問題児と死にたがりが異世界から来るそうですよ? 作:天月照詠
池上:どうしたんだ急に
天月:五話も連日投稿できるとは思ってなかったよ~
池上:はいはい、その調子で頼むぞ
天月:まぁ~話はあんまし進んでないんだけどね
池上:ホントにな、今のところ人によっては一話で終わってるしな。
天月:気にしない気にしない
天、池:『それでは始まります!』
「その紙はなんだ?」
「これはギアスロールと言ってギフトゲームのゲーム名、参加者、クリア条件、敗北条件、違反行為などが記された、いわば契約書です」
どうぞ、と言いながら黒ウサギがこっちにギアスロールを渡してきた。
なになに? ギフトゲーム名:名のあるものを見つけ出せ?
あぁ、キングとクイーンとジャックはそれぞれ13、12、11の別称だからか。
プレイヤー一覧:逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀、池上士人
クリア条件:トランプを一枚選び絵札であることを示せ
敗北条件:選んだカードが絵札でなかった場合……か。
運だけでやるにしては面倒なゲームだな。
にしてもなんでこの文字読めるんだ?
明らかに日本語じゃないんだが?
「では、トランプをおきますね」
「その前に、トランプの確認をさせてもらうわ」
「ええ、構いませんよ」
飛鳥が黒ウサギからトランプを受け取るとそのうち数枚を春日部に渡していた。
何をしてるんだ?
飛鳥はトランプに少し傷をつけてるな。
春日部は……猫の唾液をつけてるのか?
十六夜はトランプを見るふりをして二人の行動を見てるな。
ただ、なんで全員こっちを見るんだ?
別に俺はやましいことはしてないぞ
二人が仕込みを済ませたあと黒ウサギにトランプを渡し、その後トランプを一列に並べた。
「それでは、誰からカードを選びますか?」
「なら、俺から行かせてもらうぜ」
黒ウサギの言葉にすぐさま反応した十六夜がカードがバラ巻かれた机の前まで移動していた。
にしても随分自信満々だなあいつは何もしてなかったからてっきり先に二人に何かさせるもんだと思ってたんだが。
「さっきは素敵な挑発をありがとよ」
「え!?いえいえ」
「こいつは」
? なんであんなに高く手を挙げてるんだ?
「そのお礼だ!」
バンッ!
その音と共に一列に並べられていたトランプのほとんどが宙を舞った。
「な、な、な」
「じゃあ私これ」
「私はこれ」
「なら俺は「お前は取るなよ池上」なんで?」
ほかの二人はとってるんだからいいじゃん。
「ちょ、ちょっと待ってください!いまのは……」
「なにもルールには触れてないぜ俺はトランプを一枚選んだその時に勢い余ってほかのが舞った。ヲレを戻す前にほかの二人がトランプを選んだ。ただそれだけじゃねぇか」
「それはそうですけど」
黒ウサギが耳をピクピクと動かすと
「箱庭の中枢から有効であるとの判定がくだされました。飛鳥さん耀さんはクリアです」
「「やった」」
黒ウサギからの宣言に女子二人がハイタッチを交わしていた。
「で、ですが十六夜さんと士人さんがまだです!」
「おいおい、俺を誰だと思ってやがる」
そう言いながら十六夜が持っていたカードをひっくり返すとそこにあったのは……クラブのキング。
「な、どうやって……」
「覚えた、すべてのカードの順番をな」
そこから十六夜は横にあるトランプをめくりながら
「このカードのとなりはダイヤの9、クラブの2、スペードのジャックだ」
十六夜がそう宣言すると黒ウサギは何やら魂が抜けたような顔をした。
「やるじゃない、でもおかげでこちらが考えていた手が無駄になったわ」
「ウンウン(コクコク)」
「そいつは悪かったな」
「そろそろ俺もカードを選んでいいか?」
「あぁ、ちょっとまて黒ウサギ」
「は、はい!なんでしょう」
「いま表になっているトランプをすべてどかせ」
「へ?」
「なっ!?」
こいつ何言いやがる?
少し離れたここからでもあいつが宣言した2枚以外にも他に絵札があるのは見て取れる。
それをどかすだと?
「なんでそんなことする必要がある?」
「一度表になっちまったら裏返したって俺にみたいに覚えられるからな。同じ手を見るのは詰まんねぇだろ?」
「そうかい」
こいつ、本当に快楽主義者だな。
「黒ウサギ、やってくれ」
「えっ!?いいのですか?」
「あぁ、どうせ変わらんしな」
「???」
頭にはてなを抱えながら黒ウサギは表になっているトランプをしまいだした。
その後ろでは三人が
「ちょっと、どういうつもり?」
「何がだ?」
「彼のことよ」
「もう、あのトランプには絵札は残ってない」
そう、池上の視点からでは数枚だと思っていたが、十六夜のすぐ近くにいた二人には表になっている絵札の数が丸見えだった。
自分たちが2枚、十六夜が選んだ一枚と公開した一枚。
そして無造作に表になっていたものが8枚。
これでは、表になってしまったら絵札は一枚もなくなってしまう。
「いいんだよ、あいつだけ何もしてなかったんだ。勝つ気がないやつには負けてもらったっていいだろ?」
「あなた、サイテーね」
「まぁ、そう言うなよ。それにあいつが言ってたことも気になるしな」
「え?」
「…………」
「はい、それではトランプをしまい終わりましたので池上さん、一枚選んでください」
「……」
なんでこうなったんだか。
ほか三人は黒ウサギの後ろからこっち見てるし。
数少なくなったトランプからさらに数少なくなった絵札。
そこから絵札を、しかも仕込みなしで選び取るなんて普通は無理だ。
「ふぅ、なぁ黒ウサギ」
「はい?」
「俺さぁ、昔からトランプのゲームの中であるゲームが一番嫌いなものがあるんだ」
「? 何ですか?」
「それはな」
そういいながら俺はカードを一枚選び取るとそのまま見ずに見せた。
「なっ」
「え!?」
「!」
「へぇ~」
そのあとにそのカードを表にして机の上に置く。
「ババ抜きだよ」
そこには、本来なら52枚のうちには存在しない黒い鎌をもった女性のカード、ジョーカーがあった。