問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第二十四話「ギフト?恩恵ではない、贈り物だ」

「もう!なんでまたついてきてないんですか!」

 

あのあと、俺たちのところまで引き返してくれた黒ウサギに俺たちは正座を余儀なくされ説教されていた。

 

「今度はちゃんとついてきてくださいよ?」

「わかってるって」

「流石に二度はやらないわ」

「十六夜じゃあるまいしな」

「そうそう」

「俺を問題児筆頭みたいにしてんじゃねぇよ」

『みたいじゃなくてそうだろ(でしょ・なんです)』

「ピューピュー♪」フィ

 

俺たちが十六夜を攻めるとすねたように顔を背け無駄に上手い口笛を吹いていた。

 

「それでは今度こそいきますよ」

 

そんなこんなで再びコミュニティノーネームに向かって俺たちは進みだした。

そして…………

 

「ここが、私たちのコミュニティ……なんです」(´・ω・`)

 

コミュニティに到着した黒ウサギが元気良く手を挙げてコミュニティを指し示そうとしたがそのまま腕は下がり耳を下がった。

 

「おいおい、これは……」

 

さすがの問題児筆頭の十六夜も目の前の光景に絶句していた。

 

「土が死んでる……」

「こっちの柵もボロボロよ」

「建物なんか俺が蹴っても壊せそうだな」

「やめてください!?」

「やらねぇよ」

「にしてもこれはひどいですね」

「あんた、まだいたのか」

「ひまですから、それに魔王の爪痕がどんなものか気になりましたし」

 

確かにこれはひどいな。

草木は枯れたのか吹き飛ばされたのかまともなものは一つもない。

土なんか簡易的に砂漠化を起こしている。

とてもじゃないが人が住んでいたとは思えない場所だ。

 

「おい、黒ウサギ、魔王とのギフトゲームがあったのは何百年前の話だ?」

「ほんの、三年前のことになります……」

 

これが三年前の出来事だと?

 

「そりゃあ怪奇的だ、軽く見積もっても二百年は経過してるんだが」

「しかし、魔王の力ならば怪奇的なことだろうが起こりうるのです」

「これが魔王の力……か」

『ハッ!』

 

俺と十六夜は同時に鼻で笑っていた。

 

「いいぜいいぜ、最高だ!想像以上に面白いことになりそうじゃねぇか!」

「あぁ、本当に最高だ!ここだ、俺はここを探していたんだ」

 

ここでなら俺は……

 

「死ぬことができそうだ」ボソ

「えっ?士人さん、いまなんて」

 

ちっ聞かれたか。

 

「なんでもねぇよ」

「そうでしたか」

 

どうやら大丈夫のようだ。

 

「興味深いですね」

「!? 聞いてたのか」

 

俺のすぐ後ろには未だにあの店員がいた。

 

「えぇ、興味深いことではありますが今は聞かないでおきましょう」

「今は、か」

「えぇ、()は、です」

「なら、いつか教えてやるよ」

「いつか、ですか?」

「あぁ、いつか(・・・)な」

 

俺と店員はそう言い合うとお互いに静かに笑った。

 

「おいおい、いい雰囲気出してんじゃねぇよ」

「あら、箱庭にきてもう恋の花を咲かせているのかしら」

「手が早い」

 

急にこえが聞こえたからそっちを見ると俺たちの様子を見ていたのだろう三人が俺達をからかうような目で見ていた。

俺はすかさず店員にアイコンタクトする。

 

「(わかっているな)」

「(もちろんです、看板娘ですから)

「(よしっ!っていうかそれはもういい)」

「(気に入ってますので)」

 

気に入ってるんだ。

 

「どうなんだよ士人」ニヤニヤ

「説明してもらえないかしら」ニヤニヤ

「(コクコク)」

 

からかう気満々だな、だが甘い。

 

「あぁ、さっきちょっと話してるあいだに意外と気があってなどうやら俺は彼女に惚れてしまったらしい」

「私もです。これほどまでに素敵な殿方はいままで見たことがありません」

 

