東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

5 / 51
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 一輝が寝ようとすると急に電話がかかってくる。

 その相手とは、一輝にとって妹みたいな存在の飛鶴だった。

 その飛鶴からこんな事を頼まれる。
「私をお兄ちゃんと一緒に住まわしてください!」
 そして渋々了承してから数週間後、春休みになった。



 それではどうぞ!


本編(前)
第5話 ヤンデレ対処(ミッション)


side一輝

 

 ついに春休みになった。

 

 しかし、今までとは何ら変わりない。

 

 依頼が来たら行動するし、依頼がなかったら部屋で寝ているだけだ。

 しかしそんな事は出来ないよな……。

「約束通り来ました!」

 俺は現在、玄関でJK(女子高校生)と対面していた。

 

「ああうん」

 すっかり忘れてたなんて言えない。

 

 残念ながら俺の平和な一人暮らしは終わりを告げたのです。目の前のJKによって……。

「でもどうやってあの堅物を説得したんだ?」

 そう聞くと「抜け出してきました」と、それが何か?(・・・・・・) って言うトーンで言ってきたため俺は頭を抱えてしまう。これは比喩ではなく完全に抱えてしまった。

「怒られる。絶対バレたら怒られる。しかも飛鶴の行先っつったらここしかないから確実にバレる」

 俺は未来の事を思って床に手を付く。

 

「元気だしてください! 私が着いていますから♡」

 元凶様が何か言ってらっしゃいますね。というかあなたが原因で俺は頭を抱えているのですよ。

 と声を大にして言いたいが、今更こいつにそんな事を言っても意味ないので開き直ることにした。

 

「とりあえずだ。長旅で疲れたろ? ゆっくりと休んどけ」

 俺はそう言ってキッチンに向う。

 そして冷蔵庫の中から甘いジュース(ぶどうジュース)を取り出してコップと一緒に持っていく。

 

「はいよ」

 これは俺と飛鶴が昔から好きな飲み物だから常備している。

 特に証拠をかき集めている時は頭を使うからな。そんな時には糖分が良いって言うしな。

 ちなみに俺は炭酸が飲めない。あの炭酸の刺激がどうも昔から苦手なんだよな。

 

 それは飛鶴も同じみたいで、初めて炭酸飲んだ時は俺と同じ反応をしてて思わず笑いそうになっちまった。

「ありがとうございます!」

 そう言って俺が注いで出したぶどうジュースを美味しそうに一気に喉に流し込む。

 正直いって可愛い。両手でコップを持っている所がなんとも言えない可愛さがある。

 高校生だがまだ幼いところもあるんだなと感じた。

 

「ところでお兄ちゃん」

 飲み干した飛鶴はコップをテーブルに置いたけど両手はコップを包み込むように握ったまま話しかけてきた。

「なんだ?」

 

「最近お兄ちゃんの事を聞いていないので聞きたいのですが……」

 そうだった。

 俺が相談屋になってからはこいつに現状を報告することが無くなった。

 さすがに犯人を痛めつけてるとか言えないしな。

「まぁ色々だ」

「お兄ちゃん。私が聞く度にそう言います」

 確かに言われてみればそんな気がする。だがそれ以上言えないのが事実である。

「お兄ちゃん。私に、何か言えない事情でもあるんですか?」

 急にボーッとした瞳で見つめてくる飛鶴。

「ちゃんと答えてください」

 強い口調で言われたので俺は委縮してしまう。

 

 ここで一言でも間違ってしまうとジ・エンド。俺の人生が終わってしまう。

 その為、色々な思考を巡らせる事に……。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。私はこんなにもお兄ちゃんが好きでお兄ちゃんの事ならなんでも知りたいと言うのに教えてくれないんですか?」

 と言いながらふらふらと脱力した様な様子で近寄ってくる。正直言って怖い。

 だが、ここで何も言わないのは後が怖い。

 

 だが本当の事を話す訳にもいかないか。だとしたらこれならどうだ!

「飛鶴。何も聞くな。お兄ちゃんにはな、色々あるんだよ」

 すると「は!?」と飛鶴は我に返った。

 良かった。これで助か──

「大丈夫です!! お兄ちゃんが裏の誰にも言えない組織に属していたって私は構いません!」

 ってなかったようだ。

 

 まぁ、確かにたまに裏の仕事とかやったりするから決して良い仕事って訳でも無い。

 しかも危険が付き物だ。飛鶴に言ったら巻き込んでしまう。

 

「飛鶴。聞いて欲しい」

 俺は飛鶴の両肩を掴んで一息ついてから言う。

「俺は今はな、学校で大変な目にあっている。思い出したくないんだ。これ以上詮索しないで欲しい」

 勿論本当のことを言う訳にもいかない。だが、嘘もついていない。

 我ながら二百点満点の完璧な回答だ。

 

「お、お兄ちゃん」

 すると振り返ってどこかに行こうとする。

 その飛鶴を慌てて俺は止めた。

「おい何処に行く気だ」

「とりあえずお兄ちゃんを不幸にする学校なんて焼き払ってきます」

「やめてぇぇぇっ!」

 俺は何とか強引に椅子に座らせる。

 

 いつから飛鶴はこんな性格になってしまったんだ。

「お兄ちゃん。心配しないでください。大学が無くなったとしてもお兄ちゃんなら大丈夫です。もしそれで自宅警備員になったとしても私は養う覚悟です」

 どうやってニートの兄ちゃんを養う気だ現中学生。

 

 でも本当に今の飛鶴を見ているとマジで養われて駄目人間まっしぐらになりそうで怖くて仕方がないんだが?

 それだけは阻止しないと本当に俺は将来ニートになるぞ。

 

 それにこの仕事、結構割に良いんだ。

 危険な事も多いが、報酬が結構貰える。相談料はタダだが、解決したら相手に報酬額を貰い、更に学期末には功績によって単位を決められ、とんでもない功績をあげたら、授業に一回も出ず、テストも0点だとしても成績に5がつく。

 無くなられたら困る。

 

「兄ちゃんな。飛鶴の手は汚したくないんだよ。だからな? 兄ちゃんの事は気にせず、飛鶴は自分の事だけ考えなさい」

 軽く飛鶴の頭を撫でる。

 すると飛鶴は嬉しそうに目を細めた。昔から撫でられるの好きだったよな、こいつ。

「分かりました! じゃあお兄ちゃんと結婚します!」

 やべぇ……何言っても伝わる気がしない。




 はい!第5話終了

 そろそろ何とかしないとタイトル詐欺になってしまいますね。

 近いうちに何とかします!

 それでは!

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。