【完結】幕間の物語 『贋作者と魔法少女/夢幻虚構結界:冬木』   作:MC隊長

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1話を投稿してから1週間が経ちました。
この一週間でお気に入り数1000越え、日間ランキング最高4位はさすがに驚きました
改めて皆様、こんな未熟で稚拙な物語を読んで下さり本当にありがとうございます!!



第一節『黄昏の泪』

 現状が判明してから十数分が経過した。

 ──────おかしな事に巻き込まれてしまったものだ、と俺は手近にあったジャングルジムに背中を預けて、溜め息を洩らしながら独りごちる。

 こんな状況なのだ。誰だって溜め息の一つや二つぐらいつきたくなるというものだろう。

 しかし、だ。原因も黒幕も何もかも分からない現状ではあるが、ここに留まり嘆息しているだけでは何も状況が動いてくれない。それだけは間違いない。間違いないので、『向こう』から話題を振って来ない以上、こちらから出向く必要があるだろう。こんな状況なのだ。私的な感傷に左右されている場合では無い。

 

「どうやら、お互い運がなかったと見える。君達は昨日召喚されたばかりでロクに強化されていない。対して私はとっくに置き去りにしたと思っていた地へ、再びこうして舞い戻ってきた訳だ。夢ならばさっさと覚めてほしい所だが、現実はそう甘くないらしい」

 

 ─────放たれた自身の言葉に嫌気が差す。

 私的な感傷に左右されている場合じゃないというのに、出てきたのは私的な感傷に引きずられたような、皮肉が込められた言葉だった。

びくん、とイリヤと美遊の肩が跳ねる。

上げられた顔は不安に翳っていた。

 

「─────ふぅん。ここが貴方の、ね。

 私達との『繋がり』は否定してもそれは否定しないのね」

 

しかし、この少女だけは違った。

確か名を、クロエ・フォン・アインツベルン。

イリヤと瓜二つな少女は、敵意すら孕んだ瞳で俺の事を睨み付けていた。

 

「無論だ。君達は私の真名を既に知ってしまった。故に出生は隠す必要が無くなった訳だが、繋がりに関しては真実存在しないのだから認める訳にはいかない」

 

「ッ、気付いてないとは言わせないわ。わたしと貴方の間には確固たる繋がりが存在する、それは否定出来ない事実でしょう?」

 

「────確かに、それに関しては否定するつもりは無いさ。マスターから聞いたよ。君達の世界ではクラスカードと呼ばれる、英霊の座へのアクセスを可能としたカード型の礼装があるとか。君はそれを使い私の座にアクセスした··········いや、順序が逆か。私の座にアクセスし、今の君が形作られた、といった所だろう」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・見ただけでそこまで分かるだなんて、流石ね」

 

「しかし、それは重要視するような事柄ではあるまい。私と君の繋がりは繋がりと呼ぶには極めて希薄かつ機械的な物だ。私の力を、君が使っているだけに過ぎないのだからな」

 

俺はクロエに向かい冷たく切り返す。

俺は君の知っている『奴』とは関係ない。だから必要以上に踏み込んでくるな、と言外に告げるように。

 

「ッ、貴方は···············!!」

 

今の言葉が癪に触ったのか、クロエがブランコから勢い良く立ち上がってこちらを睨み付ける。

─────当たり前だ。認める訳にはいかない。

恐らく、イリヤ達の知る『衛宮士郎』は魔術世界を何も知らない一般人として育てられたのだろう。

正義の味方を志す事もない。

誰かを守る事が出来ず絶望に暮れる事もない。

そんな自分と己を重ねられるものか。

俺は既に穢れている。イリヤ達の知る『奴』とは違い、この手は既に血に濡れている。

無数の戦場を駆け抜けた。

無数の人間を正義の名の下に殺した。

其の成れの果てが俺という存在だ。

誰も守れず、何かを成すこともない。

ただ血に濡れる事だけが、俺の存在意義だ。

─────ああ、認められないとも。

イリヤ達に、こんな『兄』の姿を見せる訳にはいかない。だから俺は否定する。

その繋がりだけは、否定しなくてはならないのだ。

 

「落ち着いて、クロ。今はまずこれからどうするべきか考えるのが先決」

 

「··················」

 

美遊の言葉にクロエは何も返す事なく、もう一度ブランコへと乱暴に腰を下ろした。

俺もその件についてこれ以上は口は出す気はないので、さっさと本題に移る事にした。

 

「君達は一度、この街の様子を見に行ったのだろう?何か掴んだ事はないか?」

 

俺の問いに答えたのは声に隠しきれない緊張を滲ませたイリヤだった。

 

「う、うん。わ、わたしの知っている冬木市とは少し違う所もあるけど・・・・・・・・・やっぱり、ここは冬木で間違いないと思う」

 

