アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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7月1日。彼女は満を持して現れた。

つ い に こ の 日 が 来 て し ま っ た か。

※注意
文章が変態チックでも後悔しない。いいね?


番外編11 もし○○と恋仲だったら 5

 

 

 

 それは、あり得るかもしれない可能性の話。

 

 

 

【日本中が】周藤良太郎、電撃結婚!!!!!!【阿鼻叫喚】

1:VIPPERさん!774ですよ、774!

七月六日、123プロダクションに所属するアイドルの周藤良太郎(20)が記者会見を行い、結婚することを発表した。お相手は346プロダクションに所属する同じくアイドルの高垣楓(25)。今まで熱愛報道が一切無かった周藤良太郎の突然の結婚発表は、世間を大いに驚かせている。というか筆者も驚いている。

 

 

 

くぁwせdrftgyふじこlp

 

2:VIPPERさん!774ですよ、774!

pぉきじゅhygtfrですぁq

 

3:VIPPERさん!774ですよ、774!

あzsxdcfvgbhんjmk、l

 

4:VIPPERさん!774ですよ、774!

くぁzwsぇdcrfvtgbyhぬjm

 

5:VIPPERさん!774ですよ、774!

アイドル総合板かと思ったら多言語スレだった件について

 

せめて地球上の言語で話そうぜ

 

6:VIPPERさん!774ですよ、774!

ここではリントの言葉で話せ

 

7:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>1の文章、改編かと思ったら原文ママでワロタ

 

マスコミすら仰天してるんだろうなぁ

 

8:VIPPERさん!774ですよ、774!

芸能ニュースで号外が出るの初めて見たわ

流石というかなんというか

 

9:VIPPERさん!774ですよ、774!

アイドル関係でこんだけ騒がれたのって日高舞の引退騒動の時以来か?

 

10:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>9 規模で言うならそっちのが大きいだろうが、周藤良太郎がジュピターとコラボった時も結構大きく報道されたな

 

11:VIPPERさん!774ですよ、774!

それにしても、結婚か……良太郎ってプライベートあったんだな

 

12:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>11 ホントそれ

 

13:VIPPERさん!774ですよ、774!

熱愛報道一切無くいきなり結婚報告とか前代未聞すぎる

パパラッチもっと仕事しろよ

 

14:VIPPERさん!774ですよ、774!

仕事で共演したって話聞かないから、プライベートでの交友があったんだろうけど高垣楓は予想外すぎた

 

15:VIPPERさん!774ですよ、774!

一通り鉄仮面板と25歳児板回って来たけど、案の定大騒ぎだった

 

16:VIPPERさん!774ですよ、774!

知ってた

 

17:VIPPERさん!774ですよ、774!

あれ? 高垣楓のスレって24歳児板じゃなかったっけ?

 

18:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>17 この間誕生日来て25になったから25歳児板に変わった

 

19:VIPPERさん!774ですよ、774!

やっぱり荒れてんの?

 

20:VIPPERさん!774ですよ、774!

いや意外にもそうでもない

 

鉄仮面板

お前ふざけんなよ良太郎の結婚相手が高垣楓!? 高垣楓とか…お前、その、あの……年上じゃねぇか!?

 

25歳児板

はぁ!? 楓さんが周藤良太郎と結婚!? 周藤良太郎とか…そう、あれ、あれだよ、年下じゃねぇか!?

 

みたいなやり取りを延々としながらそれぞれ既に50スレは消費してる

 

21:VIPPERさん!774ですよ、774!

スレの無駄遣いすぎる・・・

 

22:VIPPERさん!774ですよ、774!

なんというか、お互いにトップアイドル過ぎて罵ることないんだよなぁ

 

23:VIPPERさん!774ですよ、774!

それぞれのファンであっても認めざるを得ない相手ってことか

 

24:VIPPERさん!774ですよ、774!

しかし、綺麗で可愛い年上のお姉さんと結婚とか、トップアイドルってことを抜きにしても勝ち組だよな

 

25:VIPPERさん!774ですよ、774!

良太郎みたいにおっぱいおっぱい言ってたらモテるのかな

 

26:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>25 思いとどまった方がいいぞ。碌なことにならない

 

ソースは俺

 

27:VIPPERさん!774ですよ、774!

おっぱい星人の良太郎の結婚相手にしては少々ボリューム不足のような……

 

28:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>27 屋上

 

29:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>27 体育館裏

 

30:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>27 なんでや! 81なら十分あるほうやろ!

 

31:VIPPERさん!774ですよ、774!

