問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第二十一話「見えないものが多すぎる」

「やったわ!」

「なんとかクリアってことか」

「あぁ、ただヤベェな」

 

門を通過した春日部たちを見て俺と飛鳥は喜んでいたが十六夜はそうでもなかった。

 

「どういうことだ?」

「春日部を見ろよ、気絶してる」

「なっ!?」

 

全員が春日部の方を見ると確かに力なくグリフォンの背中に項垂れている。

しかもグリフォンはそれに気づいてない様子だ。

グリフォンが春日部のほうに顔をむけると―――――――――って落ちたァ!?

 

「やばっ!」

「春日部さん!」

「動くな黒ウサギ」

「い、十六夜さん?」

「よく見てろ」

 

黒ウサギの救助を十六夜が止めたことと十六夜の言葉に俺たちは落ちている春日部を見守った。

……見守ったっていうのかこれは……。

すると突然春日部の胸のあたりから光が漏れ、下にあった頭が再び上に行き姿勢を正した春日部が目を開けた。

 

「起きたのはいいがここからどうするって―――――――――はっ?」

 

気がついた春日部はそのまま俺たちの方に歩いてきた―――――――――空を。

いみわかんね―――――――――!

それも足が空気に触れたとにき出ていた衝撃波、あれは完全に

 

「グリフォンの飛び方じゃねぇか」

「まっ、そういうことだ」

「十六夜、お前わかってたのか」

「まぁな」

 

俺と十六夜が話していると春日部が無事俺達のところに着地した。

 

「ただいま」

「おかえりなさい春日部さん」

「おつかれ」

「にゃぁ!」

「……三毛猫」

「やっぱり、お前の恩恵はほかの生き物の特性を手に入れる類のものだったんだな」

「違う、これは友達になった証。でもいつわかったの?」

 

そう、十六夜は春日部が落ちた時も冷静にその動きを見極め俺達を止めていた。

春日部が飛べることを知らなければ無理がある行動だ。

 

「ヒントはいくつかあった。まず、三毛猫と話をしていた件。これでお前の恩恵は動物関係だということがわかった。次に、黒ウサギとのギフトゲームの時、お前は三毛猫の唾液をつけてただろ?あの段階じゃあまだ鼻に自信があるってことしかわからなかったがその次の士人から聞いたガルドを抑えつけたって話で割と確信に近づけたぜお前のその細腕で大の大人、それも肉食獣の獣神を抑えるのはかなり無茶があるからな」

「なるほどな、だから黒ウサギが助けに行くのも阻止したってわけか。でももし、春日部が飛べなかったらどうする気だったんだ? ていうかお前だって十分に細腕だろうが」

「そんときは俺が助けに行ってやったよ。つーか別に俺は細腕じゃねぇよ」

 

十六夜の解説が終わることにグリフォンが俺たちの前に降りてきた。

 

「―――――――――」

「うん、大事にする」

「――――――――――――――――――」

「うん、またね」

 

グリフォンが何言ってるのか全然わかんね。

 

「どんな話ししてたんだろうな」

「さぁ、私たちにはグリフォンの言葉はわからないもの」

「いやはや、たいしたものじゃのう、おぬし」

 

いつの間にか白夜叉が俺たちの横にいた。

 

「あれ?黒ウサギに抱かれてたんじゃなかったのか?」

「そこの娘を助けに行くときに拘束が緩まったのでの、その好きに抜け出せたのじゃ」

「へぇ」

「ところでおぬし、そのギフトは先天的なものか?」

「違う、お父さんがくれたこの木彫りのおかげ」

「木彫り?」

 

そういうと春日部が胸のあたりあった木彫りを取り出した。

 

「さっき光ってたのはそれか」

「ふむ、円形の系統樹か、なかなか珍しいものを持っておるのぉ」

「そういうのって量産できたりしないのか?」

 

そうすれば結構便利だと思うんだが……。

 

「無理じゃな、系統樹に詳しいもの……この場合は生物学に通じたものかの?おぬしかおぬしの父親の近くにいなかったか?」

「お母さんがそうだった」

「なるほどのぅ……ん?この形は……ということはこの円形があらわすのは……ということじゃな。娘よ、おぬしの父親は神代の天才、それも大天才と呼べる人間じゃ、人の手で、それも箱庭の外、ギフトの概念がない世界で独自の系統樹を確立させ、それも恩恵と呼べるにふさわしいものにしておるのじゃからのう。ただ、詳しい内容については鑑定士に鑑定してもらわんことにはわからん」

「えっ?白夜叉様には鑑定できないのですか?今日は鑑定をお願いしたかったのですが」

 

黒ウサギの言葉に白夜叉はゲッ!?っという顔をした。

 

「鑑定は専門外なんじゃがのう(ボソボソ)……いや、あの手があったか!おんしら!ギフトゲームの報酬とコミュニティ復興の前祝いだ!受け取るが良い!」

 

白夜叉が手を一度鳴らすと俺たちの前、というかちょっと上のあたりからカードのようなものが出てきた。

十六夜のは青というより蒼色か?