「人の往来もありました。見た限りでは、特に異状らしきものは無かったように思えます」

 

イリヤの言葉を引き継ぐようにして、美遊はそう続けた。どうやら話に聞く炎上汚染都市のように壊滅状態という訳では無く、普通の街として機能しているらしい。となれば拠点となるべき場所が一つや二つ見つかってもおかしくないだろう。

 

 

「先ずはしっかりと腰を据えられる場所を探すべきだろうな。─────さて、私はそろそろ行動を開始するつもりだが君達はどうするつもりだ?」

 

ジャングルジムから身体を離して視線を向ける。

言葉に詰まった様子の3人だったが、カレイドステッキの片割れであるルビーがビシビシとイリヤの肩を叩いて、その言葉を促そうとする。

 

「え、えっと・・・・・・・・・・・・・・もし良かったら付いて行きたいなぁ、なんて思ったり思わなかったり・・・・・・・」

 

《ああもう、なんでそんなに萎縮してるんですか!そういうのはもっとズバッと言わなきゃダメですよ!》

 

「む、無茶言わないでよ~!!」

 

イリヤは涙目になりながらルビーに抗議するも、そんな抗議はどこ吹く風といった様子でルビーは《ほらほら~》とイリヤを後押しする。

 

 

「─────はぁ、好きにしたまえ」

 

見ていられず、嘆息しながらそう告げる。

すると俺の答えが意外だったのか、イリヤが目を丸くしてこちらを見ていた。

 

「え、い・・・・・・・・・・・・良いんですか?」

 

「良いも何も、カルデアへ帰還するという目的は同じなのだから別段断る理由もあるまい。それに、君達を置いて行くとマスターにとやかく言われてしまいそうなのでね。まったく、我ながら面倒なマスターに召喚されてしまったものだ」

 

俺の言葉に3人は顔を見合わせる。

そして─────おかしそうに笑った。

俺の言葉に何もおかしい所は無かったはずだが、一体イリヤ達はどうして笑っているのだろう。

怪訝に思いこそしたが、考えても栓無き事だと判断して先を続けた。

 

「ふん、まあいい。私に付いて来るのなら好きにしたまえ。だがその前に・・・・・・・・・・・・その格好だけは何とかしてくれ。流石に、それで人の往来を行く訳にはいかないからな」

 

それだけ言い残して、俺は公園の出口へと歩いて向かう。しかし俺はふと立ち止まり、後ろを振り返った。

思い出したのだ。どこか懐かしいと感じさせるこの公園は確か、生前イリヤと共に商店街で買ったたい焼きを食べた場所だったのだと。

何も特別な事じゃない。風化し摩耗しきった記憶は穴だらけで、その時交わした言葉なんて1つも思い出す事が出来ない。だというのに────そこに、有り得ない筈の暖かな幻想を見た。

何の変哲もないベンチ。そこに、まるで本当の兄妹のように仲睦まじく座っている二人の光景を。

きっと、この場所に訪れたから見たのではない。

 

──────俺は今までずっと、夢に見ていたのだ。

既に失われて、亡くしてしまったその願いを。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

刹那の後には、もう既にその幻想は消えていた。

視界に映るのはポツンと独り取り残されたかのように鎮座しているベンチのみ。

それを確認してから踵を返す。

頬を撫でる冬の風が、妙に冷たく感じた。

 

 

 

 

 

《いやー素直じゃありませんねぇ、あの人も》

 

からかうような口調のルビーの言葉は、残念ながらイリヤの耳には届いていなかった。

場所は先程と変わり、商店街。

商店街はイリヤの知る物と細部は異なっているものの、その雰囲気は酷似している。

時折鼻孔を掠める食べ物の良い匂いや、魚屋と八百屋の威勢の良い客引きの声がどこか懐かしい。

そう感じるのは昔、『兄』とよく商店街へ出掛けた事があったからだろう。

兄が高校に上がってからは、あまり兄と出掛ける機会が無かった。高校生は小学生とは比べものにならないぐらい忙しいと話に聞いていたし、実際に休日も部活や勉強などでそういう時間が無かったからだ。

 

 

─────だからこそ、『今』を懐かしいと感じるのだろう。

 

 

視線を前に向ければ『彼』の姿がある。

先程の装いとは変わり、赤い外套とライトアーマーを脱ぎ、黒色の長袖シャツと同色のズボンを着ていた。

イリヤ達と一線を引くように五メートル程の距離を取って前を行く『彼』は、『兄』のように手を繋いで歩く事も、笑顔を見せる事も無い。

だけど時折イリヤ達がしっかりと付いてきているか心配するように、振り返って確認してくれる。

そんな些細で不器用な優しさが、イリヤにはとても嬉しかった。

 