今来たんだけどこっちは落ち着いてるんだな。

こっちの板の住民はこの二人の結婚に関しては賛成派なの?

 

32:VIPPERさん!774ですよ、774!

まぁね。というか流石に一日経ってるし。

 

33:VIPPERさん!774ですよ、774!

総合板の住民は嫉妬に狂ったりしませんよ(キリッ

 

34:VIPPERさん!774ですよ、774!

素直に祝福してあげるのが大人ですよ(キリッ

 

35:VIPPERさん!774ですよ、774!

そうか

 

話ぶった切って悪いんだけど、嫁さんから「白い私と黒い私、どっちがお好み?」って聞かれたんだけどコレどういう意味だと思う?

 

36:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>35 うっさいわボケ

 

37:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>35 知るかボケ

 

38:VIPPERさん!774ですよ、774!

>>35 リア充はリアルに帰れボケ

 

39:VIPPERさん!774ですよ、774!

(´・ω・)……

 

 

 

 

 

 

「ふむ」

 

 いつものようにアイドル総合板を見ていたブラウザを閉じ、スマホの画面を落として軽く放り投げる。三ヶ月前に買い替えたそれは放物線を描いてビーチチェアの上に畳んで置いてあったタオルの上に軟着陸した。

 

 そこは南の島のビーチだった。眼前に青い空と海が広がる白い砂浜を心地よい潮風が通り過ぎていく。

 

 頭上に燦々と輝く太陽が非常に眩しく、持ってきていたサングラスを装着する。本来ならば変装用に持っていたサングラスだが、生憎周りに一般人はいないので身バレの心配はない。

 

(……さてと)

 

 そろそろ現実と向き合おうか。

 

 

 

「……ここって何処なんだろうなぁ……」

 

 

 

 何やら前もこんな感じだったなぁと思いつつ、ここまで来た経緯を思い返す。

 

 確か昨日は記者会見が終わったら一旦二人でホテル(普通の意味でのホテル)に泊まって、次の日朝一番に婚姻届を提出したんだったな。それから前々から予定していた新婚旅行として南の島にやって来た、と。

 

 トップアイドル二人がお忍びで来ることが出来るリゾートがあるのだろうかと疑問に思うだろうが、そこは幅広い人脈を使わせてもらった。実はここ、月村家が所有するプライベートビーチなのだ。おかげでこんなにも素晴らしい浜辺を独占することが出来た。

 

 ……うん、出来たことは素直に嬉しいし、態々月村家のプライベートビーチを新婚旅行に使わせてもらったことも大変感謝しているんだけど。

 

 実は何処の国なのか知らないのだ。

 

 詳しい話を聞かずに南の島っていうだけで了承して、パスポートが必要だと聞いても何の疑問を抱かなかった俺も悪いのだが……いやだって、空港から月村家所有のプライベートジェットに乗って来たし、着いたら着いたであっという間にホテルまで来ちゃったから何処の国か確認する暇なかったし。言葉も英語もしくは日本語で通じちゃったし。

 

 飛行機で三、四時間程度だったからそれほど遠いところではないとは思うのだが……。

 

「……まぁいいか。別に何か実害があるわけでもないし」

 

 素直に南国のリゾートを満喫することにしよう。人生気にしないことも大事である。

 

 というわけで現在はビーチに先入りしてお嫁さんの到着を待っていた。普通の海水浴場だったら、先に来た人間がレジャーシートを引いて場所取りしたり、ビーチパラソルやテントを組み立てて日陰を作ったりしなければならないのだが、今回は予め設置しておいてもらったビーチパラソルとビーチチェアを利用させてもらう。流石プライベートビーチと言ったところか。

 

 しかしそれはそれでやることないなーと、海パンにパーカーを羽織った姿で一人手持無沙汰の状況なのである。

 

 

 

「お待たせ、良太郎君」

 

 ぼーっと空を見上げていたら、背後からそんな声が聞こえてきた。どうやら楓さんが着替えてきたようだ。

 

 さて、背後にいるのは水着姿の楓さんだ。覚悟を決めて振り返り――。

 

(いや待てよ)

 

 ――しかしそこでふと思い返すのは前回の温泉での出来事。意気込んで振り返ったが楓さんお得意のダジャレで肩透かしを食らったことを思い出した。きっと今回も「夏の日差しの中お疲れサマー」とか飛び出してくるのだろう。

 

(さぁ来い!)

