問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ?   作:天月照詠

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第三十話「フラグって大切だと思うんだ」

ガルドが森に姿を消したあと参加者の俺たちはひとかたまりに集まっていた。

 

「で、誰から行く?」

「そもそもジンくんは戦えるのかしら?」

「まぁ、ただ正直期待してもらえる力は僕にはありません」

「お前はまだガキだ。小さいうちから期待されようとするな、プレッシャーですく潰れるぞ」

「ここは、安牌としては春日部さんがいいと思うのだけど」

「私?」

「そうだな、前の時もガルドを抑えていたのは春日部だ。腕力の問題はないだろう」

「わかった、なら私から行く」

「外からは応援くらいしかできませんが、頑張ってください」

「うん」

 

そう言うと春日部は参加者の腕章を取り付けると森の中に入った。

あの腕章を外すかちぎれば降参になるらしい。

あと、付けている本人しか外せない。

ただし、付けている本人が戦闘不能になると勝手にちぎれるらしい。

 

「腕章が外せない状態までやられるとやばいな」

「大丈夫じゃない?春日部さんなら直ぐに終わらせてきてくれると思うし」

「そういうことをいうと……」

 

”があああぁあぁぁぁあぁ!!!!”

 

「今のは」

「虎になった春日部だな」

 

後ろを向くといつの間にいたのか十六夜と黒ウサギが来ていた。

 

「なるほど、虎になった春日部か」

「あぁ」

「って!そんなわけ無いでしょう!このおバカ様!」

 

そう言いながら十六夜をハリセンで殴る黒ウサギだが……。

 

「否定するには早すぎるんじゃないか?」

「えっ?」

「獣の咆哮は同じく獣を黙らせるにはぴったりだからな春日部が何らかで使ったとしてもおかしくはない」

「………………たしかにそうかもしれませんね」

「とりあえず、勝っても負けても、春日部さんが無事に帰って来てくれることが頼りですね」

「気絶されては情報もないからな」

「あなたたち……勝ってくるという考えを持てないのかしら」

「そ、そうですよ!春日部さんを信じましょう!」

「「…………ハァ~」」

 

飛鳥と黒ウサギが何か言ってる中俺と十六夜は揃ってため息をついた。

 

「…………なにかおかしなことでも?」

「いや、ただ」

「そんなに勝ってくるのを当然、って言い方すると変なフラグが立ちそうでな」

「十六夜もそう思うか?」

「あぁ、ともかくお嬢様と黒ウサギが負けフラグを立てまくるからな俺たちでそれを打ち消そうかと思ってな」

「そのふらぐというものはよくわからないけれど、負けることを前提とした会話が負けふらぐをうちけせるの?」

「”あいつなら楽勝”、”負ける理由が見当たらない”、”さっさと終わらせてくる”」

「? 何それ」

「戦いにおいての負けフラグなセリフだ」

「逆に”あいつが勝てるはずがない”、”今度こそおしまいだ”、”もう、ここまでか”が生存フラグとも言えるものだが、要するに否定しすぎれば反転するってことだ。負けフラグが負けフラグになるのもそれが理由だな……っとそう言っているあいだに」

 

俺たちの目の前から何かが歩いてくる。

その動きはおぼつかないかんじで今にも倒れそうだ。

森の影から姿を現したのは………………体のいたるところから出血している春日部の姿だった。

 

 

「まっ、負けフラグなくしたって勝てるわけじゃあないけどな」

 

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