諸君、緊急事態だ。
沈黙していた地球連合艦隊からモビルスーツを乗せた輸送部隊が北上し始めた。目標はオノゴロやカグヤではなく、ヤラフェス島。軍事協定外の市街地へ侵攻している。
敵数は不明だが、万が一にも上陸された場合、ヤラフェス島にいる一般市民への被害は免れないだろう。彼らも体裁を整えている余裕が無くなっていると見える。
ヤラフェス島には、カグヤを護衛していたオーブ艦隊が守備に向かう予定だ。
ライトニング隊、君たちには手隙になったカグヤ周辺の護衛を願いたい。おそらく空中戦になるだろう。
各艦の発進まで機動力を持って迎撃できるのは君たちの部隊しかない。それに地球軍の例の新型が出てくる可能性もある。
発進シークエンスが整うまで、なんとか護衛を果たして欲しい。時間との勝負だ。くれぐれも乗り遅れないように時間には気を配ってくれ。困難な作戦であるが君たちならやり遂げられるはずだ。
ライトニング隊、貴官たちの戦いに健闘を祈る。メビウスライダー隊、発進!!
《敵機の機影、依然としてヤラフェス島へ向かってます!奴ら…完全に協定違反ですよ!?》
「ついに本性を現したか!地球軍め!」
《地球軍のモビルスーツはオーブ軍艦隊が引き受けてくれます!各艦は発進を急いでください!》
喧騒に包まれるアークエンジェルのハンガーの中で、補給を終えて間もないフリーダムのコクピットに乗り込んだキラは、艦長であるマリューへ通信を繋いだ。
「マリューさん!発進を!」
「解りました!」
マリューはすぐにアークエンジェルの発進準備を促す。あまりにも迫られれば宇宙に昇る道が閉ざされ、自分たちは後がなくなる。ウズミの気持ちを汲むと言うのならば、一刻も早くオーブから離脱する必要があった。
そのフリーダムの隣では、タキシングをするトールのスーパースカイグラスパーが大気圏最後の飛行に飛び立とうと、艦内の滑走路へと向かっていた。
《トール!キャノピーには耐熱耐爆フィルムが付いてはいるけど、大気圏用の戦闘機が宇宙に上がるなんて誰もやったことはないんだから、きっちり帰って来なさいよ?!》
トールのスーパースカイグラスパーには、翼端に大型ミサイル、バルカン砲、機体各所にフル積載のファストパック、そして近接用のソードストライカーが搭載されている。
防衛戦のタイムリミットはごくわずかだ。ヒメラギとクサナギの発進シークエンスの前に帰還できなかった場合、フリーダムとジャスティス、ホワイトグリント同様、ソードストライカーのパンツァーアイゼンで船外に掴まって空に上がることになる。
大気圏外に出れば、トールはキャノピー越しに太陽光と宇宙線に晒されることになる。防止処置と宇宙用のノーマルスーツがあるとは言え、そんな状況で良いことなど何もない。ミリアリアからの忠告に、トールは敬礼をしながら笑みを返した。
「了解!心配するなよ、ミリィ。必ず帰るさ!ライトニング3、トール・ケーニヒ、スーパースカイグラスパー、出ます!!」
「次はホワイトグリントを出すわよ!邪魔なものは退ける!」
スーパースカイグラスパーが発進してからすぐさま、案内員がモビルスーツデッキへホワイトグリントを誘導していく。
「フリーダムとジャスティスも発進を援護します。アークエンジェルは行ってください。僕たちは後で追います!クサナギは!?」
《すぐに出す!すまん!》
「空中戦になる。イザークたちでは無理だ!アンタレス、グリフィス、ガルーダ隊はそれぞれの艦へ!」
《ちぃ!了解した!ディアッカ!ニコル!!》
《はい!!》
《わかっている!!》
動き出したアークエンジェルの中で、各員がそれぞれの役目を順調にこなしていく。マリューは艦内放送に切り替えて声を上げた。
「アークエンジェルは先行します!!ライトニング隊の皆さん、必ず宇宙で会いましょう!」