「エミヤさん、か・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その他人行儀な呼び方が、イリヤの胸を締め付ける。イリヤの知る兄とは異なる存在なのだから、その呼び方が正しいだのだと理解はしている。

だけど─────

 

「っ────くしゅんっ」

 

突然吹いてきた冷たい風に、思わずくしゃみが飛び出した。今のイリヤの格好をカルデア風に表すと、『第一再臨』である。

小学校指定の夏服は夏なら快適なのだが、冬の寒さを前にしては紙にも等しい。

そう、この冬木は季節が冬だった。

それも1月から2月にかけての、一番寒さを感じる時期。その中を半袖の制服で歩くイリヤと美遊は何だか少し浮いていて、心なしか道行く人々に注目されている気がした。

ちなみに『彼』はどこから引っ張り出してきたのか、至って普通の黒のシャツとズボンを着用している。

 

「・・・・・・・・・・・・・寒い」

 

「うん・・・・・・・・・・・・寒いね」

 

「ふ、これぐらいの寒さで音を上げるようじゃ、イリヤも美遊もまだまだお子様ね~」

 

「・・・・・・・・・・・・ちょっと待って。クロが着てるその暖かそうなコートはなに?」

 

半袖で寒さに耐えるイリヤと美遊とは違い、クロは暖かそうなコートに身を包んでいた。

 

「何って、ちょちょいと投影したものだけど」

 

「そ、そんな裏技が!?ず、ズルい!!」

 

「ズルいなんて、人聞きが悪いわね。イリヤも、『憐れなワタクシめに何卒クロエ様の慈悲をお願い致します』って心の底からわたしに頭を下げるなら用意してあげても良いわよ?ビキニとか」

 

「余計防御力が下がってない!?」

 

「それに周りの視線が・・・・・・・・・・・・・」

 

「じろじろ見られる事による羞恥で暖かくなりそうじゃない?特に顔とか」

 

「そんな方法で暖を取り始めたら人として大切な物を色々失う気がするよ・・・・・・・・・」

 

《ふふふ、転身すれば寒さなんてあっという間に吹き飛ばせますよ?防寒機能はバッチリ完備してますから☆》

 

《姉さん。それでは結局周囲の視線を集めてしまうわ》

 

どうやら防寒事情は何ともならないらしい。

クロの投影品に頼るのが手っ取り早いが、クロの魔力が無いと直ぐに消えてしまう。

クロが魔力を注ぎ続ければ問題ないが、イリヤと美遊のコートの維持にまで魔力を割けばその魔力消費はかなりの物になるだろう。

そうでなくても、クロは生きるために常に魔力を消費しているのだ。

何が起こるか分からない以上、出来るだけ魔力の消費は抑えた方が良い。

恐らく先程のも、クロはあまり自分の弱味を見せたがらないから敢えて冗談めかした言葉で濁したのだろう。それをイリヤも美遊も分かっていたから、これ以上は何も言わなかった。

寒さは拠点となりそうな場所さえ見付けられれば直ぐに解消出来る問題だーーーーーーーと自分を励ましながら歩いていると、

 

「わぶっ・・・・・・・・・・・」

 

「きゃ・・・・・・・・・・・・・」

 

唐突に、何かがイリヤと美遊の顔に覆い被さってきて、視界が黒く塗り潰される。何事かと慌てて覆い被さっていた物を顔から引き剥がそうとして、イリヤは動きを止めた。

 

 

「これ・・・・・・・・・・・コート?」

 

被さっていたのは紫色のコートだった。

余程良い生地を使っているのか、表面にそっと触れてみると指が生地の上を滑らかに滑った。

裏面には余す事無く柔らかい羽毛が裏打ちされていて、いかにも暖かそうだ。

誰がこんな物を、なんてもう分かりきっている。

何事も無かったかのように前を行く背中を、イリヤはただ見詰める事しか出来なかった。

すると呆れた様子のルビーが近付いてきて、

 

《やれやれ、あの方本当に素直じゃありませんねぇ~》

 

「ルビー?」

 

《おや、イリヤさん気付きませんでした?あの方、随分と前からイリヤさんと美遊さんの分と思わしきコートをこちら側から見えないように持ってたんですよ?イリヤさん達に渡すタイミングをはかってたんでしょうが、全くひねくれているというかツンデレというか・・・・・・・・・》

 

「····················」

 

無言で、受け取ったコートを身に纏う。

突き刺すような寒さが遠ざかり、毛布にくるまれているような暖かさが身を包んだ。

··················本当に、暖かい。

変わらず、彼は一定の距離を保ちながら歩いている。

だけどイリヤには、その距離が少しだけ近くなったように感じた。

 

 

 

 

