個性『Lobotomy Corporation』   作:Lobo

7 / 32
昨日も沢山の感想ありがとうございます。
今回はUSJ編前の日常回です。




嵐の前の日常。

翌日。

 

オールマイトが雄英高校の教師になった事が新聞社を始めとする報道陣の手に渡った事で校門前にはまるで蟻の巣に集まる蟻のように群がっていた。

中には生徒に強制インタビューをしている者もいてそういった人達が大分疲弊している様子を・・

 

(大変だなぁ)

 

と持ち前の影の薄さを生かし誰1人として会話しない男が1人窓際で悠然と眺めていた。

 

そう、倉持である。

この男、危機察知能力はゲブラー、ビナーのスパルタ特訓の末にその道のプロ並みには成長させられている。

そのおかげで今日の朝から彼はやな予感を直感する事ができ今に至る。

 

そんな様子を眺めている内に先生達の手によって報道陣は撤退していき

クラスメイト達も着々とクラスに入室してくるのだった。

 

 

♢♦︎

 

さて、時間は進みHR(ホームルーム)

入室してきた担任の相澤が初日に放っていた雰囲気と同じものであると瞬時に総員が感じ、周りはまた何かあるのかと緊張が走る。

 

「さて、次が本題なんだが・・・」

 

相澤の威圧感が別のものに変わり、皆は身構える。

 

「学級委員長を決めて貰う。」

 

「「「学校っぽい事きたぁーーー!!!」」」

 

テンションが上がるA組の一同。普通の高校ならこういった職務は面倒くさいなど理由で避けられるものではあるものだが、こと雄英というヒーローに特化した高校かつその最先端であるヒーロー科では集団を導くというトップヒーローの素地を鍛えられる絶好の機会と捉えるらしい。

 

「委員長!俺やりたいです!それ!」

 

「私もー!」

 

「僕の為にあるヤツ☆」

 

我先と志願する生徒一同。

そんな中倉持は特に反応する事も無く、また興味も微塵にも無かった為

大人しく空気に徹していた。

 

「静粛にしたまえ!!これはやりたい者がやれるモノではないだろう!! 他者を導く責任重大よ仕事!そして周囲からの信頼あって成立するもの!!民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのならこれは投票で決めるべき議案!!!」

 

「そびえ立ってるじゃねーか!!なんで提案したんだよ!!?」

 

真面目な飯田が提案しているがそもそも入学3日目にして信頼も何もあったものでは無い、故に自分が自分がとなるは当たり前の事だしだったら自分に投票するしか選択肢は無い。

だからこそ複数票を手に入れたものが自動的に委員長となる。

 

「どうでしょうか!?」

 

別に時間内に決めれば何でもいいよという相澤の言葉により急遽選挙が開幕した。

というわけで

 

「・・はい。紙と箱です。」

 

投票用紙と投票箱を即興で作り相澤に渡す倉持。

 

「んぉ・・準備が良いな。んじゃこれに入れてってくれ。」

 

 

そんな訳で投票が終了し、開票に移る。

結果は意外なものとなった。

 

投票が最も多かったのは緑谷の3票。

次いで八百万の2票だった。

 

 

「僕3票ーー!??」

 

「まぁ・・私が2票ですか。」

 

 

緑谷が焦って詳細を聞けば麗日、障子、飯田が入れたと分かった。

因みに倉持は八百万に入れた。理由はなんか真面目そうだから。

 

「お前自分に入れなかったのかよ・・え?何がしたかったんだよ。」

 

そんな訳で委員長は緑谷、副委員長は八百万となったのだった。

 

・・・のだが、昼休みが終わると委員長は飯田になっていた。

 

「・・・なんで?」

 

 

♢♦︎

 

唯一接点がある葉隠に事情を聞いた所、食堂に玄関を突破して報道陣が突入してきたらしい。

その際、飯田が適切な指示で生徒を誘導。

その功績から話し合いにより飯田が委員長になる事が決まっていたそうだ。

・・まぁ、本人達が納得しているのなら別に何を言うわけでも無し、大した接点もない自分には関係の無い話であった。

 

「あーあ!私倉持くんに入れたのになー!」

 

「・・え?なんで?」

 

「んー?戦闘訓練の時すっごく頼りになったからね!」

 

「・・そっか、ありがとう。」

 

「ん!」

 

 

♢♦︎

 

さて、昼休みが開けて午後。

 

現在はとある施設に向かってバスを走らせている。

今回のヒーロー基礎学は相澤先生とオールマイトともう一人の3人体制で見る水害災害なんでもござれの『RESCUE』訓練。

昨日の先生の数と違うのはきっと昼休みのあの件で何かがあったのだろう。

きっと気にしなくても良い事だろうと倉持はぼんやりと窓から流れる景色を眺めながら

 

・・未だに警報を鳴らしている、自分の直感から目を背ける為に静かに意識を沈めていった。

 

 

♦︎♢

 

・・都市部にある廃れた酒場。其処には今正にヒーローに敵対するヴィランのチームがある計画の最終調整に入っていた。

 

「・・・さて、準備はこんなもので良いでしょう。」

 

「あぁ・・『脳無』は念には念を入れて3体(・・)導入・・1体でも十分にオールマイトはぶっ殺せるんだろ・・?」

 

「ええ・・私もそう思いますがしかしこれは他ならぬ『先生』の指示なのです。」

 

「『先生』が?」

 

 

そうだとも。

 

「・・『先生』。聴いてたって訳か。」

 

『いや何、優秀な君の事だ。きっと僕の判断に疑問を覚える頃だと思ったからね。』

 

「・・っ!?あぁ、そうですか。答え合わせの時間って訳か?」

 

『ふふ、そう身構えなくて良いさ死柄木くん。何先ずはこの映像を見てもらいたい。』

 

そう言って彼が見せたのはとある研究施設の映像。

そう、倉持がかつて囚われていたあの施設。その崩壊の全容である。

其処には水色の髪の女性、赤い装甲の女性、全てが黒の女性がある少年を救出している場面、と言えば聞こえはいいが臓物が飛び散り、肉は彼方此方に飛んでいき、映像の最後には壁の全てが血の赤で染まっていた。

 

「これは・・」

 

『そう、昔僕がオールマイトに嫌がらせ(・・・・)する為に作ったダミーの研究所だ。それが随分と最近破壊されたと聞いたからなんとなしに監視カメラの記録を奪ってみたんだ。』

 

『この少年の名前は倉持管理。あそこでやっていた実験の唯一にして最高の生存者だ。』

 

「あの実験のっ・・・あり得ません!!アレの成功率は1%以下の筈!」

 

『そうだ。あの実験・・人間の手で個性を作る(・・・・・・・・・・)実験の為に生み出した通称『パンドラ』。僕も成功なんてする訳無いと思っていたけど・・どうやらあの少年は奇跡を産んだようだ。』

 

「そして・・あの水色の女は。」

 

『そう、今経済界で頭角を表している・・アンジェラ(・・・・・)だ。』

 

「・・・つまり、そのクラモチって奴を餌にしてアンジェラとやらを捕らえるって訳ですか?」

 

『おしいね。確かにそれも目標だが1番の目標は彼女と彼の・・』

 

 

ヴィラン(こちら)への勧誘だよ。

 

 

 

 

悪の手は密かにしかし確実に再びの少年の元へと伸びようとしていた。

 

・・・物語の歯車は僅かにしかし確実に狂い始めている事はまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は講座は無しです。

次回からUSJ編突入です。

感想批判意見大歓迎です。

ではまた次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。