コズミックバランサーの担い手   作:永遠神剣を求む者

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護衛依頼

「全員で入るのですか?」

 

店の前にきたので沙月にそう問い掛けた

 

沙月「そのつもりだったのだけれど……そうね、私と刹永くんとタリアとソルラスカと望くんで行きましょう。他は聞き込みをお願い」

 

「「わかりました」」

タリア「わかったわ」

ソルラスカ「おう」

 

希美は何か言いたそうだったが俺が見ていたため大人しく引き下がり、他のメンバーと共に聞き込みに向かった

 

もちろんユーフォリアも何か言いたそうにこちらを見ている気配がしたがスルーした。ミゥに呼ばれてそちらに向かった

 

沙月「良いの?」

 

「ユーフィーには俺やクリスト達以外の知り合いを(いずれ忘れるとはいえ)作っておくべきなので」

 

沙月「刹永くんが良いなら、それで良いわ。さて入りましょう」

 

沙月に続くように俺達も店内に入った

 

レチェレ「あ、お待ちしておりました。あちらにロドヴィゴさんがおられます」

 

レチェレは忙しいようでそれだけ言うと走り回った

 

沙月「わかったわ」

 

俺達はロドヴィゴらしき人に向かった

 

沙月「あなたがロドヴィゴさんでしょうか?」

 

?「はい、私がロドヴィゴです。あなた方が護衛を引き受けたくださる方でしょうか?」

 

沙月「その通りです。私は斑鳩沙月と申します」

 

「時乃刹永です」

 

タリア「タリアです」

 

ソルラスカ「ソルラスカ……です」

 

「世刻望です」

 

沙月「他にも仲間はいらっしゃいますが、大勢で来るのも失礼ですのでこの5人です」

 

(本当はユーフォリアやクリスト達が見た目が子供だからだけどな)

 

ロドヴィゴ「ふむ、強さな方々ですが、護衛が務まるのか心配になります」

 

沙月「望さんやここにいない仲間は護衛は初めてですから至らない事もあるかもしれませんが私達でフォローはしていくつもりです」

 

ロドヴィゴ「ふむ……世刻望くんといいましたか?」

 

望「は、はい!」

 

ロドヴィゴ「少し聞きたいのだけれど、護衛で大切なものはわかるかね?」

 

望「え~と、護衛対象……今回の場合はロドヴィゴ達の身の安全でしょうか?」

 

ロドヴィゴ「もちろん、それも大切な事だ。他にもあるがわかるかね?」

 

望「…………すいません、わかりません」

 

ロドヴィゴ「君はまだ若い、分からなくても無理はない。答えは護衛対象の身の安全はもちろん、自分の身も安全も大切だ。何故だかわかるかね?」

 

望「……大きな怪我をした場合、護衛を続けられなくなる。からでしょうか?」

 

ロドヴィゴ「その通りだ。これらは私の持論なので人なよっては『お前の身の安全なんかしるか死んでもまもれ』という人もいるだろう」

 

望「は、はい!」

 

ロドヴィゴ「沙月さん、あなた方を護衛として雇いたいと思います」

 

沙月「は、はい、よろしくお願いします」

 

沙月とロドヴィゴは握手をかわした

 

ロドヴィゴ「これで私は雇用主となったが何か聞きたいことはあるかね?」

 

「噂で聞いたのですが、誰かが精霊に殺されたと聞いたのですが、事実なのでしょうか?」

 

ロドヴィゴ「あなた達には話しておきましょう。殺されたのは私の兄だ。状況的に精霊にしか兄を殺せないはずだ」

 

「思い出したくないとは思われますがお兄さんの遺体はどうなっていたでしょうか?」

 

ロドヴィゴ「心臓を何かで貫かれて死んでいました」

 

「沙月先輩、精霊が心臓を貫くことって可能性でしょうか?」

 

沙月「え、えっと、魔法を使えば可能だと思いますが、道具を使って貫くことは不可能なはずです」

 

「ロドヴィゴさん、傷口はどんな感じでしたか?」

 

ロドヴィゴ「傷口……何かナイフや剣のようなもので貫かれたような感じになっていたと思います」

 

「先程の沙月先輩の言葉を借りるなら『精霊は道具を使うことはほぼ不可能』なので『ロドヴィゴさんのお兄さんを殺したのは精霊の可能性が低い』のことになるのですが、精霊の可能性が高い根拠はあるのでしょうか?」

 

ロドヴィゴ「兄は、精霊と交渉しに行って殺されたのだ、だから兄を殺したのは精霊以外にありえないと思ったのだ。それに精霊側にも人間の娘がいるという噂もあるからな」

 

「実はここに来る前に近くですが森に降りました。そこで件の娘に襲われました」

 

ロドヴィゴ「やはり精霊は……」

 

「ですが、彼女はナイフや剣といった道具は使ってはいませんでした。使ったのは足に付ける武器です」

 

ロドヴィゴ「なっ!」

 

「あくまで仮の話ですがもし彼女がロドヴィゴさんのお兄さんを殺していたならもっと悲惨、下手な話『お兄さんとわからない』ほど遺体の損傷が激しいと思われる攻撃でした」

 

ロドヴィゴ「確かに兄は心臓を貫かれただけで他には逃げたときについたような傷しかなかった……」

 

「精霊達は何か知っているだけでもしかしたら全くの無関係かもしれません」

 

ロドヴィゴ「だ、だが精霊回廊を使えるのは精霊だけのはず……!」

 

「沙月先輩、精霊回廊は精霊にしか使えないのでしょうか?」

 

沙月「精霊回廊の強度次第では精霊以外も使える可能性はあります。ただし使えるのはマナの影響を強く受ける者に限定されます」

 

ロドヴィゴ「やはり精霊たちにしか!」

 