久遠のは血みたいな色してるし。

春日部のはエメラルド色?

春日部のが一番まともだな。

んで俺の奴はっと…………真っ黒だな何か持ってるだけで呪われそうだ。

まぁ今更だけど。

 

「もしかしてギフトカードですか!?」

「なにそれお中元?」

「お歳暮?

「お年玉?」

「お札?」

「違います!権限している恩恵を収納できる上に各々ギフトネームがわかるという超豪華な恩恵です!」

 

それってむしろこれ取られたら手の打ちバレるのと同じじゃね?

 

「みんななんて書いてあった?」

「私は……威光、かしら」

「わたしは生命の目録とノーフォーマーだって」

「生命の目録ってのは多分その木彫りのことだな」

「うん、でもノーフォーマーってなんだろ?」

「いや、しらんけど」

「へぇ~なら俺のはレアケースなのか?白夜叉」

「なぬ?」

 

白夜叉が十六夜のギフトカードを見に行ったので俺たちもそれに習うと……正体不明?

 

「なっ!?ラプラスの紙片でも判別できんとは……おんしの力は一体なんなんじゃ?」

「教えねぇよ、それより士人のはなんだったんだ?」

「そういやまだ見てなかったな」

 

え~っとぉ?

………………………。

 

「おい、なんだったんだ?」

「いや、なんていうか真っ黒すぎてうまく見えねぇんだよ、ひとつは読めるんだけど」

「真っ黒?」

 

白夜叉再び。

 

「むぅ?■■の■、■■の■、呪われし■■■、判別拒否(コードエラー)!?」

「まぁ、そのひとつが読めても意味ねぇもんだったんだけど」

「おぃおぃ、お前までレアケースかよ。面白いじゃねぇか」

「こんなことは初めてじゃ恩恵を4つ持ちながらそのひとつもが理解不能なものとはのぅ~……ん?おんし」

「ん?」

「この呪われし、とかいう恩恵。顕現型の恩恵のようじゃぞ?」

「なぬ?」

 

そんなもの持ってないはずだが……。

 

「まぁ物は試しだ、出してみよ」

「出せって言われても……」

 

どうやって?

 

「これを出したい、と思いながらギフトカードを持てば出てくるはずじゃ」

「ふぅん、じゃぁ試しに」

 

俺はこの呪われし■■を出るように念じるとギフトカードから黒い闇が大量にカードから出てきた。

 

「うぉ!?」

「なに!?」

「なんじゃ!?」

「ヤハハッ!ほんとに呪われえてんのかよ」

「笑っている場合ですか!士人さん!大丈夫ですか!?」

「何にも見えんからわからん!」

 

俺が暗闇に困っていると急に闇が手元に吸い込まれるように集まってくる。

その収束が終わると一瞬だけまばゆい光が俺の目を照らした。

 

「まぶしっ!」

 

目がチカチカするがさっきの闇はもうなくなったらしい。

 

「士人さん、大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だ」

「それより、さっきの黒いのはなんだよ」

「わからん、それよりもその闇が手の方に集まってって………ん?」

「どうした?」

「これって……」

「あら、それ」

「うん」

「それは……」

「ん?なんじゃ?そのカードは」

 

そう、俺の手にはギフトカードとは別にもう一枚カードが握られていた。

黒い鎌を持った女のカード。

それは俺がこの世界に来てから初めてギフトゲームをした時にトランプの中から引いたものと同じ絵柄だった。




天月:最高話数記録更新!この調子で書いてきたいなぁ~
池上:いつまで書くんだ?
天月:とりあえずレティさんのお話くらいまではノンストップで行きたいかも
池上:なら、ちゃんと書けよ~
天月:頑張るよぉ~
天&池『ではまた次回!』

天月:あっそうそう、次から士人くんがここ出るとき表示が池上から士人に変わるから
池上:そなの?
天月:うん、みんな士人くんのこと名前で呼んでるしね
池上:なるほど
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