鉄血のオルフェンズ 赤い悪魔、翼を開いて   作:カルメンmk2

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 お気に入りと評価が増えて驚いているカルメンです。何かの琴線に触れたのか、この調子で行けたらいいなと思う所存であります。

 P.S.
 プレバンのアシュタロンとヴァサーゴが高すぎんよ。泣きたいよ。買うけどさ!








 ――んー? レッドのこと? そうだね………名瀬の義息子っていうか、あたしからすると義息子? みたいな?

 ――年齢的に言えば兄貴って感じだけどね。兄妹かな。

 ――………ホント、馬鹿な兄貴だったよ。ホントにね。


 タービンズ 主席航海士 エーコ・タービン





赤色は俺のだって言ってんだよ!(解説付き)

 

 

 アミダの百錬を筆頭にわらわらと近寄る敵モビルスーツを撃退していたところ、明弘とタカキが接近しているとの知らせがイサリビから来た。ツーマンセルで行動するクランクは乱戦で混沌とした状況の中で周囲にセンサーを走らせる。

 

 

「――確認した! イサリビの前方だ」

『こっちも確認取れました。カタパルト周辺の敵機排除をお願いします』

「了解した」

 

 

 クランクは時たま見ることのある眼鏡をかけた名前も知らぬ女性――フミタン・アドモスからの要請に従った。偵察に出ていた二人がそれなりの負傷をしていると既に報告を受けていたからだ。

 共に戦うデルマにイサリビに群がる敵機を排除すると告げる。二つ返事で了解と帰ってきた。

 

 

「墜とすよりも退かせる方が容易い。余力があれば墜とす程度にしろ」

『『了解!』』

 

 

 とはいえ、相手に態勢を整えさせるきっかけを与えることになるのは正規の教育を受けていないデルマも承知の上だった。幸いなのは自分たちが合流する前には二十機近い敵機もすでに十五機ほどまで減っていた。

 クランクは改めて、あの桃色の百錬に乗るアミダ・アルカの実力に畏敬の念を抱かざるを得ない。ギャラルホルンにいれば引く手数多のパイロットであり、気遣いもできるとレッドから聞いていた。

 

 

「在野にこれほどの実力者がいるとはな」

『クランクさん?』

「何でもない。俺もまだまだ。そう思っただけだ」

『じゃあ後ろにいなって。俺が片付けるからさ!』

「はっはっは! いずれはそうなるかもな!」

 

 

 いやはや頼もしい、と返す。デルマの意見ももっともで、グレイズにならまだしも若獅子という格落ちの機体では無理などできない。生意気はデルマなりの優しさだった。

 だが、しかし。守るべき子どもにこう言われては元軍人でMS乗りの誇りに傷がつく。

 

 

「まだ若い連中に介護されるわけにはいかんよ」

 

 

 ヘキサ・フレームのジルダに遠心力の乗った棍棒の一撃を与える。ジルダのような軽量級のモビルスーツなら、若獅子のような細身であっても、渾身の叩きつけで行動不能には出来るし、当たり所が悪くても不具合を生じさせるだけの損害を与えられる。

 クランクは脳天――コクピット付近へ強打を見舞うことでの内部攻撃。

 

 

「縦方向には強いようだな。横の打撃が無難、か」

 

 

 若獅子の非力さに嘆きたいところだがまあいい。

 ふと真紅と桃色、赤と青の閃光が縦横無尽に交差し走る彼方を見る。

 

 

「―――なに、モビルスーツの性能差が戦力の決定的差ではないことを教えてやろうじゃないか」

『クランクさん、カッコイイ!』

「私も男だ。格好をつけたくもなる」

 

 

 一人で複数の敵を捌いていたデルマのサポートに回る。

 友軍の合流まであと少し……彼らが合流すれば戦況は優勢になるだろう。

 クランクはとりあえず、デルマのガルムロディを羽交い絞めにしようとしたジルダに狙いを定めたのだった。

 

 

「どこの誰かはわからんが玄人の戦い方を教えてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――宇宙(ソラ)を四つの光が駆けていく。幾度となく交わり、離れ、螺旋を描くように踊る。

 中世か古代の吟遊詩人がいれば妖精がダンスをしているのだと詩的な感想をつづるのだろうが舞っているのは戦争をするための機械仕掛けの人形(モビルスーツ)だ。

 赤と青を追うように真紅と桃色が駆けていく。桃色の光ことアミダは間近で見る義息子の成長にほおを緩める。

 

