ダンジョンで彼に出会うのは間違っているだろうか 作:melu-
では、始まりです
9階層
深部にて
「思っとたよりあっさりしとるのぉ」
9階層で数度目となるニードルラビットの群れを倒し、斧を肩に担ぐガレス
「そうだね、あっけない感じはするよね」
ニードルラビットから魔石を取り出し終わったフィンは立ち上がりバックバッグにそれをしまう
「私の特訓のおかげだな」
そう言ってリヴェリアはリオのほうを見る
「うん、先生のおかげで魔力制御のコツがつかめたよ!」
満面の笑みでリヴェリアに返すリオ
「ホントよ、私の負担も減ってより魔法の威力が上がったわ」
リオの肩でダイアモンドダストを振りまくルナ
ロキファミリア一行は着実に力をつけ軽々とモンスターの群れを撃退するまでに至ったのだ
まず、リヴェリアとの特訓にて魔力制御を覚え、少しだが自分で攻撃魔法を発動できるようになったリオ
その特訓でリオの魔力を制御するにあたり自らの魔力精製速度や精度が上がり格段に魔法の威力が上がったリヴェリア
その特訓の傍ら、漏れ出た魔力を使い、周りには遊んでいるようにしか見えないが、高度な魔素変換などを行い技術が上がったルナ
魔導士3人が特訓しているので暇を持て余しダンジョンに潜ってたら、なんかキラーアントの群れを1人で捌けるようになったガレス
ガレスと同じく暇を持て余し、ダンジョンに潜りニードルラビットの群れの中こちらからは一切攻撃せずニードルラビットの同士討ちにより全滅させたフィン
昼寝しすぎて、逆に眠くなりまた寝てしまったロキ
ここ数週間でロキファミリアは大きく成長したのだ
だがそれは強化種たちにもいえること
リオがダンジョンにいなかったのでフィンたちは強化種に襲われなかったが、彼らもまた着実に力を溜めている
7階層から9階層は基本同じようなダンジョンの構造、モンスターなので苦労することなく突破することができた
これから探索するのは上層最深部分、10階層から12階層、ダンジョンギミックが出現する場所
霧が濃く、仲間ともはぐれやすく、奇襲も受けやすい
厄介なモンスターインプの初登場や、中型モンスターであるオーク
「が、問題なく攻略できると、僕はふんでいる」
10階層への階段手前新たな階層進出にむけての会議だ
フィンはロキファミリアの仲間を見渡し告げる
「頼もしい魔法使いが3人、必ず僕たち前衛が
リヴェリア、リオ、ルナは頷き頼もしい小さな戦士を見る
「ただ1つイレギュラーがあるとすれば、それは強化種の存在。だがそれすらもはねのけることが可能だと、僕は信じている」
これからの未知に負けないように仲間を鼓舞するフィン
そのカリスマ性は、一族を復興させ導く
「リオの記憶を取り戻すためにも僕たちは止まってはいられない」
その手にもつ槍を掲げ叫ぶ
「行こう!!」
10階層
「、、なんにも見えないね」
あまりの霧の濃さに思わずつぶやくリオ
「そうだな、はぐれないように気をつけろよ」
リヴェリアが辺りの警戒を怠らないようにしながら告げる
辺りは霧が濃くほとんど先が見えない
そんないつモンスターに襲われてもおかしくない状況なのだがさっきから、10階層に足を踏み入れてから、1回もモンスターと遭遇していない
それに加えて同業者にも片手で数えるほどの人数としか会っていない
モンスターの気配もせず戸惑いを隠せない一行
「このままいくと、11階層についてしまうぞ」
確かにそれくらい進んでいる
「ゼウスファミリアたちがダンジョンを確認してからそこそこ時間が経ったからね」
ゼウス、ヘラの両ファミリアの精鋭がダンジョンの異常を確認した時にはまったくもって異常がなかった