その後街の人達から情報を集めながら商店街を抜けて、今は閑静な住宅街へと差し掛かっていた。

あまり意識していなかったのだが、俺達がこの世界に来たのは午後のかなり遅い時間だったらしい。

太陽は沈み始め、色は微かに紅へと変じていた。あと3時間もすれば、街は完全に夜の闇に沈む事だろう。

商店街とは打って変わって、住宅街は無人なのではと感じさせる程静寂に包まれていた。

当然、無人という事は無い。

家からは物音を始めとした生活音や談笑する声が聞こえてくるし、時折通行人も見える。

だというのに、今見ている景色はどこか作り物じみていて、絵みたいに薄っぺらかった。

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・・やはりこの特異点はどこかおかしい、何かが頭の中で引っ掛かっている)

 

正体不明の違和感が胸に蟠っている。

この特異点は何から何まで謎に包まれている。

どうして俺達は突然こんな場所にレイシフトしてしまったのか。そして何より─────マスター不在の中、どうやって現界を保っているのか。

マスターから魔力が供給されている様子は見られない。本来ならとっくに現界出来なくなってもおかしく無いのだが·············

 

「········ば。··········ってば!ちょっと、聞いてるの!?」

 

「む」

 

呼ばれて、振り返る。

そこには俺の事を睨み付けるクロの姿があった。

どうやら思案に耽っていた為呼ばれた事に気が付かなかったらしい。

 

「すまない、少し考え事をしていてね。それで何かな、お嬢さん」

 

「はぁ、今どこに向かってるのか気になったのよ。見当もなくここまで適当に歩いてきたっていう訳じゃないでしょ?」

 

「そうだな・・・・・・・・・・・・・・・・記憶が正しければ、そろそろ到着する頃合いだろう」

 

少しだけ、運ぶ足が重い。

今から行く場所は、俺にとって鬼門と言える。

何故ならば────どこかに置き忘れてきた過去を、捨て去ったと思っていた己を自ら拾いに行くのだから。

 

 

「ここだ」

 

そして、その場所の目の前で足を止めた。

 

 

「ここは・・・・・・・・・・・・・・・・・まさ、か」

 

美遊が驚愕に目を見開き息を呑む。

それを不思議に思いはしたが、特に詮索はしなかった。恐らく俺の知らない、特別な交錯があったのだろう。

一方でイリヤとクロは、美遊とは違ったベクトルの驚きの声を上げていた。

 

「す、凄いお屋敷・・・・・・・・・・・・・!」

 

「武家屋敷ってやつかしら。ふーん、なかなか良い場所じゃない。けど、拠点になりそうな場所を探してたんでしょ?ここじゃ人が住んでるんじゃない?」

 

クロの言う通りだ。普通ならば人が住んでいる場所を拠点にする訳にはいかない。

そう─────本当に人が住んでいれば、だが。

 

「その点に関しては大丈夫だ。なんせ────ここに人間は(・・・)住んでいないのだからな」

 

先程、商店街で情報収集をしていた時の事だった。

ふと気になり、イリヤ達と離れた頃合いを見計らって背の高いマンションの上へと登った。

そこから見た光景から、俺はこの武家屋敷に人間は誰も住んでいないと判断したのだ。

当然ながら、俺の答えにイリヤ達は疑問符を浮かべている。

 

「中に入って見た方が早い············と言いたい所だが、生憎そんなに事態は単純じゃなくてね。君達はそこで見ていたまえ」

 

短く告げて、俺は門扉に手をかける。

──────この感触が懐かしい。

力を込める。かつて当たり前のように開けていた門は、随分と重くなっているように感じた。

もちろん、そんなのは錯覚だ。

物理的な重量は変わらない。

変わっているのは───────

 

「私自身、という訳か·················」

 

ふ、と自嘲するような笑みを刻んでから、手をかけていた門に力を込めて、一息に開け放った。

ぎい、と軋むような音と共に門が開く。

視界に飛び込んできたのは古めかしい武家屋敷だ。

古めかしいとはいうものの、しかし朽ち果てているという様子は全く見られない。

まるで、大河ドラマから飛び出してきたかのよう。

一般家庭には広過ぎる程の面積の土地に堂々と鎮座する武家屋敷は、俺の記憶にある通りの威容を誇っていた。

──────ただ一つの、例外を除いて。

 

「··························」

 

敷地内に足を踏み入れた瞬間────まるで来訪者の訪れを待っていたかのように、庭の中央が歪んだ。

その歪みから、泥のような粘液質の深い闇が溢れ出す。

それは徐々に形を成していき、やがて人のような姿へと変貌を遂げた。

突如として現れたソイツは靱やかかつ美しい肢体を露出の高い、ピッタリとした衣装で身を包んでいた。

長い髪がザァ、と地面に拡がっている。

特筆すべきは、双眸を覆い隠すバイザーにも似た眼帯。

何かの動物の革と思わしき素材で造られた眼帯越しに、滴る血のように禍々しい視線が突き付けられる。

 