 

 そう意気込んで俺は振り返り――。

 

 

 

「……どう、かしら?」

 

 

 

 ――真っ白なビキニ姿で微笑む楓さんの姿が俺の精神にクリティカルヒットするのだった。

 

 

 

「ごふ(吐血)」

 

「? どうかしたの?」

 

「いえ、何でもないです」

 

 突然口元を抑えた俺に小首を傾げる楓さんだったが「大変お似合いです」と言うと「ふふ、ありがとう」と微笑んでくれた。

 

 それにしてもビキニか……いや、楓さんみたいな大人の女性にはタンキニやワンピースよりもこっちの方が似合っているに決まっているのだが。色に関しては楓さんからの「白い私と黒い私」というメールに対して「どちらも捨てがたいですが、白で」と返信していたので何となく察していた。

 

 白いビキニを身に纏った楓さんは、その色白の肌も相俟ってまるで浜辺に舞い降りた雪の精霊のようである。(ギップリャアアア!)

 

 しかしそれ故に日焼けが怖い。健康的な肌の色が売りである765の響ちゃんや346の茜ちゃんなどはまた別として、日焼けはシミそばかすの原因となるためアイドルは出来るだけ避けたいところである。まぁ楓さんも伊達にトップアイドルと呼ばれているわけではないので、それぐらいのことは十二分に把握しているだろう。

 

「……えっと、楓さん?」

 

「ふふ、こーゆーのがビーチでの『お約束』なのよね?」

 

 そんなことを考えていた俺の眼前に、楓さんは日焼け止めの小さなボトルを両手に持って差し出してきた。

 

 

 

「塗ってくれないかしら、旦那様?」

 

 

 

「ごふ(二度目の吐血)」

 

 数時間前に入籍したばかりの妻に危うく殺されかけた。(真顔)

 

 いやまぁ、嫌って訳じゃないし、楓さんの肌に触れるならば願ったり叶ったり。そもそも今の俺と楓さんは既に夫婦なのだから別に躊躇する必要も無いわけだ。

 

「分かりました。任せてください」

 

「ふふ、任せました」

 

 俺にボトルを手渡した楓さんはビーチチェアの上で背中を向け、シュルリと胸元の結び目を解いて上の水着を脱いだ。只でさえ見えている面積が多かった楓さんの真っ白な背中だったが、今度こそ遮るものは無くなった。既に何回か見る機会があったもののこうして太陽の下で見るそれはまた一段と艶めかしく、コータロー(幸太郎に非ず)から教わった自主規制拳を思わず使いそうになった。

 

「それじゃあお願いね」

 

 そのままうつ伏せになる楓さん。後ろから僅かに見える耳が赤くなっているところから、彼女もやっぱり恥ずかしがっているらしい。全く、一体誰から吹き込まれた『お約束』なんだか。心当たりがあり過ぎて困る。

 

 さて、俺もいい加減覚悟を決めるとしよう。

 

(……えっと、確か手のひらで温めてから塗るんだっけ)

 

 何処かで聞きかじった知識を頼りに日焼け止めを楓さんの背中に塗っていく。途中、「んっ……」という艶を含んだ楓さんの声や押しつぶされた横乳(誰だよ貧相って言った奴!)などに意識を取られそうになるものの、背中や首筋などの一人では塗りづらい箇所に日焼け止めを塗り込む。

 

「良太郎君……その、お尻も、お願い」

 

「はい。……はい?」

 

 聞き間違いかと思ったが、真っ赤な顔の楓さんが横目でこちらを見ていたので俺の耳は正しかったようだ。

 

 いや、別に今更と言えば今更よ? あの温泉の日に大人の階段(意味深)を上ったわけだし。しかしそれでも緊張するものは緊張するもので。

 

 ……えぇい、今更引けるか!

 

 意を決し、楓さんの白桃のような臀部に触れた。

 

「っ……!」

 

 楓さんがキュッと目を瞑りビクリと震えたような気がしたが、こっちはこっちでそれどころではなかった。明確な描写を脳内でしようものなら間違いなく死んでしまう(直喩)ので無心になりながら日焼け止めを塗るのだが、それでも手のひらには張りがあるのに柔らかい丸みを帯びたあああああああああああああ(深刻なエラー)

 

 

 

 ※しばらくお待ちください。

 

 

 

 ふぅ。(賢者ではない)

 

 一先ず山場は通り過ぎ、残る太ももや脹脛に日焼け止めを塗っていく。真っ赤になって身を強張らせていた楓さんも、緊張が解けたようで若干脱力しているように見えた。

 

 ……やっていることはラブコメ的展開で、ネットに書きこめば「氏ね」と言われること満載な素敵イベントであることには間違いなく、やっぱり陶磁器みたいでスベスベしてるなぁとか色々感想はあるのだが。

