問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第二十七話「とりあえずお前ら、よだれを止めろ」

「それじゃあ、風呂が準備できるまでどうする?」

 

しばらくは暇だろうしなぁ?

 

「そういやお前、さっきなんかギフトもらってただろ。あれの中身なんだったんだ?」

「ギフト?士人くんそんなものもらってたの?」

「ん?まぁな、まぁ悪いもんは入ってないだろうし中で確認してみようぜ。ジン、案内してくれよ」

「はい、わかりました。こちらです」

 

ジンに案内された場所は、広く真ん中に大きな机が用意されている部屋だった。

 

「それで、一体何のギフトを渡されたんですか?」

「ギフトボックスだ」

「ギフトボックス!?」

「珍しいのか?」

 

モノを入れる箱なんだろ?

 

「当然です、ギフトボックスとはギフト以外のものを入れ、それをそのままギフトカードに収容できるというシロモノです」

「それはきいた」

「その上ギフトボックス内は異空間に擬似的につながっているので箱自体の容量よりもはるかに多くのものが入ります」

「ほぉ~それは便利なシロモノだな」

「はい、ですからギフトボックスはいわゆる金庫としても使うことができるため大変貴重なギフトなんです」

「まぁたしかに、そういうことだな」

 

とすると、白夜叉は随分といいものをくれたな。

 

「まぁ、それはともかく中身でも見てみようぜ」

 

俺はギフトカードからギフトボックスを取り出す。

見た目は真っ黒な箱そして施錠されているな。

どうやって開ければいいんだ?

 

「おいおい鍵が付いてるぜ?これじゃあ中身がわかんねぇぞ」

 

十六夜の言うとおりだな。

ん?なんか紙がついてるな。

 

「なんだこれ……説明書?」

 

ふむふむ。

 

「なるほどな」

「なんかわかったのか?」

「あぁ、ジン、ナイフか何か貸してくれ」

「わかりました」

 

そう言ってジンはどこかに行ったかと思うと5分ほどで戻ってきた。

手には果物用のナイフが一つ。

 

「まさか、そのナイフで開けるなんて言わないわよね?」

「違う、これはこうするんだ」

 

俺はジンからナイフを受け取ると手のひらを切りつける。

 

「ちょっと!士人さん?!」

「落ち着け、深くは切ってない」

 

深く切っても問題はないけど。

俺は血が出ている手を施錠されている鍵穴に重ねる。

すると、手のひらから流れ出ていた血が鍵穴に吸い込まれるようにしてなくなっていく。

ってか吸いすぎだろこれ!

 

「ちょっと、本当に大丈夫なの士人くん」

「あ、あぁ大丈夫なはずだ」

 

しばらくそのまま血を流し続けると鍵穴と手のひらの間が一瞬光るとあいだに赤黒い鍵が現れた。

 

「鍵?」

「あぁ、コイツの鍵は個人個人違うものになるらしくてな、作るときに持ち主の血を使うらしい」

「それで手のひらを切っていたというわけね」

「そういうことだ」

 

俺は鍵を鍵穴に差し込むと一歩離れる。

 

「? 開けないの?」

「開け方が違うんだよ……開錠(アン・ロック)

 

俺がそう言うと同時に箱は光りだし鍵が回るカチッ!っという音が聞こえ、箱は開いた。

すると中から大量の白い箱が現れる。

 

「何だこりゃ、箱の中からはこってマトリョーシカかよ」

「いや、どうやら違うらしい。みんな箱を開けてくれ」

 

周りにいた子供が次々に箱を開いていくと喜びの声が聞こえる。

 

「お兄さん!これ!」

「何が入ってたんだ?」

 

俺たちが箱の中を覗くとそこには…………バームクーヘンが入っていた。

 

「バームクーヘンだな」

「バームクーヘンね」

「うん、バームクーヘン」

 

どこからどう見てもバームクーヘンだ。

まだ箱の中になにか残ってるみたいだな。

俺はギフトボックスの中に手を突っ込む。

なんか何もない空間に手を突っ込むのは変な感じだ。

奥に手を伸ばすと紙のようなものを二つほど触る。

 

「なんだこれ」

 

その二つを取り出すと二つ手紙があった。

二つの封を開いて中を見てみる。

 

”どうも、看板娘です。これを見たということは鍵を開けたんですね?説明書に書いてあるとは言え、自ら血を流すとは驚嘆です。今回、私から送ったのはあなたがサウザンドアイズで食べていたバームクーヘンと同じものです。おそらくノーネームではまともに歓迎会など開けないでしょうからこれでも食べてください”by可愛い看板娘より

 

バームクーヘンはありがたいがさりげなくノーネームをけなしてないか?

しかも自分で可愛いって……しかもよく見ると名前の横に店員の顔書いてあるし、しかも無表情でピースしてる……なんか吹き出しがあるな、”看板娘です”?どこまで看板娘プッシュしたいんだよ!

 

「ねぇ、兄ちゃん!これ食べでいいの!?」

 

ふと横を見ると八重歯をのぞかせた……犬?の獣人の女の子が目を輝かせながら聞いてきた。

 

「あぁ、食べていいぞ?ただし全員揃って準備が出来てからな」

「うん!」

 

元気よく返事をすると犬獣人娘は子供たちの群れに戻っていった。

 

「そういやぁ、手紙もうひとつあったな」

 

誰からだ?

もうひとつの手紙を開く。

……白夜叉からか、内容はっと。

 

「え~っとn「皆様!お風呂の準備が出来ました!」早かったな」

 

まだ半刻も経ってないぞ。

 

「女子から入っちまえよ、男はあとからでいい」

「あらそう?じゃぁ遠慮なく。行きましょう?春日部さん」

「うん、いこ?三毛猫」

「にゃ~」

「それでは黒ウサギもってなんですかこの大量のバームクーヘンは!?」

 

今更気付いたのか。

 

「説明なら風呂で春日部たちから説明してもらえ」

「……わかりました。それじゃあ飛鳥さん、耀さん。説明よろしくお願いしますね?」

 

そういいながら女性陣は風呂に向かっていった。

 

「で?なんで先に行かせたんだ?」

「女先に入れるのが変なことか?」

「十六夜がいうならな。お前なら『なら全員で入るか!』ぐらいは言いそうだと思ってな」

「俺は変態じゃねぇよ」

「でも、自分の欲望には正直だろ」

「まぁな……風呂に女を先に行かせたのは俺がまだ入れねぇからだよ」

 

入れない……ねぇ?

 

「それは……外にいる場違いだお客さんのとこを言ってんのか?」

「気づいてんのかよ」

「あぁ」

「なら話ははエェ、ちょっと挨拶しに行こうぜ?」ニタァ

「いいぜ?……おい、ガキども。俺たちちょっと用があるから女性陣が風呂から出てきても俺たちがいなかったら先に入っとけ。全員風呂から上がったら歓迎会すっから」

『わかった!(ました!)』

「歓迎会ってバームクーヘン用意したのお前だけどな」

「引越しそばみたいなもんだと思えばいいさ。それより行こうぜ?」

「だな」

 

そのまま俺と十六夜は外の方に歩き出した。

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