 

(模擬戦でも遠目からわかっちゃいたけど……それがアンタの答えなんだね)

 

 

 シングルナンバーの百錬はパワーとスピード、防御力がグレイズを上回るレベルで構成されている。乗る人間がアミダ級であればグレイズ以降の機体とも正面から()りあえるだろう。

 そしてアミダは非常に高くまとまった近距離戦寄りのオールラウンダーである。放たれる弾丸は的確に青いガンダム・フレームへと吸い込まれていく。

 

 

『う、ぐっ!?』

 

 

 うめき声が聞こえてもアミダは攻撃を止めない。むしろより苛烈な攻撃を仕掛けていく。

 ときに何故、相手の声が聞こえるのか考えたことはあるだろうか? それは声も十分な武器になるからである。そこ! 作者の字数稼ぎって言わない!!

 

 舌戦というものがあるように戦闘中の会話から相手に対してプレッシャーやブラフをかけるのはサシの勝負では当然だったりする。逆に集団戦では作戦を悟られないため妨害合戦を行う。

 この暗礁宙域の戦闘の場合は増援を防ぐために無線封鎖を行うことが肝要だとされる。しかし、今回の敵の動きはわざわざ増援を呼ばせるような立ち回りをしていた。

 アミダもレッドもそのことについて考えを巡らしていた。

 

 

「すばしっこいヤツだね。ガンダム・フレームってのは全部こんなのかい?」

『特別相手が速いんですよ。羽みたいなの付いているし……』

 

 

 細部は違うがコンセプトそのものは同じという印象を受ける二機のガンダム・フレーム。リアクターの反応がバルバトスに似たものを示しており、ハンマーヘッドには情報を送っている。

 レッドは同じガンダム・フレームなら情報はあるのでは? とヴァサゴに搭載したALICEに検索を任せていた。一応、三日月ほどの鋭さと悪寒はしないうえ、宙域内は船の通り道でもあってデブリは少ない。自分で操縦していた。

 

 

『姐さん! 検索かかりました!』

「エーコかい。相手はなんだい?」

『【ASW-G-37:Phoenix】と 【ASW-G-38:Halphas】です!』

「他には?」

『えっと………これだけです! けど、見た目からして兄弟機。連携を前提に開発されているかも!』

「憶測だけで言うんじゃないよ! すぐにユフインに居るオヤジに通信しな。何か知っているかもしれないからね」

『了解! 御武運を!』

「誰に言ってんだい! ルージュのアミダは伊達じゃないんだよっ!」

 

 

 不敵に笑いながらアミダは件のモビルスーツを観察する。というよりもアミダも名瀬もフェニックスとハルファスには聞き覚えがあった―――というよりは名前だけ知っているという状況だった。

 

 

「レッドは何か知ってる?」

『いや………知らないですね。ヴァサゴとバルバトスとは違う設計思想にも見えるけど……』

 

 

 バルバトスやヴァサゴのような厳つさやマッシブな印象は受けなかった、とも言いたいが今は戦闘中である。攻撃の手を僅かでも緩めればすぐさま相手に距離を空けられる。それほどまでに速い。

 

 

『姉さん!』

『ええ。反撃に転じましょうか』

『デカい口叩いてんじゃねぇよ、赤は俺んだ!!』

「このまま完封さね!」

 

 

 レッド(バカ)がなんか言っているが今は無視するアミダ。クセを読み、相手の回避パターンもすでに学習している。次の射撃でスラスターを潰し、チョッパーを叩き込む。

 

 

『それはこちらの台詞、でしてよ』

 

 

 ガンダム・フレーム、フェニックスとハルファス。その真価はガンダム・フレームの中でも頂点に位置する運動性、機動性、速度を誇る可変式モビルスーツ(・・・・・・・・・)である。

 そして二羽の魔鳥は隠していた爪をあらわにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――以上がフェニックスとハルファスについて私が知る情報だ』

「ありがとうって、もう変形してる!?」

『なにっ!? 映像は撮っているかね? ちゃんと撮っていたまえよ!!?』

「姐さんがピンチの時に何言ってんだこのマッドオヤジ!!」

『アミダ君なら大丈夫だと信じているだけだ。レッドはどうでもいい。むしろ死ねばヴァサゴが合法的に私の者に……!』

「ダメだこのオヤジ。何とかしないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『変形したッ!!?』』

 

