この日、野人とガンマンはシャンフロにて邂逅す。


本作品は「小説家になろう」の投稿作品「シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜」の二次創作です。

なるべく原作の設定に沿うよう書いたつもりですが、独自設定は勿論、誤解釈、設定ミスがある恐れがあります。

なお、作者の硬梨菜様には、連絡をとって許可をいただいております。

硬梨菜様と読者の皆様に少しでも楽しんでいただければ幸いです。それと、あとがきにも色々書いておきましたのでそちらも是非。





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この日、野人とガンマンはシャンフロで邂逅す。

本作品は「小説家になろう」の投稿作品「シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜」の二次創作です。

なるべく原作の設定に沿うよう書いたつもりですが、独自設定は勿論、誤解釈、設定ミスがある恐れがあります。

なお、作者の硬梨菜様には、連絡をとって許可をいただいております。

硬梨菜様と読者の皆様に少しでも楽しんていただければ幸いです。



邂逅

◆◇◆

 

「阿修羅会が現れたやと!?」

 

 

千紫万紅の樹海窟の攻略の帰り、サードレマ北西門に逃げてきたプレイヤー達から得た情報に、ウィンドウエッジが思わず声を上げた。

 

 

「は、はい。阿修羅会のメンバーが10人くらい突然現れて、襲いかかって来たんです」

 

「あかんやん、早よ行かんと!」

 

「少し落ち着きなよ、ウィン」

 

「落ち着いてる場合ちゃうやろヤシロバード!こうしてる間にも……」

 

「静かに。……ねえ君達、襲われた場所とどんな奴がいたか教えてくれるかい?」

 

逸るウィンドウエッジを制止して、そのプレイヤー達に質問する。

 

ウィンドウエッジは以前、阿修羅会所属のプレイヤーに闇討ちでPKされたことを根に持っている。その上、クランの代表たるカローシスUQも阿修羅会の副オーナーの廃人狩り(ジャイアントキリング)にPKされたとなれば、熱くなってしまうのも仕方のないことだと思うけどね。

 

 

「こ、ここから真っ直ぐ行って、左に曲がった通りのダスクの鍛冶屋の近くで……」

 

「名前はよく見えなかったけど、率いてたのは、ポニーテールの女の人です。その人は素手で戦ってました!」

 

 

◇◆◇

 

 

「素手の女、かぁ。僕、阿修羅会はオーナーと廃人狩り(ジャイアントキリング)、あと数人くらいしか知らないんだけど、誰か知ってる?」

 

 

走って現場へ向かっている途中、僕は気になってメンバーに聞いてみた。ちなみに代表のカローシスUQ他数名は残業でイン出来ないと謝罪メールがあった。ブラック企業は大変だねぇ。

 

 

「多分ランキング三位の奴。名前はなんだったっけな、確か………サバイバルとかそんな感じ?」

 

 

メンバーのBoo茄子の返答の中に聞こえた、とても思い出深い単語に、僕は思わず過去に浸りかける。でも、すぐに未練を断ち切るように一瞬目を閉じて、思考を切り替……

 

 

「惜しいわ。正しくは()()()()()()やな」

 

 

………え?サ()()()()()?………まさか、φ鯖の?

 

 

その名の衝撃に思わず惚けてしまう僕に、ウィンドウエッジが怪訝な様子で問いかけた。

 

 

「ん?何や、どうしてんヤシ「その名に間違いはないんだね?」お、おう、その筈やけど」

 

「ウィンは自分をPKした奴を探すために、阿修羅会メンバーの名前と特徴はよく調べてたからな。間違いないと思うぞ」

 

 

僕の反応に、困惑しつつも肯定したウィンドウエッジの言葉に、寂斬が補足する。

 

 

「そうか……」

 

 

僕は再度思考に耽った。阿修羅会のランキング三位なら腕は確かな筈。素手で戦い、「サバイバアル」というネーム。「サバイバル」と掛けているとすれば………僕にはどうしてもただの偶然とは思えなかった。

 

いや、或いはそう思いたいだけなのかもしれない。結局、彼とは一度も戦えないまま終わりを迎えてしまったから。

 

それにしても、どうやって確かめようか。「γ鯖」の「アトバード」だと名乗るのが一番手っ取り早くはあるけど、もし別人なら自分達の存在を知らせるだけの悪手だ。

 

何か良い手は………うん、決めた。

 

 

「みんな、初手は僕に任せてよ」

 

 

◆◇◆

 

 

「くたばれや、雑魚がぁ!」

 

 

俺達に対して、果敢に立ち向かって来たプレイヤーの一人の槍使いの顔を、民家の壁に叩きつけてとどめを刺した。

 

 

「ほら次ィ!……ってなんだ、もう終わりか」

 

「はい、サバさんが殺った奴で最後ですね」

 

 

俺は暇してたメンバーを誘ってサードレマに来ていた。先のエリア攻略が進んで次の街まで秒読みらしいが、まだサードレマは現時点での最前線の街だ。適当に暴れてりゃ攻略組かなんかが来るかと思ったんだが………間が悪かったか?

