某所にて。
着々と進められている記者会見の準備。流行り病を防ぐために距離を空けられた椅子がずらりと並べられており、その前には向かい合うように机が用意されている。そこにはマイクが二つ設置されており、これから何者かがそこに来ることが容易に想像出来た。
壁には、『銀色幻想狂想曲 連載休止についての謝罪』という文字がデカデカと書かれた板が立てかけられている。机の上には、これから来るであろう人物──坂田銀時と博麗霊夢の名前が書かれたネームプレートが置かれていた。
並べられた椅子を目指して、記者の格好をした者たちが次々と座っていく。その中には、目を爛々と輝かせている射命丸文や、嫌々ここまで来たという雰囲気を隠すつもりもない、姫海棠はたての姿もあった。
「本日、この場所で坂田銀時氏と博麗霊夢氏のお二人により、謝罪会見が行われるとのことです」
マイク片手にそう告げたのは、銀魂のゲロインこと神楽。いつものチャイナ服とは違い、眼鏡をかけてスーツを羽織っている。その様子はまるで、何処かのテレビ局のキャスターのようだった。
「あ、来ました!」
パシャパシャパシャパシャ!
大量のフラッシュ音が発せられる。全員の注目が、入ってきた人物に向けられた。
「「…………」」
俯き、ゆっくりと歩いてきたのは……銀色幻想狂想曲のダブル主人公こと、坂田銀時と博麗霊夢。
彼らは沈痛な面持ちで席に向かうと、椅子の前に立つ。そして一礼。
その様子を見た記者たちは、再びシャッターを切っていく。浴びせられる音が鳴り止んだ後、銀時が口を開いた。
「えー……この度は……お忙しい中お越し頂きまして誠にありがとうございます。銀色幻想狂想曲の連載休止につきまして、関係各所を代表致しまして……私、坂田銀時と……」
「博麗霊夢が……謝罪と釈明会見を執り行いたいと思います」
続く形で霊夢が言う。
そして二人は、示し合わせる様子もなく、息を合わせた形で……。
「「この度は一年間も連載休止致しまして……すみませんでした!!」」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
一斉に浴びせられるフラッシュ。
鳴り響く音は、宛ら弾劾する裁判官の様。
しばらくその光を甘んじて受け止める二人だったが、折を見て席に着く。
暫し流れる静寂の時間。
それを打ち破ったのは、
「質問よろしいでしょうか?」
という、文の一言だった。
「あ、はい」
「連載休止に至った経緯につきまして……」
「ウワォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオアアアアアアアアアアアア!!」
「おい泣くのはエェよ!! ていうかこれアニメで見た光景だろ!!」
記者団の一人である志村新八(メガネ)が、突然泣き崩れた銀時に向かってそう叫ぶ。
「私達だってね!! ただの被害者なのよ!! それをよってたかって加害者みたいに言うなんて酷いじゃないのぉおおおおおおおお!!」
「なんで霊夢さんまで泣き出してるんですか!?」
これには思わず文もツッコミを入れざるを得ない。
「月に向かってお仕置きしにいく流れになったと思ったら!! 世間では感染症で騒がれる日々が待ち受けてるし!! ●並に至っては!! 引っ越ししてドタバタ騒ぎになるかと思えば!! PCぶっ壊れたりネット繋がらなくなったりで酒に明け暮れる毎日になって!! 終いには肝臓の数値が健康診断でレッドゾーンになって!! ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「でもね!! アンタたちに何がわかるって言うのよ!? 風●の何がわかるって言うのよ!?」
「いやもうアンタら何言ってるか訳わかんないんですけどォ!?」
銀時と霊夢は、泣き叫ぶ。
自分達の口から告げられているのは……それは果たして本当に釈明と呼ぶものなのだろうか。
「第一、連載一年止まってるのに!! たまにアクセス解析を覗いてみれば!! お気に入り登録増えてたり、今でも読んでくださる方々がたくさんいらっしゃって!!」
「申し訳ないという気持ちを抱きながらも、自分はゲーム制作やら実況やらに明け暮れる毎日を送ってたのよ!!」
「そうしているうちに原作は完結するし!! 映画もとうとうFINALの上映始まってしまうし!!」
「東方に至っては二次創作のゲームにボイスがついたり、ついにはアプリまで登場する始末!!」
「「本当に情けなくて……ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」
泣き叫ぶ。
周りの目など気にせず、彼らは泣く。
そしてひとしきり泣いた後、顔を上げる銀時と霊夢。
そして銀時が一言。
「はい。謝罪もしましたので、銀色幻想狂想曲、再開しまーす」
「ふざけんなぁ!!」
「げぶほぉ!!」
というわけで、銀色幻想狂想曲、連載再開です。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第×訓 謝罪会見
と言うわけで、皆さま大変長らくお待たせ致しました。
そして、大変申し訳ありませんでした。
この度は、銀色幻想狂想曲をご覧になっていただきまして誠にありがとうございます。
まずは、連載休止に至っていた理由につきましてご説明致します。
理由を箇条書きしますと……。
・作者が引っ越しした事により時間が取れなくなっていた。
・喉の痛みだったり違和感だったり、体調面に問題があった。
・知人の紹介により実況や動画編集、ゲーム制作を行うこととなり、そちらに時間を割かれてしまっていた。
・結末は考えついていたものの、そこに至るまでの物語が思い至らず、スランプ状態に陥っていた。
というのが主な原因です。
ご心配おかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
これからにつきましては、以前のようなペースは流石に無理ではあるものの、1ヶ月に最低1話は更新していきたいと思っている次第です。
その分完結までの時間はかなり遅くなってしまいますが、何卒応援よろしくお願い申し上げます……。