 

 赤と青はまるで鳥のように変形した。その速度は今までの戦闘がお遊びでしかないと言わんばかりのものである。

 コンピューターによる予測もできず、旋回点での制圧射撃を試みてもリアクターの慣性制御を大幅に超える軌道で避けられる。まるで稲妻のようだとレッドは感嘆する。

 

 

『あり得ねえ! 慣性制御なんか追いつかないぞ?! 中身はミンチどころかジュースになっても可笑しくない!!』

『具体的な表現を言うんじゃないよ。今日のディナーはハンバーグなんだから!』

『晩飯のこと考えてる場合じゃないでしょ?!』

 

 

 実のところ、アミダもレッドも飛行機と言う存在をまともに見たことがない。宇宙での活動が主なアミダはともかくレッドは輸送機の存在を知っているだけだった。その輸送機だってとても鈍重でモビルスーツからすれば速いけど予測して撃てば撃墜できる程度のものだ。

 しかし、この二機は違う。高速で交差し、こちらの射撃を統べて避け続けている。二人を嘲弄するかのように動き回り、距離を取って人型へと戻った。

 

 

「この程度でして? だとしたら期待外れですわ」

『仕方ありませんよ姉さん。我々のガンダムはガンダム・フレーム内で随一の機動性と運動性を誇るもの。あんなレストア機体や阿頼耶識も持たない奴では掠らせることもできない』

「そんなことを言ってはダメよ、シャルン。田舎のおサルさんは短気で凶暴で野蛮なんですから。怒って内に眠る

力を開放した――なんてことになったら傑作すぎて笑えますわ」

『警戒しているのか貶しているのか。どっちなんだい?』

「もちろん――――虚仮にしてますのよ」

 

 

 ――そんなことで我を失って怒り狂うほど能無しじゃない。

 敵に対して煽りを入れるのは戦いの常套だがそれを真に受けるほど初心でもなければ耄碌もしていない。感情的になるのはもっと勝敗の方法がはっきりしたお遊びだけでいい。

 アミダは大して気にも留めていないがレッドは違った。

 

 

『ンだとこのエイモドキがぁあああ!!?』

『レッド!』

『その糞不味そうな(ひれ)ぶった切って、刺身にしてやらぁ!! 覚悟しろッ!!』

 

 

 激高したレッドを止めることがアミダにはできなかった。というよりも一瞬反応が遅れてしまった。

 戦局が読めないほど、あの子は劣化したのか? いや歳星に来る前の模擬戦であそこまで怒り狂うことはなかったはずだ。この程度の煽りなど日常茶飯事世界にいるはず。

 とすれば――

 

 

『馬鹿が!』

「やっぱりそのゲテモノに乗るパイロットは残念なのね」

『死に腐れぇええええ!』

 

 

 だらりと靡く右腕を振り抜くヴァサゴ。しかし赤いガンダム――フェニックスに乗るシャルンはそれを見切っているかのようにスウェーしてぎりぎりで避ける。

 

 

『それの間合いは知っている。そして―――』

 

 

 フェニックスは四つある翼の主翼兼レールガンを構える。弾頭は特殊で非常に重い質量を持つ金属弾だ。この至近距離で発射されれば確実にコクピットは潰せる。防いだところで引き千切って無力化できる。

 

 

『フィナーレだ!』

『テメェがだ、三下』

『シャルン! 間合いの中ッ!!』

 

 

 オリヴィアが叫ぶ。だがわずかに遅く、ヴァサゴのクローはフェニックスの胴体を引き裂き、間髪入れずに折りたたんでいた左腕で脆くなった部分に刺突を入れようと伸ばしていた。

 その左腕も乱入したハルファスに逸らされたことで不発に終わったが体勢を崩すことは出来た。

 

 

『この射程は? なんで?!』

『背骨は伊達じゃないんだよ!』

 

 

 世にも珍しい背骨を持つヴァサゴはその機構により胴を延長することが出来る。腕だけしか伸びなければ傷をもらうことはなかったがレッドは突拍子もないことを考え、それを実行しようとする馬鹿でもあった。