モンスターの数が少ないとの報告を受けていたがここまで少ないのはどうかしている
「やはり、強化種の影響か」
「そうだね、これだけモンスターが少ないと、他の冒険者たちもどんどん下に降りていくだろうね」
人気もモン気もしない10階層
このまま、9階層に引き返すわけにもいかずどうするんだろうとリオが思っていると
「、、11階層へ行こう」
フィンが切り出した、11階層への進出
確かにこのままここにいても、何も得ることはない
なら、1つ階層を飛び越えて冒険をするのもいいだろう
全員が納得したその瞬間
『ゴゴゴゴゴゴ、、、、』
大きな揺れが起き、地面に亀裂が走る
「なっ!?」
揺れと驚愕から全く体を動かせない一同
次第にひびは大きな割れ目になり10階層を縦断する
その亀裂はちょうどフィンたちの後ろ、9階層、地上へと続く階段の間に大きく深くできた
広がり続けていた亀裂はとても冒険者が渡れない距離までになりようやく止まった
「なんだったんだ、?」
目を丸くしたリヴェリアのその問いは、誰の答えも得られぬまま亀裂の奥底までこだましたのだった
地上
『ゴゴゴゴゴゴ、、、、』
「なんやっ!?」
突然の大きな揺れに腰を抜かすロキ
しばらくして収まった揺れは、ダンジョンの上に住むオラリオの住民に大きな不安を与えた
ざわつく大通りを通り抜け、小さな路地に入っていくロキ
「今のは、、ダンジョンが嘆いとったんか?」
自分の役目を果たすために薄暗い路地を淡々と歩き独り言ちる
ロキが向かう先は、都市最強のファミリア
「あんのジジィに頭下げんのめっちゃ腹立つけど、、、」
都市最強の双角、その片割れであるゼウスファミリア
その主神に直接会うことは難しいことだが、ロキにはそれが容易にできる
「リオとルナのためでもあるし、、」
しばらくすると、ようやくたどり着いたゼウスファミリアのホーム
まるで城のような大きさの建物に、立派な門
「かぁ~~、腹立つわ」
王者の貫禄が漂う建物を前にロキは悪態をつく
「まぁ、今はええわ。とりあえずはよぅ出てきてもらわんとな」
先ほどから門番がロキのことを不審な目で見つめている
「門番まで用意しよって。、、ふんっ!」
ロキが1つ
『ダッダッダッダッダッ!!』
門の向こうから土煙をあげながら走ってくる人影
するとキィーと門の隅っこに取り付けられたドアが開き人影がとてつもない勢いでロキの元へやってきた
「ゼェ、、ゼェ、、ロキ!貴様何しにきよった!?」
そうゼウスある
ロキがゼウスを呼ぶのに容易だという理由
それは、天界でのロキの
かつて、ロキは数多の神々と戦争を吹っかけてきたヤバイやつなのである
「
門番はそんな焦っている主神の様子を見て驚いている
「まぁーまぁー。そんな怒らんでや。ウチもカワイイ子見つけたからそないな無粋な事せぇへんて」
ロキはゼウスの様子をニヤニヤしながら眺める
「じゃあお主は何しに来たんじゃ?」
ゼウスは天界とは違うロキの雰囲気に驚きつつも疑問を投げる
「1つ聞きたいんや」
そのニヤニヤを止め薄っすらとその目を開く
「神バズズについて」
『ゴゴゴゴゴゴ、、、、』
「ウラノス、ダンジョンが」
「あぁ、啼いている」
ギルド最上層部
祈祷の間
神ウラノスが祈祷を捧げ、ダンジョンを鎮める場所
だが今はダンジョンは暴れている
未知の存在を排除するために
「これは、、、」
揺れが収まった10階層
辺りは瓦礫で溢れかえり先ほどまでの光景とは全くの別物になっていた
地上への道は亀裂によってなくなっており、しばらくダンジョンの修復を待たないと帰れなかった
「どうする?」
またしてもリヴェリアの問いが静かな空間にこだまする
