東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
それでは前回のあらすじ
「今日はテストだぞ?」
絶望
それではどうぞ!
side一輝
「ふっ。一輝! 俺は今日、宣戦布告させてもらうぜ。今回のテストは俺の勝ちだ」
テストが終わり、一息ついていると進奏が高々と宣言した。
休みたい俺にとっては鬱陶しい以外の何物でもないためスルーする。
「おいおい。反応無しかよ」
うざい。俺は春休みだと言うのにずっと依頼解決をし、更に春休み明けテストでクタクタなんだよ。少しは休ませろよ。
「ところでお前はどうだった?」
「……別に。普通だ」
別にいつも通りの点数だった。
「ふ、勝った。ついに、ついに長きに渡る戦いが終わるんだ!」
それは良かったですね〜。と言うか目の前で騒ぐな鬱陶しい。
まぁそんなことは置いておいて、さっきからこいつに邪魔されているが、俺の席は窓側なのだ。だからいい温もりと窓から入ってくるひんやりとした絶妙な風が心地よい眠りへと誘ってくるのだ。
別に俺は相談屋だから成績が悪かろうとサボろうと進級には問題ない。
……ってあれ? そういやこの学校には飛鶴は居ないんだから別にサボっても問題ないんじゃ?
そう考えたらさっき馬鹿正直にテストを受けていたのか馬鹿馬鹿しくなってくるな。
家でしか飛鶴とは会わないんだから登校さえしてしまえば部室で寝ていても誰も文句を言う人は居ない?
ふっ。我ながら完璧な考えだな。
「という訳で進奏。俺は次サボるからよろしく」
「何がというわけなんだよ。お前が頭の中でどんな変な事を考えていようとも俺は分からねぇからという訳と言われても分からねぇよ」
「長い。ツッコミが長いぞ」
「誰のせいだ! 誰の!?」
やっぱりこれだ。こいつになら気を使う必要が無いというか、話すのが楽だ。
ボケたらすぐにツッコんでくれる。
この前、飛鶴に対してボケてみたことがあったんだが、
『あー鬱だ。鬱すぎて鬱だわ』
そう言ったら進奏の場合は「日本語で喋れや」とか「お前、ついに人間の言語が不自由になってしまったか」とかツッコんでくれるのだが、飛鶴の場合は。
『その気持ち分かります。私もお兄ちゃんと離れていた時には鬱で鬱で仕方がありませんでした。これからはずっと一緒に居ましょうね♡』
ツッコむ所か、そのまま会話を続けられてしまった。しかも若干ヤバイ言葉が入っていたような気がする。
こうなると妙にツッコミが恋しくなってくるんだ。
「まぁ、とりあえず俺はサボるからよろしく」
「ああ、サボってこいサボってこい。適当に言っておくからサボって成績を落としてこい」
俺はこんな送り言葉を初めて聞いたんだが、まぁいい。
そんな言葉を背に受けながら俺は教室を出る。
部室に来た。
校舎の端っこにある教室。そこが俺の所属している相談屋の部室なのだが、午前中の今位の時間帯が一番窓からポカポカとした丁度いい温もりの日光が入ってくる。
そして窓を開けてみたら丁度いい爽やかな風が吹き抜けていく。俺が考える最高の昼寝スポットだ。
「依頼は放課後だったし、久しぶりにゆっくりしてもいいよな」
そして俺は窓の傍に椅子を置き、その椅子に腰をかけるとお気に入りの帽子を被り、目を瞑る。
夢を見る。凄く昔の夢だ。
俺が宇佐見に会う前の夢。
『ぱぱ〜まま〜どこっ? どこにいるの〜っ?』
夢の中の俺は叫ぶ。だが、その声は闇に消えていく。そんな孤独感のある夢。
寂しい。だが、誰も周りに居なくて……。
そこで目を覚ました。
目を覚ますと窓からは夕日が差し込んでいて、時間的にもう放課後だろう。
そして帽子の鍔を上げて前方を確認すると、目の前に一人の人物が居た。その人物とは──
「あ、起きた。おはよう輝山君」
「……宇佐見か」
宇佐見だった。
「どうして宇佐見がここに?」
「私が依頼人の秘封倶楽部の宇佐見 蓮子よ」
「……へ?」
俺は驚きのあまり変な声を出してしまった。
「宇佐見が依頼人?」
「そうだって言ってるでしょ?」
「げっ」
「何その露骨な嫌そうな態度」
嫌そうなんじゃなく、実際に嫌なのである。
宇佐見は不良の事を異常なまでに嫌う傾向にある。
そして俺が不良だって言うのは学校全体での共通認識だ。だから宇佐見の耳に入ってないはずがないのだが、そんな事を知っていたとしたら不良である俺に近づく理由はなんだ? 改心させるため?
いや、無いな。宇佐見は不良に関わることも嫌がるだろう。
だから改心させようとすら思わないだろう。
「はぁ、なんで不良である俺にみんな頼むかな?」
「え? 知らないの?」
「……何がだ?」
「輝山君はこの学校内で1位2位を争う不良であると同時に、一番信頼出来る裏表のない人として有名なんだよ?」
何それ初めて聞いたんだけど。
と言うか俺的には俺程裏表のある人って居ないと思うくらいだ。
そんな事で簡単に信頼されてもこちらとしては困るってもんだ。
「はぁ、この学校は物好きなやつばっかりだな」
「それはそうかもしれないね。でも実際、依頼達成率ってのが歴代で一番高いの輝山君なんだって先生方が褒めていたよ」
まぁ、そこまで難しい依頼ってのがあんまりなかったせいだろう。
「そんな事はまぁどうでもいいんだけど、依頼内容の手伝いってなんだ?」
「ああ、それはね。──宝探しよ」
「……寝るわ」
はい!第7話終了
どうでしたか?
新キャラ進奏にはこれからも活躍して頂きたいと思います。
それでは!
さようなら