マスターの絆は砕けない   作:きど

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お節介3

現在、僕たちは海に浮かぶ孤島に来ています。え?バカンスかって?だったら良かったけどね。それはまた今度。

実は友達を助ける為に遠路遥々やって来ました。その友達は今、周囲をドッカンドッカンさせながら戦ってるんだけど、相手も相当に強いので力のゴリ押しじゃ勝てないみたい。

 

今回付いて来たのはコッソリとだったし、助けてくれって言われた訳じゃないので、離れた所で隠れて見てるんだけど…そろそろ危なそうだなあ。

しばらくすると、これ以上は危険との判断で出撃の合図が出た。僕はマシュに魔力を送り始める。戦闘開始だ!

 

「甲板に電磁カタパルト展開!シャドウ・ボーダー、ハッチ開け!」

「シールダー・アーマード!トシノリくん達の前方に向けて、射出!」

 

マシュが「マシュ・キリエライト、出撃します!はああああああ!!」と勢いよく飛んで行き宝具を展開した。敵はトドメとばかりに大きな一撃を放とうとしており、酉野さんがトッシーを抱えて撤退しようとしている。

トッシーが泣いてる所、はじめて見た…もう1人のお師匠さん───志村さんが殿を…いや、あれは…死ぬ気なんだ。ここで殺されるのが分かっていて、それでもトッシー達を守ろうとしている。これが…ヒーローなんだ───。

 

「真名、凍結展開。これは多くの願いを受けた幻想の城───呼応せよ!『いまは脆き夢想の城(モールド・キャメロット)』!」

 

かつて多くの戦いで僕らを護ってくれたマシュの宝具が、ダ・ヴィンチちゃんのお陰で新しい姿をとってまた誰かを護っている。戦いなんて好きじゃないけど、僕はちょっぴり嬉しくて───また、目頭が熱くなった。

泣いている場合じゃないぞ!グッとこらえてシャドウ・ボーダーを他のサーヴァント達と飛び出した。

 

「お先に失礼」

 

久々に全力を出せるのが嬉しいのか、アヴェンジャー・クラスのジャンヌが飄々として飛び出して行った。あまり離れすぎると魔力供給に支障が出るので、僕も走って追いかける。

そんな僕の隣には「慌てない慌てない。呪文噛むからね」と言ってマシュ同様宝具を展開するマーリンが。

 

「星の内海、物見の台。楽園の端から君に聞かせよう……君たちの物語は祝福に満ちていると。罪無き者のみ通るがいい───『永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)』!」

 

掛け声と共にマーリンが杖を振り上げると、辺りは一面花畑になった。宝具の効果で体力や傷を回復したらしいトッシー達は、何から何まで驚いていて、どこから突っ込んでいいか分からないって顔をしている。

流石はヒーローというか、W師匠はすぐに冷静になって僕達に合流した。トッシーは酉野さんに引き摺られている。ああ、痛そう…

志村さんが「あんた達どこのヒーローだ?いや、助かった。ありがとうと言いたいが、あの男は危険だ。すぐに避難を…」と言いかけている所で酉野さんが遮る様に叫んだ。

 

「何をやってるんだお前は!まだヒーローでも無い子供のくせにこんな所まで出しゃばって来おって!!」

「ご、ごめんなさい先生!でも、僕は…ただ、友達を助けたかっただけなんです…それに、作戦もあります!とりあえず今は協力してもらえませんか」

 

ここで言い合っている暇がある程、相手は優しくない。マシュとゲオルギウスさんがスキルを使用して攻撃を引き付けている間、ライダーのメドゥーサが魔眼のスキルで相手を一時的に行動不能にさせる。その隙に孔明先生が邪ンヌの宝具を発動可能状態にし、ついでとばかりに自分の宝具も開帳する。

 

「すべてはボクの思うがまま、ってね!これぞ大軍師の究極陣地『石兵八陣(かえらずのしん)』!」

「全ての邪悪をここに…!これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮『吼え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・へイン)』!」

 

あ、ジャンヌが宝具撃つ前に隣のマーリンがしれっと英雄作成でバフ盛ってる。

 

はっはっは!相手はデバフ盛り盛り、こっちはバフ盛り盛りじゃーい!マスター礼装にはバフスキル必須!!そこ!脳筋マスターとか言わない!

普通に宝具を撃ったんじゃ効かないかもと思ったからね…敵の「ぐあああ!」という声が聞こえるのでけっこう効いてるはず。

 

もの凄い轟音と炎に僕を帰そうと躍起になっていた酉野さんも思わず振り向いた。

戦いに戻ろうとしている志村さんをまあまあ、と引き留めるマーリンも、志村さんがギョッとしている隙に腕を掴んで引き摺っている。これでも筋力Bだからね。でも怪我人だからもう少し優しく!

トッシーはもうキャパオーバーみたいで、涙も拭かずにオロオロしている。はは、まあびっくりするよね。

 

戦況を見てその気になったのか、渋々といった感じで酉野さんが作戦を聞いて来る。作戦と言っても、サーヴァントの皆が足止めしている間に撤退の一手だ。

 

シャドウ・ボーダーまで走れー!




7代目OFAが亡くなった戦場に殴り込みじゃーい!
宝具祭りじゃー!!

なんか早くも終わりそうな展開。
終わった後も番外編として日常をちょくちょく更新するつもりです。


感想ください!!!!やる気が出ます!!!!!!
あと、今まで感想書いてくださった方ありがとうございます。
大変嬉しいのですが、追記は通知が来ないので見逃してしまうかもしれません。
新たな感想として送っていただけると見落とさずにすみます。

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