鉄血のオルフェンズ 赤い悪魔、翼を開いて   作:カルメンmk2

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 皆様お久しぶりです。宅建試験のため休んでいた作者が帰還いたしました。
 それなりにできたとは思える手ごたえですが正直心配です。

 今回は前説話でございまーす!








ドルト騒乱 その3

 

 

 

 

 ――なんで、こんなことに………なってしまったのか……。

 痩身の顔色のあまりよくない男、サヴァラン・カヌーレは豹変してしまった恩人のナボナと自らの保身と栄達。コロニーに住む人間を奴隷としか思っていない、蛇のような上級役員を光の失せた――諦観と嘆きを滲ませた瞳で見ていた。

 出来が良かったとは言えないが、とても優しく誰かを守れることが選べる実の弟、ビスケット・グリフォンにクーデリア・藍那・バーンスタインと間違え手荒な真似をしてしまった少女。あとから連れ込まれた、どこか自分に似た眼をしている女性。

 

 

(どうして……。どうしてなんですか、ナボナさん……!)

 

 

 本社の役員会――というのは語弊がある――地球のアフリカ・ユニオンに居を構える文字通りの地球本社出身の役員を丸め込むため、多くの賄賂や接待。腐り果てた悍ましさしかない趣味嗜好を満足させ、劇的ではないが今よりは生活は大分マシになる譲歩を引き出せるはずだった。だった(・・・)のだ。

 

 

(あの役員はコロニー本社で頭角を現してきている奴だ)

 

 

 地球から左遷された、ではなく、強力な社内カルテルを組んでいた取引相手との政争に負けた男だった。接待した豚男は弱みを握り、情報を流せ。そうすればコロニー労働者の環境を整備してやると契約書迄交わしていた。

 サヴァランは口約束では、と書面の契約を行ったが今に思えば守るつもりもなかったのだろう。

 

 

「そう睨まないでくれませんかねぇ」

「………」

「睨むなって言ってるでしょう? これだから宇宙の貧乏人は困る」

 

 

 地球の貧乏人はもう少し立場を弁えてますよ、と蛇のような男はサヴァランを蔑む。

 

 

「こらこら、パークくん。そう悪し様に言うもんじゃない。多少の知恵は使える使い勝手のいい消耗品だぞ」

「ラッセル取締役。…………いえ、失礼しました。お見苦しいものを………」

「構わんさ。そろそろ捨てようと思っていたからね。君と私の部下がコロニー本社の椅子を手に入れれば、ファーレン総取締役へのけん制も夢ではない」

 

 

 ラッセルと呼ばれた豚男は単にもっと権力を欲しがり、今回のデモを利用して上層部のすげ替えを画策しているにすぎないのだ。また。パークはラッセルにコロニー勤務の左遷をされたが協力する代わりに取締役に推薦すると諭され手を貸している。

 何のことはない。サヴァランとナボナは勝手に踊り狂っていただけだ。裏も取らずに信用して、下層階級ゆえに上の力関係(パワーゲーム)を知らなかった。

 

 

((――無論、用済みになれば話は別だ))

 

 

 そんなラッセルとパークは互いに弱みを握り合う未来の敵である。このマッチポンプが終わり次第、自らの地位と権力と支持層を盤石にし、最高の瞬間に告発する隙を狙っている。

 魑魅魍魎が跋扈する経済界は恩義を大事にするサヴァランや仲間を救いたいと思うナボナをゴミクズほどの価値もない存在としか思わない。

 いや、そもそも存在を感知することすらないだろう。歩いていたら何気なく気付かずに踏みつぶしていた虫や雑草程度の認識があればいいだろうか?

 

 

「この女はよろしいので? ノブリスの手の者らしいですが?」

「使い捨ての消耗品だということだ。肌も綺麗だし、見た目もよろしい。カミラ夫人が見目麗しい女のはく製を集める数寄者(イカレ)だったか………。彼女に土産として渡そう」

「それはそれは。随分とイイ趣味をお持ちですね」

「女性は美しいものに囲まれたいのだよ。どんなものであれ、な」

 

 

 聞いていて気持ちのいい話ではない。唾棄すべき、恥ずべきものだ。

 サヴァランはもう彼らを視界に………いや、思考の片隅にすら入れたくないと動ける範囲であたりを見回すと二人の男女がいた。見知ったナボナと怪しい少女だ。

 

 

「ナボナさん………!」

 

 

 かすれた声でナボナに呼びかける。何故こんなことをしたのか? どうして幼気(いたいけ)な少女に手を出したのか。ビスケットを攫ったのか。

 なんでこんな連中とつるんでいるのか!