「あれは···············!?」

 

「黒化英霊········いえ、シャドウサーヴァントね」

 

《クラスはライダー·········あの姿からメドゥーサと推測出来ます!気を付けてくださいイリヤさん!》

 

《美遊様もお気を付けください。かつて戦ったライダーと比べ、かなり強力な個体と思われます》

 

ルビーとサファイアの注意に、イリヤと美遊が頷く。

そのまま転身しようとするイリヤ達を、

 

「待て、君達はそこで見ていろと言っただろう。さっきも言ったが君達の力は未だ充分育っていないんだ。そこで大人しく見ていたまえ」

 

後方へ声を投げて、俺はもう1歩足を進めた。

それを見たシャドウサーヴァント、メドゥーサは地面を這うような前傾姿勢で俺の事を迎え撃たんとする。

─────まるで獲物を前にした蜘蛛、或いは蛇だ。

 

「ちょっと待ちなさ───────」

 

「──────投影(トレース)開始(オン)

クロの抗議の声は、俺の手に突如として出現した二振りの夫婦剣を見た瞬間に止まった。

装いを黒いシャツから赤い外套へと変じさせ、俺は両手に頼もしい感触を感じながら悠然と歩を進める。

瞬間────シャドウサーヴァントとなり、理性を失ったライダーが地を蹴った。

ライダーの姿が一瞬で掻き消える。

俺に向かって瞬時に接近したライダーは間髪入れる事無く、柄の先端に鎖が付けられた短剣を俺の心臓に向かって一息に突き出した。

 

「··············ふん、贋作にしては速いな」

 

交差させた夫婦剣で、ライダーの短剣を受け止める。

甲高い金属音と、緋色の閃光が弾けた。

 

「だが─────軽い。外見だけを取り繕っただけの中身の無い伽藍堂では、贋作にすら届きはしない。貴様の刃が、私に届かないようにな」

 

交差させた夫婦剣を一息に跳ね上げる。体勢を崩したライダーに向かい、右手の莫耶を袈裟に振り下ろした。

斜め一文字に刻まれる純白の軌跡。

それを、ライダーは後方へ跳躍する事によって躱した。

同時に俺も踏み込む。溶けるように流れる景色の中で、俺の瞳は目の前の敵の動きを完全に捉えた。

逆袈裟に迸った左手の干将は避けようとしたライダーの左腕を切断し、切断された腕がくるくると宙を舞う。

傷口から黒い、墨のような血が噴き出す。

痛覚という人間────いや、生物らしい機能は備わっていないのか、ライダーはサイドステップで距離を取る。

今なお経に溢れる黒い鮮血が、地面にぼたぼたと零れ落ちて染みを作っていく。

 

「■■■■■■■──────ッッッッ!!!!!」

 

吠える。その裂帛は爬虫類じみた、不快な音だった。

ライダーが鎖付きの短剣を閃かせる。

真っ直ぐ俺に飛翔する短剣を、俺は干将・莫耶の二振りを投擲して応じた。一対の翼のように放たれた干将・莫耶。

わざわざ干将・莫耶を投擲したのは奴の鎖に捕まらないようにするためである。

狙い通り莫耶が短剣を弾き、干将がライダーの首筋へと向かっていく。だが敵ももさるもので、くるりと踊るような挙動で干将を回避。そのままライダーは後方へ大きく距離を取り、武家屋敷の屋根まで跳躍した。

避けられた干将は遥か彼方へ飛んでいく。

そして、再び前傾姿勢を取ったライダーの眼前に、湖面のように揺らぐ赤い、血を彷彿とさせる魔法陣が浮かび上がった。

 

「───────宝具、か」

 

短剣を弾いた莫耶を拾い上げながら呟く。

宝具発動まであと幾ばくもない。

弓にしろ接近しての剣戟にせよ、迎撃は間に合わない。

それに気付いたのか、後方のイリヤ達が慌てふためいたように敷地内へ雪崩込んできた。

 

「る、ルビー障壁!!!」

 

《いやーこれは障壁張っても防げるかどうか··········》

 

「じゃあミユのとわたしの熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)

も合わせましょう。それなら未だ··············」

 

「サファイア、お願い」

 

《お任せ下さい美遊様》

 

「················何やら盛り上がっているようだが。まあいい。念の為という事もある。一応その障壁とやらも張っておいてくれ」

 

それだけ告げて、俺は漆黒の洋弓を投影する。

左手に莫耶を持ったまま、しかし番える事はしない。

 

「ちょっと貴方宝具が飛んでくるってのに何して············」

 

