問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第二十六話「大勢の前で自己紹介するのは意外と緊張するもんだと思う」

「うぅ……またびしょ濡れになったのですヨ~」

「全く、こっちのセリフだぜ」

「おかえり、お二人さん」

「おう……なんでお前は濡れてねぇんだ?」

「木の板でサーフィンしてみた、むしろ十六夜はなんで濡れてるんだ?」

「うるせぇ、コケに足取られたんだよ……」

「プッ!」

「笑うな!」

 

帰ってきた十六夜と黒ウサギを出迎えるついでに十六夜を弄っておく。

 

「黒ウサギ、みんなにみなさんのことを紹介したいと思うのですが……」

「あっ!そうでしたね!」

「ねぇねぇ、その人たち新しい人?」

「強いの?」

「さっきの水の上滑ってたのカッコよかったー!」

「yes!みなさん強くて可愛い人たちですよ!」

「……可愛いだけ言ったってことは俺たちのことは言ってないよな?」ボソッ

「見習って欲しくねぇんだろ、俺たちは問題児だからな」

「わかってるんだったら少しは自重してください!」

「嫌だね!」

「俺なんかしたっけ?」

「あの高さから落ちて死んでない士人さんはある意味十分問題児です。というか何で普通に動けるんですか!?」

 

あぁ、あれか。

でもあれってさぁ

 

「落としたのはお前らだろうが」

「うっ!」

「まぁ、そんなことはどうでもいいか。とりあえず子供に挨拶ぐらいはしとこうぜ?」

「それもそうね」

「んじゃ俺から。池上士人だ、今日からこのコミュニティで世話になる、この中では一番まともだと思うぜ?」

『それはない』

「ひど」

 

声揃えることねぇじゃん。

 

「まぁよろしくな?」

『よろしくお願いします!』

「お兄さん!さっきの水の上滑って他の何!?ギフト!?」

「あれは実際には木の板を足の下に敷くんだ、なれたら誰にだってできる。時間があったら教えてやるよ」

「うん!」

「あ!俺も教えて欲しい!」

「私も!

「僕も!」

「時間ができたらな」

 

全員元気のいいこと。

 

「次は俺か、逆廻十六夜だ。十六夜様とでも読んでくれ」

『よろしくお願いします!十六夜様!』

「……やっぱりいい、普通に頼む」

 

十六夜が撤回した理由としては後ろでイイ笑顔をした黒ウサギがどこから取り出したかハリセンを構えていたからだと言えるだろう。

 

「次は私ね、久遠飛鳥よ。宜しくね」

『よろしくお願いします!』

「最後は私、春日部耀。よろしく」

『よろしくお願いします』

「……!」ピクッ

「どうしたんだ?春日部」

「いま、なんだか力が……」

「それはおそらくこの中にいる子の多くが獣のギフトを持っているからです。おそらくは春日部さんのギフトに反応したのでしょう」

「そう」

 

短く答える春日部だったがその顔は嬉しそうだ。

まぁ、力が貰えたってことは友達になった、つまりはコミュニティの一員として認められたって事だしな。

 

「さて!みなさんの自己紹介が終わったことですし歓迎会を催し……たいところなのですが」

「コミュニティの現状なら知ってる。そんな状態でする必要はない」

「そのまえにお風呂には入れないかしら?流石に一回濡れた服をずっと来たまんまなわけだし」

「そうですね!ではお風呂を用意しますので少々……ジン坊ちゃん?お風呂の掃除はしてありましたっけ?」

 

黒ウサギが不安げに聞くとジンは後ろの狐耳の少女に話しかけた。

 

「リリ、お風呂掃除したっけ?」

「ううん、まだだよ?」

「ってことらしいけど」

 

ジンとリリと呼ばれた少女の答えに若干いやな汗をかいた黒ウサギは速攻で俺たちの方に頭を下げた。

 

「半刻ほどお待ちください!すぐにご用意いたしますので!」

 

と、急いでどこかに行ってしまった。

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