東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 部室が使えなくなり、相談屋が出来なくなったことを蓮子に伝えると秘封倶楽部の部室を使わせてもらえることに。

 しかし、パソコンなどの機材は天井に押しつぶされてしまって使い物にならなくなってしまった。

 まずは機材集めからだ。



 それではどうぞ!


第40話 いつものを頼む

side一輝

 

 次の日、俺たちは近所の電気屋に来ていた。目的はもちろん、パソコンなどの相談屋に必要な機材の購入だ。

 先日の倒壊で機材などは全て壊れてしまったので買い直す必要がある。

 

 相談屋のパソコンはかなりの高スペックが要求される。ゲームなどスペックの要求されることをする訳では無いが、直ぐに依頼を受信できるように、そこそこ高スペックでないといけないのだ。

 しかし、そんなパソコンはかなりの値段が張るだろう。だがまぁ、関係ないか。

 機材などの購入には部費が出る。なので、気兼ねなくパソコンを選ぶことができる。

 

 ただ、その部費にも限度はあるので気をつけないといけないんだが……。

 

 そんな感じで吟味していると、色々なパソコンを見れて実は少し楽しんでいたりする。

 俺は電気屋の商品を見るのが好きなので、あの事件は災難だったが、こうして気兼ねなく吟味できる口実ができたので、その点に関しては良かっただろう。

 

 ちなみに今日は休みなので朝から電気屋に来ている。

 飛鶴には近所の電気屋を身に行ってくると伝えて昼飯もキャンセルした。

 しかし、俺はもう冷蔵庫の仲が空っぽになっていたのに気がついていたので、一応昼飯代は渡してきた。

 

「ほう……なかなか、だが……」

 

 今見ているパソコンはなかなかの高スペックだが、一つ問題点がある……部費オーバーだ。

 さすがにこの値段のパソコンを買うことは出来ない。

 惜しいが諦めることにしよう。

 

 今回は機材を全部整えないといけないのでパソコンでそんなに部費を使っている余裕は無いのだ。

 

 しかし、部の機材を生徒に一任しても大丈夫なのかよ……。

 だけど、相談屋には顧問が居ないから仕方がないのか? まぁ、顧問のようなことを校長がやってくれているのだが……殆ど放任されている。

 そのお陰で部室は使い放題だったわけなんだけど、これからは秘封倶楽部の部室で活動することになるから、好き放題出来ないな……。主に昼寝だが。

 

「よし、こんなもんか……」

 

 とりあえず、どの機材にするかは決めた。

 この量を一人で持ち歩くなんて無理に等しいので学校に輸送することにした。これも機材のことなので部費の融通が着く。

 学校に送ったら色々配線をしないといけないけど、そこら辺は次に学校に行った時でいいだろう。

 

 あとは相談屋の活動申請をするだけだ。

 

 だけど、部室を貸してもらえる友人がいてよかった。もし居なくてずっと再会できずに居たら、かなり食べるものに困る極貧生活を送る羽目になっていただろう。

 

「宇佐見にも感謝しないとな」

 

 そう思った俺はそのまま電気屋を後にし、次はとある場所に向かった。

 

 たどり着くや否や、俺は真っ先に近くにあった一軒家のインターホンを押す。すると、直ぐに中からこの家の住人がでてきた。

 

「ん? あ、一輝じゃないか。一体どうした?」

 

 中から出てきたのは進奏だ。そう、この家は和成家のものなのだ。

 まぁ、殆ど和成兄妹で住んでいるようなものらしい。親は遠くの方へと単身赴任をしているらしく、滅多にこの家に帰ってくることは無いのだとか。

 

 そんな和成家になんのようなのかといえば――

 

「いや、いつものを頼もうかなと」

「あぁ、まぁ、余っているからいいけどさ。こんなもの、いつもどうしているんだ?」

 

 そう言って進奏が取りだしたのは壊れたUSBメモリ。こいつの家には何故かこのような類のものが沢山ある。真相は俺も知らない。

 だが、この進奏の家の謎にはいつも助けられている。時折、このUSBメモリを貰いに来ては色々なことをしている。

 

 例えば俺の家のパソコンと学校のパソコンのデータを共有するためのメモリ。

 多分この前の倒壊でメモリもやられてしまっただろうと考えて進奏の家に来たのだ。ここでUSBメモリを貰えば、修復と改造によって共有出来る。

 本来は相談屋のデータを共有する手段は無いので家で相談屋の仕事が出来るはずがないのだが、このお陰で俺は相談屋を家から出ないでも引き受けることができる。

 ちなみに、この事が学校にバレるとやめろとは言われないだろうが、お叱りを受けることは必死なので内緒だ。

 

 顧問兼校長先生はあの強面だが、あまり説教っぽいことをしてくることはない。

 だが、一度説教をし始めると確実に体調不良者が出るほどに説教をするのでできることならば説教はされたくないところ。

 

 で、なんで俺がこんなことが出来るのかと言うと俺は独学で電子部品の勉強をしたからだ。

 中学生の頃、電子部品関係にハマってしまって、厨二病という恐ろしい病にかかる時期を全て機械いじりに当てたので発症している暇がなかったというのが俺の中学時代だ。

 

 その後、その技術を応用して、相談屋を始めてからは家でも相談を受け付けられるように、このUSBメモリを改造して作った。

 しかも、これはただのUSBではない。相談屋の依頼に限り、重要度が高い順にピックアップしてくれるのだ。そういう風にプロブラムしたAIが入っている。

 まぁ、面倒臭がり屋が講じた技術だ。これ以外に役立てたことはただの一度だってないがな。

 

 これで必要なものは揃った。あとはこのメモリを家に帰って改造したら、今度こそ揃ったことになる。

 

 それで学校に設置したら完成だ。

 

「面倒なことになったが、何とかなりそうな気がしてきたな……んじゃ、俺は帰るわ」

「おう、気をつけて帰ってな」

「あぁ」

 

 そうして、振り返ってみるともう夕焼けが出ていた。気が付かなかったが、もう夕方のようだ。

 それを確認して俺は帰路に着いた。




 はい!第40話終了

 相談屋活動再開の目処がたちそうです。

 それでは!

 さようなら

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