「任せてくださいよ、ラミアス艦長!ライトニング1、ラリー・レイレナード、ホワイトグリント、発進する!!」
ガシュッと電磁レールを滑って、多重装甲に覆われたホワイトグリントがオーブの空へと飛び立つ。そのすぐ後ろにフリーダムとジャスティスが控えた。
「みんな、じゃあ宇宙で!ライトニング2、キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!!」
「アスラン・ザラ、ライトニング4、ジャスティス、発進する!!」
飛び立った四機を見送ると、アークエンジェルは転進して速力を上げていく。ついに宇宙へと上がるのだ。
「アークエンジェル発進!!離水後、艦首上げ20!」
「ローエングリン、斉射スタンバイ!振動に留意しろよ!!」
宇宙へと登っていくアークエンジェルを背に、ライトニング隊はカグヤ防衛へと向かう。その光景をブリッジで見つめながら、ムウは祈るように呟いた。
「ええい、なにもしてやれないとは…ちゃんと上がってこいよ。坊主ども!」
空に出たフリーダムとジャスティス、スーパースカイグラスパーの眼下では、ホワイトグリントが海面を滑るようにホバー移動で目的の場所へと向かっている。そんな中で、ラリーは左に見える遠くのヤラフェス島をただ見つめていた。
オーブ艦隊がヤラフェス島の防衛に向かっているとはいえ、相手はモビルスーツ部隊だ。まともに考えれば数に圧倒され、すり潰されるのが目に見えている。
その後に犠牲になるのはーー。
「キラ!そっちは任せた!」
「ラリーさん!?」
海面で急旋回したラリーの行動にキラは驚いたが、モニターに映るラリーの目を見てすぐに納得できた。
「放っておけん!」
「……わかりました!ご武運を!」
ライトニング隊から離れていくホワイトグリントは、推力を上げて海面を滑り、目一杯空気を吸い込むとその重い体を空へと飛翔させていくのだった。
////
「お父様!嫌です!お父様も共に!」
カグヤの司令室で、カガリは心からの叫びをあげながら、立ち止まらない父の手を引き止めるように掴んでいた。だが、逆にカガリが引きずられて、ウズミは足早に司令室から出て行く。
「お前はいつまでグズグズしておる!早くクサナギに行かぬか!」
向かう先は艦船のドックだ。父が言うならば、自分は尊敬する人々を見捨てて船に乗り込めということなのだろうか?
「しかし…!!」
カガリは納得できなかった。自分が逃れて父が残ることに、何一つとして納得などできはしなかった。
《ヤラフェス島にモビルスーツ隊接近!これは…敵数は100!?》
《例の新型もくるぞ!!》
騒がしくなる司令室を後に、ウズミは嫌がるカガリを連れてドックへと足を進めていく。その覚悟は揺らぐことはなかった。
「我等には我等の役目。お前にはお前の役目があるのだ!想いを継ぐ者なくば!全て終わりぞ!何故それが解らん!」
父の言葉を、カガリは理解はしていた。理屈もわかる。しかし、心がそれを拒むのだ。父を見捨てたくないという心が、カガリを頑なに拒ませる。そんな娘を連れて、ウズミは自分の心を殺して役割に徹しようと歩みを続ける。
決断の時はすぐそこに迫っていた。
////
『オーブ艦隊、撃破しました』
地球軍、大西洋連邦から出たモビルスーツ隊は、疲弊していたオーブ艦隊を瞬く間のうちに撃破していた。
こちらは力を温存していた部隊、向こうはアズラエルが有する部隊との戦闘で、消耗しきっていた艦隊だ。勝負をする前に結果など見えていた。
大人しく引き下がっていればいいものを…とモビルスーツ部隊の隊長は舌打ちをして、轟沈した船達を見つめた。
『よし、このまま我々はヤラフェス島へ侵攻する』
隊長が単調な声でそういうと、部隊はオーブ艦隊の残骸を横目に進軍を再開する。ここを越えればヤラフェス島までは目と鼻の先だ。