その言葉は、直ぐに途切れる事となった。

トン、というあまりにも軽い音がした。

そこまで大きかった訳じゃないのにも関わらず、その音はやけに鮮明に聞こえた。

音の発生源であるライダーに視線が集まる。

その、右胸辺りから黒い何かが生えていた。

いや────生えているのではない。

あれは後ろからライダーを貫いた、干将の刃だ。

完成しようとしていた魔法陣が薄れていく。

ぐらり、とライダーの上体が揺れた。

 

「─────干将・莫耶はお互いに引き付け合うという特性を持っていてね。倒すには未だ足りないが、宝具発動を中断させるのには事足りる」

 

言いながら、螺旋剣を投影して弓に番えた。

引き絞った弦を解き放つ。

ライダーが気付いた時にはもう既に遅い。

放たれた矢は黄金の軌跡を描きライダーの身体を穿つ。

即死だった。動かなくなったライダーはそのまま痕跡も残さず消滅した。

 

「さて、ここを陣取っていた輩は撃破した。多少強引なやり方だったが、無事拠点を確保出来たな」

 

「·························」

 

「む、何か問題があったか?」

 

「いや··············元々ここって誰か住んでたんでしょう?ならその人は──────」

 

「··············既に死んでいるだろうな。『一般人』にあのシャドウサーヴァントを倒せるとでも?───あまり気分は良くないだろうが、君達にも一度落ち着ける場所が必要だろう」

 

《ルビーちゃんは賛成ですよ〜?魔法少女にも休息は必要です》

 

《私も賛成です。皆様、御自分ではお気付きになられていないようですがかなり疲労が溜まっているようです。身体的にも、精神的にも》

 

冷静沈着なサファイアの意見によって、イリヤとクロは納得したようだ。

 

「············サファイアが言うなら、まあ」

 

「うん··········サファイアが言うなら。ここに住んでた人には申し訳ないけど、少しだけお邪魔させてもらおう」

 

《あれ、ルビーちゃんも賛成したんですけど············》

 

どうやらイリヤ達の間でも方針が固まったらしい。

しかし─────1人、美遊だけは賛成する事もなく、顔を俯かせていた。

 

「どうかした、ミユ?」

 

それに気付いたイリヤが、ミユを心配するように声をかける。

 

「················ううん。なんでも、ない」

 

それが嘘だという事はきっとこの場の誰もが気付いただろう。しかし、これ以上は詮索しなかった。

主の居なくなった伽藍の武家屋敷。

──────それは、かつて捨て去った『己』を、否応無く励起させた。

 

 

 

 

 

 

「うわ、まるで旅館だね············」

 

「ほんとね。うん、新鮮な感じで気に入ったわ!」

 

そう言ってクロは畳の上に飛び込み、大の字になって転がった。よっぽど疲れが溜まっていたのだろう。大の字になって少し転がった後は、何もせず瞳を閉じていた。

イリヤもどこか疲れた様子で腰を下ろしている。

そして美遊は─────部屋の入口で立ち尽くしていた。

この武家屋敷が『彼』の過去を励起させたのと同じく、この屋敷は少女の過去も励起させていたのだ。

『兄』と過ごした想い出が蘇る。

暖かくて、当たり前で、ささやかな幸せ。

ここはあの家じゃない。だって、『居ない』。

その動かぬ事実が、美遊にとってあまりにも辛い現実となって襲いかかってきた。

 

「っ·················!!」

 

駆け出した。逃げ出すように、部屋から飛び出した。

ここに居ると、おかしくなる。

だってここは──────

 

「はぁ、はぁ······は、あ··········っ」

 

幸か不幸か、家の構造は熟知している。

玄関まで行くのにそう時間はかからなかった。

走る。走る。走る。走る。走る。

家の間取りや庭の面積は全く変わらない。美遊の想い出をトレースしたかのように、屋敷は悠然と佇んでいる。

けど───兄が居ない家は広くて、寂しくて、寒かった。

 

《み、美遊様!?一体どうなされたのですか!?》

 

いきなり飛び出した美遊を追ってきたようだ。

サファイアが美遊の事を呼び止める。

しかし、美遊が止まる事は無かった。

そのまま走り続け、外に出る。

どんな辛い事だって耐えてみせると誓った。

美遊の事を命懸けで救ってくれた兄のため。

どんな事にも耐えて、いつか兄とこの家に帰るのだ、と。

──────だからここに帰ってくるのは、兄と一緒じゃないとダメなのだ。

それが、どうして─────

 

「きゃ················!?」

 

角に差し掛かり、右に曲がろうとした瞬間。

ドン、と誰かにぶつかった。

その勢いがあまりにも強かったためか、美遊は弾かれたように後ろへ倒れ───────

 

「──────あまり、道路で走るもんじゃない。陽が落ちているからな。見通しも悪く、今みたいに誰かにぶつかるぞ」

 

─────頼もしい誰かの腕に、支えられた。

あの時と、同じ。逆立てていた髪を下ろした『彼』が買い物袋を左手に持ち、右手だけで美遊の背中を支えている。

 

《美遊様を受け止めて下さりありがとうございます、エミヤ様》

 

「別に構わんさ。怪我でもされていたら、こっちが困るのでね。行動に支障が出る。────立てるか?」

 

「あ···················」

 

真っ直ぐ瞳を見つめられて、息が詰まった。

──────本当に、似ている。

髪の毛の色も、肌の色も、背丈も、瞳の色も違う。

なのに、その穏やかな表情は·············

 

「ッ····················!」

 

気付けば、その胸に飛び込んでいた。

──────あの家と同じだ。

彼は自分の知る兄とは違う。

そのはず、なのに················!

