東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 突然倒壊した相談屋の部室。それによって一時的にではあるが、一輝は収入源を失ってしまった。
 しかし、その一時的な収入源のストップも今の一輝にとっては辛いものがあった。

 果たして一輝はどう乗り切るのか?



 それではどうぞ!


第39話 ご馳走します

side一輝

 

 静かになったのを見計らって目を覚ますと、もう既に放課後となっていて、この場にはもう誰もいなくなっていた。

 いつもは相談屋のホームページでも確認している時間だが、今は活動する拠点がないため、自主的に活動するのは認めて貰えないだろう。

 せめて使える部室でもあれば違うんだが……。

 

 だが、そんなことを考えていても、どこの部屋も空いていないようなので仕方がなく帰ろうとバッグを背負う。

 

 最近は色々と災難が多いな……俺、そんなに悪いことをしたっけな。

 だが、復習しにきた奴らを返り討ちにするのが悪い事だと言われてしまったら何も言い返せないが……。

 

 俺は久しぶりにこんな窮地に立たされたのでどうしたものかと考えつつ教室を出ると、隣の教室から宇佐見とメリーが出てきた。

 お互いに顔を見合い、そして俺はそのままスルーして帰ろうとする。

 

 しかし、二人は固まっているようで一歩も動かなくなってしまった。そのことを不思議に思い、仕方がなく二人に声をかけることにした。

 

「おーい、二人とも」

「「あの一輝君が教室から出てきた!?」」

 

 俺が教室から出てくるのがそんなにおかしいか? 俺は普通に教室から出てくることもあるからな。

 本当に偶にだが教室に呼び出しを食らうことがある。主に俺にとっては成績関係ないテストなので、メタルス〇イム並に珍しいと言われてしまえばその通りなのだが。

 だが、俺の存在はこの二人を驚かせてしまって固めてしまったようだ。

 

「それにしても、一輝君が教室に来るなんて何があったの? その様子、ただのテストって訳じゃないんでしょ?」

 

 さすが宇佐見だ。なかなかいい観察眼をしている。この短時間にそのことを見破るなんて凄いな……。

 宇佐見には隠し事は出来ない。

 

「実は相談屋の部室が倒壊してしまったんだ」

「え、部室が倒壊? 大丈夫なの!?」

「ああ、無事だ」

 

 収入源が無くなったことは言わないでおいた。言ってしまうと更に心配をかけてしまうと感じたからだ。

 正義感の強い宇佐見の事だ。俺の事を助けようと奮闘してくれるだろう。しかし、そこまでお世話になるのも申し訳ない。

 

「でも、相談屋って一種のアルバイトのようなものなんですよね? なら収入がなくなりますけど大丈夫なんですか?」

 

 メリーがそこに気づいてしまった。

 宇佐見は洞察力こそあるが、そういう所に気が付きにくいというところがあるから言わなければ大丈夫だと思ってたが、メリーはその部分を補っているのか。厄介だが、いいコンビだ。

 

 すると、宇佐見は血相を変えてこっちにきた。そして、俺の手を引いてメリーから離れた位置まで連れていかれる。

 

「収入がないって飛鶴ちゃんが居たよね。大丈夫なの?」

「正直厳しいところがあるな。養うって言った建前、養ってやりたいものだが……」

 

 こうなってしまったなら仕方がない。なるようになるだろう。

 

「今日は私が晩御飯をご馳走します」

「え、悪いからいい」

「……私がいいって言ってるんだからいいの」

 

 結局押し切られてしまった。今日は宇佐見の家で食べることになりそうだ。

 それならそうと飛鶴に連絡しないといけないな。飛鶴も料理を作るだろうし……。

 

「でも、倒壊して相談屋が出来なくなったんだよね」

「いや、そうでも無い。代わりの部室があればいい」

 

 だが、その代わりの部室を見つけるのが大変なのだが……。

 この大学は沢山のサークルがあり、どの部屋も埋まっている状態だ。というか、埋まりすぎて部室を使えていないサークルだってあるくらいだ。

 

 俺の所属している相談屋も部室がなくて昔、急遽屋外にプレハブ小屋を作って、そこを相談屋の部室にしたらしい。という事は昔から沢山のサークルがあったって事だ。

 

「じゃあ、うちの部室使う?」

「え、秘封倶楽部の部室? お前ら二人なのに部室割り振られているのか?」

「まぁ、昔からあったからね……だけど、私達が入った時には誰もいなくなっていたから、そこに私達が滑り込んだって感じだね」

 

 なるほど……だけど、誰も居なかったら廃部とかにはならないのか?

 なにか、秘封倶楽部ってこの学校にとって特別だったりするのか?

 

「その申し出は嬉しいんだが、兼用ってアリなのか?」

「多分いいんじゃないかな? 部室がなくて一時的に使わせてもらっているサークルもあるんだし」

 

 なるほどな。そういうサークルはそうして部室をやりくりしているのか。

 でも、なら大丈夫そうだな。

 しかし、秘封倶楽部の部室に行くとしたらもう昼寝は出来なくなりそうだ。それは困る。

 

「なんか、どうでもいいことを考えていそう」

「どうでもいいってなんだよ! 昼寝出来ないのは俺にとっては死活問題なんだよ」

「どうでもいいわよ」

 

 でも、これで何とかなりそうだな。

 部室は何とかなったとして、これから機材を集めないといけないのか。

 あの部室にあったパソコンは天井に押しつぶされて、見つけたとしてもぺちゃんこだ。

 

 これからの事を考えると頭が痛くなってきてしまうな。補強工事くらいはやっとけよ……。




 はい!第39話終了

 とりあえず部室を決めることが出来ました。ですが、機材を集める必要がありそうです。

 それでは!

 さようなら

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