ギャク回です。
「こちらの計画は以上です。あなた方の計画とは違いますが、こちらにも計画に乗っていただきたいのです」
「…これは『あの男』の計画なのか?」
画面の向こうの男はニコッリ笑う。
「はい。プロデュースは私ですが、承認いただいております」
「…あまりシナリオに無い行動は慎んでもらいたいのだが」
ゲンドウの言葉にも男は動じず、
「もちろん心得ております。ご安心ください。あの方の目的はアナタと同じ、『完全な形での人類補完計画の達成』…貴方方の敵ではありません」
「………わかった。好きに…」
「ところで、ご子息様はお元気でしょうか?」
「なに?」
「シンジ様はお元気でしょうか?こんな環境が悪い『世界』にいてとても心配なのです。あぁ…お風邪をひかないでいてくれたらよいのですが…あぁ、そうそう、シンジ様もご招待いたしますので、了承いただけると嬉しいのですが、お会いするのがとても楽しみなのです」
先程までの会話とは違い、楽しそうに話す男にゲンドウも困惑する。
「今回の件でシンジと何の関係がある?」
「何って、あのお方は…」
「お披露目パーティーねぇ…」
「そう、日本重化学工業共同体、通産省、防衛庁が
招待状には
『KD完成式典 招待状』
と書かれている。
「この『KD』ってのが、開発した兵器の名前か?」
「そのはずよね~問題はね…」
その招待状は2通あった。
一つはNERVに届いた招待状で、いかにも機械的に作成し、プリントしましたという、普通の招待状。
もう一つは、シンジ個人に届いたもので、装飾は金箔でそれでいて品がある最高級の招待状。
「なにこの差?内容もあたし等宛には『きたけりゃどーぞ』なのにシンちゃんのは『ぜひいらっしゃってください。おもてなしは万全です。お友達もどーぞ』よ」
「…うーん?」
シンジは首をかしげながら、
「マリー、カヲルー、なんか『保護者』から何か聞いてないか?」
夕食の献立の決定権を賭けてババ抜きをしているレイ・アスカ・マリ・カヲルに声をかける。
「僕は聞いてないな」
「ワタシもー、ボスってば意外と手広くやってるからねー。兵器開発の担当は別にいたみたいだけど」
「完全に悪の組織じゃない。なに、エヴァに対抗して巨大ロボでも作ってんの?」
「…怪人とかも?」
ババ抜きをしながら、キャイキャイと四人は会話をする。
仲良くしていることにシンジは満足すると、招待状を眺めて、
「こういうのは、手を出しても、放っておいても、碌なことにならないから、ご馳走が出る分、こちらから出向こう。おーい、ご馳走喰いたい奴、手を上げろ」
四人とも手を上げる。
「んじゃ、返信するか。えっと、学生服でいけばいいかなっと」
とシンジはチルドレン達の名前を用紙に記入して、返信封筒にいれて、ミサトに渡した。
「喜んでください『アテナ』!」
男が大声をあげて、机の上で黙々とキーボードを叩いて仕事をしている少女に喜びを伝える。
「どうしたんですか、キャイキャイキャイキャイ叫んで?発情期ですかコノヤロー」
少女はPCから背けず、仕事をしながら毒舌を放つ。
「あいかわらず仮にも上司に向かって何たる暴言!まぁいいでしょう。なんとシンジ様が我々の成果を見に来ていただけるのですよ!」
それを聞いて少女は立ち上がる。
「それを先に言いなさいよ顔だけ
少女も叫ぶように喝采を上げる。
「あぁ、シンジ君。陰ながら可愛いシンジ君から逞しくなっていくシンジ君を見てたけど、ようやく貴方に会えるのね!『クソ社長』とクソ上司のせいで会えなかったけど、シンジ君の為に磨いたこの美貌と躰!ようやくシンジ君にあげられる!」
「まったく、下品な!これだから上司として会わせられあなかったんですよ!」
「うっせぇ!二股男!上司もくそも肩書は同格だろうが!」
「言わせておけば!」
「なによ!」
派手に言い合っている二人をよそに、別にいた二人は溜息を吐き。
「じゃあ、俺は警備の計画を練るわ」
「備品の発注早めにやっとくよ」
黙々と真面目に仕事をした。
「会場…ここか?金あんなぁ」
「マジか…第28放置區域になんでこんなもんがおったってんのよ」
制服姿のシンジとキッチリとしたスーツ姿のミサトの疑問はもっともだった。
旧東京都心の第28放置區域になぜか巨大な古代ギリシャを思い浮かべるようなビルが建造されていた。
