東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
それでは前回のあらすじ
学校の秘封倶楽部の部室でパソコンのセッティングをする一輝。
終わったところで蓮子とメリーが部室内に入って来た。
そこで、蓮子はとんでもないことを言い出す。
「手伝わせて!」
秘封倶楽部のメンバーを加えた新生相談屋の運命はどうなってしまうのか?
それではどうぞ!
side一輝
あの後、蓮子やメリーと別れたあと、俺は校長室に来ていた。
理由はもちろん活動再開についてだ。
うちの部は勝手に再開する訳には行かない。必ず校長先生に相談しなくては行けない。
まぁ、校長先生が顧問というのがうちの部の面倒な点だろう。
そして、俺は校長室の扉をノックすると、中から「入っていいぞ」という返事が聞こえてきたので、「失礼します」と言ってから校長室に入る。
入ると、校長先生は俺のことを一瞥して何か作業していたのであろうノートパソコンを閉じてこちらを向いた。
「要件は?」
「はい、実は相談屋の活動拠点となる部室を手に入れました」
「その部室は?」
「秘封倶楽部の部室です」
「……秘封倶楽部か」
すると、校長先生は遠い目をして何かを考え込むような表情をし始めた。
秘封倶楽部は俺的には部室を貰えるようなサークルではないと考える。だが、そんな秘封倶楽部なのだが、部室を貰えるというのは何かがあると考えていたのだが、この校長先生の表情を見てやはり何かがあると確信した。
そして、少し考え込むと校長先生は何かを印刷してきたと思ったらその紙に印鑑を押した。
「これで使用許可は完了だ。これからも相談屋の仕事に励んでくれ」
「はい」
そうして俺は校長室を後にした。
なぜあそこで校長先生は考え込んだのかは分からないけど、これで当初の不安点は何とかなったようだ。
まぁ、再開してすぐには依頼を持ってくる人はいないだろうけど、これで報酬が手に入って飛鶴を養うことが出来るのでホッとしている。
☆☆☆☆☆
その後、俺は家に帰り、夕食を食べてからパソコンの設定の方をやっていた。
メモリの方を俺のパソコンに取り付けてデータをリンクできるように設定する。すると、俺の画面に学校にあるパソコンと同じような相談屋のホームページが出てきた。これで設定は完了だ。
やっと以前と同じような状態に持ってくることが出来た。
以前にもやった事のある設定だが、これをまた一からやるってのはかなり大変な作業なので、かなり疲れてしまった。
そのため、俺は力尽きるように倒れ込んでしまった。
その状態で一応、依頼ボックスをチェックすると、何やら依頼が来ていたようだ。
今日再会したばかりなのに、依頼を送ってくるなんてかなりの物好きらしい。まぁ、宣伝したにはしたけど、こんなに早く依頼を送ってくる人なんているか?
なにせ、相談屋を開始したのは放課後なのだ。それから学校のホームページに宣伝を投稿していたとはいえ、この速さでの依頼は異常な気がするんだけど。
そんなことを考えながら俺はその依頼を開いた。
その依頼を見て驚愕した。それと同時に困惑してもいる。なにせ、その依頼の中に書かれていた言葉は――
『ありがとう』
「どういう事だこれは」
お礼と取れる言葉が書かれていた。それを見てもしかしたら前に助けた人がここに礼を書いたのかと思ったが、そうだとしてもわざわざこんな所には書かないだろう。
そうなると、誰かのイタズラか?
まぁ、どうでもいいか。依頼じゃないならそんなに考える必要がない。
今日はもう寝よう。疲れてしまった。
そうして、俺はベッドに入り込み、眠りに付いた。
「ありがとう」
☆☆☆☆☆
次の日、今日は俺は教室の方に来ていた。
さすがに秘封倶楽部の部室でサボりをすることは出来ないので、仕方がなく講義を受けに来ているのだが、いつもサボっている俺がいることによって教室内が騒がしくなってしまっている。
まぁ、そんなことは関係ない。俺は俺でやって行くだけだ。
そして、俺は机に着くなり伏せて寝始めた。
その事で周囲でざわついていた人達はずっこけてしまっていた。
「お前、ここに来てまでやることはサボりなのかよ」
「進奏。この世の心理を知っているか?」
「……なんだよ」
「睡眠こそ……神だ」
「そんな神なら滅んでしまえ」
なんで言うことを言うんだよ。進奏、お前は睡眠の神に謝れよ。
まぁ、いいか。
そんな感じで、寝ようとしているとそこに入って来た教師が俺の方に来た。
「輝山……久しぶりに来たと思ったら教室で堂々とサボるとはいい度胸じゃないか」
その声を聞いて俺の背筋が凍りついた。
恐る恐る顔を上げてみると、その目にはきらりと光った肌色の装甲が目に入った。
ものすごく強そうな装備だ。あの装備にだけは俺は勝てない。
「輝山。俺の前でサボろうとするとはいい度胸だな」
「い、いやだな〜そんなことをするわけないじゃないですか〜」
さっきまで寝ようとしていたのだが、この最強装備をつけた先生に見つかってしまっては仕方がない。
俺は速攻で教科書などを取り出し始めて、この講義を受ける準備を始める。
それを見て先生は何とか納得したようで、先生は教卓の前に立った。
今日の講義が何なのかをしっかりと覚えていなかったせいで、この先生が来るとは思っていなかった。
あの肌色の最強装備を身につけた先生は加藤先生。俺がこの学校で唯一恐れる存在だ。
なにせ、この先生の機嫌を損ねると課題の量を倍にされる可能性がある。なので、さすがの俺でもこの先生の前では教室でサボることが出来ない。
そうして、俺は久々にフルで講義を受けることになった。
はい!第43話終了
今回は最後の方にネタを入れましたけど、自分的には少しグダグダしていると思いました。
もう少しで完結すると思いますので、それまでお付き合いくださるとありがたいです。
それでは!
さようなら