堂々としながら答える俺とそっと頬を染めながら俺の腕を掴む店員。

俺たちの返しにポカーンとした4人。

いつの間にか黒ウサギも加わっていたらしい。

もうひと押し行くかな。

 

「おぉ、相思相愛ってことか」

「そのようですね」

「どうだ?このあと俺の部屋で」

「いいのですか?」

「もちろん」

「では、おことばにあまえt「ストーップ!ストップです!」」

 

せっかくいいところだったのに。

 

「コミュニティには子供達しかいないといっているでしょう!そんなところでお二人は何をするつもりですか!」

 

顔と髪を真っ赤にしながら黒ウサギはこっちに詰め寄ってきていた。

 

「何って……」

「なんだと思ったのですか?」

「え、えと、あの、その」プシュー

 

黒ウサギは変な想像をして頭から湯気を出してしまった。

三人を見ると十六夜はニヤニヤしているが女性陣は二人とも顔を赤くしている。

 

「冗談はそこまでにしといてやれよ、初心な女たちが湯気上げてるぜ」

「じょ、冗談?」//

「そ、そうよね!冗談よね!」//

「じょ、冗談だったんですか!?」

「おいおい明らかにそうだったろうが、ていうか一目ぼれなんてそうそうあるかよ」

『えっ?』

 

俺たちは十六夜の言葉に疑問符を上げる。

 

『え!?』

 

それにさらに大きな声を張り上げる三人と絶句する十六夜。

 

「おいおい、まさか本当に一目惚れなのかよ……」

「そんなわけ無いだろ」「そんなわけ無いでしょう」

『…………………』

 

「(ここまで息がぴったりだとかえって怪しいわね)」

「(それに、あの店員と士人が仲良く演技するとは思えない)」

「(しかし、それを言ったら恋に落ちるなんてもっとない気がするのですが……)」

『ジー』

 

女性陣がこそこそ何か話したあと俺たちのほうを訝しむように見てくる。

 

「ここまででいいか……おい!黒ウサギ」

「は、はい?」

「ジンのところへは行かなくていいのか?」

「そ、そうでした。水樹の設置もしなくてはいけませんし、行きましょう皆さん」

 

黒ウサギはそう言いながらコミュニティの奥の方へ進んでいった。

女性陣もそれについていく。

 

「で?実際にはどうなんだ?」

「さぁ、どうでしょう」

 

十六夜がまだ残って俺に聞いてきたので適当にはぐらかしておく。

 

「それでは私はそろそろ戻りますので」

「おう」

「それと」

「ん?」

「ちょっとギフトカードを出してこちらに向けてください」

 

言われたとおりギフトカードを取り出し店員に向ける。

すると店員は懐からおそらく店員のものであろうギフトカードを取り出すと俺のギフトカードに軽く重ねた。

 

「何したんだ?」

「ギフトカードを見てください」

「なんだ?………ギフトボックス?」

 

ギフトカードの内容を見ると何やら恩恵、ギフトが増えていた。

 

「ギフトボックスとは顕現しているギフト以外のものをその箱の中に入れることでギフトカードの中に入れられるようになるギフトです」

「なんでそんなものを俺に?」

「私が渡す予定のものはその中身ですので、ただ、持っていくのにかさばりますから。あとはオーナーから『ついでの餞別じゃ』とのことです」

「へぇ」

 

ギフトボックスねぇ、意外と便利そうなもんが手に入ったもんだ。

 

「それでは……あなたとの演技はなかなか面白かったですよ」

 

店員がそう言うと一陣の風が吹き、俺たちの視界を隠す。

目をあけるとそこには誰もいなかった。

 

「ってことだ」

「なんだ、演技かよ。期待して損しちまったぜ」

「サウザンドアイズにコネでも作る気かよ」

「まぁな、それにあの女も相当強ぇみてぇだしな」

「そうかい、そろそろ行こうぜ。また黒ウサギにどやされる」

「それもそうだな」

 

俺たちはそう言うと黒ウサギの行った方に急いだ。




割烹:ギフトボックスの中身は彼が気に入ってくれたものが入っています。
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