 

 

「どうしますサバさん、もうちょっと暴れてみますか?」

 

「そうだな、それで大した奴が来なきゃ仕方ねえ、エリア出てモンスター狩りゃいいだろ」

 

 

そう言いながら次なる獲物を求めて移動を開始する。こちらは一人ヘマしてHPを三割程削られたが、回復薬はあるし問題はねぇだろ。

 

 

「了解です。……前から思ってましたけどサバさんって、モンスターと戦うのも好きですよね」

 

「……まぁな。人だろうがモンスターだろうが生死賭けて殺し合うのはすげぇ楽、っ!?」

 

「ごふっ」

 

 

気付けば、俺は首を左に傾けていた。直後、俺の頬を掠め、後ろにいたメンバーの喉に突き刺さる一本の矢。一瞬でも遅ければやられたのは俺だった。

 

すぐさま背後に振り向き、矢を放ったと思わしき弓を持ったプレイヤーを視認する。そいつは、まだ統一出来てねぇのか、バラバラの装備を身に纏っていた。だが一番目に付くのは、世界観的にも装備的にも不釣り合いな、カウボーイハット。名前はよく見えねぇな。

 

 

「マンドラゴラがやられた!」

 

「許さねぇ!よくもマンドラゴラを!」

 

「あぁ、奴の敵討ちだ!」

 

「いやあの、俺、死んでないよ?あと名前……」

 

 

誰だか知らねえが、イカれた射撃の精度だな。そんでもって変なナリした奴だ………あ゛?

 

そこまで考えて、俺は小さな違和感を覚えた………なんだ?何かが引っかかる………俺は奴を知ってんのか?

 

俺の疑問をよそに、奴の近くと俺達の背後の路地裏から複数のプレイヤーが現れた。連れのメンバー達が歓喜の声を上げる。

 

 

「もう逃がさんで、阿修羅会!」

 

「これまでの報いを、受けてもらうぞ!」

 

「ヒャッハー!あいつら午後十時軍だ!」

 

「マジかよ!やりましたね、サバさん!……サバさん?」

 

 

午後十時軍だぁ?そう言えば、あのクランには凄腕の弓使いがいると聞いたことがあるが………違和感の正体はそれか?

 

だが、その考えは間違いであったと、その本人の口から告げられる。

 

 

◇◆◇

 

 

「みんな、初手は僕に任せてよ。最初にサバイバアルを狙撃する」

 

「おk、任すわ。俺らは狙撃で怯んだとこ奇襲しようや」

 

「それなら、何人か裏から回り込むか。ここで取り逃したくはないからな」

 

「「「了解!」」」

 

 

二手に別れた後、しばらくして名前を赤く染めた集団を視界の奥に収める。

 

その先頭にいたのは、聞いた通りの茶髪のポニーテールに、鼻から左頬へ刻まれる傷が特徴の荒々しさと凛々しさが両立した女。手には何も持っていない。

 

ふふ、見つけたよサバイバアル。

 

近くのメンバーが物陰で様子を伺う中、僕は屋根に身を隠す。そして弓を構え、タイミングを計って

 

 

 

「……ここ」

 

 

 

奴の頭部を目掛けて矢が静かに空を切る。ビンゴ、と思ったけど奴は、死角から射った矢を首を傾けて見事に避けてみせた。

 

 

「ふふっ」

 

 

あれを避けるかー。思わず笑いがこみ上げる。僕の存在はバレていなかった。それは表情からも明らかだ。恐らくは無意識の反応。

 

この一矢で、僕はほぼ確信に至った。あれを避けるのは並大抵のことじゃない。でも、孤島でサバイバルしてたら、いつのまにか奇襲には無意識に反応出来るようになっている。

 

それに、万が一、人違いでもその時はその時だ。奴程のPKとやり合えるなら、それはそれで充分楽しめるだろうから。

 

そして、サバイバアルと目が合った。どこか怪訝そうな奴へ言葉をかける。

 

 

「やぁ、やぁ。初めましてだね……「φ鯖」のバイバアル」

 

 

◆◇◆

 

 

唐突に思考に投げられた爆弾に、思考が上手く纏まらねぇ。

 

 

「何でその名を知っ……」

 

 

いや、その聞き方は違げぇ。奴自身は名乗ることをしなかった。だが、奴が当時の俺を知るのなら、俺も奴のことを………待てよ、弓、カウボーイハット、そして「孤島」………まさか。

 

戦ったことはねぇ。だが、度々うちの鯖にも遠征に来ていた連中、その中でも頭一つ飛び抜けた奴のことはよぉく知っていた。

 

思わず口角が吊り上がる。

 

 

「「γ鯖」のアトバードか?」

 

「結局、「あの島」では会えなかったけどね。でも、君の噂はよく聞いてたよ。どうも、γ鯖で活動してた「アトバード」です。今は「ヤシロバード」だけどね」

 