 

「···············美遊?」

 

彼は驚いている。当然だ、いきなり抱き着かれたら誰だって驚くに決まっている。

イリヤの『兄』だって、同じような反応をしたのだから。

 

「何か、あったのか?」

 

美遊は答えない。ただ、彼の胸の中で静かに泣いている。

彼は────何もしない。

時折躊躇いがちに手が動くのだが、何もしない。

まるで自分にはそんな権利が無いとでも言うかのように、彼はただ美遊の涙を胸に受け続けている。

─────そんな2人を夕陽が照らす。

黄昏の中で、2人はまるで時が止まったかのように交わっていた。

 

 

 

 

 

 

─────シンと静まり返った食卓に、食器の音だけがうるさく響いている。

相変わらず彼の料理は『兄』の味に似ていて、その事が静寂に拍車をかけているのかもしれなかった。

···········何というか、居心地が悪い。

さっきは思わず抱き着いてしまったが、ひょっとしたら自分はトンデモナイ事をしてしまったのではという羞恥と、後悔が後からひしひしと湧いてくる。

一足先に食べ終わったらしい『彼』は、無言で席を立ち台所作業へと戻っていく。

そこまでの所作が、まるでこの家に慣れているみたいに淀みなかった。

 

「ごちそうさまっと···········さて、これからどうするの?」

 

しかしクロだけは特に物怖じせず、『彼』に話しかけていた。食べ終わった食器を彼の元へ運び、短い会話をしている。

 

「今日は特に何かをするつもりは無い。各自、明日に向けて身体を休めておくといい。拠点を確保した今、やるべき事はこの特異点の調査だ。この特異点、レイシフトには不可解な点が多いからな。カルデアへと帰還する手口になるかもしれない以上、調査は必要だろう」

 

「了解。さて、じゃあお風呂に─────あ、良かったら一緒に入る?お背中お流ししましょうか?ご主人様♡」

 

「··················折角だが遠慮しておこう。あと、君みたいな幼い少女がそういう事を安易に口走ってはいけない。というかその声でそのセリフはあの狐系キャスターを彷彿とさせるのでやめてもらおうか」

 

「ハイハイ。もう、少しぐらいは照れなさいよね〜」

 

ブツブツと文句を言いながら、クロが居間から出ていく。

────こういう時、クロの直球さというかブレなさは本当に羨ましいと思う。

 

「全く···········彼女はいつもこうなのか?」

 

「あー··············はい。結構家の中でもあんな感じでお兄ちゃんを誑かしてます···········本当に、困った事に」

 

「···········そうか。ではその兄とやらはさぞかし大変な思いをしているだろう。こればかりは同情するよ」

 

「あーいや、それがその···········案外まんざらでもなさげな表情でして···········それだけじゃなくてルヴィアさんや凛さんやナナキのお姉さんや弓道部の後輩の人ともなんか、そういう、トラブルを起こしているらしく···············目下冷戦中です、はい」

 

「················そうか。よし、殺そう」

 

「ま、待って!?せめて去勢するとかそこぐらいに留めて貰えると···········」

 

「·············君は君でかなりえげつない事を考えるのだな。潜在的にSだと良く言われないか?」

 

《良くお分かりになりましたねエミヤさん!そう、イリヤさんは潜在的にSなのです!しかし基本的には受けに回りがちなのでSとM、どちらともお楽しみになられますよ?》

 

「何の話!?ねえルビー何の話をしているの!?」

 

《さぁ?ナニに関するお話なのかはご想像にお任せしま〜す》

 

何だかんだ言って、イリヤも打ち解け(?)始めている。

────話しかける事が出来ないのは、美遊だけだった。

夕食後、各々自由時間となりイリヤは部屋に戻った。

イリヤ達は、もしも敵が襲ってきた場合危険だという理由で3人で一部屋を使っている。

ちょっとした修学旅行気分だね、と落ち込んでいた美遊に対して笑いかけていたイリヤの気遣いを思い出しながら、夜闇に沈んだ板張りの廊下を歩く。

 

「···············綺麗」

 

