なのでそれに気付いてあげるのが私達の仕事です。
ですが、これで聞き出せないとなると今回のはかなりのものです。いつもなら食事をしていたらポロッと言ってくれる事がほとんどなのに今回は口が固かったのがその証拠。
そう言えばどうしてお兄ちゃんは私の顔を見て驚いたり、顔を背けたりしていたのでしょうか……やはり何かあるから私から目を背けたのでしょうか。確かめてみる価値は充分にありそうですね。
でもこのままじゃ言ってくれる気配がないので少し推理をしてみましょうか。
お兄ちゃんはいつもはサークル活動で遅れることが多い、それが早く帰ってきたってことは学校で何かがあった可能性が高いですね。
「…………やっぱりあの学校を潰す他ない」
いや、でもそんな事をしてもお兄ちゃんは喜んではくれないだろう。
ならとりあえずお兄ちゃんの知り合い以外の人は抹殺――ごほん、排除しなくてはなりませんかね。
常日頃からストー……監視をしながら知り合いさんはリストアップしてあります。
その中で一番危険な人はやはりお兄ちゃんの親友である進奏さんの妹さんですかね。事と次第によっては消さなくては――って違います。今はお兄ちゃんを助ける……雌豚からも助けなくてはなりませんが、それではなくてお兄ちゃんに迫っている危機から助けなくては……。
そう言えばお兄ちゃんは少し特殊なサークル活動を行っていた様な気がします。サークル活動で何か変な人からの恨みを買っていなければいいのですが……。
でも昔からお兄ちゃんはそういう所が有りました。いつもいつも私を助けてくれてはお兄さん達からの恨みを買って……でもいつも撃退しているお兄ちゃんがかっこよかった。なのでお兄ちゃんが負ける心配はしていません。
ですが、心配なのは今回の件に関して口が堅い事です。これはとてつもない事情を抱えている予感。
念の為に宇佐見さんにも相談をしておいた方がいいですかね。宇佐見さんもお兄ちゃんと同じ学校に通ってますから学校のことについて色々知っているかもしれません。ついでに雌豚の情報も。
いつもお兄ちゃんは私達を助けてくれました。どんな時でもさっそうと現れて私達を助けてくれる自慢のお兄ちゃんです。
ですが、今はお兄ちゃんが困ってます。なので今度は私達が助ける番ですよお兄ちゃん。
はい!第31話終了
今回の投稿、遅れてすみません。来週はいつも通りに投稿します。多分……。
それでは!
さようなら