 代価は胴体部のジョイントの損傷。シリンダー部分が限界まで引き抜かれ、接合部も歪んでいる。

 

 

「その機構はそういうものでは………!」

『だからバカっつってんだよ!』

 

 

 個人傭兵は孤軍でしかない。騙して悪いがもあれば、恨みを買って襲撃されることもしばしばだ。

 だからこそレッドは戦法の引き出しを多く作ろうと人並みよか少し上の知恵を絞って考える。思索する。実行する。独りだけならやらないがここには滅茶苦茶に強くて信頼できるパイロットがいるのだ。

 

 

『あと、赤は俺のだ。わかったなポンコツ野郎(マザーファッ〇ー)

「調子にィッッ!?」

『こっちの台詞だよ、お嬢ちゃん』

 

 

 ―――まあ、くだらない……どうでもいいことにも全力投球する悪い部分があるが。

 何よりも親として子供から信頼されてるのは実に気分のいいものなのだ。それは別として説教は決まっているとアミダは獰猛に笑う。

 

 

『息子が意地を張ったんだ。親が背中を押してやらないとねぇッ!!』

 

 

 急反転したハルファスにチョッパーを叩き込む――が、どうやら近接武器も持っていたらしく、どこに隠していたのかわからないぐらいに長い大鎌で受け止められた。

 ガンダム・フレームのパワーってのはこんなにもあるのか、とアミダは舌打ちを我慢しスラスターの出力を最大にする。速度も乗せた一撃をあの柔な見た目の四肢で完全に受け止められたからだ。

 

 

「お体に障りますわよ。お・ば・さ・ん……!」

『乳臭い小娘こそ、化けの皮をはずしたほうがいいんじゃないのかい? アンタからはゲロみたいな臭いしかしないよ』

「加齢臭には言われたくありませんわ!」

『大人の色気もわからないガキが吠えるじゃないか!』

 

 

 女の煽り合いというよりは、若い娘が大人のお姉さんにいいようにあしらわれているといったのが正しいだろうか? 間近で聞かされている男二人が何も言わず、デュアルセンサー越しにここから遠ざかろうと提案し了承した。戦場の奇蹟が生まれた瞬間である。

 

 

『「こっちを手伝いな(さい)!!!」』

『『はいぃいいいい!!』』

 

 

 ――女っておっかない。男たちの胸に深く刻まれた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所は変わってバルバトスを駆る三日月はラフタ達と合流後、明弘とタカキを襲った連中を半殺しにしていた。とくに横幅の大きくて一番喧しいヤツ――ガンダムグシオンというのだが、三日月はまだ字が完璧に読めるわけではない――は殺す前に這う這うの体で逃げた。残った連中――マンロディは推進部を叩きつぶし、頭を壊して動けない状態にしている。

 さっさと殺してしまうのが今までの三日月だったがレッドが自分の成長はオルガが喜ぶ。殺すしかしなかったけど、ここでこいつらを鹵獲すれば成長した証拠になるんじゃないかと。ラフタ達が仕留めたのは死んでいるのも多そうだったし、そっちはレッドにあげればいいと考えた。

 

 

「――お前……誰だ?」

 

 

 放っておいて回収されたら嫌なので、力いっぱいイサリビの方角へ蹴っておく。もちろん、向こうで回収されてふざけたことをすれば殺すと脅し付きで。

 ようやく半分ぐらいはいったところで、ラフタがハンマーヘッドが心配だから曳航していこうと提案した。

 ―――その矢先だった……。

 

 

『グレイズ? けど一回り以上は大きい……?』

 

 

 明らかにサイズの違うグレイズが二機。こちらに急接近している。その最中でアジーがふと呟いた。

 

 

『海賊がグレイズを……?』

「あれ? ギャラルホルンじゃないの?」

『いや、名瀬は海賊たちが連合を組んだんじゃないかって考えてたよ。そういった噂が無いわけじゃなかったから』

「レッドはギャラルホルンが後ろにいるって言ってたけど?」

『その線が濃厚だね。グレイズなんて代物を見た目そのままで運用するなんて自殺行為だ』

 

 

 グレイズ=ギャラルホルンのイメージは強い。だから海賊や傭兵――非正規部隊(ネームレス)のギャラルホルン兵なら別――が使えば、イメージの悪化につながる。見方を変えれば、グレイズは性能も虎の子であるため、確実に皆殺しにするという意思表示なのかもしれない。