『ふん、他愛のないものだな、オーブの艦隊め』
そう隊長にいうのは、部下のストライクダガーとは違った形状をする特殊な機体。
ベースは中量系のストライクダガーのフレームだが、外観は全くの別物だ。
エネルギー消費が軽微な武装に、各部にスラスターモジュールを搭載しており、ほかのダガー系より高い機動性を実現している。また、背面には動力用に追加エネルギーパックが設けられており、機動性とビーム兵器の利用を維持しながら、長い稼働時間を獲得している機体だった。
パイロットはかなり自意識の強烈な、ある意味で最も〝調整された〟男だった。
オーブ艦隊をほぼ一人で撃破した実力は確かだが、権力志向の強い危険分子でもあり、黄色部隊でも彼の運用に細心の注意を払っている。
『黄色部隊。我々の目的はモルガンを知る者たちの排除でありーー』
ダガー輸送艦の上で指揮をとる隊長機は、改めて黄色部隊へ釘を刺す。あくまでも自分たちの目的はーーー。
《そこまでにしてもらおうか》
突如として部隊の前に飛来したのは、連絡にあったアズラエル一派が所有する新型モビルスーツ、リベリオンだった。大型のスラスター翼を振り回しながら滞空するその機体は、ビームカービンの他にミサイルポッドや電磁レール砲が、新たに背部ユニットに装備されている。
おそらく、カグヤに進撃する途中で自分たちを追ってきたのだろう。
地球軍の回線を使わず、わざわざ広域通信で進撃する全モビルスーツ部隊に通告するあたり、かなり憤りを感じているらしい。
《何の用かな?アズラエルの飼い犬が》
黄色部隊を引き連れているダガー隊の隊長は、まるで挑発するようにリークへ言葉を投げた。
《わかっているはずだ。我々は軍事協定を結んでいることくらい。すぐに引き返せ。これは軍事的な行動ですらないのがわからないのか?》
そう返したリベリオンに、隊長は薄く笑いを向ける。各パイロットたちも同じだ。自分たちはブルーコスモス。コーディネーターと共に暮らすナチュラルなど、存在するだけで忌まわしいものだ。
《我々はサザーランド大佐からの直々の命によって動いている。貴様ら外野にいるもの達とは違うのだよ。わかったら退きたまえ、我々が君を反逆者として捕らえる前にな》
こちらは100、相手は1。
勝ち目があると思うのか?答えはノーだ。戦いは物量と数で決まる。そんなことすらわからない相手に、アズラエルは何故入れ込むのか、サザーランド大佐は何故警戒するのか、隊長の器量では推し量れない。
その通信を聞いて、リベリオンの名を冠するモビルスーツから感じ取れる鋭い意思が、強い殺気へと変貌したのに気づけたのは、黄色部隊の男だけだった。
《ですって。どうしますか?ラリー》
そうリベリオンのパイロット、リーク・ベルモンドが呟いた瞬間、目の前に一機、高速で接近する機影を、部下が捕捉した。
『た、隊長!!』
現れたのは海面を滑るように飛ぶ機体。モビルスーツと呼ぶにはあまりにも異様な、多重装甲を全身にまとった黒い大きな影だ。
「通信を繋げたぞ、リーク。わざわざ広域通信でこっちまで回線回しやがって……まさかお前が居るとはな」
そう言って映像通信を繋げたラリーにリークは「当然ですよ。アズラエル理事にも許可を取ってます」と自信満々な声で答えた。
「軍事協定を結んだアズラエル理事と、僕らの部隊に泥を塗らせるつもりはありませんからね」
そう言って武装を展開するリベリオンを見つめて、ラリーも同じように身構える。
「なら、やることはひとつだな」
そう言って互いにニヤリと笑みを浮かべるラリーとリーク、ホワイトグリントとリベリオンは100に登る敵のモビルスーツ部隊と相対した。
『なんだ?正気か?貴様らのそんな戦力でなにができる!!』
