問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第十二話「やっと話に入れる……」

「……もう一度言ってもらえるかしら」

「もう殺した」

 

再びガルドの口から出た言葉に話を聞いていたほとんどのものは顔を青くし、一部のものは顔を背けていた。

まぁ、顔を背けたのはおそらく。人質を差し出した張本人だろう。

 

「……始めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭にきて思わず殺した。それ以降は自重しようと思っていたが、父が恋しい母が愛しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。けど身内のコミュニティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らないようn「黙れ!」っ!」

 

ガルドの人質の処理の詳細な説明に飛鳥は耐え切れなかったようだ。

 

「素晴らしい位の外道ね。さすがは人外魔郷の箱庭の世界といったところかしら」

 

飛鳥は後ろを向きながらねぇジン君?というと

 

「いえ、彼のような悪党は箱庭でもそうそういません」

 

とのことだ。

 

「彼もかつては森の守護者と呼ばれていた実力者だったのですが、地に落ちたものですね」

 

それはお前のコミュニティにも言えることだろう?しかし……

 

「森の守護者、ねぇ……」

 

そういうことか。

 

「どうかしたの?池上さん」

 

随分小さく呟いちまったもんだが春日部には聞こえてしまっていたらしい。

 

「なんでもねぇよ春日部、あと士人でいい」

「そう、私も耀でいい」

「悪いが俺は春日部の方が呼びやすいからそのままにしておく」

「そう」

 

俺と春日部が話しているあいだにも向こうの話は続いている。

 

「ところで、今の証言で箱庭の法がこの外道を裁くことはできるのかしら?」

「それは……かなり難しいですね。箱庭内での罪は箱庭内でしか裁くことはできません。それにここは箱庭の一番外側に位置していますから、申請してから許可が降りるまでに逃げられてしまえばそれまでです」

「そう、なら仕方がないわ」パチンッ!

 

飛鳥が指を鳴らすとさっきまで椅子に座らされていたガルドが勢い良く立ち上がっていた。

 

「こんの小娘がぁ!」

 

ガルドがそう言うと体が虎の姿へと変化していく、おそらくあれが本来の姿なのだろう。

 

「テメェ、どういうつもりか知らねえが・・・・・・俺の上に誰が居るかわかってんだろうなぁ!? ……箱庭第六六六外門を守る魔王が俺の後見人だぞ!! 俺に喧嘩を売るってことはその魔王にも喧嘩を売るってことだ! その意味が「黙りなさい、私の話はまだ終わっていないの」~っ!」

「魔王自体ならともかくその下にいるあなたに何を恐ろというのかしら?」

「……………殺す!」

 

堪忍袋の緒が切れたガルドが飛鳥に向かってその五爪をふり下ろそうとする、が

 

「喧嘩はダメ」

 

春日部によって完全に取り押さえられていた。

あの細身のどこにあんな力があるのやら。

 

「さて、ミスターガルド?あなたには今究極言っていいほどの選択肢が責められているわ。一つ、ここに居るものを皆殺しにして文字通り黙殺すること。二つ、箱庭からおめおめと逃げ出すこと。私個人としてはあなたが二つ目を選んで恥もプライドも投げ捨てて逃げていく無様な姿が見てみたいのだけれど、残念ながらそうはいかないのよね」

 

そこで、と一度言葉を区切り

 

「あなたに第三の選択肢をあげるわ。私たちとギフトゲームをしましょう。貴方の《フォレスト・ガロ》存続と、私達《ノーネーム》の誇りと魂を賭けて、ね」

 

さて、と

 

「残念だが久遠、そこまでだ」

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