・握手会の会場にて(Lesson79後のお話)
「あ、あの、わ、わたし、ずっとりょうたろうさんの、ふぁ、ファンで……! 『ゴールデンエイジ』に初めて出演したときからずっと応援してて……!」
「おぉ、久しぶりにその番組名聞いたよー。ありがとね、こんな不愛想な奴ずっと応援しててくれて」
「これからもよろしくね」と女性の手を両手で握ると、彼女の両目から滂沱の涙が。こういう反応をされると、改めて「あぁ俺ってば人気あるんだなぁ」と実感する。いや、トップアイドルが何を言っているのだと言われるかもしれないが。
さて、というわけで今回のお仕事はズバリ握手会である。
アイドルのお仕事の代表格と言っても過言ではないこの握手会。昨今は色々あったせいかアイドルの安全面を考慮してその数が減ってきている。
かくいう俺もいくら知名度や人気で言えば日本トップレベルのアイドルとはいえ、やはり嫌われるときは嫌われるものらしく、実は一度ガチで襲われかけたこともあったのだが――。
「良太郎、水だ」
「お、あんがと」
――ボディーガード役の恭也のおかげで事なきを得た。
俺が初めて握手会を開くことになった際に自ら「お前に何かあったらなのはが悲しむ」という名目でボディーガード兼
――申し訳ないが、そこで止まってもらおう。
突然、恭也は握手をしに来た女性を数メートル手前のところで静止させた。
一体何を言い出したのかと思いきや、女性は踵を返して逃亡を開始。入り口付近のスタッフによって取り押さえられたのだが、なんと荷物の中から巧妙に隠された塩酸入りのビンが見つかったのだ。
恭也曰く「目線や動き方があからさまに怪しかった」らしい。あのままもう数歩前に近付いてきていたら、確実に塩酸がかかる距離になっていたことだろう。
そんな経緯があり、こうして握手会の際は恭也にボディーガードをしてもらうことが恒例になった。
「流石の人気だな……それに、年々人も増えている」
「これでも現役でトップアイドルだから。まだ減ってもらっちゃ困るさ」
水分補給の小休憩を終え、次の人をブースに呼び込む。
「よ、よろしくお願いします!」
ブースに入って来たのは、小学校高学年ぐらいの女の子だった。少し緑がかった長い黒髪にショートパンツ姿の彼女は、髪の毛が短かったら性別を見間違えたかもしれないボーイッシュな雰囲気を醸し出している。
そして、初めて見る顔でもあった。
全員の顔を覚えているというわけではないが、何度も来てくれた人の顔は流石に覚えている。中には毎回ボディーガードとして俺の後ろに立っている恭也とも顔馴染になる人もいるぐらいだ。
今回のこの少女は俺の記憶にヒットしなかった。それは恭也も同じらしく、初めての人ということで少しだけ警戒を強くしたのを感じた。
流石にこの子はないだろう……と思いつつ、いつも通り握手をするために手を差し伸べる。
「こんにちは。お嬢さん」
「こ、こんにちは!
「よろしく、光ちゃん」
やや緊張気味の光ちゃんと握手をする。うん、若いおなごの柔らかい手である。
「えっと……アタシ、覆面ライダー天馬やってた良太郎さんを見て、ファンになったんです!」
「おっ」
たまに同じようなライダーファンが来ることもあるが、女の子は初めてだった。ならば、少しぐらいサービスしたくなるのが
俺は手を放してスッと後ろに下がると、何かを持っているかのように右手を顔の横まで掲げた。
「『……確かに俺じゃ、お前には勝てないさ。それぐらい知ってる。分かってる』」
「……あっ!」
どうやらそれだけで光ちゃんは気付いてくれたようだ。
「『だからこの変身は、お前を倒すための変身じゃない……お前を倒すアイツのための変身だ!』」
一度右に腕を振ってから、それを腹部に当てる仕草をする。
「『天馬……俺に、最後の力を貸せ!』」
――変身っ!
