ゼロの使い魔×ダークサイダーズ お試し短編   作:蜜柑ブタ

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ウォーとルイズの出会い編。


なぜか、カオスフォーム状態で召喚されたウォーさん。


2019/02/19
 ちょい、足し。


お試し短編

 

 

 学院から離れた、春風吹く、草原に、凄まじい咆吼が轟いた。

 

 赤黒く燃えさかるようなオーラをまとった巨体。

 

 背中に生えるコウモリのような翼。

 

 何度目かの爆発によって空いた穴から這い出る際に、振り下ろされた前足?、いや、腕が、地面に叩き付けられ、地面を揺らした。

 

 春の使い魔召喚の儀式の場は、一瞬にしてパニックとなった。

 

 それは、強いて言うなら、竜だった。

 

 それもただの竜ではない。前記に記載したように、体に赤黒く燃えるようなオーラを纏っており、近づけば何人であろうとも焼き付くさんとばかりである。

 

 最後の…、否、いまだに使い魔を召喚できず何度目かの大爆発を起こして、ついに、この赤黒い竜のような存在を喚んでしまったらしい、少女、ルイズは、完全に腰を抜かして、尻餅をつき、失禁までしていた。

 

 ズシン、ズシンっと、たくましい腕と足で穴から出てきたその竜は、腹を引きずりながら、やがて離れた位置にルイズにゆっくりと近づいていく。

 

 監督役として召喚の儀式の場を見ていたコルベールは、教え子である生徒を守るため、自分に注意が行くよう魔法を放つ。

 

 炎を纏っているようにも見える竜に、自身が得意とする炎が効くとは思えないが、何もしないよりは遙かにマシだと炎の蛇を放った。

 

 瞳のない、青白いだけの目がコルベールに向けられたような気がした。

 

「ミス・ヴァリエール! 逃げなさい!」

 

 見るからに強大な存在である竜に杖を向け、自分が相手をすると言わんばかりに構えるコルベールに向け、竜が腹を地面に擦りつけながら、ゆっくりと方向転換を始めた。

 

 しかし、それでもルイズは、動けない。ガタガタとただただ震えていた。それほどに、自分が召喚してしまった竜が恐ろしかったのだ。

 

 ルイズの横を通り過ぎていく竜の尻尾が、ブンッとルイズに振られた。

 

「ルイズ!」

 

 それをキュルケという赤毛の同級生が庇い、間一髪で頭上を尻尾が通り過ぎた。

 

「しっかりなさい! コントラクトサーヴァントよ!」

「で…、でも…。」

「このままじゃミスタ・コルベールが死ぬわよ!?」

「っ…。」

「タバサ!」

「うん。」

 タバサが自身の使い魔である風竜を呼び、怯えすくむ風竜を叱咤してルイズを咥えさせ、強大な赤黒い竜に向けて飛んだ。

 

「わ、我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え。我の使い魔となせ!」

 

 赤黒い竜の前に落とされたルイズは、早口で呪文を唱え、赤黒い竜の口先に唇を押し当てた。

 

 

 その瞬間、凄まじい光と共に、ルーン文字のような、紋章のような光が竜の周りに七つ出現して、竜の体に焼き付くように張り付いた。

 竜は、苦悶の鳴き声を上げ、ブルブルと体を震わせ、やがて、ドドドンッ!っと地面に倒れ込んだ。

「なんて、ムチャのことを!」

「結果オーライですわ。」

 怒るコルベールに、キュルケがそう言った。

 すると……。

「あっ!」

 竜の体がみるみるうちに小さくなり、やがて、赤い布地が見え……そして、ついには、大柄な人間らしき姿に変じてしまった。

「うそ…?」

「……う、ぐ…。」

 ルイズが驚いていると、元、竜である、大柄な人間が呻いた。

 やがて、ゆっくりとその人物が頭を押さえながら起き上がった。

 男だった。

 まるで、傭兵のような荒っぽさを感じさせる鎧と、頭に被っている赤い布地の頭巾の横から垂れている髪の毛らしき長い毛は、白銀に光っている。

 目を開くと…、そこには瞳はなく、ただただ青白いだけだった。

「……どこだ、ここは…?」

「あんた…。」

「お前は…誰だ?」

「わ、私は……、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。」

「長い。」

「はあ!?」

 吐き捨てるように言われ、ルイズは、たまらず声を上げた。

「で? てめぇはなんだ? ここはどこだ?」

「あんたねぇ! こっちが名乗ったんだから、あんたも名前を名乗りなさいよ! 人に物を聞く態度じゃないわ!」

「……。」

「なに? なんとか言いなさいよ。」

「…………………ウォーだ。」

「ウォー? それがあんたの…。」

「で? ここは、どこだ?」

「あ…あんた!!」

 

「なんか分からないけど…、すっごいの喚んだわね。」

「……。」

「タバサ?」

「嫌な…予感がする。」

 タバサは、ウォーと名乗った、男の体に浮き上がる、七つの紋章のような光を見て自身の杖を握りしめた。

 

 

 

 それが、始まり。

 少女と、世界の破滅を告げる騎士の一人の出会いであった。

 

 

 そして彼らは知らない。

 ウォーの召喚が実は仕組まれたことであり、実現したことに高笑いをあげた伝説上の人物がいたことを……。

 

 

 




これ書いた当初…、どうやってキスさせようって悩みました。
で、結局、キュルケとタバサの協力で成功したということにしました。

ウォーの体に浮かぶ光る七つの紋章は、使い魔のルーンではありません。
ネタバレになるので、言えませんが、強いて言うなら、ウォーの記憶と力を抑えこんでいます。破られると、大変なことになります。
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