沙月「確かに精霊はマナで構成されているので精霊回廊は簡単に使えます。私達もマナの影響を強く受けるので強度次第では私達も使える場合があります。そして私達は精霊以外に使えるかもしれない存在を知っています」

 

ロドヴィゴ「それはいったい!」

 

沙月「ミニオンと私達が呼んでる存在です。ある組織が兵隊として使ってる人形(ひとがた)です。このミニオンは精霊と同じくマナで構成されているので精霊回廊を通る事が出来ます」

 

ロドヴィゴ「精霊が許可しなければ!」

 

沙月「残念ながら精霊の許可は武器で脅せば簡単に貰えます。精霊の大半は戦う力なんて持っていませんから。防衛に徹すればミニオンの攻撃をある程度なら防ぐ事は出来るでしょう。しかしいずれは全滅するのでやはり精霊回廊を奪われます。おそらくあなたのお兄さんは見てはいけないモノを見てしまったか知らないうちに入り込んでしまったがために殺されてしまったのでしょう」

 

ロドヴィゴ「ですが真相は……!」

 

「そうですね。真相はわかりません。そして精霊を撲滅した場合は永遠にわからなくなります」

 

ロドヴィゴ「何故それを!?」

 

「それも噂になってます。ロドヴィゴさんという方が精霊撲滅を訴えていると」

 

ロドヴィゴ「それは……!」

 

「それでどうしますか?真実を求めないで問答無用で精霊を撲滅するのか、真実を求めるのか」

 

ロドヴィゴ「もしそれで精霊が兄を本当に殺していたら?」

 

「その時は私達にあなた方を止める権利はないですから思う存分どうぞです。しかし、精霊が殺していない場合は精霊がいなくなったあとでミニオンを使役している者たちの標的は人間、つまりはあなた方になると思います」

 

ロドヴィゴ「私達に!?」

 

「考えてみましょう。精霊はいなくなって精霊回廊は使い放題です。そしてこの世界を拠点にしようとした場合、次に邪魔になるのはどういう存在でしょう?」

 

ロドヴィゴ「……そこに住む知的生命体、つまり私達か」

 

「その通りです。ただし精霊が脅されているのなら問い掛けても真実は答えてはくれないでしょう。それでは憎しみで曇った目には『やっぱり精霊が殺した』としか思えないでしょう」

 

ロドヴィゴ「…………ふぅ、確かにあなた方の話を聞くまでは憎しみに目を曇らせていたようですね。わかりました兄が向かったところに精霊の住処があるのでしょう。そこに向かい精霊達と話してみましょう。あなた方には護衛の他に私達を止めてくれるお願いもしておきましょう。止め方は殺す以外なら任せます」

 

「わかりました。それではいつ向かいますか?」

 

ロドヴィゴ「明日向かいます。森を歩くのですから準備が必要ですし、あなた方の他にもこの街の青年たちに護衛を頼んでいますし」

 

「わかりました、それではまた、明日会いましょう」

 

ロドヴィゴside

 

「はぁ~ふぅ~」

 

彼らが出ていってから私は大きく呼吸をした

 

青年1「ロドヴィゴさん、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、大丈夫だ。ただぐうの音も出ないとはあの事だな」

 

青年1「ロドヴィゴさん!?それでは!?」

 

「今は撲滅、ではなく不可侵程度には思っているが話し合いの結果次第では共存もありえると思い始めたところだ。だからお前達も人とは違う姿形をしているからって意思の疎通なんて不可能と一概に拒否し排他するのではなく問答無用で襲いかかってこない限りは意思の疎通を試みてから判断出来るようになれ」

 

青年1「で、でも!」

 

「君達は若い、凝り固まった私よりも柔軟な発想が出来るだろう。例えば先程不可侵と言ったがどこからが入ってはダメなのかも決めることが大切なだろう。まさか精霊たちも森全部はダメ、だなんて言わないだろう」

 

青年1「少し考えてみます」

 

「ふふ、時乃刹永と言ったか……私ですら飲まれかけたのですから、あなたなら簡単に論破されますね」

 

青年1「そ、そんなことはないです!」

 

「いえ、無理でしょう。彼の論理武装は鋭すぎるので生半可な考えではあっさりと切り崩されるでしょう。それに彼は私の性格をある程度噂で聞いていたのかそれを考慮した上で論理武装を振るっていました」

 

青年1「でも性格を知られていない私なら!」

 

「性格を知られていないから『本気の論理武装』を振るって来ますよ。そして話し合いの中であなたの性格を見抜いて来ると思いますし、見抜いた時点であなたに合わせた論理武装を振るうだけです。そうなったら主導権は彼の物です」

 

青年1「…………」

 

「一辺倒の考え方をしなければ私のようにある程度は持ちこたえれるでしょう。あれ以上続けられたらおそらく私も飲まれていました」

 

青年1「え?」

 

「さぁ、明日の準備をしましょうか。彼を見ていると色々な道が見えてくると思いますので観察してみては」

 

そうして私達は明日の準備をするために戻っていった

 

side end




原作よりかは沙月と希美の望争奪戦は大人しくなります。刹永が見てないところではわかりませんが

あれよく見たら聞き込みメンバーって希美以外は(見た目は)子供やん!
でも案外こういうのって子供からの方が良い情報聞けることがあるのでクリスト達やユーフォリアには打ってつけかも?

ちなみに制服ではなく戦闘衣装で交渉しています

ロドヴィゴは大人ですし、初対面ですので沙月がいつもの沙月ではありません。望に対して護衛の心構えも説いていますがこの時点で雇う事に決めています

刹永の論理武装によってロドヴィゴの憎しみがある程度切り取られ、原作よりも穏やかになりました。ちなみに本当に精霊が殺していた場合に備えて爆弾は持っていきます
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