東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 蓮子に脅されて秘封倶楽部に入会させられた。



 それではどうぞ!


第9話 雑談(ミッション)

side一輝

 

「ただいま」

「おかえりなさい!」

 帰ってくると飛鶴が玄関に来て挨拶を返してきた。

 

 その姿はエプロンをしていて、今料理している事が分かる。

 飛鶴の料理はなんでも美味いから楽しみなんだが、今日は少し肌寒い感じがしたから暖まる物が良いなぁ。

 そんな事を考えながら靴を脱ぐ。

「お兄ちゃん。ご飯にしますか? お風呂にしますか?」

「ん? あーそうだな……ご──」

「それとも……わ・た」

「ご飯が良いな! ご飯にしよう!」

 俺はすごい勢いで捲し立てるように言った。

 理由は高校生が大学生に対して言ってはいけない言葉が聞こえたような気がしたからだ。

「分かりました! すぐにご飯を用意しますね」

 そう言った後、飛鶴は小走りで台所へ戻って行った。

 

「はぁ……」

 ため息をつく。

 この世界は俺を過労死させたいのだろうか? そう思ってしまうような最悪の一日だった。

 まさかあの宇佐見が俺を脅してくるまでに成長しているとは思わなかった。

 

 俺は適当にカバンをソファの横に、ソファに腰をかける。

 ちょっと前までは俺一人で使用していた為、少し大き過ぎたように感じていたこのソファも、今では飛鶴も居るので二人で並んでテレビを見る分には困らなくてこれを買ったのは今では良かったと思っている。

 

「出来ました!」

 そう言って運んでくるは買ったけど開封もせずに奥底で眠っていた大きな土鍋。

 飛鶴はたまたま見つけてそれで料理を作ったんだろう。

「今日は少し肌寒いので味噌仕立てのお鍋を作ってみました」

 そう言って飛鶴はテーブルの真ん中に鍋を置き、蓋を開ける。

 するとその瞬間、いい臭いがこの部屋中に広がった。

 中を見てみると肉団子やいちょう切りの人参と大根、白菜、えのき茸、油揚げ等が入っていた。

 

「おぉ……美味そう」

 俺は思わず感嘆の声を上げる。

 そして飛鶴はお椀を一個手に取り、その中にバランスよく盛り付けていく。

 そしてその盛り付けたお椀を俺に手渡してくる。

「どうぞ召し上がってください!」

「ああ、いただきます」

 そしてまずスープを一口。

 その瞬間、幸せが口いっぱいに広がった気がした。

 なんだよ……これ。味噌のまろやかな風味に加え、野菜の甘みや肉団子の出汁がすごい効いてて美味い。美味すぎる。

 

「ど、どうですか?」

「やばい」

「え、え? どうしたんですか?」

「やばい、これは普通に店出せるレベルだ」

 だが、これに限った話ではない。

 飛鶴の料理の腕はどの料理であろうが店を出せるレベルで作り上げてしまう。

 まぁとにかく美味すぎるのだ。

「余計にあいつに食べさせるわけにはいかないな」

 その瞬間、背筋に悪寒が走った。

 店出せるレベルだと褒めた瞬間えへえへとだらしない声を出して喜んでいた飛鶴はもうそこには居なかった。

 居るのはただ奥底が知れない闇を映し出す瞳でこちらを見ている飛鶴だった。

 

「……お兄ちゃん」

「はい!」

 恐怖からか、自然と敬語になってしまう。

「あいつって誰ですか?」

「と、友達でごさまいますです! ……はい」

「友達って……女の子?」

「いえいえ! 彼は列記とした男でございます!」

「……ならいいです!」

 俺が男だと言った瞬間にさっきまでの張り付いた空気はどこへやら。一瞬で和やかムードに変化を遂げた。

 

 怖い。最近は飛鶴が怖い。

 偶に寝ている間にベッドに忍び込んでくるし、風呂にも入ってこようとするし、女に繋がりそうなワードを言った瞬間、今のように生死を彷徨う羽目になる。

 あの可愛い表情が急に氷点下に変わる怖さよ。

 

「んー。おいしいです」

 飛鶴も一口食べて幸せそうな表情になる。

 飛鶴は昔からそうだが、ご飯を食べている時はとても幸せそうな表情になるのだ。

 本当に美味しそうに食べるよな。

「幸せです。こうやってまたお兄ちゃんとご飯を食べれてるのが何よりも嬉しいです」

「最近は毎日一緒に食べてるだろ?」

「それでも毎回嬉しいんです!」

 まぁ、楽しくないとか苦痛よりかは嬉しい方が良いんだけどな。

 最近は飛鶴の居るこの生活に慣れてしまっていて、帰ってきてみると飛鶴が買い物とかで居ないと違和感を覚えてきている。重症かもしれない。

(ふふふ、順調ですね。お兄ちゃんの生活に私を刻み込んで、いずれは私無しでは生きられない体に)

 ふふふと不気味に笑う飛鶴。

 何だかな……。

 

「そう言えば飛鶴は明日が入学式だっけか?」

「そうですね。本当はお兄ちゃんと同じ学校に通えれば1番いいんですけど……」

「それは年の差的に無理だ」

「いや、お兄ちゃんが留年してくれれば一緒の学校に」

「俺は留年したくないのでな」

 そして俺は一杯目を食べ終わり、二杯目を(よそお)うとすると飛鶴にお椀を奪われ、代わりに装ってくれた。

 気持ちは嬉しいがそこまで奪ってまでやることか?

(ダメですよお兄ちゃん。お兄ちゃんは私に世話されるべきなんです)

 なんかこのままだと飛鶴にダメ男にされる気がしてならない。

 まぁ飛鶴が家事をやってくれる分、俺もサークル頑張って金を稼ぐか。

 俺の学校の学費は心配しなくていいから飛鶴の学費と生活費だな。

 

「ん? どうしました?」

 飛鶴を見ていると視線に気がついたようだ。

「いや、ありがとうな」

「どう……いたしまして?」




 はい!第9話終了

 今回はまったり回でした。

 次回は学校に戻るので進奏とのやり取りが見れるかも。

 それでは!

 さようなら
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