 

「~~~」

 

 リラックスし始めた楽しそうな楓さんの鼻歌と波の音、そして海鳥の鳴く声以外、人の声が一切聞こえないプライベートビーチで過ごす、久しぶりに楓さんと二人きりでのんびり出来るこのゆったりとした時間が心地よかった。

 

 

 

「はい、塗り終わりましたよ」

 

「ありがとう。……前を塗ってくれても良かったのよ?」

 

「『お約束』はもういいですって。……恥ずかしいならやらなきゃ良かったのに」

 

「そ、それはいいの! ……それじゃあ交代ね」

 

「え?」

 

「ほら、良太郎君もうつ伏せになって」

 

「あ、いや、ほら俺、肩の関節柔らかいから自分の背中まで手が届きますんで、自分で……」

 

「うつ伏せになって。だ・ん・な・さ・ま」

 

「くっ! 俺は屈したりなんか……!」

 

 この後、楓さんに滅茶苦茶日焼け止め塗られた。(ビクンビクン)

 

 

 

 

 

 

 すっかり日も暮れた夜の浜辺。ホテルから離れたこの浜辺は昼間以上の静寂に包まれており、波と俺たちの砂を踏む音しかしない。

 

「ふぅ……風が気持ちいいわね」

 

「そうですね。おかげで暑くなくていいです」

 

 ディナーとして地元の新鮮な海の幸に舌鼓を打ち、食後の散歩として俺と楓さんはそこに来ていた。

 

 どちらともなく繋いだお互いの手に指を絡めたまま、俺たちはのんびりと歩く。

 

 俺は特に気にすることなく普通にハーフパンツとTシャツというラフな格好なのだが、今の楓さんは日本から持ってきた若草色の浴衣を纏っていた。うなじが大変セクシーなこの恰好は、今が夏だからということも含めて今日のために持ってきたものだった。

 

「あ、楓さん、見えますよ」

 

「あら、本当。これだけホテルから離れれば良く見えるわね」

 

 二人で見上げ、指差したその先に見えた『天の川』。今日は七月七日、七夕である。

 

 今日の昼間に入籍届を出してきたのも、七夕に入籍しようと二人で示し合わせたからだ。

 

 この時期に天の川が見えるってことからここは北半球の島なんだなぁとどうでもいいことを考えつつ、楓さんと寄り添いながら夜空を見上げる。そこには日本の都会では到底見ることが出来ないような満天の星が広がっており、初めて楓さんと二人きりで入った温泉を思い出した。

 

 実はその時からまだ三ヶ月しか経っていないことに気付き、それでもこうなるまで「早かった」という感想は湧いてこなかった。

 

「……アルタイル、ベガ、デネブね」

 

「夏の大三角ですね」

 

「お星さまで出来た三角形でスター」

 

「………………」

 

「……スランプ」

 

「いえ、割といつも通りです」

 

 楓さんの指差す先の星々が形作る三角形、鷲座のアルタイル、琴座のベガ、白鳥座のデネブ。昔、真美に「ねぇねぇりょーにぃ、『アレガデネブアルタイルベガ』って言うけど、四つだったら三角形じゃなくて四角形じゃないの?」と問われて唖然としてしまったことを思い出してしまった。

 

「今頃、織姫と彦星は無事に会えたのかしら?」

 

「きっと会えましたよ」

 

 一年に一度、七夕の夜にしか会うことが出来ない恋仲の二人。夜空に輝くラブロマンス。

 

「……ねぇ、良太郎君」

 

 それまで左手に感じていた楓さんの手のぬくもりが無くなったので何事かと振り向くと、こちらに体を向けた楓さんが一歩後ろに下がった。

 

 

 

「……やっぱり私、アイドルを辞めようと思うの」

 

 

 

 

 

 

 あの日温泉で良太郎君から貰ったプロポーズの言葉は、今でも私の胸の中に残っている。

 

 良太郎君が私を愛してくれると誓い、私も彼に愛を誓った。もちろんそれを疑う訳がないし、これから先疑うこともないだろう。

 

 けれど。それでも。だからこそ。

 

 それまで以上に不安になることもある。

 

 123プロダクションと346プロダクション、私たちはそれぞれの事務所のトップアイドル。当然、二人の時間がいつでも取れるわけではなく、現に今日こうして二人きりでゆっくり出来るのも二週間ぶりなのだ。

 

 事務所、仕事、時間。様々な要因が絡み合い、私たちの間にはきっと『天の川』が流れている。そもそも、私たちの結婚をファンが納得してくれるかどうかも分からない。

 