「うわあああぁぁぁ! 『覆面ライダー竜』46話! 究極完全体ゼウスキメラ戦! ペガサスの最後の変身シーン!」
それはもう目をランランと輝かせた光ちゃん。お気に召してくれたようでなによりだ。
「情報出てると思うけど、今度の劇場版『覆面ライダージェミニ』に俺もゲスト出演するから、楽しみにしててね」
「はいっ! 楽しみにしてます! これからも俳優やアイドル、頑張ってください!」
元気にブンブン手を振りながら、光ちゃんは去っていった。
「……珍しいじゃないか。いくら女の子でも、あそこまでサービスすることなんて殆どないだろう」
「……さぁ、なんだろうな。もしかしたら、ライダーの勘があの子に何かを感じたのかもな」
「そこはせめてアイドルとしての勘で感じるべきでは……」
そんな彼女と再会するのは、だいたい一年半後のことである。
・テレビ局の廊下にて その3(Lesson172後のお話)
「突然ですが! 本日、周藤さんにドッキリを仕掛けさせていただきたいと思っております!」
「……お、おう」
凛ちゃんたちは今頃楓さんのステージを見てる頃かなぁと思いながら楽屋で待機していると、突然やって来たスタッフからそんなことを宣言された。
「え、いや、それ言っていいんですか? 寧ろ聞いていいんですか?」
「そ、その……や、やはり許可を取るべきかと思いまして、ハイ」
どういうことだってばよ。
「んー……まぁ、俺とて業界の人間ですからね。テレビに使ってもらえるドッキリならば歓迎しますけど……あんまり酷いのは勘弁してくださいよ?」
「そ、それは勿論! ほんのささやかなドッキリですので!」
それはそれでどうなのだろか。
一応了承すると、スタッフは何度も頭を下げながら楽屋を出ていった。
……しかし、流石の俺もあらかじめドッキリだと宣言された上でのドッキリとか初体験だぞ。寧ろそれを知った上でどのようなリアクションをするのかを試させているのかもしれない。
「……まぁいいか」
ちょっとウキウキしている自分がいた。
というわけでその日の仕事をしながら、いつドッキリが来るのかを楽しみにしていたのだが、それは唐突にやって来た。
「はーっはっは! 喰らいなさい!」
廊下を歩いていると、角から突然小さな影が飛び出して来た。おでこを大きく出した長い髪の女の子だったので一瞬伊織ちゃんかと思ったが、どうやら違うらしい。
彼女の手にはおもちゃのボウガンがあり、先端に吸盤が付いた矢がつがえられていた。
「……って、アレ!? プロデューサーじゃなっ……!?」
ポンッという軽い音と共に放たれる矢が、真っ直ぐ俺の顔めがけて飛んできて――。
「はっ!」
――咄嗟に人差し指と中指で矢を挟んで止めた上に、そのまま少女に向かって投げ返してしまった。
「あいたぁ!?」
そのまま彼女の広いおでこに吸盤で引っ付く矢。まさか咄嗟の行動が二指真空把になるとは……自分でもビックリである。
「ちょ、ちょっとスタッフ!? ターゲットはプロデューサーって話じゃなかったの!? 別人じゃない!? というか周藤良太郎じゃない!? なんてことさせてくれんのよ!?」
おでこに矢を張り付けたまま、おそらくドッキリの仕掛け人らしき少女が何やら叫んでいる。どうやら彼女もターゲットが俺だと言うことを聞かされていなかったらしい。……ということは、二重でドッキリだったということか。
「って、あれ? もしかして、小関麗奈ちゃん?」
「っ!?」
見ると、なんと俺に向かって矢を撃ってきたのは346プロに所属する小関麗奈ちゃんだった。
……これは、好都合だ。
「麗奈ちゃん」
「……な、なに……は、はい……」
「サインください」
「……は?」
一応自分でも持ち歩いている色紙を彼女に向かって差し出すと、麗奈ちゃんは呆けた表情になった。
「いやぁ、実はフルボッコちゃんのファンでさ。前々からサイン貰いたいって思ってたんだよねぇ」
346の事務所でそれとなく探してたんだけど全然出会えなくて、こうして出会えて本当に好都合だった。
「………………」
「あ、ダメだった? もしアレなら、俺のサインと交換とかでどう?」
「……は、はい……」
一瞬こちらに手を伸ばすのを躊躇した彼女だったが、色紙とサインペンを受け取った麗奈ちゃんは、そのままサラサラとサインを書いてくれた。しかもフルボッコちゃんの簡単なイラストと『周藤良太郎さんへ』という宛名付きだ。
「ありがと、麗奈ちゃん」
「……きょ、今日の所はこれで勘弁してあげるわ! このレイナサマに感謝することねー!」
色紙を受け取りながらお礼を言うと、ハッと我に返った麗奈ちゃんはいつもの調子を取り戻してそのままピューッと走り去ってしまった。
「いやぁ、まさかこういう意味でのドッキリとは、スタッフもやるなぁ……」
