東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 相談屋の機材を集めるために電気屋に来ていた一輝。そこで良さげなパソコンを買うと次に向かったのは進奏の家。

 そこで一輝は進奏から壊れたUSBメモリを貰い、その場を後にしたのだった。



 それではどうぞ!


第41話 なんでそんなに知っているんだ?

side一輝

 

「ただいまー」

「あ、おかえりなさいお兄ちゃん」

 

 飛鶴が来て暫くが経ったので、最初の内は慣れなかった帰ったら挨拶を返してくれる人がいるっていう生活にも大分慣れた。

 そして、エプロンをして出迎えてくれる飛鶴。幸せな新婚夫婦のような光景だが、俺は冷や汗をかいていた。

 それは、飛鶴の手には料理中に使っていた包丁が握られているのだ。

 

 これはいつものことなので慣れてしまわないとダメなのだろうと割り切ってはいるが、いつ失言をして刺されるか分からない状況に慣れろという方がおかしな話である。

 一回、飛鶴に危ないから包丁は置いてきてと言って、その時は「気をつける」と言っていたのだが、全く直る気がしない。

 

「もう少しで夕食が出来ますのでテーブルで待っていてください」

 

 そう言われ、俺は素直にテーブルに着くと今度のUSBメモリのプログラムはどうしようかと案を練ることにする。

 やっぱり今回は二回目のプログラミングだから、前回のプログラムよりもすごい昨日とか付けたいよな。

 

 当然、便利なので自動選別は外せないとして……あとは何があるだろうか。

 重要度だけでなく、カテゴリでも分けられるようにするか。そうしたら見やすくなる。

 幸いにも出来るなら相談屋のホームページを弄って良いと許可が出ているので、明日は学校でカテゴリページでも追加しようと決めて、内容によって自動選別出来るようにプログラムして置こうと決めた。

 なかなか大変だが、これも楽をするための苦労だ。そのための苦労なら全く苦じゃない。

 

「ご飯出来ましたっ」

 

 言いながら飛鶴はテーブルに料理を運んできた。どうやら今日はカレーらしい。

 俺は野菜が沢山入っているカレーが好きなのだが、このカレーにもたくさんの野菜が入っている。

 しかし、俺は誰にも野菜カレーが好きとは言っていないのに、飛鶴はピンポイントで野菜カレーを作ってきた。飛鶴の情報収集能力は人智を超えているんじゃないかと時々思う。

 

「いただきます」

 

 俺はカレーを一口含む。うん、やはり美味い。

 カレーは市販のを使っていれば大抵美味くなるものだが、なんだか違うのだ。

 美味いんだが、そこらのカレーとは違う。このカレーだったらどれくらいでも入っていけそうなくらいに美味いのだ。

 

 この家に来た時から飛鶴は料理美味かったが、あの時よりもどんどんと料理が上手くなって行って、何となく俺好みの味になってきているような気がする。

 

「私、お兄ちゃんの美味しそうに食べている表情、好きですよ」

「ごほっごほっ……な、何言ってんだ」

 

 急に覗き込んで、そんなことを言ってくるなんて……不覚にもドキッとしてしまった。

 落ち着け……相手は女子高生だぞ……。

 

 素数を数えることで心臓を落ち着かせることにした。

 

「そういえばお兄ちゃん。最近、顔色がいいですが、問題は解決したんですか?」

 

 鋭い……直ぐに気がついて聞いてきた。

 確かにもう解決したのでもう言っても大丈夫だろう。もちろん何があったかまでは話す気は無いけどな。

 

「あぁ、解決した」

「そうですか……もしこれ以上お兄ちゃんを傷つけられていたらあの人たちをもうこの世に居られなくなるレベルまで追い込むつもりでした」

 

 あれ? これってバレてない? 俺、言っていないんだけど……。

 しかも、飛鶴は何をする気だったんだよ。怖すぎるだろっ!

 飛鶴を犯罪者にしないためにもこれからも黙秘することを固く誓った。

 

「して、お兄ちゃん。どうしてお兄ちゃんから宇佐見さん以外の雌の臭いがするんですか? 私、宇佐見さん以外は認めていませんよね」

「え? 誰にも近づいていないと思うんだが……」

 

 メリーとは臭いが着くほど近くまで寄っていないはずだし……もしかして、進奏の家か?

 確かにあの家には妹である結乃ちゃんが居るので、長時間滞在したら臭いが移ってしまうかもしれないが、俺があの家にいたのはほんの数分だぞ? そんな短時間で臭いって移るものなのか!?

 

「お兄ちゃん……どういうことですか?」

「違うんだ、今日は進奏の家に行ったから、それで和成妹の臭いが移ってしまったのかもしれない」

 

 説明をするも、何やら不満げな様子の飛鶴。この機嫌を直してもらうには結構大変そうだ。

 ここは一時的にだが、甘いジュースでも飲んで期限を直してもらおう。

 

 そう思ってコップにジュースを注いであげると美味しそうにジュースを飲み始めた。少しは機嫌を直して貰えたようだ。

 

「そういえばさ、なんでそんなに俺の事を知っているんだ?」

「ん? 妹たるもの、それくらい知っていないと妹は名乗れません」

 

 そんなことは無いと思うんだが……。でも、偶に誰にも言っていないことや絶対に知ることが出来ないような秘密でも知っていることがあるから怖い。

 今の俺のこの秘密だってもう既に知られている可能性だって存在する。

 

 本当は秘密は秘密のまま知られずにいた方が俺は飛鶴に心配をかけずに済むから、あんまり知られたくはないんだけどな。

 でもまぁ、知られたところでって感じなのでどっちでもいいかと割り切ってしまうことにした。




 はい!第41話終了

 今回は飛鶴と一輝の一時の話でした。

 それでは!

 さようなら

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