「、、11階層へ行こう。何が起きているか見てみないとわからないし、このままいても地上には帰れないしね」
返ってきた答えは前進だった
こんな
(また、、親指が、、)
フィンの親指は、何かを警告するように、または導くように疼いていた
11階層
入り口
「これは、、」
ルナの声が新たな階層に響く
11階層の光景は、10階層よりも悲惨なそれだった
いたるところに地面から山のように突き出た岩塊があり、天井は割れ10階層の天井が見えていた
不思議なことに霧はほとんどなく遠くの壁が見渡せた
さらに白い体毛のシルバーバックはその胸部から上を何かに噛み千切られたような状態で倒れており
ハードアーマードはその強固な甲羅に三本の爪痕を残されて絶命していた
「なんじゃこれは、、?」
あきらかに異常といえる光景を前に一行は声を失う
動くものがない空間、その中で唯一動いている存在を見つける
血を流し今にも息絶えそうな冒険者だった
「あ!人が、、!」
一番最初に気づいたのはリオだった
彼我の距離は遠くリオは一目散に走り出す
冒険者とリオの行動に気づいたリヴェリアは静止の声をあげ自分も走り出す
そこで『ガラっ』っと音がなり
「駄目だ、、!くる、な!」
冒険者が声をあげ警告する
「!?」
リオが急停止した瞬間、冒険者の姿はかき消えた
いや、飲み込まれた。大きすぎるその口に
「なっ、、!」
リオの後に続いていたリヴェリアは大きいその存在を見上げる
『グチャ、、グチャ、、』
ポタ、ポタとその口から滴る血は先ほどまで冒険者がいたところに血だまりをつくっている
「あ、ああ、、」
岩塊の上から瀕死の冒険者を喰らったのは
「、、インファントドラゴン」
その自分の名称に反応するように彼の存在は咆哮をあげる
『グゥオオオオオ!!!!!』
強化種
見るからに通常の個体とは違う大きさ
全長10Mに及ぶであろう巨躯はところどころ極彩色の斑点がありやはりその顔には花のような模様が広がっていた
翼をはためかせ腰の引けたリオの眼前に降り立ち小さき存在を睥睨する
「リオ!早く逃げろっ!」
まったく余裕のない声でフィンが叫ぶ
フィンの親指はこれまでになく疼いて、いや震えていた
フィンの声にようやく動きはじめたリオ
だがその行動はあまりにも遅かった
リオがその身を反転させその場から離脱しようとした瞬間、インファントドラゴンの尾が薙がれリオの脇腹に食い込む
ボキボキッ!
鳴ってはいけない音が体の中から響き
(あ、死んだかも)
他人のような感想を抱きリオは吹っ飛ばされた
「ガッ!!」
壁に衝突し半分体が埋まってしまった
「「リオ!!」」
リヴェリアとルナの悲痛な叫びが響く
果たしてリオの耳に届いているか確認する間もなくリヴェリアは大きな影に覆われた
「なっ、、!」
気づけば目の前にいたドラゴン
さらにその前腕はすでに天高く上っておりあと数舜で潰されてしまう
「くっ!」
回避は不可能
防御を選んだリヴェリアだが、そもそも防御が可能なのか分からない
その巨腕が振り下ろされた瞬間ガレスの大戦斧がリヴェリアと腕の間に割って入った
「ヌゥン!!!!」
鋭く伸びたドラゴンの爪はリヴェリアの鼻の先でギリギリ止まっていた
「リヴェリア!早くリオを助けてこい!」
フィンがドラゴンに向かって疾駆しながら叫ぶ
ルナは後方でリオを気にしながらも詠唱を開始している
「何やっとんじゃ!早くいかんか!!」
すぐ近く腕を受け止めているガレスからも怒声が聞こえてきた
「ッ!分かってる!」
現状リオを助けられる
一歩遅れてリヴェリアは走り出す
次の瞬間ガレスはドラゴンの腕を地面に落とし、その反動のまま体を回し一撃をドラゴンの指に叩き込む