「へぇ、いいとこじゃない。ここなら私に相応しそうね」
フリフリなピンクのドレス姿のアスカが満足そうに笑みを浮かべる。
「美味しいモノ…あったらシンジ君に覚えてもらう」
黒いタイトなドレスのレイもウキウキしている。
「もう、姫達はおこちゃまなんだから~」
チャイナベースのドレスのマリに
「いいじゃないか。リリンの創ったおもてなしを味わおう」
むっちゃカッコイイスーツを着ているカヲル。
「…なぁ、なんで俺だけ制服なんだ?」
「うちのボスが仕立ててくれるっていうから、全員仕立ててもらったにゃ」
「俺のは?」
「『シンジ君は真面目だろうから、断るだろう』って」
「なんて、過大評価な、俺だって…」
シュンっ…
「…んなっ!『次元の歪み』が今通ったよな!?」
シンジがマリに問おうとすると、ミサトとチルドレン達がシンジを怪訝そうな顔で見ていた。
「どうしたみんな?」
シンジが尋ねると
「シンジ…あんた、王様願望あったんだ」
「王様になるの?」
「にゃるほど…ハーレムを築くわけだ」
「似合ってるよシンジ君」
「シンちゃんってば、破壊者やって王様になるわけ?」
善人の言葉にシンジは恐る恐る自分の姿を見る。
「…俺は何でも着こなすいい男だが、これは予想していなかったな」
シンジの今の服装はファンタジー作品に出てくる王族の服装だった。
「ふふっ、とても似合ってるよ。シンジ君!」
「だ、誰だ!?」
シンジは突然聞こえたきた女の声のする方を見る。
ホテルの玄関の上に何者かがいた。
「誰って、貴方の御妃様の声を忘れたの!?トウッ!」
空中を跳び、錐揉み回転して着地したのは、美少女といっても過言ではないプラグスーツに似ているが鎧のようなスーツを着た少女。
「久しぶり、ダーリン」
その言葉を聞いてチルドレン達はシンジを見る。
「なに…あんた他所で女作ったの?」
「…浮気者」
「もう…あたし達だけじゃ足りない?」
「僕ならいくらでも受け止めるのに」
責める言葉に汗をダラダラかきながらシンジは首を振る。
「おいおい、ちょっと待て!俺にこれ以上疑惑の知り合いは…って、なんで…あれ…」
少女の顔を見るとシンジの思考が過去に飛ぶ。
それは別の世界で出会った少女。
自分の事を意地悪い言葉で責めていたけど、
『私が奥さんになって、シンジ君を守ってあげる!』
『絶対!会いに行くから!その時にお嫁さんにしてね!」
そう言っていた、少女…
「……マナちゃん?」
「そう、貴方の奥さん、『霧島マナ』ちゃんよ。ぎゅー」
とシンジを抱きしめた。
動揺するレイとアスカ。
「ちょ、アンタバカなの!?こら離れろ!」
「シンジ君から離れて」
ふたりに引っぺがされると、マナはやれやれといった顔をして、
「まったく…まぁ、これも男の甲斐性。私は責めないわよ。と、いうわけで『2号さん(レイを指す)』に『3号さん(アスカを指す)』、『4号さん(マリを指す)』と『5号さん(カヲルを指す)』と共に身の程を弁えてくれないかしら。お零れならいくらでも…」
「待てい!誰が3号か!?」
「2号ってなに?」
「まったく、側室の分際で…」
「マナちゃん」
「なに、シンジ君。ハニーって呼んで」
シンジは再開こそ喜んでいるが、それよりも疑問があった。
「どうやって、『この世界』に…」
「それは私が彼女をスカウトしたからです。そして、今や彼女も私と同格なのですよ、シンジ様」
シンジの声を遮った男を認識すると、驚愕と共にシンジはマリを引き離し、ミサトやチルドレン達より前に出る。
「うわっは、スッゴイイケメン…ポっ」
ミサトは彼を見て心を奪われる。
金髪碧眼に甘い顔といった表現がピッタリの美男子。三つ揃えの白のスーツだが、ベストとネクタイは黒い。
気候以上のこの世界で、手には黒い手袋を付けている。
シンジはすでにディケイドライバーを装着している。
「なぜ、お前が生きている…」
そんなシンジに彼はにっこりと笑って、
「お久しぶりでございます、
「アポロ…ガイスト…」
「同じく…」
先程とはトーンが違った声でマナが名乗る。
「《第三室長》ダクネス・アテナ。大首領様に拝謁いたします。貴方様の為に、駆け上がりました」
この二人は改変しまくりです。
ごめんなさい。