問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ? 作:天月照詠
私の言葉とともに剣からまばゆい光が放たれる。
本当にこれで大丈夫なんでしょうね、黒ウサギ!
これでダメだったら私、かなり痛い人なのだけれど!
光がやんで目を開くと私は目を見開いた。
目の前にあった無骨な剣は刃は研がれ、柄の部分には少しだけれど装飾が施されている。
それよりも、この件からは重さが感じない。
重さがないというわけではないわね、あくまで私に重さとしてのデメリットが感じなくなっているだけ。
担い手のための最小限のパワーアップ。
私が本当の騎士とかだったらもう少しうまく使えたのかもしれないのだけれど
「これだけでもあれば十分ね」
私はそう言いながら剣を構えた。
「ここから先は私のターンよ」
私の言葉がわかったのか、それともさっきを感じたからか。
ガルドは剣への恐れを振り払ってこちらに向かってきた。
でも、
「いったはずよ、ここから先にあなたのターンはないわ…………”木よ、彼のものを拘束なさい!”」
「ガッ!?」
私のギフトに反応した木が、枝を伸ばしてガルドの四肢の動きを縛る。
私はそのままガルドの目の前に立って心臓のあたりに剣を立てる
「さて、このままあなたを刺してしまえば貴方は死亡確定。どうします?ミスター」
「グルルルル…………」
私はこの時勝利を確信した。
だけど私はこの時気づくべきだった。
彼を、ガルドが縛られているのは虎の状態だからであり、人型になってしまえば簡単に抜け出せたはずのことを。
彼が虎の時でも
この時の私はそんなことにも気付かずに続けた。
「………………」
「あら、どうしたのかしら?そのまま黙ってしまうのは紳士としてはいただけないわね」
「………………」
「……何か言ったらどうなの?」
私がそう言うとガルドは少し俯きがちだった顔をこちらに向けた。
その瞬間騎士の剣である聖なる騎士の十字剣が妙に震えた。
私はとっさに耳を塞ぐ。
「……ガアアアァアァアアァ!!!」
咆哮、士人くんが言っていたほかの動物に対して有効な手段。
おそらく春日部さんもこの方向で動きを封じられたのでしょうね。
「でも、今動けないのは向こうの……なっ!?」
私は驚いて言葉を失った。
なぜならガルドの様子が変わっていたから。
赤かった目はさらに紅く。
黄色がかっていた毛色は真っ白に。
「何よ、これ」
私が呆然としていたあいだにガルドは周りの枝を引きちぎってしまった。
「まずっ!?」
ガルドが一気にこっちの飛びかかってきた。
でもその速さはさっきの時よりも数段早い。
私は思わず剣を構えてしまった。
人のみにどうにかできる衝撃だとは思わなかったのに。
「グウ!?」
「?」
思っていた衝撃は来なかった。
いえ、正しくは思っていたほど来なかった、かしら。
私が剣に目を向けると…………剣の腹で受け止めていたガルドの手のひらが痛々しいほどに焼けていた。
「どういうこと?」
紅い目、パワーアップ、白くなった体毛、白い十字剣、やけど、私の中で重要なピースが当てはまっていく。
まさか―――――――――
「あなた、吸血鬼にでもなったというの?」
力、速さが上がったのもわかる。
吸血鬼は圧倒的な戦闘力を持っていると聞くわ。
それと同時に弱点が多いことも。
流水、銀、太陽。
ほかにももっとあるけれど最もとして魔を払うもの、そう、十字架。
この十字剣が十字架として見られ聖なる騎士の十字剣となって聖なる力を持っているのだとしたらあのやけども納得ができるわね。
彼の弱点は見えたわ。
でも、おそらくこのまま私が戦っても勝つことは不可能でしょうね。
かと言って士人くんかジンくんにこの剣を渡しても元のただ白い十字剣になってしまうでしょうね。
「なら私に出来ることは、彼に少しでもダメージを与えること」
私は再びガルドに剣を向ける。
「少しは抗わせてもらうわよ―――――――――!」
私はそのままガルドに向かっていった。
天月:天月先生の次回作にご期待ください
飛鳥:まだ終わってないでしょ!?
天月:ということで今回のゲストも飛鳥ちゃんで~す
飛鳥:スルーしないでもらえるかしら!?
天月:まぁまぁ飛鳥ちゃん落ち着いて
飛鳥:わかってるわ
天月:まぁ打ち切りっていうのは冗談として、飛鳥ちゃん視点が終わりっていうのはあるね
飛鳥:あら、そうなの?あんな解説しながら戦うのは面倒だしありがたいのだけど
天月:ナハハ、そういうことはあんまり言わないでね?
飛鳥:次回からは士人くんの視点なのね
天月:そうだね~、ということで
天月&飛鳥『次回もお楽しみに!』