東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
ついに今回で終了ですよ。約一年かかったこの話もようやく終了です。
それでは前回のあらすじ
ついに一輝の事を見つけた蓮子。しかし、一輝は蓮子達を逃がすためにもの凄い怪我を負ってしまった為にそんなに長く生きれなくなってしまう。
しかし、蓮子は諦めない。
一輝は最後の希望を抱き、アメリカの病院へと旅だったのだった。
それではどうぞ!
side蓮子
あれから一年が経った。
私たちは進級し、私は大学四年生。飛鶴ちゃんは高校二年生となった。
輝山君は未だに日本には帰ってきてはいない。音信不通で、手術が成功したのかも分からない。
もしかしたら失敗してもうこの世に居ないのかもしれない。そんな考えに苛まれる。
なにせ、私たちがいなければあんなに輝山君が苦戦することなんてないのだから。
輝山君は飛鶴ちゃんにはあんまり真実を伝えたがってはなかったようだけど、こんなことになってしまっては真実を伝えざるを得ないので、真実を伝えた。
輝山君が相談屋をやっている事。一人で残り、男たちと戦ったこと、そして死にかけたこと。
それらを伝えると飛鶴ちゃんは「そうですか」とだけ言い、あとは何も言わなかった。
恐らく、相談屋の話は初めて聞くことでかなり混乱しているだろけど、飛鶴ちゃんは平静を装っていた。
そして、今は私の家に預かっている。
飛鶴ちゃんはバイトをしているわけじゃないし、輝山君の報酬代で暮らしていたため、輝山君が居なくなったら生活できないだろうとの判断だ。
相談屋に関しては今は私とメリーが管理するような形になっている。と言っても今はそんなに依頼を受けたりなどはしていない。
最初のうちは私たちだけでも頑張れば行けるかもと思ってやっていたが、輝山君の凄さを身に染みて感じたよ。
だけど、危険な依頼の場合は和成君が引き受けてくれているからそこそこ成り立ってはいるけど、やはりこの相談屋に輝山君がいないとしまらない。
そして、今は下校中。
相談屋も終了し、家は近くなので、歩いて帰っていた。その時だった。
「動くな」
急に首筋に冷たい金属製のものが当てられた。
みてみると、それはナイフだった。鋭く研がれていて、少しでも触れたら切れてしまいそうな、そんなナイフ。
少しだけ恐怖を覚えた。今は助けてくれる人は誰もいない。そんな中で私はナイフを突きつけられてしまったのだ。
心中少しパニックになりかけているものの、平静を装い、相手の目的が何なのかを探るために私は問掛ける。
「なにが目的?」
「お前に話す義理はない」
どうやら、私に目的を話す気はないらしい。
声色的に男のようだ。男の場合、女の私では力では絶対に勝てないので、大人しくしているしかない。
「来い」
そう言うと、男は私を路地裏の方まで引っ張っていく。
どうやら、男は人目のつかないところで何かをしようとしているらしい。
すると、正面からも覆面姿の怪しい男が現れた。
だけど、不思議と方を掴まれている手からは危険を感じ取ることは出来なかった。
全く危険だとは思えず、それどころか少し安心してしまっている自分がいる。それは、方を掴む力だろう。
普通はこういうことをする人達はかなりの力で掴んでくるはずだ。だけど、全く力は入っておらず、なんとなく誘導しているだけのように感じる。
優しいのだ。
「連れてきたか」
「あぁ、これで準備完了だ」
正面の男と背後の男が会話をする。その一連の流れで今回の真相が見えた。
なにせ、正面の男の声は良く聞き慣れている声だから。
そして、後ろの声も良く聞いてみると懐かしい声だった。その声に私は少し涙を流してしまう。
「お、おい、泣かせてしまった……どうしよう」
「そんなに狼狽えるな。バレるぞ」
後ろの男がうろたえて、前の男が落ち着かせようしている。
私はその様子にクスッと笑ってから、私は肩の手を振りほどき、後ろの男へと向く。
「お、お前、抵抗する気か!」
なんだか、ファイティングポーズを取っているようだけど、戦う気は一切感じられない間の抜けたファイティングポーズ。
彼は嘘が苦手のようだ。
そんな彼に私は飛びかかっていき――抱きついた。
「な、何をする!?」
驚きすぎて声が裏返ってしまっている男。
「やっと会えた」
「え、どういう事だ?」
「もう無駄だってことだな」
すると、正面から現れた男は覆面を脱ぎ捨てた。
その中からでてきた素顔は和成 進奏、その人だった。
でも、これは分かっていたこと。なにせ、声がさっきまで聞いてい和成君そのものなのだから気が付かないわけがない。
そうすると、こっちの男は――
「もうバレたか。面白くないな」
覆面を投げ捨てたその下からでてきた素顔は私がずっと会いたかった人物、輝山 一輝だった。
「会いたかった!」
「あぁ、俺も会いたかったぞ」
考えてみれば最初に当ててきたナイフだって刃の方を当ててきたのではなく平たい方を当ててきていた。
今思うとその行動全てが優しかったのだ。
「おかえり、輝山君。いや、一輝」
「!? ただいま。だが、下の名前で呼ぶのは少し照れくさいからやめて欲しいんだけど」
「やーだよっ!」
そして、私は暫く一輝に抱きついて離れなかった。それくらいに私は嬉しかったのだ。
その夜は皆で一輝が帰ってきたということでパーティーを開いた。
メリーはどうかは分からないけど、女子たちは一輝の事が好きな女子の集まりなので、和成さんと飛鶴ちゃんは一輝に抱きついて泣いて喜んでいた。
少しデレデレしている一輝にイライラしたけど。私の事を好きって言ったくせにって思ったけど。
☆☆☆☆☆
そして次の日
「輝山 一輝。ただいま帰還しました」
私たちは校長室にきた。
一輝が帰ってきたら連れてきてくれと頼まれたのだ。
「久しぶりだな。輝山」
「はい、お久しぶりです」
二人の間に謎の緊張が走る。
そして、校長は一輝を見ると無言で書類を作成していく。
その書類の内容は。
「今日からお前は栄誉相談屋だ。卒業しても、できる時だけで構わない。お前は永遠の相談屋だ」
「は、はぁ」
一輝は困惑してしまっている。だけど、この話は私たちは前々から聞いていたことなので、驚くことはない。
だけど、一輝はそこまで相談屋をやりたいという訳ではなかったはずなので、真鍮としては微妙な気持ちだろう。
しかし、これはかなり名誉なことだと私は思う。なにせ、今まで一度もこんな賞を貰った人はいないのだから。
「まぁ、分かりました」
「お前は出停扱いにしておいたから、既に四年になっているはずだ」
「そう言われても、学力が追いつかない気が――はい、ありがとうございます」
圧力を感じた一輝は直ぐにお礼を言う。昔から校長先生にだけはめっぽう弱いのだ。
だけど、これで本当に一輝は帰ってきたのだ。
そして、これからも相談屋は営業していく。
「今日から、相談屋は完全復活だ!」
これにて東方現代物語は終了です。
毎週投稿をして、約一年かけて完結させました。
これで完結した作品は四作品目ですね。まぁ、無意識の恋の過去物語は完結したと言ってもいいものなのかが不明ですけどね。
これで完結なのですが、もしかしたらアフターストーリーを投稿するかもしれませんのでお楽しみに。
そして、暫くは新作の投稿はないかと思われます。
転生者は気まぐれ勇者の方が完結すればオリジナルの新作を投稿しようかなと考えています。
それでは!
さようなら