「ママのご飯はやっぱり天下一品だなあ」
「本当!私こんな美味しいご飯いただいたの初めてかもしれないわあ」
「こいつが喜んで肉を食べるなんて相当美味しい証拠さね。それにしても本当に美味しいねこれは」
今夜の夕飯はやっぱりエミヤママのご飯になった。
褒められて自慢げだが、ママと呼ぶんじゃない!と叫んでいる。ツンデレ~。
お年寄りも居るしヘルシーな和食が中心だが、栄養バランスも考えられているこのメニュー…完璧だ。やっぱりママじゃないか。
この味、忘れられない味だ。
こうしてみんなでニコニコしながらママのご飯を食べているとカルデアを思い出す。
あの食堂に居たような人数は居ないし、エミヤと同じく食堂の守護者だったタマモキャットやブーティカたちも居ないが、こうしてひとつづつ体験して思い出すと心が暖かくなっていくのを感じる。
特に嬉しいのがこの和風ハンバーグだ。
僕の好物だったこと…ちゃんと覚えてくれていたんだなあと思うとまた暖かくなる。
以前、僕とマシュが杞憂していた「座に還ったサーヴァントたちの記憶は記録となってしまっていて、再び召喚したとしても同じ英霊の別側面になってしまっているんじゃないのか」という問題は今回も起こらなかった。
メディアが召喚された時点でメディアにはきちんとカルデアのサーヴァントであるという記憶があったらしい。
僕は魔術に関してはド素人だし、科学も融合しているカルデアのシステムなんかもっとさっぱりなのでメディアの言っていたことの九割は理解できなかったが…おそらくダヴィンチちゃんがカルデアに記録されていたサーヴァントの霊基を僕自身に固定していたからだそうだ。
うーん、なるほど…なんのこっちゃ。よく分からないが、ダヴィンチちゃんのお陰で僕はカルデアで出会ったサーヴァントたちにまた会えるのだということらしい。
まったく頭が上がりませんなあ。さすがは天才だ。
マシュと2人きりだった時、もし他のサーヴァントのみんなの記憶がなかったとしても、聖杯戦争もグランドオーダーもないのに召喚に応じてくれるようなお人よしたちとならば、また新たに記憶を作っていけばいい、なんて話もしたのだが…
嬉しい誤算だった。
誤算と言えば、なぜエミヤが今日召喚されたかだが…
あ、このあさりの酒蒸し美味しい。
マシュもメディアも僕の誕生日の前日に召喚された。だからてっきり毎年その日にひとりしか召喚できないものだと思い込んでしまって、そんなペースでは全員召喚するのは無理だろうと随分と落ち込んだのだが…
実は僕の誕生日まであと半年くらいある。なんでやね~ん。
それ故まさか今日エミヤママが来るなんて思わず完全に油断していた。
今僕の部屋は少し散らかっているのでママにバレないうちに迅速に片づけなければならないのだ…
ん~この卵焼きふわふわ~!!
今日来ると分かっていたら色々隠ぺいしてたのに。
いや、じゃなくて。
「なんで今日来たのか分かる?ぶっちゃけ僕の愛が通じたくらいしか予想付かないんだけど…」
食事を終えてお風呂にも入ったので歯磨きしながらママに聞いてみた。
ママは明日の朝ご飯の仕込み中だ。フレンチトーストっぽい。やったー。
エミヤママの作るフレンチトーストはバニラの香りがして優雅な気分になれる。きっと美味しい紅茶とセットで出てくるんだろう。
想像したらよだれが…うへへ…
味を想像しながら聞いていたのでちょっと前半聞き洩らしたが、純粋に僕が成長したお陰で魔力が上がったから召喚が可能になったのではという話だ。
なるほど。ただしママもその辺り専門外というか、彼も魔術に秀でている訳ではないので、癪だがメディアに聞いた方がいいと言われた。
明日聞こう。
オッケーと返して洗面所へ向かった。
疲れたので今日はもう寝ます。
これ以上起きてると明日の幼稚園に響く。おやすみなさい。