マスターの絆は砕けない   作:きど

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転機6

最近、毎週土曜日はチヨさんにお弁当を届ける為、雄英高校まで来ている。

 

 

エミヤママのご飯を大層気に入ってくれているチヨさんが、最近忙しくて食事がきちんと取れないと愚痴を零したことがきっかけで、お弁当ならば好きな時間に食べられるとママが気を利かせて作ったのだ。

雄英には学食があるが、学食まで行く暇もない時にはやっぱりお弁当が良い。

 

 

雄英に向かう時間が被っているようで、道中よくトッシーに合う。

 

この間、僕がヒーロー志望で雄英のヒーロー科ではどんなトレーニングや勉強をしているのか気になると言って以来、彼は嬉しそうに色々話してくれている。

稀に例のお師匠さんへの不平不満が出るが、その度にボコボコにされたことを思い出しているのか勝手にヘコんでいる。

不平不満と言うよりは、もう単純に恐怖の感情が滲み出ている感じだ。

 

相手はヒーローの先輩、ひいては人生の大先輩なのだから、今は敵わずとも気にする必要はないと励ますと、元気を取り戻しつつも小学生に励まされたことに若干ヘコんでいた。

難儀だなあ。

 

「マーくんは大人だなあ…私よりも大人なんじゃないかって思う時があるよ」

「それって僕がジジくさいって言いたいの?小学生に向かってそれはどうなんですかね、未来のヒーローさん?」

「ええっ!?いや、そんなつもりは全く…っていうか、未来のヒーローだなんてそんな…照れるじゃないか」

 

ポッと頬を染め鼻を擦るトッシーは、贔屓目抜きにしても好青年だ。

顔出しでヒーローになったらさぞモテモテになるんじゃないかと言ったら、後頭部を抑え益々照れ出した。

男子高校生並みの煩悩はあるらしい。

イシュタル並みにチョロいなー。大丈夫か?

 

 

雄英に着いたら、最近はほぼ顔パスと化した守衛さんの所で形式的な身分証と許可証の提示を終え、一旦トッシーと別れる。

保健室へ向かいチヨさんにお弁当を届けるといつものようにお菓子を貰い、食べ終わるまで雑談をして保健室を後にした。

 

事前にトッシーから聞いておいた今日の訓練場へ向かえば、ちょうどお師匠さんにボコボコにされているところだった。

う~ん、いつも通り!

軽く挨拶をして定位置の端っこで見学させて貰う。

 

もちろん、最初の英雄王事件のようなことを危惧し、安全のためマシュを呼んで隣に居て貰っている。

マシュも「私にとってもとても良い勉強になります!」と言って真剣に見ている。可愛い。

時折ふたりで今の攻撃はもう一撃入れられたとか、これは回避が上手く次の攻撃に繋げやすそうだとか議論を交わす。

 

 

お昼になり訓練は休憩になった。

ママが「マスターがお世話になっているのだから」と僕に持たせたお弁当をみんなで囲んで、さっきの訓練の反省会も兼ねたご飯だ。

 

外野がごちゃごちゃ言うことじゃないと思って黙っていたが、客観的な意見も参考になるということで僕やマシュも時々意見を言わせて貰っている。

 

「さっきの防御は態勢が厳しかったですけど、剣とかがあったらこう…こう、こうしてこんな感じで攻撃を畳み掛けられると思うんですよね」

「武器かあ。まずは身体を鍛えろって言われてトレーニングしてるから、あんまり武器って使ったことないんだよね…」

「それにこいつの馬鹿力だと並大抵の武器では壊れてしまってマトモに扱えん。それにしても、小僧はまだ小さいのに随分戦闘に関する心得があると思っていたが、剣術までとは…誰かに教わったのか?」

「お褒めいただき光栄です…誰かに習ったという訳ではないんですが、さっきのは騎士の人の戦闘イメージで…そういえばなんとなくトッシーに似てるなあ。髪や瞳の色とかゴリ…んんっ!怪力なところとか」

 

一瞬ゴリラと言いそうになってしまった。誤魔化せてない気もするが全部言い切るよりはマシだろう。

内心ため息を吐いていると「へ~!ぜひ会ってみたいなあ!」という元気な声が聞こえた。

 

えっ。




はいまたスランプが来ました〜。
どう展開させて良いのか分からないゾーンに入りました。

こう、転々とイメージがあるのでそこへどう繋げるか…という。
今回は次に召喚するのはバスターゴリラさんと決めていたので、そこへの繋ぎが大変でした。

ちなみにうちのカルデアには居ません。来い!!!!!!

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