その後、何故か謝りに来たスタッフに麗奈ちゃん宛の俺のサインを預けてから、テレビ局を後にするのだった。
・ボルダリング施設にて(Lesson181後のお話)
「今日はよろしく頼むぞ、良太郎君! 真美君!」
「こちらこそよろしくお願いします、弦十郎さん」
「よろしくお願いしまーす!」
差し出された右手を握ると、とても力強く握り返された。思わず顔をしかめそうになるが、男の意地としてそこはグッと我慢した。いや、そもそもしかめれないんだけど。
「えっと……ビッキーちゃんもよろしくね」
「はいっ! よろしくお願いします!」
弦十郎さんの所属する
というわけで今日のお仕事は俺・真美・弦十郎さん・ビッキーちゃんの四人の談話である。
なんでもこの間の俺と弦十郎さんの談話記事の評判が相当良かったらしいので、恐らく今度はこの二人に同じく特撮繋がりの女の子二人を加えてみようという試みだろう。いや、どちらかというと次の映画で共演するビッキーちゃんと真美の二人がメインで、俺たち二人はあくまでもオマケのような気もするが……明らかにオマケの方が濃いような気もする。
確かに男二人のときよりは、絵面的にも華やかになったとは思うが……。
「なんでボルダリングなんだ……」
カラフルな凹凸が埋め込まれた壁を見上げながら、思わずそう呟いてしまう。なんでも『歴代&現役ライダーがボルダリングに挑戦!』という企画らしいのだが……いや本当になんでだよ。
ちなみに、つい先日放送されたマッスルキャッスルで菜々ちゃんたちもやってたが、こちらは本当に僅かな凸凹しかない上に若干壁面が反っているガチ仕様である。
「真美、こんなのやったことないよ……」
「流石に俺もないって」
高町家の山籠もりには連れていかれたが、流石に崖登りとかはなかったから……。
「えぇっ!? ないんですか!? 師匠、この間『特撮に出演するには壁登りは必須!』って言ってたのに!?」
何故か驚愕しているビッキーちゃんが弦十郎さんに詰め寄っていたが、当の弦十郎さんは笑って誤魔化していた。いやまぁ、一応俺たちアイドルだし、君たちはどちらかというとスタント側の人間だから……。
そんなわけで、とりあえず挑戦開始。スルスルと登る弦十郎さんや響ちゃんに対し、体力に自信はあるものの不慣れな俺や筋力的に辛い真美が、二人と比べて醜態を晒す羽目になった。いやまぁ、いくらある程度のスタントはこなしてきたとはいえ、流石にあの二人と比べられたら分が悪いどころの話じゃない。特に弦十郎さんはなんだあれ、何で片手で登れるんですかねぇ……完全に壁登りの業だコレ。
そんなこんなでヘロヘロになりながらも写真撮影などをこなしていたわけなのだが……。
「わっ!? アイドルがいる?!」
休憩中、そんな声が施設内に響いた。どうやらたった今入って来たばかりの一般利用者らしく、長い茶髪の一部を二本の三つ編みにした少女がこちらを見ながら目をキラキラと輝かせていた。
「すごーい! 765の真美ちゃんだ! 209のビッキーもいる! うわぁ本物も凄いかわいいー!」
「んっふっふ~、いやぁ流石真美だね!」
「えへへ……まだ面と向かって言われるのはなれませんね……」
自信満々にドヤ顔する真美と、まだ少し照れが見えるビッキーちゃんが対照的だった。
「って、わわっ!? 俳優の風鳴弦十郎さんに、トップアイドルの周藤良太郎さんまで!? 何々、どうなってるの!?」
俺と弦十郎さんにも気付いて一人大騒ぎする少女。休憩中故に邪魔にはなっていないため、普通に騒がしくて愉快な子だなぁという感想だった。
「ほう……中々鍛えている良い身体じゃないか。君、よかったらウチの事務所にこないか?」
「えっ、私!?」
どうやら弦十郎さんのお眼鏡にかかったらしい。確かに、スタントが出来そうなしなやかな筋肉が剥き出しになっている二の腕やふくらはぎから見て取れた。あと凄い可愛い。アイドルとして十分やっていけるレベルだ。
「ご、ごめんなさい! ……その、実はオーディションを受ける予定で……」
おっと、本当にアイドル志望の子だったのか……。
「ちなみに何処を受けるのか、聞いてもいい?」
「は、はい! その、765プロなんです!」
「えぇ!?」
真美が驚いていたが俺も驚いた。そうか、シアター組の方か。……って、この間二次募集の最終選考が終わったばかりって言ってた気がするんだけど、まだ増やすのか……なんというか、流石高木さんだな……。
「はっはっはっ、どうやら765プロの方に先を越されてしまっていたようだな」
「うーん、私も残念です!」
断られてしまったものの快活に笑う弦十郎さんと、本当に残念そうなビッキーちゃん。
「わー! ってことは、同じ事務所になるかもしれないんだ! 名前教えて教えてー!」
「は、はい!
