幼女軍医   作:瀧音静

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思ったよりも長くなってしまいそうだったので二分割。
本編より色々と悪化した可能性すらあるフリューアちゃんの明日はどっちだ!


ご褒美タイム

 えぇと……私は夢でも見ているのでしょうか?

 視線の先では、私のベッドに肌着姿で寝転がっているデグレチャフ殿の姿が――。

 きっとこれは、神が私に与えたもうた至高のご褒美……。

 あぁ、神よ。この機会を感謝するとともに、永遠の忠誠と信仰を約束させて頂きます……。

 

「アーデルハイト殿? どうかしたのか?」

「いえ、少々タオルの温度などの確認をしていましたので……」

 

 別にデグレチャフ殿は寝ているわけではなく、何だったら私の指示でそうなっているわけで。

 そもそもの発端はデグレチャフ殿が私に漏らした一言。

 

「最近肩凝りが酷くてな」

 

 自分の肩を叩きながら、そう呟いたデグレチャフ殿は、軍医である私に解決方法はないかと尋ねられました。

 

「指圧などによるマッサージ等はいかがです? 生憎と私は肩が凝ったりは無いですが、皆さんそうされています」

 

 普段から重い銃火器を持ち運んでいれば、肩凝りの一つや二つあるのは決して不思議ではありません。

 デグレチャフ殿は私同様、体が小さいでありますし、負担も凄いものでしょう。

 グランツ中尉達からも肩凝りの相談は受けていますし、もちろん『奇跡』をもって治したりもしています。

 ですので、デグレチャフ殿? 私にデグレチャフ殿の体に触れる権利をですね?

 

「なるほど、……マッサージか。――お願い出来るか?」

「!?」

 

 あぁ、神よ。今初めて私に宿るこの『奇跡』があって良かったと痛感致します!

 こここそがヴァルハラ!! 私の理想郷!!

 お願いできるか? いいえ!! 私にさせてください!!

 私以外の何人にも見せもせぬ、触れさせもせぬその肌に! 触ることを!!

 

「了解しました。……では、準備をしてまいります」

 

 どれだけ心が興奮しようと、それを表に出してしまっては、流石にドン引きされてしまいそうですし、必死に表に出さぬようにコントロールをいたしまして。

 準備の合間にデグレチャフ殿に着替えを求めれば、持ってきていないし同じ女子同士だからと下着姿へ。

 ――危うく深紅をぶちまけるところでした。直前にチョコレートでも食べていればアウトだったでしょう。

 とりあえず肩凝り解消の為のマッサージではありますが、別に肩以外を触ってはいけないという決まりはありませんし。

 触診してみて、他の部分の凝りも発覚する――させますし。

 どうせなら、デグレチャフ殿にも気持ちよくなって頂きたいわけでありまして。

 その為にとタオルを蒸し器にぶち込んで、デグレチャフ殿の元へと戻ってきます。

 座ってこちらへと背を向けているデグレチャフ殿の肩に手を乗せれば、ピクリと反応いたしますが、その程度でやめる理性は残っていませんので、そのまま肩を揉みしだきます。

 見た目の年齢に見合わない、ガチガチに固まったそこは、歴戦の軍人であるようにすら錯覚させます。

 大変失礼ですが、これは胸部が大きくなくてよかったと言わざるを得ませんね。

 ただでさえ巨乳の方は……主にセレブリャコーフ殿ですが、肩凝りに悩まされると聞きます。

 もしデグレチャフ殿に胸があれば、さらに肩凝りの症状が大きくなっていたことでしょう。

 ……セレブリャコーフ殿も大概でしたが。

 

「痛かったりはしませんか?」

「大丈夫だ。気持ちがいいよ」

 

 時折ため息に似た吐息を吐きながら、私の問いかけに、にっこり笑ってくださるデグレチャフ殿は私の心のオアシスです。

 肩凝りの解消に強い魔力は必要ありませんし、時間をかけた方が私も楽しめますので、他の方への施術の時の、半分ほどの魔力しか手に宿しておりません。

 それでも、一揉みごとに筋肉を解し、血行を整え、デグレチャフ殿の悩みの種を排除していきます。

 時間をたっぷり二十分ほどかけて揉み解せば、デグレチャフ殿の頭が前の方へとゆっくり沈みかけておりまして。

 トントン、と、それまでと違う叩くという刺激を肩へと与えれば、沈んでいた頭は持ち上がってこちらを向いてきます。

 

「すまない。寝ていたようだ」

「構いませんよ。それだけリラックスしてくれていたという証拠です。少々他の部位も触らせていただきましたが、目の疲れや腰の張りなど気になるところがありましたので、そちらの施術も行っても?」

「ぜひ頼む。アーデルハイト殿に一任するよ」

 

 そう言ってデグレチャフ殿は、肩を叩いていた私の方へと体重を預けられまして……。

 嬉しすぎて飛び出しそうになる心臓を飲み込み、そのままベッドへとゆっくり寝かせます。

 デグレチャフ殿はすでに目を閉じ、完全に寝る態勢に入っておられますが、私のお楽しみタイムはこれからです。

 万が一にも緩んだ表情を見られぬよう、リラックス目的という名目で蒸していたタオルをデグレチャフ殿の顔にかけまして。

 私を信頼し、力がまるで入っていない無防備な体へ、私は指を押し当てるのでありました。




看病、マッサージ、これらのシチュが好きすぎて読みた過ぎて吐くレベルなのでみんなもっと書いて……。書いて……。
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