んでもって、書いてます。
ただ、どれを書いているだとか、どこまで手が回っているだとかは、色々と未熟故に何卒何卒……。
そう言えばでありますが、いつの間にフリューアちゃんはこうなっちゃったんですかね?
作者なのにてんで分からないのは、キャラが自分で動いているからと喜ぶべきですか?
それとも、作者の性癖を無意識に振りまいてしまっていると反省すべきですかね?
各地で上がる轟音。
どうやら、始まったようでありますな。
私は今、水面スレスレに留まり、光学術式により光の屈折を変えて待機中。
誰かが怪我をした反応を見せれば、すぐさま駆けつけることが出来るよう意識を張り詰めております。
そんな私とは裏腹に、
「次だ!! 急げ!!」
瞬く間に砲門を破壊し、目まぐるしく移動するデグレチャフ殿。
正直な意見ですが、大隊規模も要らなかったように思います。
デグレチャフ殿単騎でも、下手すると遂行してしまいそうであります。
もっとも、単騎となれば流石に怪我は避けられぬでしょうから、自分の役得も含めての意見ですが。
「大隊長!! 敵の増援です!」
砲門の破壊はすこぶる順調。
破壊の折の爆発に巻き込まれぬよう、退避した時でした。
セレブリャコーフ殿からの報告がありました。
「大隊規模の魔導部隊! 急速接近中!」
「対応が早いな……第一中隊、迎撃準備だ!」
即座の判断でデグレチャフ殿からの指示が飛びます。
「隊長殿! 一個中隊では危険すぎます!!」
ヴァイス中尉の反応は最もですが、残念ながら『白銀』という存在を見くびりすぎているようです。
「こちらはこちらで何とかする!!」
ほぅら、このように勇ましい、そして頼もしい言葉を吐いて下さるではありませんか。
「貴様は貴様でさっさと砲台を黙らせろ!!」
至極もっともな意見で。
さて、戦場を漂うのはこれくらいにしておいて、私はデグレチャフ殿の傍に寄りましょう。
ああ言ったとはいえ、流石に無傷で大隊を潰すなど、出来ようはずもありませんから。
さて……この戦闘で一体どこを怪我していただけるでしょうか?
自分の個人的な希望としては、腹部辺りを負傷していただきたいものですなぁ。
身体の表面は元より、良ければ――失礼、悪ければ内臓まで治癒する必要がありますので。
「第一中隊、続け!!」
デグレチャフ殿の檄に続き、私も着いていきましょう。
それにしても、自ら危険な方を選び、部下の安全を確保しようとは、流石は我らが帝国の『白銀』殿でありますなぁ。
「頭を抑えられるな!!」
はてさて皆様、このような三次元、とりわけ空中戦において、自分たちよりも高高度に居る敵を相手にする、という苦労はご存じですか?
人間の作り的に上は死角。
死角を見るためにはどこかしらかの視界を捨てなければならず、上を向けば下が死角になるのは道理であります。
では、下は無視して大丈夫でしょうか?
もちろん否であります。
当然の様に対空砲火がございますので、下への警戒を無くすというのはただの自殺行為。
と言うわけで毎回空中での交戦となると、牽制し合って相手の死角の取り合いとなります。
そして、戦況はある程度有利。
常に相手より上をとり続け、被害も相手にしか出ていません。
私が動かずともコレなのですから、こちらに来たのは失敗かもしれませんね。
……そう言えば砲台の制圧が少し遅いような?
ヴァイス中尉達は大丈夫でありましょうか?
あぁ……また一人、デグレチャフ殿に撃墜されました。
この寒い中被弾して着衣での寒中水泳、黙って両手を合わせましょう。
その時です。
「うううううううあぁあぁぁぁぁぁぁっっ!!」
私の横を絶叫しながら飛び去って、デグレチャフ殿へ一心不乱に向かう敵影が一つ。
周囲に居る第一中隊の隊員は
防殻術式により直撃は免れましたが、生憎衝撃を全て防げるわけでもありません。
撃墜はされないでしょうが、動ける保証は無い以上、治癒した方がよいでしょう。
すぐさま駆け寄り防殻術式をノック三回。
一瞬解除された防殻術式へ滑り込み、両手に魔力を。
悪くても骨折程度です。そう気合いを入れる程でも無いでしょう。
胸へと手を押し付けて、はい終了。
デグレチャフ殿で無ければ、このような密室の中に二秒と留まりたくないので即座に脱出。
幸いにそれを手際の良さと受け取ってくださるので、この部隊の皆様の調教――教育は素晴らしいものであります。
「きゃあっ!?」
とか何とか思っていると、今度はセレブリャコーフ殿が被弾。
またも防殻術式の上からですが、今回は当たり所が悪い。
脳震盪でも起こしたのか、ゆっくりと降下してきます。
流石にまずいので受け止めて、防殻術式を展開。
衝撃で脳の損傷が無ければいいのですが……。
そしてこの状況、敵兵が無防備に漂っているようにしか見えないのであります。
……私は光学術式展開してますし。
つまりは恰好の的にしか見えないわけで。
私の方へと攻撃が集中すること請け合い。
そんな時の私の行動は一つであります。
教育の行き届いた味方を信じ、我が身を盾に負傷者を治癒。
それが、戦場に出る軍医たる者の義務でありましょう?
しかし、いつまでも私の歪な防殻術式が持つとは思えません。
いい加減に――――うん?
「繰り返す。各中隊、砲台の無力化に成功!」
あぁ、神よ。
最高のタイミングで最高の報告であります。
見れば遠くにではありますが、我らが帝国の軍船が見えるではありませんか!
となればさっさとセレブリャコーフ殿を治療してこんな戦場とはおさらばであります。
魔力を込めた手のひらを眉間に押し付けて、首の付け根をマッサージ。
頭の天辺をトントンと指で押せば、はい、治療完了であります。
頬を軽く叩いて意識を醒めさせ、離れようとした瞬間。
戦況を悟り、一瞬だけ微笑んだセレブリャコーフ殿の表情が険しくなり――、
「追撃です! 一騎、向かってきます!!」
そう叫んだのでありました。
火事場の馬鹿力。
何と滑稽な言葉でありましょうか。
火事場にならなければ出せぬ力に何の意味がございましょう。
実力を発揮し、活躍している者達は皆、自身の力を自在に振るう術を手に入れた者達であります。
皆様ご機嫌よう、フリューア・アーデルハイト軍医中尉であります。
思ったより時間はかかったものの、任務は無事終了。
とはいかず、諦めの悪い敵兵に何やらデグレチャフ殿が絡まれている様子。
あぁ、神よ。もし私の願いを聞いてくださるのであれば、デグレチャフ殿に怪我を負わせつつ敵兵を退けさせてください。
次回、幼女軍医「きき」ではまた、戦場で