なんか、書く気が起きなかったんです。
原作キャラ死亡って、タグ付けた方がいいですかね?
「暇だ。」
使い魔召喚の儀式から、1週間ほどが経過したが、いまだにウォーを帰す手段は見つかっていない。
無理もない。
そもそも、ウォーの種族すら分からず、そしてウォー自身も自分の名前と剣の使い方しか思い出せていないので、八方塞がりもいいところなのだ。
普通の人間よりも巨体であることから、亜人であることは分かるのだが、ハルケギニアに暮らす亜人を紹介したどの書物にも該当しない。
第一、鎧自体が体の一部のようになっているので、生理現象というものもないらしい。
だが、出された食事は、ガツガツ下品に食っているので、食欲はあるらしい。だが、本人曰わく、べつに腹は減らないが、出されたから食ってるだけらしい。つまり、一応、味覚はあるようだ。
完全に暇を持て余しているウォーは、暇つぶしにもならないが、学院を歩くこともあった。
すると、学院にいる生徒達は、ビクつくし、ギーシュや、モンモランシー、そしてギーシュの知人達は、睨んでくるし。だが、手を出せばたちまち退学処分というお触れが出ているため、誰も手を出さない。
なお、手を出した生徒はいた。
だが、ウォーに魔法が一切効かなかったことや、それを教師に知られたことで退学処分になり、ウォーに手を出したら退学処分のお触れが本物だというのを知らしめただけだった。なおこの件については、ウォーは何も思わなかったようだ。(そもそも魔法が当たったことすら気づいてなかった)
魔法が一切効かなかった。
これは、魔法主義社会のハルケギニアにおいては、これ以上無いほどの脅威だろう。
学院側も必死だ。アカデミーにでも知られたら、速攻で、研究者達はウォーを研究材料にしたがるに違いない。
そんなことになれば、確実に大変なことになる。
まず、ウォーが怒る。
それによって、ギーシュの一件の時みたいに封印が壊れて、力を取り戻す。
そして、死人が出る。
そして、色んな物が破壊される。
色々と…終わる。
最悪の未来しか思い浮かばない……。
ならば、早くウォーを帰そう!っということで、教員達はみんな頑張っている。
だが成果は、全然ない。
「おい、ジジイ。」
「なにかご用かね?」
オスマンにもとへ、ウォーが来た。
「暇だぞ。」
「それは、申し訳ない…。この学院には娯楽はほとんどないのです。」
「……そういや、町があるとかって、聞いたな。」
「っ! お、お待ちくだされ! まさか…。」
「少しばかり散歩だ。」
そう言ってウォーは、ドカドカと去って行った。
残されたオスマンは、ロングビルと共に、固まった。
だがすぐに我に返って、手が空いている教員達と、ルイズにウォーの監視を伝えた。
「ちょっとぉ、町に行くなんてどういう風の吹き回し?」
「暇だからだ。」
「け、けど、あんた…、メチャクチャ目立つから…。」
「それがなんだ?」
「…うぅ、もう勝手にして! 絡まれても知らないからね!」
「そうなりゃ喧嘩を買うだけだ。むしろその方が少しは暇も潰れるというもの。」
「わ…私も行く!」
「勝手にしろ。」
そしてウォーの後ろをルイズが追いかけていった。
離れた場所から教員の何人かがついてきていたが、ウォーは気配を感じていても気にしなかった。
「待って、町まで、馬で行かないと日が暮れちゃうわ。」
「……馬…。」
しかし、ウォーの体格では普通の馬には乗れない。
するとウォーは何か考えるように顎に手を置いた。
「………る…。」
「?」
ビシビシ
「……ルイン…。いるなら、出てこい。」
すると、地面に穴が空き、黒炎と共に、大きな黒い馬が飛び出してきた。
「なに、その馬!?」
「俺の愛馬だが?」
「思い出したの?」
「ああ…。」
そう言ってルインという馬の方に向いたウォー。ちょうどルイズに背中を向ける形となったが、光っていた印がひとつ消えていた。
先ほどなにか軋むような音がしたと思ったら、封印のひとつが壊れた音だったらしい。
ルイズは、青ざめる。
封印が壊れないよう様子を見るはずだったのに、速攻で壊しててどうする!?
