「改めまして、よろしく。サーヴァント・レオナルド・ダ・ヴィンチ。そう――今からは、きみだけのダ・ヴィンチちゃんというコトさ!」
うっ…可愛い顔してめちゃくちゃ魔力持っていくじゃん。やば…
あれから僕はトッシーと彼のお師匠さんを助けたいと思い、単独行動スキル持ちのエミヤや気配遮断スキル持ちの燕青に協力してもらい情報を集めた。
人のプライベートを覗くのは気が引けたけど、初日にエミヤが渋い顔をして戻って来た事から事態は思ったよりも深刻だと知り、とりあえず僕らの頼れるカルデア技術顧問、ダ・ヴィンチちゃんを召喚したという訳だ。
まずは疲れたので寝ます。実体化してると消費魔力が洒落にならないし、夢で会えるしね。
「ふんふん。聖杯…は無いんだったね。君の個性のお陰でこの世界の知識や現状は把握しているよ。確かにこれは天才の助けが必要な案件だろうとも」
「流石天才だ~!話が早すぎる!」
「ふふ、もっと褒めたまえ~…と、おふざけはここまでにして。マスターには悪いんだけど、話はそう簡単じゃない」
ニコニコしていた顔をキリッとさせ、どこからか眼鏡を出したダ・ヴィンチちゃんはそのまま眼鏡をかけて僕に向き直った。眼鏡をクイッと持ち上げながら口角を上げる表情も絵になっている。
曰く、普通の人間や魔術師じゃサーヴァントには普通対抗できないけれど、今ダ・ヴィンチちゃん達を限界させているのも、これから闘う敵が使うのも個性という同じ土台の力で、純粋な力のぶつかり合いでも勝てるか分からないのが問題なのだそうだ。
そういえばガウェインもお世辞なしにトッシーや酉野さんが強いと言っていたな。てっきり種火が足りないからだと思っていたけど、もうみんなは魔術世界におけるサーヴァントじゃないんだなあ。
オカンスタイルが板についているママから紅茶を受け取ってみんなで一服して、情報収集にも戦闘にもやはりサーヴァントの頭数が足りないとの結論に至ったので、僕が「次は誰を呼ぶべきかな?ホームズ?」なんて頓珍漢な質問をした時だった。
「それなんだよね、マスター。さっき言った"簡単じゃない"というのはそこなんだ。当たり前だがサーヴァントは居れば居るだけ良い。しかし、今の召喚スピードでは全く以て間に合わない!」
「まあ、それは僕らも分かってるんだけどね…」
「そうなんです、ダ・ヴィンチさん!今回の件を抜きにしても、カルデアの全員を呼ぶには時間がかかり過ぎるのがかねてよりの問題でして…」
「そこで、サーヴァントの実体化や戦闘での魔力消費をカルデアみたいに電力で補えたりしないかな~っと…」
「私を誰だと思っているんだい?世界が生んだ万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチだぜ?…と言っても、私も無から有を生み出せる訳じゃない。カルデアみたいに魔術工房も研究費用もないって言うんじゃ流石にちょっとお手上げだよねえ…」
みんなで場所は兎も角お金かあ…と困り顔をしていると、突然背後からドサッというか、ジャラッみたいな重い金属が落ちる音がして一斉に振り返った。
「フン、
「お、王様~~~~!!!!」
言うなれば金銀財宝ザックザク!!え?ガラクタ?これが!?英雄王は僕ら庶民とは文字通り見る目が違うな…
「で、でも…」
「そうだね。ギルガメッシュ王。"この世の財宝は全て我のもの。"じゃなかったのかい?」
「言ったであろう。こんなガラクタは宝物とは呼ばぬわ。しかし、貴様ら有象無象には喉から手が出る程のモノの筈だが?遠慮など、気色悪い事をするでない」
かっけえーーーーー!!流石原初の王様言う事が違うぜえ!僕とマシュで手を握り合って飛び跳ねていると、後ろからエミヤが出て来てそれを制した。
「喜んでいる所申し訳ないがマスター。こんな出所の分からない金品を使う訳にはいかないのではないかね?」
上がっていたテンションが一気に下がっていくのを感じる。た、確かに…今まで無かった財宝がこんなに一気に世に出たら不味いのでは?怪しまれたりするかもしれないし…という不安はすぐに晴れた。
何でも、王様がこの世界で巻き上げ…もとい、手に入れたものらしい。じ、実体化してるはずなのに居ないと思ったらカジノ行ってたんですか!?アメリカ!?イタリアのマフィアをいくつか潰して来た!?……な、何も聞かなかったんだぜ…恐ろしきアーチャーの単独行動スキル…
今度こそマシュと「見てください先輩!これはエメラルドでしょうか!とても綺麗です!」なんてワイワイやっている時にふと気が付いた、ここ最近目撃情報が相次いでいる流れ星とも国籍不明の戦闘機とも言われている通称"金色の光"とは、国内外を移動する王様のヴィマーナなのでは…?という疑問は、記憶から消す事にした。
あけましておめでとうございます!
久々の投稿です。
マフィアから巻き上げた財宝も世に出しては不味いのでは?と思いますが、その辺は天才ダ・ヴィンチちゃんが上手い事やってくれるはずです。
"天才"を便利な言葉扱いしてる気がする?気にしナイ、気にしナイ。