「ヤシロォ……?あぁ、就任したのか。おめでとう」

 

「どうもどうも」

 

 

俺を狙撃した不届き者正体は、かつて「孤島」で………いや待て。

 

 

「おい、ヤシロバード!テメェ何狙撃してくれてんだ!?」

 

「え、今更!?これって感動の再会を果たして、昔話に花を咲かせるシーンじゃない?」

 

 

俺はヤシロバードに向かって走り出した。感動の再会だの何だの綺麗事を言ってるが、奴もちゃっかり矢を番えてやがる。

 

 

「再会もクソも初対面だろうがぁ!」

 

「確かにそうだったね。でも初めて会った気がしないよ」

 

 

その言葉には全面的に同意だが、矢がどんどん飛んで……あっぶねぇ!あの野郎、躊躇なく眼球狙いやがって!

 

 

「ヤ、ヤシロ!俺らも……!」

 

「サバさん、今助太刀に……」

 

「手出し無用だよ!」

「邪魔すんなや!」

 

 

俺達の会話に呆けていた両チームのメンバーが、遅れて介入しようとするのを互いに留めた。

 

そうだ、これは俺達の戦いだ。「孤島」では戦えないまま終わりを迎えた。ここシャンフロで会えたのは嬉しいが、それはそれだ。

 

俺らは武器無しでサバイバルを敢行していたから、火薬はクソ程持て余していた。だから奴らの遠征先は「φ鯖」がダントツで多かったし、他鯖の連中には裏で「火薬庫」なんて呼ばれていたのも知っている。

 

不要の代物だったとはいえ、俺らん鯖へ断りもなくぞろぞろと来ては、火薬大量に掻っ払って、ついでとばかりに俺らで試射してく銃好き(ガンマニア)供は凄え鬱陶しかったんだよ、クソが!

 

奴らが遠征に来た時、何度か襲撃かましてボコボコ、或いはボキボキにしてやったが、運悪く俺のログイン中にアトバードとかち合うことは終ぞなかった。俺がいねぇ時に奴が来た時は、かなりのヘッショ被害があったらしいが。

 

 

だから、

 

 

「今ここで!あん時の鬱憤、晴らしてやらぁ!アトバードッ!」

 

「ふふっ、来なよバイバアル!ずっと君と殺り合ってみたかったんだ!」

 

 

◇◆◇

 

 

そして彼らは、合縁奇縁の果てに、この地で殺し合える喜びを滲ませて、叫ぶ。

 

 

「「死ね!!!」」

 

 

 

 

 




謝礼と補足とオマケ

お付き合いいただきありがとうございました。本作品はこれで終わりとします。
自分の力不足で戦闘描写を上手く書けず、このような終わり方としました。そのため、続きを書くことは無いと思います。

結果として、続きを皆様のご想像にお任せする形となり、申し訳ないと思ってます。

代わりにと言ってはなんですが、補足とオマケをば。

・時期をサバイバアルが阿修羅会所属時点にした理由
着せ替え隊は大体ファステイアにいるため、ヤシロと出会う展開が思いつかなかったため。意図せず出会わせる方が良いと思ったため。

・舞台をサードレマにした理由
大きな街であり、ここが最前線の時点ではサバイバアルがまだ阿修羅会所属と推測されるため。

・ダスクの鍛冶屋とは
49話で名前だけ出てた鍛冶屋

・このタイトルにした理由
「邂逅」「弓と拳」「合縁奇縁は血潮の香り」、の3つが候補でした。2つ目は少しネタに走ったこと(読みは「ゆみとけん」)、3つ目は血潮あまり流れてねぇな、となったため、シンプルかつ郷愁に合わせて漢字二文字の「邂逅」にしました。


おまけ
ノリと勢いで考えた、オリジナルライオットブラッド

ライオットブラッド・フュージョン

既存のライオットブラッドシリーズとは異なるコンセプトで開発されたモデル。既存の異なる2種のライオットブラッドとフュージョンを同じ比率で混ぜ合わせ缶一本分を摂取することで、2種のコンセプトを打ち消さず相乗的に高め合わせる触媒の役割を果たす。だれでもかんたんにタブーができるぞ。合法堕ちの二歩手前。
組み合わせは無限大!(15通り)

「3種以上は絶対に混ぜないで下さい」という注意書きがあり、実際に摂取した者は[削除済み]。

ライオットブラッド初の保存の効く謎の金属製ボトルタイプでの登場。謎技術により開封後1週間経っても炭酸がほぼ抜けてない(合法)。一部ボトルが透明の素材で1/3缶分ごとの目盛り付き。破城槌を抱えた白衣の科学者が目印。

要は融合魔法みたいなもん。未来にはこんなエナドリが生まれているかも⁉︎つまりは未来(の)融合。

RB-バックドラフトとRB-トゥナイトを融合!
RB-バック・トゥ・ザ……おや?誰か来たようだ。

以上です。お付き合いありがとうございました!


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