 

 

「サヴァ、ラン兄さん」

「ビスケットっ」

 

 

 か細い声でビスケットはサヴァランを呼んだ。その弱弱しい声に弟の体を見える範囲で確認するが外傷は見当たらない。

 

 

「ビスケット。何があった? どうしてお前がここに……」

「うっ………兄さん、会えて………」

「ビスケット!」

 

 

 意識が朦朧としているビスケットのもとへ行こうと、サヴァランは芋虫の様に体をくねらせて近づく。

 あと少し、というところでナボナと話していた少女の仲間がサヴァランの背を思い切り踏みつけた。

 

 

「がっ!?」

「動くんじゃねぇよ。人質は三人だけでもいいんだぜ」

 

 

 ミシリ、と嫌な音が聞こえる。肺が圧迫され、酸素は強制的に吐き出されてサヴァランは息を吸おうと真っ赤になった顔で苦しむ。それが楽しいのか不意に力を緩め、サヴァランが荒く呼吸をしていると再び踏みつける。

 めきっ、とあばらが軋む音がした。

 

 

「―――ッッ!!!?」

「面倒かけさせんな」

 

 

 もだえ苦しむサヴァランの顔に蹴りを入れると男は興味を失ったか、少女のもとへと向かう。

 少女がナボナとの話を終わらせるとナボナはサヴァランの事を蔑んだ目で睨み付けて部屋から出ていく。その時、知らない男が入れ替わりで入ってきた。

 背はそれほど高くはなく、底意地の悪そうな顔をした男である。

 

 

「仕掛けは済ませやした」

「ご苦労様。貴方たちの相手だけど………生身じゃなくていいのかしら?」

「モビルスーツで叩き潰したほうが心の支えをぶち壊すのにいいんですよ。―――とてもね」

「………まぁいいわ。私たちは任務を優先するだけ。互いに都合のいい仲間に過ぎないことを忘れないで」

「もちろんでさぁ」

 

 

 ビスケットの意識がはっきりしていれば、彼はあまりの衝撃に固まっていただろう。

 何せ、少女と話している男二人は十分すぎるほど知っている人物だったのだ。その所業や性格。腐り果てた性根の数々を……。

 

 

「可愛がってやるぜ、参番組のブタネズミ」

「あの生意気なチビも一緒にな」

 

 

 ――旧CGS壱番組隊長、ハエダ・グンネルと腰巾着のササイ・ヤンガス。

 二人は指を鳴らしながらビスケットのもとへゆっくりと近づいていったのだ。憎悪と狂気に満ちた瞳を向けて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クランクからの知らせを聞いたオルガがまず最初にしたのは三日月を止めることだった。仲間、とくにCGS時代から付き合いのある仲間を大切にするきらいがあるのだ。

 案の定、三日月は据わった目でドルト本社へと殴り込みに向かおうとしていた。

 

 

「待て、ミカ!」

「オルガ……。放してくれ。ビスケット達を助けに行けない」

「それを待てって言ってるんだ。連中、衆人環視の中で人攫いなんてできるんだ。下手に動けばビスケット達の命がないかもしれねぇ」

「ッ…………じゃあ、どうするの?」

 

 

 ――それを考えているんだ、とオルガは手に入っている情報だけで状況整理を測る。

 ダンテとマルバの話によれば、クーデリアやシノ達に爆弾を括りつけられたとか、何かしらの薬を使われたということではない。タブレット以外は目に見えて残るものはなく、その後において接触もなかった。

 彼女が参加してしまったのはわずかに燻ぶっていた正義感と人質の安否のためだろう。

 

 そして幸いなことに、鉄華団にはダンテ・モグロという電子戦のプロが存在していることを知らなかったらしい。少しの手間はかかったものの、ダンテは人質と誘拐犯の居場所特定できたのだから。

