ゼロの使い魔×ダークサイダーズ お試し短編   作:蜜柑ブタ

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お試し短編、その2。


vsギーシュ。


右腕と右足が切断されます。注意。


SS1 弱体化、そして……

 

 ルイズは、あきれ返っていた。

 っと…いうのも。

 

「あんた、そんなぶっとい剣持ってるくせに、使い方が分からないってどういうことよ?」

「知らん。」

 

 ウォーの見かけ倒しな弱さに呆れたのだ。

 2メートルはありそうな巨体ではあるが、非力で、背中に背負っていた剣をとりあえず握ってみても、落とすぐらいだ。

 しかも剣を所持しているにもかかわらず、その使い方すら覚えていないらしかった。

 覚えていたのは、たった一つ。

 

 名前だけだ。

 

 コルベールは、ウォーの今の外見や、人型になる前の姿から、未知の亜人の一種ではないかと分析しており、ウォーが名前以外を失っているのは、ルイズの失敗魔法による影響があるのではとルイズに言った。

 人型になる前の強大な竜の姿について、ウォーに聞いてみても、覚えていないらしく、コントラクトサーヴァントの段階で、何かしらの弊害が起こってしまったのではないかと見られている。

 ルイズは、失望と同時に、ウォーに対して申し訳なくなった。

 見るからに戦士である彼から名前以外を奪った可能性を。

 そんな風になってしまったウォーの噂はあっという間に学院中に広まり、端から見ても、ウォーが苛立っているのをルイズは感じた。

「気に入らねぇな。」

 自分が見かけ倒し状態なのは認めてはいるものの、それが理由で馬鹿にされ、ちょっかいを出されるのは気にくわないらしい。

 ルイズとしても、なんとかしてやりたいが、ウォーの本来の力や、あの竜の姿を戻す方法がいまだ分からないため、歯がみするしかなかった。

 使い魔召喚の儀式から、後日。

 ルイズが目を離した隙に、ウォーがいなくなった。

 慌てて探していると、広場の方でなにやら騒ぎが起こっていた。

 慌てて近くにいたメイドに聞くと、ギーシュとその取り巻き達が魔法でウォーを攻撃し、憤慨したウォーが足下に作られた氷で足を滑らせこけたのを、彼らが笑い、そして見ていた他の生徒達も笑ったのだそうだ。

 怒りにブルブル震えたウォーが剣を抜いて、ギーシュに向けたため、ギーシュは遊び半分のつもりで決闘として受け入れ、広場にウォーを連れてきてこの騒ぎだ。

 このままでは、ウォーがサンドバックにされてしまう!

 青ざめたルイズが生徒達の人だかりをかき分けてウォーを助けようとしたが、逆に押し出され、ウォーとギーシュの戦いの場に放り出されてしまった。

「おや、君のご主人様が助けに入ったじゃないかい。」

「や、やめて! ウォーを傷つけないで!」

「それはできないよ。なにせ彼は僕に決闘を申し込んだんだからね。受けるのが礼儀というものさ。」

「邪魔すんな!」

「なによ! 剣ひとつ持ち上げられないくせに、なんで喧嘩を売るのよ! 今すぐ謝って!」

「うるせぇ!」

「さあ、決闘を始めようじゃないか。僕はメイジだ。だから魔法を使うよ?」

「…それがどうした?」

「その勇気は買うよ。いや、無謀か? まあどっちでもいいさ。」

 そう言って、ギーシュは、ワルキューレ達を錬成した。

 ワルキューレ達があっという間にウォーを取り囲み、殴ろうと拳を振るった。

 ガキンッ!

