銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百二訓 戦闘の際には常に相手の気配に気をつけろ

「あ、他の人も出てきた」

 

 少女――にとりは銀時達が出てきた方を見て、そんな感想をポツリと零す。

 

「いきなり新八投げ飛ばして悪かったな。コイツが投げられたいって言うからつい……」

「ついじゃねえだろ!! 人の意見無視して勝手に投げたんだろうが!!」

 

 銀時の言い訳にもならない悲しい言葉に、新八が牙を剥く。

 一方、少女は苦笑いを浮かべているようだった。

 

「ところでテメェは、このマスゴミ曰くお値段以上の価格を実現する奴って聞いたが」

「それはニトリ!! 緑色の家具の店じゃないですか!!」

「私家具扱ってないよ!?」

 

 新八に乗っかる形で、にとりもついツッコミを入れていた。

 そんな様子を見て、

 

「へぇ。この河童、魔理沙以上にツッコミ速度が速いわね。鍛え甲斐ありそうね」

「頼むからツッコミを鍛えるとかそういう発想やめてやってくれ! やられる身にもなって欲しいぜ!!」

「何言ってるのよ魔理沙。アンタはまだまだ修行中の身。文句をつける筋合いはないわ」

「何様のつもりだぜ!?」

「巫女様のつもりよ」

「何の権利があって!?」

「巫女の権利があって」

「博麗の力強すぎじゃね!?」

 

 魔理沙と霊夢による謎コントが開幕しているが、彼らは無視している。

 

「とりあえず、その先に用事があるんだわ。わりぃんだけど道通してくれねぇか?」

 

 ここでやっと銀時が本題を告げる。

 しかし、その言葉が出てきた瞬間。

 

「この先は危ないよ。だから入らない方がいい」

 

 と、真面目な表情を浮かべて忠告してきた。

 

「ったく、射命丸の言う通りだな……この山の奴はみんな奥へ行かせようとしねぇ」

「山自体が私達にとって大切な場所ですから……それも当たり前なんですよ。もし私が同じ立場だったら、同じことをする筈ですし」

 

 山に居る者達の気持ちが分かるからこそ、文はそんな言葉を返す。

 ここに限らず、基本的に自分達の縄張りを見ず知らずの者に踏み荒されるのは気分がよいものではないだろう。

 

「仕方ないわね……通さないって言うのなら、力づくで通るだけよ」

「だな。弾幕ごっこのお時間ってな」

 

 前に出てきたのは霊夢と魔理沙。

 弾幕ごっことなると、二人が出てくるのが必然だろうか。

 

「いいよ、全員でかかってきて。せっかくだから、新しく作った発明品の力を試してみたいからね……!」

 

 瞬間、にとりの姿が消えた。

 

「なっ、消えたアル!?」

 

 辺りを見渡す一同。

 

「どう? 新しく発明した光学迷彩なんだけど……まったく姿が見えないでしょ?」

 

 うきうきと、楽しそうに言うにとり。

 自身の発明品のこととなると、必要以上に饒舌になり、テンションも上がる様子である。

 

「ったく、姿の見えねぇ敵と戦うってのか……こりゃ妖夢連れてきた方がよかったかもしれねぇな」

 

 妖夢ならば、敵の気配を察することが可能である。

 だから、姿が見えずとも攻撃することが出来た筈だ。

 

「攻撃してこないの? ならこっちからいくよ?」

 

 どうやら動こうとしない彼らを見て、にとりが攻撃宣言をする。

 確かに、見えない敵を相手にするのであれば、無闇に動かない方が得策だ。

 だが、相手が攻撃してこないとは限らない。

 

「光学『オプティカルカモフラージュ』」

 

 赤と青の弾丸状の弾幕が、至る所から放たれる。

 それらは銀時達を狙わんとする。

 銀時と新八は木刀で斬り伏せ、神楽は日傘でかっ飛ばす。

 霊夢、魔理沙、文の三人は弾幕で打ち消している。

 しかし、

 

「何処から撃ってくるのか分からないぜ……それなら……っ!」

 

 魔理沙はその場に立ち、そして。

 

「儀符『オーレリーズサン』!」

 

 四つの球体を自身の周囲に出現させる。

 そして、

 

「銀さん! 新八! 神楽! この球体をブッ飛ばせ!」

「「「っ!」」」

 

 銀時達は魔理沙の言葉に従って、四つの球体の内、三つを斬り飛ばす。

 瞬間、それらは星型の弾幕となって辺り一面に散らばっていく。

 残りの一つは、

 

「くらえっ!!」

 

 そこから出現したのは無数のレーザー。

 このままでは周辺にいる銀時達にも当たるものと思われたが、

 

「神技『八方龍殺陣』」

 

 そこは霊夢がすかさずカバー。

 大きな結界が張られたかと思いきや、魔理沙の放った弾幕とレーザーは、その結界によって跳ね返される。

 つまり、魔理沙の攻撃と、霊夢の結界による反射が、周囲に無差別攻撃を繰り出しているのだ。

 

「くっ……!」

 

 そのあまりの密度に、光学迷彩は剥がれてしまう。

 

「姿が見えりゃこっちのもんだ……っ」

 

 銀時が攻め入ろうとしたその時。

 

「洪水『ウーズフラッディング』!」

 

 まるで辺り一面に津波が押し寄せてくるように、夥しい数の水色の弾幕が襲い掛かってくる。

 

「ここは私にお任せを! 風神『風神木の葉隠れ』!」

 

 文が前に立ち、緑色の弾幕を以て、すべての弾幕を相殺した。

 そしてそのまま扇子を使って、

 

「旋風『鳥居つむじ風』!」

 

 小さな竜巻を作り出す。

 

「ホワタァアアアアアア!」

 

 その竜巻目掛けて、神楽は日傘を閉じて弾を放つ。

 弾丸を纏った竜巻が、にとり目掛けて襲い掛かってきた。

 

「河童『お化けキューカンバー』!」

 

 弾丸を波状に放ちつつ、全方位に向けてレーザーを放つ。

 竜巻とレーザーがぶつかり合い、周囲は光に包まれる。

 

「くっ……!」

 

 そのあまりの眩しさに、その場に居る誰もが思わず目を閉じてしまった。

 だからこそ、

 

「は~い、終了~」

「えっ……!?」

 

 いつの間にか自分の背後に迫り、木刀の刃を脳天に振り下ろす直前で止められていたことに、にとりはすぐ気付くことが出来なかった。

 

「周りを見ることが出来てなかったテメェの負けだ。ここは通させてもらうぜ」

 

 銀時は木刀を仕舞うと、その場から今度こそ立ち去る。

 

「いいとこ持っていかれたわね……まぁいいわ。私の目的は巫女をぶっ倒すことだからね」

「霊夢、色々と怖いぜ……」

「遠慮なくいっちゃいそうですねぇ……」

「けど、ぶっ倒すのはいいことアル!」

「神楽ちゃんまで乗らなくていいから……」

 

 一同はその後ろをついていく。

 そんな背中を見送るにとりは、

 

「……本当、面白い奴らだなぁ。こりゃ負けても仕方ないかぁ」

 

 笑顔でそんなことを呟いていた。

 

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

第百二訓 戦闘の際には常に相手の気配に気をつけろ

 

 

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