 しかし問題はそのドルトカンパニー本社にどのように侵入するかである。

 

 

「正面からは選択肢にねぇ。裏手も確実にギャラルホルンの鎮圧部隊が張っている。下水に通じる道なんてねぇだろうし………」

 

 

 地理なんて全くわからない場所で潜入作戦なんてものを立てられるわけがない。

 次第にじれてくる団員に落ち着けと宥めていると明弘があることを呟いた。

 

 

「こんな時でも配達とかしてんのか。ご苦労なことだな」

「? そりゃあ、デモなんて関係が――――待てよ? 明弘、お前なんて言った?」

「なんてって……、ご苦労なことだなってよ」

「いやその前だ」

「えっと…………配達してるのか、だったか? これがどうした」

「―――可能性に賭けるしかねぇ。クランクさん」

『なんだ? 社長ならまだ……』

「レッドは後回しでいい。それよりもダンテに―――」

 

 

 オルガは指示を出した。それが正しいかなんて今はわからない。しかし待っていてもどうにもならないことだけは知っているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 職務に忠実なギャラルホルンの兵士は思ったよりも多い。特にコロニー内に常駐する兵士は顕著である。

 理由は地球とは違いコロニーのある場所は生身では生きていけない宇宙である。大気循環システムに少しのエラーやテロリストによる制圧が行われれば、コロニーは監獄へと変貌し、最悪の場合、崩壊させられる恐れがある。

 コロニーのような巨大な建造物がそう簡単に壊れるかと思うかもしれないが実はそう難しくはない。

 

 ダムの特定のポイントに爆薬を仕掛け、ちゃんとした手順を踏んで行えばほんの数名と数台の車、少しの爆薬で解体できる。現実に地球でもダムなどの設計図は厳重に管理され、未だに紙媒体で保存されている。

 

 コロニーはどうかといえば、原理は全く同じである。規模の関係上、時間はかかるだろうが時間さえあれば一人でできないことはない。壊さないのが目的なら循環系や気象系の管理を行っている指令室を占拠すればいい。たったそれだけでコロニーは回転する巨大な監獄となる。

 穏便にというのなら………コロニーは内外の修復や内部設備の拡張を想定して作られている。ライフラインやもしもの時の脱出艇など様々な保険が掛けられている。

 くだらない都市伝説ではコロニーそのものを巨大な砲として運用できる、なんてものもある。

 

 

「ふぁぁ………やってらんねぇ。ったく、さっさと終わらねぇかな」

「任務放棄するなよ。……気持ちはわかるけどよ」

「本部からの命令つってもよ? 俺たちは本部(地球)勤めなんだぜ? どうしてこんなコロニー来なきゃならねぇんだよ」

「確かに、な。いくら作戦だからと言って、急な異動はなぁ」

 

 

 長い年月を経て存続しているギャラルホルンも地球に近ければ近いほど腐敗が進んでいる。遠くても退廃しているが地球上で活動する連中よりはマシである。

 国家級の大規模な戦争も紛争も小競り合いすら殆ど起きない地球圏では深刻な兵士の質の低下が問題となっていた。

 

 

「だろ? あの……なんだっけ? サテライト?」

「合ってる。セブンスターズ直轄の特務戦隊だ」

「実質、陰険ファリドの私兵だけどな」

「バカッ! 口が過ぎるぞ!!」

 

 

 ギャラルホルンで特定のセブンスターズへの不遜な態度はタブーとされている。その筆頭がファリド家当主のイズナリオ・ファリドである。

 統制局局長にして、諜報や捜査、組織内の秩序維持を主体とする彼の支配域はほぼギャラルホルン全体と言っても過言ではない。かつて妾腹の息子マクギリス・ファリド以外にも子供が居るとの噂やガンダム・フレームを蒐集しているなどの黒い噂もあった。

 言うまでもなく、いつの間にか下火なっていったのは当時の兵士の中で一種の語り草となっている。

 

 

「この程度で始末してりゃあ組織が成り立たねぇよ―――っと、お客さんだ」

 

 

 飄々としている同僚に冷や汗を掻いている彼は、その指をさした方向へ視線を向けた。

 今更ながら彼らの警備している場所はドルトカンパニー本社に相応しい大きさの搬入口だ。思い出せる限り、今日の搬入予定を浮かべるがなかったはずだ。

 