ホワイトグリントの通信から、オペレーターが何かを叫んでいるのが聞こえるが、この際は無視だ。
退けば虐殺、逃げれば憎しみが広がる。この背に背負うものはーーー敵味方である前に、守るべき市民の命。
「 「残念だが、ここから先は通行止めだ!!」 」
二人の流星の咆哮がオーブの空に響き、二機の全く異なる機体は線を重ねて迫り来る軍勢へと足を踏み出していくのだった。
////
『あーあーあー。兄さんの言った通り、大西洋連邦の奴ら、モビルスーツ引き連れて攻め込んでるよ』
カラミティの中で「野暮用がある」と言って部隊を離れたリークを見送ったオルガは、彼が言っていた野暮用の先を見つめながら呆れたような声を上げた。
『数はおおよそ100か。まったくどこに隠し持っていたのやら』
『見慣れない機体もいるね』
オルガもシャニも、カグヤに向かって飛びながらモニタリングしたデータを見つめる。ほとんどが大西洋連邦所属のダガー系だろうが、中身は皆、自分たちの古巣のブルーコスモスと同じだろう。対人用兵器まで搭載しているのを見る限り、相手はまともな戦争をするつもりはないらしい。
故に、リークが放っておけずにアズラエルに直訴して向かったわけなのだが。
『けど、おかげで盾野郎は向こうにかかりっきりだ』
リークからの情報ではホワイトグリントとも合流したということだ。それを聞いてアズラエルも満足そうに頷く。
〝やってもいいですが、撃ち漏らしのないように。死人に口なしと、上手い言葉があるようにして下さいね?〟
それを聞いたリークは、“自分は外道を相手に手抜きをする気はありませんよ”と笑っていた。おそらく、ホワイトグリントのパイロットも同じなのだろう。リークと同じ部隊にいたというなら尚の事、こんな常軌を逸した行為を見過ごすわけがない。
『さぁて!兄貴のことは任せておいて、僕らも僕らでやることをやらないとさ!!』
『そういうことだ。各機、目立つように動け!落とされたら承知しねぇぞ!』
そういうクロトが操るレイダーの上で、リークから指揮を任されたオルガが声をあげた。こちらもこちらで、やるべきことがある。
『はん!そんなヘマしねぇよ』
『兄貴に怒られるのはオルガだけにしてよね?』
『んだとぉ!?』
気をぬくとすぐに言い合いになる三人の前方からは、トールのスーパースカイグラスパーを先頭に、フリーダムとジャスティスがすぐそこまで迫ってきていた。
「来るぞ!キラ!トール!」
「クサナギ、ヒメラギは発進急いで下さい!新型は僕らが押さえます!」
「ええい!こんな時まで!しつこいんだよ、お前らぁ!!」
それぞれが思い思いに声をあげながら、マスドライバーのレールのすぐ脇で激突する。
『おらぁあああ!!いくぜええええ!!』
カラミティのビーム砲が空を走る。それを鮮やかに躱したトールのスカイグラスパーへ、レイダーがすぐに迫った。
『こないだの礼だ!!抹殺!!』
破砕球では戦闘機を捉えられない。クロトはレイダーの頭部に備わる「ツォーン」でトールの機体の進路を遮ると、モビルアーマー形態となって空へ舞い上がる。
『うらぁあああ!!』
「キラ!蹴散らすぞ!」
「うん!アスラン!!」
眼下ではフリーダムとジャスティスが、フォビドゥンとカラミティの連携を掻い潜りながら戦闘を開始していく。互いに隊長がいない中、それでも譲れない戦いの幕が切って落とされた。
////
《こちらヒメラギのカノープスだ!ライトニング1!ラリー!オーブ艦隊はやられてる!》
通信が聞こえる。ラリーはホワイトグリントの挙動の中にいながら、その焦ったようなオペレーターの声をはっきり聞いた。すると、ヘルメットに備わるスピーカーから回線に割り込まれたようなノイズが走る。
《ラリー!退きなさい!作戦は失敗してる!このままじゃオーブ艦の打ち上げに間に合わなくなるわ!!》