 今でこそこうして手を伸ばせばすぐに届く位置にいる彼も、日常に戻ればそれも分からない。

 

 だからこそ、私は家庭に入ろうと思う。

 

 幸い、私たち二人の貯蓄と良太郎君の今後の活躍を考えればそれでも不自由無く生活していくことが出来るだろう。

 

 

 

 私は、アイドルと愛する人を天秤にかけ――愛する人を取ってしまった。

 

 

 

「……楓さんが本当にそれでいいのなら、俺は反対しません」

 

 無意識の内に足元へ落ちていた視線を上げると、良太郎君は真っ直ぐとこっちを見ていた。

 

「知ってますか? 織姫と彦星は元々働き者同士だったのに、結婚して仕事を怠けていたから怒られて離れ離れになってしまったそうです」

 

 だから、と良太郎君は続ける。

 

「二人の時間を作るために、仕事を疎かにするということは……やっぱり褒められたことではないと思うんです」

 

「………………」

 

 ……やっぱり、良太郎君はお見通しだった。

 

「……心配しないでください、楓さん。俺を誰だと思ってるんですか?」

 

「え……?」

 

 良太郎君がこちらに一歩踏み込んだ次の瞬間、私は彼に正面から抱きしめられていた。

 

 

 

「俺は『周藤良太郎』です。天の川がどんな激流になってようが俺には関係ありません。いつだって、貴方の傍には俺がいます」

 

 

 

 俺たちのファンが俺たちを認めてくれないわけないじゃないですかという良太郎君の言葉に、私は頬が緩むのを感じた。

 

 仕事辞める理由なんて、何処にも無かった。

 

 何故なら。

 

 

 

 今こうして彼の腕の中にいるだけで、彼と会えなかった時のこと全てが無かったことに思えるほど……私は『幸福者(しあわせもの)』だったのだから。

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろホテルに戻りましょうか」

 

「えぇ。……良太郎君、『黒い私』の方には興味ない?」

 

「え? そりゃあもちろんありますけど……」

 

「本当は明日見せようと思ってたけど……部屋に戻ったら見せてあげる」

 

「……それは、イエスノー枕のイエスと受けとって問題ないですね?」

 

「えぇ!? いや、そんなつもりは……えと、その………………うん」

 

 

 

 ※ワッフルワッフルなんて言っても無駄なんだからね!?

 

 

 




・周藤良太郎(20)
前回の楓さん編から僅か三ヶ月しか経っていないので特に変化は無し。
ちなみにまだ挙式はしていない。

・高垣楓(25)
良太郎と同じく、三ヶ月後なので特に変化は無し。

・VIPPERさん!774ですよ、774!
定番の掲示板ネタだけど今回はここだけ変えてみた。

・ここではリントの言葉で話せ
ラジ・ビジュグボザギジ・カエデ

・この間誕生日来て25になったから25歳児板に変わった
誕生日の関係上、実は前回は24歳が正解だったのだが気にしない方向で。

・「白い私と黒い私、どっちがお好み?」
特訓前と特訓後で大変迷ったが、特訓後を採用。大人な黒もいいが、やはり清楚な白がジャスティスだった。

・南の島
色々と気になるところもあるだろうが、水着の楓さんの前では些細なことに過ぎない。いいね?

・ギップリャアアア!
読んでないけど最近グルグル2が連載しているそうで。

・『お約束』
アイドルという立場上、番外編じゃないと回収できなさそうだったので。

・コータローから教わった自主規制拳
久しぶりのまかりとおるネタ。自分の拳を自分の股間にシュゥゥゥッ!

・アレガデネブアルタイルベガ
君が指差す夏の大三角。
プトレノヴァインフィニティが頭に浮かんだ貴方は間違いなく決闘者。

・イエスノー枕
割と有名だろうけど、もし分からない人がいたらお父さんお母さんに聞いてみよう!



 というわけで新規SR配信記念の恋仲○○シリーズ、楓さん編の続きでした。

 感想から七夕をテーマに考えていたところ、新規SRの情報を耳にしたため急遽予定を変更した結果こうなった。特訓後の楓さんが女神すぎる。

 え? 期待していた○○○シーンが無い? 結婚式ですかね?(すっとぼけ)

 そう言う人は『楓さんマジ女神』って検索すればいいと思うよ(R18)

 ※ファンが結婚を認める的な話も纏めようとしたらどう考えても前回の一万文字どころの話ではなくなりそうだったので大幅カットとなりました。

 次回は本編に戻ります。そろそろ劇場版の内容にリンクし始める予定です。

 それでは。
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