 

「止まれ」

 

 

 キィッと少し耳障りな音を立てて予定にないエレカが停まる。

 ドルトピザなんて、安直な名前のロゴが描かれている。

 

 

「窓を開けて身分証を出せ」

 

 

 予定外の来客に注意しつつ、男は口さがない同僚に目線で指示を出す。渋々と運転席側に近づき、運転手の顔とタブレットを利用して真偽を確かめる。ひげを蓄えた色白の男。

 二人しかいないので後ろの荷台までは一度に調べられない。

 

 

「――アントニオ・スターク………東地区の………偽造じゃないな。何しに来た?」

 

 

 高圧的に降りろと言い放ち、それに文句も言わない無抵抗な男に“つまらねぇ”、と内心で舌打ちしつつ身体検査を行う同僚の銃口がヒゲ男を狙う中でわずかな違和感を感じつつも、抵抗のかけらも見せないつまらない仕事を終わらせるべく、急ぎ足に済ませていく。

 

 

「ピザの配達を頼まれまして……至急とのことなんですよ。どうにかなりませんかね?」

「どうにもならねぇよ。とりあえず中を見せろ。ほら」

「た、頼みますよ! うち、今キャンぺーン中で30分以内に配達できないと無料になっちまうんです! お願いします!! 他にも配達先があるんですよ!」

 

 

 ――40枚も無料になるなんて赤字になっちゃいますよ!!?

 ダンディな髭を蓄えている割に情けない声を顔で留飲を下げるとしよう。だが……―――

 

 

「俺たちは腹が減ってるんだ。貪りたくなるぐらいにな」

 

 

 ――わかるだろ? と飄々としている兵士はいわゆる賄賂を要求した。安いものだろうと囁いていて、そんな姿に銃を向けている兵士は呆れ半分と期待半分でなんとも言えない顔をしている。こういううま味や楽しみがないとやってられない。それぐらいにこの任務に不満を持っているのだ。

 

 大きな赤字となってクビになるか給料を減らされて店長に怒鳴りつけられるのとどちらがマシか、ヒゲの男は逡巡し後者を選んだ。

 その返答に笑みを浮かべて、飄々とした兵士はエレカのカーゴのドアを開け放った。随分と乱暴な開け方にエレカ自体が揺れる。手荒に扱わないでくれと抗議するも――

 

 

「カーゴの中に何か隠しているのか? 一つ一つ調べようか? うん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、ピザは数枚奪われる羽目となった。

 守衛には気の毒な目をされつつも新顔だな、と訝しげに見られたがすぐに彼の意識から外れたようだ。切って捨てるぐらいあるピザ屋のバイトなんて記憶に残す価値もないのだ。

 

 

「行っていいぞ」

「ありがとうございます」

 

 

 静かな音を発てながらエレカは駐車場の奥へと進んでいく。

 行けばあるのは地下駐車場の守衛室で、いつもならそこに停まって引き渡すが今回は違った。

 

 

「ついたぞ。早くしてくれ」

 

 どちらからも見えない位置で停まり、コンコンと運転席側から車内とカーゴを仕切る壁を叩く。

 すると少しくぐもった音と共にカーゴの扉が開いた。無表情で小柄な体躯の少年と褐色肌の青年が這い出て来た。

 

 

「全身すごい匂いだな」

そふはね(そうだね)

「何だ他所の言い方――って、三日月!? それ………!」

「(んぐ)………今度アトラに作ってもらおうかな」

「だ、大事な商品がっ!? ちょっと!!?」

「すみません! ほら、三日月! お前も謝れって!!」

「ん? …………うん。ちょっとくどかった」

「味の感想聞いてんじゃないんだよ!」

「さっさとどっか行ってくれ!! 俺の給料がパーになるっ」

「あと一枚」

「食うな!!」

 

 

 ジュニアハイの学生たちがやるようなコントに付き合ってられないと顔を真っ赤にしてヒゲの男はエレカを発進させていった。

 こちらの都合で巻き込んでしまった一般人にチャドは申し訳ないと思いつつ、隣でピザをつかんでいた指をぺろりと舐める三日月に目を吊り上げて小さな声で怒鳴る。

 とはいっても大して堪えた様子もなく、仕事前に疲れるのは馬鹿げているとチャドは諦め、仲間たちが動きやすいように細工するため、近くのメンテナンスドアを物色する。

 