 青銅製のワルキューレ達の拳が、弾かれた。

「へえ? 鎧を着てるぐらいだから、さすがに頑丈か。これは、いたぶりがいがあるな。」

「っくそったれ!」

 ウォーが無理矢理剣を横へ振った。ワルキューレ達は、ヒョイッとそれを避けた。

 途端に、周りにいる野次馬の生徒達から笑い声があがる。

 振るった反動で体勢を崩したウォーが倒れる。

 ウォーは、ギリッと右腕を握りしめた。

「ウォー!」

「来んじゃねぇ!」

「なによ! 心配しているのに!」

「クソガキどもが……。」

 ユラリとウォーが立ち上がった。

 体に浮かぶ、七つのルーンらしき光の紋章が、ひとつ、揺れていた。それは、まるでウォーの怒りに反応しているかのように。

「やれやれ、主人が能なしのゼロなら、使い魔も能なしか。土下座するなら、まあ勘弁してやらなくもないけど? どうする、馬鹿な能なし君?」

「……………………………………あぁ?」

 

 ブチンッ

 

 ウォーの中で何かがキレた。

 その瞬間、バチンッという放電と共に体にある紋章のひとつがウォーの体か離れて宙に浮いた。

「えっ?」

 ルイズも、ギーシュ達も、野次馬達もそれを見て驚いていると、浮いた紋章が宙で砕け散って消えた。

「誰が……。」

 ウォーが剣を握りしめ、ブオンッと振り上げた。

 ついさっきまで剣の重たさに振り回されていた状態ではない。熟練した戦士のソレだった。

 それに気づいたのは、ルイズだけだった。

「馬鹿な能なしだと?」

「君のことさ。」

「そういや…これは決闘だったな?」

「ああ、そうさ。君が売ってきた決闘さ。」

「そうか…。」

「?」

 確認を取ったウォーが、剣を横へと振った。

 その瞬間、彼を取り囲んでいたワルキューレ達が一刀両断され、破壊された。

 ウォーは、倒れずフードから垂れさせている白銀の髪を翻して構えていた。

「なっ!」

 突然のウォーの変化に、ギーシュは驚愕し、野次馬達もざわついた。

「う…、ウォー?」

 ルイズが恐る恐る声をかける。

「どけ。」

「きゃっ!」

 ルイズをどかし、ウォーが剣を右肩に乗せた状態で、ギーシュに歩み寄り始めた。

 ハッとしたギーシュは、慌てて再びワルキューレを錬成した。今度は武器を持たせている。

 しかしそのワルキューレも、ウォーが剣を振るって破壊した。

「クソガキが……、散々馬鹿にしてくれたな?」

「ひ…、こ、こうさ…、っ?」

 ワルキューレを作る精神力を失ったギーシュが目の前に来たウォーの迫力に、思わず短く悲鳴を上げ、降参しようとした時。

 右腕と右足が消えた。

 いや……、離れた位置に飛んでいった。

「あ…、ぎ…ぎゃあああああああああああ!?」

「うるせぇ!」

 ギーシュの首を掴み、軽々と持ち上げたウォーが怒鳴る。

「ギーシュ!」

「おまえ、ギーシュを離せ!」

 ギーシュの友人達が勇気を出して杖を向け、ウォーに魔法をぶつける。

 しかし、まるで堪えておらず、ギロリッとウォーの青白いだけの目が向けられた。それだけで、ギーシュの友人達は怯えすくんだ。

「これは、決闘だ! なんびとも邪魔立てするじゃねぇ! どっちかが死ぬまでやるんだよ!!」

「やめて! ウォー、やめて!」

「邪魔すんな!」

「お願い! お願い! ギーシュを殺さないで!」

 ルイズが必死にウォーの体にしがみついて、涙と鼻水でグチャグチャの顔で必死に止めようとした。

「……………………………………チッ…。」

 ウォーは、本当に仕方なさそうにギーシュから手を離した。ギーシュは、失血と恐怖により意識を失っていた。

 その後、遅れてきた教師陣がギーシュを搬送し、ウォーは、自分に杖を向けてきた教師陣にも剣を向けようとしたが、その直後、体にある残り六つのルーンが放電し、気絶。そうして倒れたウォーは、鎖や縄で雁字搦めにされ、地下牢に閉じ込められた。

 

 ギーシュは、奇跡的に命を取り留め、また失った右腕と右足もくっつけられた。

 




一つ目の封印破壊。
これにより、剣の使い方と戦い方を思い出したウォー。
でも、残る六つの封印により、ぶっ倒れるウォー。
そして、地下牢に雁字搦めで閉じ込められるウォー。

果たして、怒ったウォーが怒らせてきた相手を生かしてくれるかどうかは、分かりませんが……。

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