『グオオ、、!』
ドラゴンは苦悶の声を漏らし数歩退避する
その隙を逃さずフィンが突き出た岩塊を駆け上がり空中に身を投げ出し
「ハァァァァァッ!!」
槍を投擲
寸分の狂いなくドラゴンの右目に飛んだ槍は深々と突き刺さり大きなダメージを与えた
立て続けに攻撃を受けたドラゴンは怒りの咆哮をあげた
『グゥオオオオオオオオオオオ!!!!!!!』
先ほどよりも長く、大きな咆哮は冒険者たちの身をひるませ隙を生ますのには十分だった
ガレス、リヴェリアはその足を止め両手で耳をふさぐ
ルナは遠くにいたので影響は少なかったが、詠唱のスピードが落ちる
フィンは空中で体勢を崩し、避けれる訳の無いドラゴンのはたきをくらう
「グハァッ!」
重力に加え叩き落とされたフィンは地面に大きなクレーターをつくり血を吐き出す
ドラゴンはそのままガレスのほうを向き尾を薙ぎ払う
咆哮によって反応が遅れたガレスは先ほどのリオ同様吹き飛ばされた
「グハッ!」
リオとは逆の壁に衝突するがさすがの
「、、効くのぅ」
頭、口、腕と体中から血を噴き出している
また、薙ぎ払われた尾の風圧でリヴェリアも吹き飛ばされ、リオの近くの地面へ激突する
「アッ、、!」
辛くもリオの元へ急ぐリヴェリア
そしてドラゴンはその顎を大きく開き火球を放出した
それが描く軌道は真っすぐとルナへと向かっていた
「ルナ!」
ガレスが血を吐き出しながらも心配をする
しかし、ルナはニコッと笑い
「遅いわよっ!」
魔法陣を空中にいくつも展開し叫ぶ
「【リグレイション】!」
ルナに着弾寸前の火球は、魔法陣に飲み込まれ一度姿を消す
すると周りの魔法陣が煌めき、先ほどの数倍の威力の火球が計10個、ドラゴンへと向かう
『!?』
思いがけない反撃にドラゴンは回避も防御もできずに火球の直撃をもらう
ドゴンッ!ドゴンッ!
直撃した直後から煙をあげる
ガレスは目を見開き、ポーションを飲みながら行く末を見守る
ルナは油断なくドラゴンを見据え、いつでも魔法の再展開ができるように構えている
『ゴァアア、、』
無傷
煙の中から現れたドラゴンの表皮は全くと言っていいほど無傷だった
「やっぱりね、、」
はなからダメージを期待していなかったルナは魔法を再展開する
ドラゴンは声を荒げ、もう一度火球を吐き出す
しかし先ほどと同じようにルナの魔法陣に吸い込まれ消滅した
「無駄よ」
普段とは違う火の粉を纏いながらルナは宙を飛び交う
「私の魔法は、この世の魔素すべてが対象よ」
『グゥォォオ!』
その言葉を理解したわけではないだろうが、ドラゴンは火球を吐き出すのを止める
そんなやり取りが行われる中
「リオ!起きろ!」
リヴェリアがリオの元へ辿り着きその身を抱え込む
「ケハッ!」
血の塊を口から吐き出し薄っすらとその目を開く
「飲めるか!?」
ポーションを取り出しリオに浴びせるように飲ませるリヴェリア
さらに魔法の詠唱を始め
「【フィル・エルディス】」
あたたかな森の癒しがリオの体を包み込む
かすかに回復したリオは息を荒げながら礼を言う
「ハァ、、ハァ、、。ありがとう、、」
折れた骨は治らないが、壁と激突した時にできた傷は治っている
「無理をするな、しばらく休んでいろ。奴に隙が出来たら、詠唱を開始してくれ」
リヴェリアはそれだけ言い渡すと自分もポーションを飲み戦線に戻る
「まって、リヴェリア」
不意に後ろから呼び止められた
「、、なんだ?」
「僕に1つ考えがある」
怪物の咆哮が轟く中決意を宿した目でリオは、リヴェリアを真っすぐに見つめた
進みが遅いかもです
ごめんなさい
もっともっと頑張っていい文章を書けるように頑張ります