「行くぞ、ルイン。」
おぞましいほどに凄まじい鳴き声を上げ、ルインがウォーを乗せて走り出した。
「ま、まってぇ!!」
ルイズも馬を走らせ、慌てて追いかけた。
まっ、当然だが当然なのだが。
デカい騎士のような亜人が、それよりデカい馬に乗って走ってきたら、そりゃあ、もう…、怪しまれるに決まっている。
城下町に到着する直後には、城下町を守る兵達に囲まれていた。
「ああん? なんだてめぇら?」
「お、お待ちください!」
剣を抜こうとするウォーを制して、ルイズが馬から飛び降りて間に入った。
「なんだね君は?」
「私は、トリステイン魔法学院在学中の、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールでございます! この亜人は、わたくしの知人です! どうか剣を降ろしてください!」
「う゛ぁりえーる? もしや、ヴァリエール公爵の?」
「はい! 私は、ラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズでございます!」
そこから、ルイズは、必死でトリステインの兵達に武器を降ろして欲しいと頼みに頼み、なんとか警戒を解いてもらい、ウォーに手を出さないようお願いした。
オスマンからもらっていたオスマン印の書状を渡すなど、必死になっているルイズの様子を、剣でポンポンと肩を叩きながら、ルインの上で、ウォーは暇そうに見ていた。
やがて、兵達が去り、ルイズはヘナヘナと力尽きたように両膝をついた。
「終わったか?」
「ああ、もう! あんたのせいだからね!」
「で?」
「と、とりあえず、許可は下りたけど! なんか乱暴でもしたらすぐ捕まっちゃうわよ!? 国が出てきたらさすがのオールド・オスマンでもどうにもならないわ!」
「俺はどうでもいいがな、国がどうなろうが、あのじじいがどうしようが。」
ルインから降りたウォー。ルインは、影に吸い込まれて消えた。
「とりあえず、剣は収めて!」
「うっせーな。」
後ろからついてくるルイズに、ウォーはイライラしながらも剣を収めた。
城下町を歩く、ウォー。
当然だがとんでもなく目立つ。
デカい、ゴツい。でっかい剣を背負っている。見たこともない亜人。
すべての要素が怪しさと危険な匂いをさせていた。
「おい。」
「な、なに?」
ふいに立ち止まったウォーが振り向いてルイズを見おろした。
「武器はどこにある?」
「武器屋のこと? ぶ、武器屋なんて…必要?」
「知らねーのか。ま、知らねーなら別にいいがな。」
「知ってるわよ! でも、ちょっとあんたの体格じゃ…。」
「ああん?」
「…行くの?」
「めぼしい店も無いことだしな。」
ウォーにルイズに案内させ、狭い路地(ウォーがデカい)を進み、武器屋についた。
「…らっしゃーい、って、うぉ!」
店主は入り口を狭そうに入ってくるウォーを見て驚いた。
「お、お客さま…、ずいぶんとまあ…素晴らしい体格で…。」
「人間共の武器屋ってのはこんなもんか? 通りと同じでめぼしい物がねぇな。」
ウォーの言葉に店主は、カチーンと来たのか、素早く店の奥に行き、1本の立派な剣を持ってきた。
「コイツは、どうですかい? うちの店で一番の業物でさぁ。」
「……。」
ウォーは、机に置かれた剣をジィっと見つめる。
だが、すぐにフンッと鼻で笑う。
「鋼のひとつも切り落とせないようなナマクラなんざ、いらねぇよ。」
「んな!?」
「チッ…、暇つぶしにもなりゃしねぇな。」
『おいおいおい! 言ってくれるじゃねぇか! デカブツ!!』
「あん?」
「おい、デル公、黙ってろ!」
「どこだ?」
『ここだ、ここ! デケぇから目も節穴か!?』
「これね。」
ルイズが剣の束の中から、錆びた長剣を取りだした。
「珍しいわね。インテリジェンスソードなんて。」
『おい、デカブツ! 見てくれだけで判断するたぁ、てめぇ、腕に相当な自信があるってこったな!?』
「……減らず口叩きやがって…。」
ウォーがデル公と呼ばれた剣を握った。
するとデル公は、黙り込んだ。
するとカチカチと剣が振るえだした。
『こ…!』
「ん?」
『コイツ…は……、な、馬鹿な…!?』
デル公の剣がミシミシと音を立て出す。
『な、ん、で……、お、まえ…が……、この…地上に……!?』
「ああん? 何言ってやがる?」
『うぎぎ、ぎぎ…、ぎぎぎぎぎぎぎぃいいいいいい!!』
悲鳴ともつかない悲痛な声を上げながら、やがてデル公の刀身がバリーン!っと砕けた。
その場がシーンっとなった。
「おい。こりゃどうした?」
「さ、さあ? で、デル公? 死んじまったのか? おい?」
「ウォー…なにしたの?」
「知らん。勝手にくたばりやがったみたいだ。」
ウォーは、そういうと、残った剣の柄を、放り捨てた。
結局、ウォーが気に入る武器は無く、デル公と呼ばれていた喋る剣の弁償代だけを払って店を出たのだった。
デルフリンガー退場。
ウォーの正体には気づいたが、ウォーから流れ込む力(※無意識)に耐えきれず壊れてしまう。
ウォーにかかっている封印は、2つ壊れ、残るは、5つ……。