「受かってたらよろしくね、うみみ!」
「はいっ!」
まさかのところで、765プロの新たなアイドルの卵と出会うことになった。
……なんとなくだが、この子ならば本当に受かるような気がした。
・とある公園にて(Lesson186後のお話)
テレビ局でみりあちゃんたちの幼児プレイ……もとい『とときら学園』の収録の見学を終えたその日の夕方、仕事帰りに346プロの近くの公園の前を通ったのだが、そこに見知った影を見つけた。
既に遊んでいた子供たちも家に帰ってしまった閑散とした公園で、一人ポツリと寂しげにブランコに座るその姿がいつの日かのなのはちゃんの姿とダブってしまい、思わず足を止めてしまった。
「……こんばんは、仁奈ちゃん」
「え? ……あっ! 良太郎おにーさんでごぜーます! こんばんは!」
少々うつむきがちで暗かった表情が、話しかけた途端パッと明るく花が咲いた。
「今日は収録お疲れ様。どうだった?」
「楽しかったでごぜーます! みりあちゃんたちみんな一緒のお仕事は初めてでごぜーましたし、きらりおねーさんと愛梨おねーさんも優しかったでごぜーます!」
それにそれにと今日の収録のことを楽し気に話してくれる仁奈ちゃん。今の状態だと、先ほどまで感じていた暗い雰囲気はすっかりと鳴りを潜めている。
「……おっと、もうこんな時間か……良かったら、家まで送ろうか?」
先ほどまで橙色に照らされていた公園だが、そろそろ太陽もビルの向こう側へと消えようとしていた。流石に暗くなってから九歳女児を一人歩きさせるのは忍びない。
しかしそんな俺の提案に対し、仁奈ちゃんは首を横に振った。
「お迎えがきてくれるからだいじょーぶでごぜーます」
あら、お迎え待ちだったか……どうやらいらぬ心配だったか……?
「仁奈ちゃーん……!」
そんなとき、背後からそんな彼女を呼ぶ声が。どうやらそのお迎えの人が来てくれたようだが……何やら聞き覚えのある声だったぞ。
「あっ! 美優おねーさん!」
「……美優さん?」
「えっ……!? ど、どうして良太郎君が……!?」
振り返った先にいたのは、紛れもなく今朝事務所で顔を合わせた123プロ事務員兼アイドルの卵である美優さんの姿だった。
「俺は公園に一人でいた友達の姿を見かけたんで、ちょっとお話してただけなんですよ」
「良太郎おにーさんがお話しててくれたので、退屈しなかったでごぜーます!」
「そうだったんですか……ありがとうございます」
ニコニコと笑いながら美優さんに抱き着く仁奈ちゃん。そんな仁奈ちゃんを慈愛の笑みで抱きしめ返す美優さん。まるで親子のような、思わず心温まってしまうかのような光景である。
「それで、よろしければ美優さんと仁奈ちゃんの関係をお聞きしたいところなんですが」
「……えっと、ですね」
もしかして言いづらいことなのかなぁとも一瞬思ったが、美優さんはちゃんと教えてくれた。
要約すると、仁奈ちゃんと美優さんは同じマンションで暮らしており、海外出張中の父親や仕事で家にいないことが多い母親の代わりに、美優さんが仁奈ちゃんの面倒を見ているということだった。
「知り合ったのは、仁奈ちゃんが346プロでアイドルデビューしてからだったんですが……部屋に一人でいることが多いという話を聞いて……ほっとけなかったんです」
そう言いながら仁奈ちゃんの頭を撫でる美優さん。
仁奈ちゃんの家庭事情はなんとなくそんな気はしてたけど……既に解決済みの問題だったというわけか。それならば一安心である。
「一言、言ってくれればよかったのに……って思いましたけど、別に言うようなことでもなかったですかね」
あくまでも彼女のプライベートの話だ。いくら他事務所のアイドルとはいえ、それをわざわざ言う必要もないか。
「あの、このことは……」
「わざわざ話すつもりはありませんけど、別に話しても問題はないと思いますよ」
そもそも他事務所のアイドル云々の話をし始めたら、真っ先に矢面に立たされるのは俺である。
「いえ、いずれ話そうと思っていたことなので……もし何かあった場合、色々と問題ですし……」
「……分かりました。その時は言ってください、俺も口添えしますので」