 

「………? おい、三日月。行かないのか」

「……ん。今行く」

 

 

 エレカの去っていた方向をじっと見つめていた三日月だが、何もしないなら別にいいかとチャドの後についていく。まあ、自分は文字なんて読めないし、機械も詳しいことは知らない。鉄火場のみの人員なのだ。

 

 

(―――レッドとか名瀬さんみたいな感じだったな。あのヒゲの人)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆―――――☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少しの悶着の後、件のヒゲの男は来た道をますっぐ引き返していた。

 途中、荷物(・・)を降ろしたところも通って行ったが何もなかったようなのでちゃんと引き取られたのだろう。仕事をこなしてひと段落と思ったところで、外にいたギャラルホルンの兵士に今度は売り上げを奪われかけた時はどうしてくれようかと思ったほどだ。

 

 そうしてしばらく走り続けて、殺風景になったピザ屋の裏手にエレカを停める。今日でこいつともお別れだと思うと寂しさを覚えるが仕事人に拒否権などないと頭を切り替える。

 店長室―――とは名ばかりの様々な機械やモニター、足の踏み場もないほどに敷き詰められたコードの類がただのピザ屋じゃないことを証明していた。

 ヒゲの男は痕跡を残さないように片づけを進める一人に声をかける。

 

 

「進捗は?」

「予定通りです。あとは所有者を偽装していた者に死亡届の偽装をして売り払えば終わりです」

「わかった。痕跡は残すな。業者も連中を使え」

「はっ」

「俺は依頼主(クライアント)に連絡を取る。任せる」

「了解です、二佐」

「店長と呼べ、店長と」

 

 

 誰が聞いてるかもわからないんだぞ、と咎めるような口調で叱るが当の人間は大丈夫ですよー、なんてだらけたことを言いながら作業に戻っていった。

 そこそこ優秀だが弛んだ空気に慣れてしまっては困る、とヒゲの男は硬度に偽装され厳重に閉ざされた机の天板から一つのリストを取り出した。そして(おもむろ)に件の男ページにバツ印をつけたのだった。

 

 

 

 

 






 駆け足気味というかここまで風呂敷広げると収拾つくのか恐いぜ!
 というわけで解説行きます。



『サヴァラン・カヌレ』
 ビスケット兄妹の実の兄で、幼いころから優秀であったためにカヌレ家に養子として引き取られた。
 以降は仕事の都合上もあり、年に数回程度の連絡の取り合いだけだった。労働者たちからは同じ階級から役員になったため待遇改善の希望の星となっていた。
 原作同様にクーデリアの確保しようと企むが、それよりも先にナボナが革命軍と結託し、逆に裏切者と諭されて拘束されてしまった。


『ラッセルとパーク』
 豚男がラッセル。パークは爬虫類みたいな男と影で噂されている。
 互いに出世争いの敵と認識し合っているが今は利益を生み出すため見逃し――というなの証拠集め(停戦)の状態である。
 作者的に生かす価値はないので消えてもらいマス!


『ハエダとササイ』
 やっぱり生きていた、もとい地獄の宇宙からあいるびーばっくしてきた男たち。ただしカッコいいかと言われたら、そいつにカッコイイを辞書で調べて来いとモズグズチョップを喰らわしてやりたい。
 地獄から生きて帰ってきたとはいえその性格は治ってはいないようだ。


『コロニーの云々』
 実際、大気の循環設備を占領されると毒ガスや化学兵器を流される可能性は捨てきれない。1stガンダムでは外部にあった酸素供給システムに毒ガスを混入するなどしていた。
 鉄血世界ではそういったものは壁の中に隠されており、専用の港から出ないと供給できないようになっている。
 また、その他の電気や回転システム、手動と遠隔手動併用の解体システムなどコロニーの安全に関して過剰な防備が施されている。作中においては内側と外側からコロニー外壁と内殻の間のメンテナンススペースにて何かしらの作戦をするつもりらしい。
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