 では目の前の連中は? 海賊の徒党がグレイズを新規設計と言わんばかりの改造を施せるわけがない。そもそも、表も裏も含めてグレイズが市場に出回れば大騒ぎになるからだ。タービンズ、ひいてはテイワズがそれを察知できないことはない。

 

 

『じゃあタントテンポ? 月のギャングがここに来てるの?』

『うちと事を構えないようにって、ダディ・テッドは血判状付きでオヤジさんと交わしてる。てことは、ギャラルホルンしかないさ』

「そんなのどうでもいいよ」

 

 

 ――もう目の前に来てる!

 二機のグレイズもどきがバルバトスに襲い掛かる。あれだけの図体ならそこまで機敏ではないだろうし、何時だったかグレイズってやつには阿頼耶識を搭載するのは難しいと聞いている。滑空砲とライフルで崩してバルバトスが一撃。動かなくなったのをラフタとアジーに仕留めてもらう。

 完全な連携とは言えないがワンマンアーミーの三日月を援護するように二人は動いき、グレイズへと砲火を集中させる。

 

 

『うっそ!? 速いッ!?!』

『というよりは―――』

 

 

 ラフタの言葉通りその反応速度はさっきまで相手をしていたマンロディの遥か上を行く速度だった。

 またアジーもあの動きに見覚えがあった。

 

 

「阿頼耶識……!」

 

 

 彼我の距離はすでにライフルの間合いを超えていた………。

 

 

 





 次で暗礁宙域戦は終わりです。その次の次はドルトコロニーに向かう間のインターミッションって感じです。
 ぶっちゃけ、ブルワーズの末路は変わらないwww






『ガンダムヴァサゴ:2ndフェイズ』
 作中では後に語られる第二形態。形状は新機動戦記ガンダムXに登場するガンダムヴァサーゴに似てきている。
 改造点として肩部の伸縮機構を固定するため幅広のショルダーアーマー(特注品)を取り付けている。改造案はいつの間にかオヤジに送信されていた。当初の案として通常の腕の部分と伸縮機構を別々にし、後者をオートで制御する方針であった。
 この改造により大型のライフルをノーリスクで使用できるようなった。また、特徴だったクローは小型化し、ガントレットシールドとしての運用も可能。

 こいつだけが持つ背骨はリーチの増加目的で使用したが本来の運用方法とは違うとのこと。この機能を使ったことで上半身と下半身を繋げるシリンダーに不具合が生じたため、コクピット内では金切り音や金属のこすれ合う音が響いている。




『ガンダムフェニックス』
 現存するガンダム・フレームの37番目の機体。【ASW-G-37:Phoenix】とアーカイブに登録されている。
 ガンダム・フレームでは珍しく完全な可変機構を持っており、開発コンセプト自体が変形による高機動でもって敵の懐に飛び込み、γナノラミネートウイングによる突撃で粉砕することを目標としていた。兄妹機のハルファスもコンセプトはほぼ同じ。他のガンダム・フレームではキマリスと共に突撃をする機会が多かったとある。

 大破した状態だったのを70%まで修復したのが登場している。なお、これ以上の修復は武装関連になる為現在の技術では不可能となっている。それを補うべく、禁止兵器すれすれのレールガンを翼に四つ仕込んでいる。
 宇宙世紀の黄金色とは全く関係ないのであしからず。
 機体色はGジェネのものと同じ。そのせいか赤い色は俺のものだと言って憚らない主人公に目をつけられた。



『ガンダムハルファス』
 現存するガンダム・フレームの38番目の機体。【ASW-G-38:Halphas】とアーカイブに登録されている。
 フェニックスの兄弟機であるため、こちらも同様の変形機構はある。だが、見た目はかなり違く、フェニックスがVの字の印象を強く植え付けるがハルファスはXの文字を印象付ける。運用方法も同じ。
 武装は大鎌(サイス)で出の速く変形状態でもしようができるのが特徴。敵に一気に接近し、変形しつつ大鎌で両断あるいは切り裂くのを得意とする。

 この機体に至ってはオーパーツ染みた武装が一つだけ修復されているがパイロットの適性状もとい、OSの完成もしていないため使用ができない状況となっている。


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