「ありがとうございます……」
「さっきから良太郎おにーさんと美優おねーさんは何の話をしてやがるのですか?」
何でもないよーと俺も仁奈ちゃんの頭を撫でる。
「……ねぇ、仁奈ちゃん。もし俺が『ウチの事務所に来ない?』って誘ったら、どうする?」
「? 仁奈が良太郎おにーさんの事務所に……でごぜーますか?」
「そうそう。美優おねーさんもいるし、どうかな?」
そう尋ねると、仁奈ちゃんは「んー」と少し考えてから首を横に振った。
「今の事務所には沢山お友達がいやがりますから、仁奈は今の事務所がいいでごぜーます!」
「……そっか」
フラれてしまったが、心の中は逆に嬉しかった。こういう場合は、いらぬ心配になってしまった方がいいのだ。
「それじゃあ、二人まとめて車で送りますよ」
まだ日が暮れたばかりとはいえ、流石に美優さんと仁奈ちゃんの二人組を歩かせるのは心もとない。寧ろ送り届けなかったら色んな人から怒られそうだ。
「……それじゃあ、お言葉に甘えます」
「よろしくおねげーします!」
左手で美優さんと手を握った仁奈ちゃんが、右手をこちらに向かって差し出して来た。
「……はい」
「えへへ」
断る理由も無いので、左手で仁奈ちゃんと手を繋ぐ。仁奈ちゃんを中心に、俺と美優さんが手を繋いで三人並んでいる形になった。
「パパとママみてーです!」
「……え、ま、ママですか……!?」
「となると、俺がパパか」
美優さんと夫婦か……全然ありだな! 寧ろない理由がないな!
真っ赤になってアワアワしてる美優さん、そしてそんな美優さんの様子に首を傾げる仁奈ちゃん。そんな二人を微笑ましく思いながら、俺の車が停めてあるところまで並んで歩くのだった。
・『ゴールデンエイジ』
オリジナルの歌番組。多分新人発掘系。
しいて元ネタをあげるならば、昔サンデーで連載してていつの間にかwebに行ってしまったサッカー漫画。
・ボディーガード役の恭也
実は良太郎の知らないところで恭也が色々と奮闘している番外編ネタがあったりなかったり。
・南条光
『アイドルマスターシンデレラガールズ』の登場キャラ。パッション。
特撮大好きヒーロー少女な14歳。
ある意味ずっと出したかった子。名前だけは一応Lesson184にて登場済み。
・究極完全体ゼウスキメラ
多分『覆面ライダー竜』のラスボス。モチーフは特にない。
・二指真空把
北斗神拳奥義。飛んできて矢を指で掴んで投げ返す。他の奥義と比べると地味ではあるが、割とぶっ飛んだ技である。
・小関麗奈ちゃん
先週名前が登場したばかりだが、そのままご本人も登場。良太郎に対してもいつもの態度を取るべきか否か、割と悩んでいるご様子。
・209プロダクション
アイドル以外にもスタントに力を入れている芸能事務所。代表的なアイドルユニットは『ツヴァイウィング』。
元ネタは勿論シンフォギア。
・立花響
『戦姫絶唱シンフォギア』の主人公。この世界ではツヴァイウィングの二人に憧れて同じ事務所の門戸を叩いたという設定。胸に欠片? なんのこったよ。
・高坂海美
『アイドルマスターミリオンライブ』の登場キャラ。Dance。ミリシタのタイプはPrincess。デレマス的に言えば多分パッション。
体育会系熱血筋肉少女な16歳。腹筋背筋胸筋!
脚がすごくいい(迫真)三曲目の『スポーツ!スポーツ!スポーツ!』は迷曲中の迷曲。一度聞くべし。
・仁奈ちゃんと美優さん
仁奈ちゃんの保護者は美優さん派。事務所ではなくプライベートで出会っているため、既に仁奈ちゃんお預かり済み。寂しい思いは、しなくていいんやで……!
というわけで、黄色の短編集その2でした。ネタに悩んだけど、いざ思い付いたら結構早く書けたゾ……。
本編も終わり次回は番外編……じゃねぇや、番外編も終わり次回は本編に戻ります。
ニュージェネのアレコレをやりつつ、クローネも進展させていきます。
『どうでもいい小話』
アイ転作者としてではなく、一プロデューサーとしてオフ会を開催する予定です(小声)
詳しくはツイッターの方でお知らせしていきます。
※莉緒ねぇの短編に修正不可のミスがあったため、削除しました。