聞こえてきたのはハリーの声だった。当然だろう。ヤラフェス島とカグヤ島の距離はオノゴロよりも遠い。このままここで戦えば、発進シークエンスの中で艦に飛び乗ることすら困難だ。
それでもーーー。
『な、なんて速さだ…』
ラリーは操縦桿を握りしめた。すぐそこにリークのリベリオンがいる。二人は相も変わらない自身の長所を生かして、戦っていた。
ラリーは超接近型。
リークは射撃補佐型。
宇宙で培ってきたもの。地球に降りてから培ってきたもの。それを互いが出し合い、まるでブランクを感じさせないコンビネーションを生み出していた。
『こ、こいつら…敵同士じゃないのか!?』
「よそ見は感心しないな!!」
そう焦ったように言うダガーの一機を、リークは射撃で牽制しながら蹴り飛ばす。その動きはメビウスライダー隊にいた時よりも洗練されていたが、本質的には変化は見られない。
『つ、付いていけな…ごっ』
故に合わせられる。蹴り飛ばした先で待っていたラリーのホワイトグリントが、その重厚な多重装甲と加速性を駆使してリークの下から吹き飛んできたダガーを打ちのめす。
「やるな?リーク。腕は衰えてないらしい」
「そういうラリーこそ、相変わらずエグい機動をしてますよね!」
コクピットは紙くずのようにひしゃげ、衝撃で四肢は吹き飛び、ダガーだったものがまた海中へと没していく。
『ひぃい!く、来るな!来るなぁ!盾が…迫ってーー』
リークの支援に翻弄されながら、気がつけばホワイトグリントの射程内。ダガー系はことごとく的確にコクピットが潰され、海の藻屑へと散っていく。
『正面に立つな!弾かれるぞ!』
そう言ってラリーのホワイトグリントから距離を取ろうとした機体を、リークはビームサーベルで容赦なく両断する。
『がはっ…!?』
宇宙空間で培ってきた三次元的な戦闘を、ラリーとリークは抜群のコンビネーションで織り成して地球軍のモビルスーツ隊を圧倒した。
『損害率…65%!?こんな短時間で…!?』
隊長はその信じられない光景を目にして、自分の言葉と行為に歯を噛み締めた。なんだ?何が起こっている?目の前で縦横無尽に駆け巡る二機のモビルスーツの動きに、隊長は全く追いつけていなかった。
知らない。こんなモビルスーツの動きを人間が可能にしているのか?
そんな恐怖に似た感覚に急かされて、隊長は音声通信で怯む仲間たちへ声を荒げた。
『くそ!!たったニ機に何を手こずっている!!ええい!』
ランドセルに備わるビームサーベルを引き抜き、前線へと躍り出た隊長機。だが、その判断はあまりにも甘かった。
目の前に現れる赤のデュアルアイ。隊長のコクピットを影が覆ったかと思った瞬間、彼の人生は幕を下ろした。彼の不運はただ一つ。高速機動をするホワイトグリントの軌道上に出てしまったことだ。
『ば、バカな…たかが二機のモビルスーツに…がっ!!』
まるで巨大な大型車に轢かれる小型車のように、隊長が操っていたダガーは鉄くずへと返った。
よし、あと残りの敵はーー!!隊長のダガーを粉砕したラリーは、足を前に出して咄嗟に急制動をかける。
海面で止まったラリーの機体と、空にいたリベリオンの脇を、ビーム兵器の閃光が走ったのだ。
「くっ…!このエネルギーは…!!」
『へぇ、存外やるものだ…』
肩部に備わる大型のビーム砲から煙をあげながら、そんな声をかける機体。それはほかのダガー系とは違う異質さを持っていた。
『メビウスライダー隊。モビルアーマー乗り風情が…古くさいんだよ』
そう言って、四割の戦力を失った地球軍モビルスーツ隊の前へ、その機体が躍り出てくる。
『黄色部隊、カテゴリー9、ラムダ。先のレッドキャップやプロメシュースとは俺は違うぞ?教えてやるよ、格ってやつをな…!!』
キャラデザイン
-
他キャラも見たい
-
キャラは脳内イメージするので不要