ガラス張りの雨戸によって仕切られた縁側。

しかし、今は長い間締め切っていたという武家屋敷の空気を入れ替えるために雨戸は開放していた。

剥き出しになった縁側に腰を下ろす。

──────良く、ここでは無いこの家で、『兄』と隣合って座り夜空を見上げた。

今は独り、隣には誰もいない。

冬の冷たい風が、美遊の艶やかな髪を攫っていく。

吸い込まれるような夜空だった。

今日は星が少ない。暗く、海のように深い夜空が視界いっぱいに広がっている。

その中にただ独り、孤独な月だけが浮かんでいた。

淡く、濡れたような玲瓏の月。

その月がまるで自分みたいだと、いつに無くロマンチックで幻想的な思考に沈んだ。

いつまでそうしていただろうか。

─────不意にギシリ、と廊下の床が大きく軋むような音が聞こえて、肩をビクリと震わせる。

 

「──────済まない。驚かせるつもりじゃなかったのだが」

 

申し訳なさそうに視線を逸らす『彼』。

────その表情も、凄く兄に似ていた。

 

「あ···············そ、その。謝る必要なんて、無いです。

わたしもさっき、貴方を困らせてしまったし」

 

掠れて、震えた声。まるでイリヤ達と知り合う前に戻ったかのように、言葉が上手く出てこない。

 

「そうか」

 

「は、はい···········」

 

そのまま彼は立ち去るかと思いきや、近くの柱へ背中を預けて、立ったまま深海じみた夜空を見上げていた。

隣に座って一緒に空を見上げる事はしない。

違う場所。違う瞳で、共に同じ空を見上げている。

 

「君も·············この場所に縁があるのか?」

 

不意に、そんな質問が飛んできた。

 

「────はい。義父と義兄と一緒に、ここじゃないこの家に住んでいました」

 

この答えだけは、まるで事前に用意していたかのようにすんなりと口から出てきた。

 

「············君にも、イリヤスフィールと同じ様に兄が居たのか」

 

「はい。─────今はルヴィアさんの家でお世話になっていて、美遊・エーデルフェルトと名乗っています」

 

「················エーデルフェルト、か。魔術師の間では地上で最も優美なハイエナと畏怖される名門貴族だな」

 

「ご存知なんですか?」

 

「生前、多少の交流があった程度さ。親しかったとのかと問われると返答に迷うがね」

 

他愛のない話をポツポツと小雨のように続ける。

知らず緊張が解れて、少しずつ色んな事を話せるようになっていった。一通り話し終わって、再び無言になる。

 

「────────」

 

先程のような、張り詰めた静寂じゃない。

穏やかで静謐な、心地よい静寂に身を委ねる。

その静寂を─────

 

 

 

 

「────本当の名は·········衛宮美遊。いや、君個人に関しては朔月美遊、の方が正しいか」

 

 

 

 

そんな、イリヤ達でさえ知り得ない事実を告げる言葉が打ち破った。今度こそ声は出なかった。

どうしてそれを────と、問い詰める気さえ起きない。

脳は、麻酔されたかのように働いてくれなかった。

 

 

「なん、で····················」

 

 

驚愕に張り付いた喉が、何とかその疑問を絞り出す。

しかし───────彼が何かを答える前に、ガランガラン、という鐘のような音が屋敷中に響き渡った。

侵入者用の結界だと瞬時に悟った美遊は立ち上がるが、彼の方が一足早かった。雨戸から瞬時に飛び出し、庭を抜けて門まで疾駆する。

 

 

 

門まで急ぎ辿り着いた俺は目の前に広がる光景に、ただ絶句する他無かった。なんせ─────

 

 

「─────貴方は、アーチャーのサーヴァントね。

長らく姿を見せなかったと思えばいきなり黒化したライダーを倒すなんて、なかなか戦況を引っ掻き回してくれるじゃない」

 

「リン、あまり前に出てはいけない。今まで隠れていた分、アーチャーに関する情報はかなり少ないのですから気を付けてください」

 

「あら、この距離なら貴方の剣の方が早く届くでしょう?頼りにしてるわ、セイバー」

 

赤いコートにどこかの学校の物らしき学生服。

傍に銀色の甲冑を纏った騎士を侍らせ、門の前に立ったまま勝気そうな瞳をこちらに向ける1人の少女は、不敵に笑いながら己の名を名乗る。

 

 

 

 

「─────セイバーのマスター、遠坂凛よ。いきなりで悪いんだけど、貴方を従えてるマスターを今すぐ出して貰えるかしら?」

 

 

 

 

 

 




衛宮邸に滞在するまでの下りはちょっと無理矢理感ありましたかね?美遊の心情については···········まあ、いきなりこんな事になったらそういう事も思うかもしれないよなぁ程度で捉えてくれると助かります‪w

テスト期間来週で終わりだーやったー!
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