銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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わんわんの御登場!!


第百三訓 水と油の関係は永遠に混ざり合えない

 銀時達一行の山登りは続く。先の戦闘で少し体力を使った彼らの身体には、流石に疲労が溜まっていた。

 純粋にただ山をひたすら登り続けるだけでも体力は使われるのだ。無理もないことだろう。

 

「この先に滝があります。そこで少しばかり休憩しましょう」

「いいぜ……私も流石に疲れちまったぜ」

 

 文からの提案に対して、魔理沙が同意する。他のメンバーからの反対意見も無かったため、一度滝で休憩することにした。

 その提案がなされてから数十分後。

 

「おぉ……綺麗な滝ネ!」

 

 銀時達の前に、流れ落ちる大きな滝が現れた。今銀時達がいるのは下流付近。流れ落ちた水が湖となって溜まっている所である。山の中にあるということもあり、透き通っている。喉が渇いていたこともあり、新八はその場に しゃがみこんで、両手で水を掬う。それを口の中に含んで、

 

「わぁ……美味しいですね、この水!」

 

 その水の美味しさに感動していた。

 

「天然の水ですからね! 山の中が綺麗ならば、水も綺麗ですよ!」

 

自身が住む環境を褒められたのが嬉しかったのか、文は笑顔でそう言った。

 

「本当アル! 美味しいネ!」

 

 神楽達も新八に倣って湖の水を飲む。

 疲れ切った身体に、山の天然水が吸収されることによってリラックス効果が与えられる。それだけで疲れが癒されるのではないかと思わされるほどだった。

 

「はぁ……生き返る……こんな綺麗な滝見ながら酒でも飲めたらいいのによぉ」

「こんな時まで酒の話? けどその気持ちは理解出来るわね。一仕事終えた後に、綺麗な景色を見ながら飲む酒は格別そうね」

「おめぇは酒飲めればそれでいいんだろ?」

「あんたも人のこと言えないじゃない」

 

 酒飲みぐうたらコンビについては、こんな綺麗な場所で酒飲みたいという話をし始めている。相変わらず妙なところで気の合う二人である。流石はそれぞれの主人公といった所だろうか。

 

「どうせ今回だって、巫女ぶっ飛ばしたら宴やるんだろ?」

「やるっていうか、やらせるわよね。人をここまでコケにしたんだから、必要以上に酒かっくらってやるわよ」

「そりゃいいな。酒の在庫なくなるまで思い切り飲んでやろうぜ」

 

 銀時と霊夢の二人により、謎の計画が立てられている最中。

 

「……ん? この気配……」

 

 文は何かに気付いたかのように、辺りをキョロキョロと見渡していた。

 

「どうしたんですか? 射命丸さん」

 

 すぐ近くにいた新八が尋ねる。

 

「いえ、今あまり感じ取りたくない気配を察知したといいますか……」

「どうしたアルか? とうとうお縄につくアルか?」

「私は何も悪いことはしてないですよ!?」

 

 悪いこと『は』確かにしていない。それよりもタチの悪いことならいくつかやっている気がすると銀時は考えていたが。

 そんな時だった。

 

「なっ……!!」

 

 ほぼなんの前触れもなく唐突に、黄色と赤の弾幕が、文を囲むように張り巡らされていた。それはまるで獣が大きく口を開いて獲物を丸呑みしようとするように。

 

「突符『天狗のマクロバースト』!」

 

 一度その場で飛び跳ねた後、扇子を使ってすぐさま上へ飛ぶ。文が元々いた場所には大きな竜巻が出来上がり、取り囲んでいた弾幕は風によって消しとばされた。

 

「この狙い方をするのは一人しかいませんね……」

 

 文は、滝に視線を向けて、そして叫ぶ。

 

「椛!! 出て来なさい!!」

「もみじ?」

 

 銀時は分からないといったような表情を浮かべる。

 そんな中、文の呼びかけに応えるように、滝の裏から一人の少女が姿を現した。

白の短髪に山伏風の帽子を被り、上着は脇の空いた白い服、下は黒を基調として所々に紅葉のイラストが描かれたスカート。左手には紅葉が描かれた盾を、右手には剣が握られている。

 

「今のを避けるとは流石ですね文さん」

「今は貴女の相手をしている場合じゃないんです! 大人しく引っ込んでてもらえますか!?」

「そういうわけにもいきません。今は山全体に侵入者が来たことによる警戒態勢が敷かれている所ですから。文さんだって聞きましたよね?」

「もちろん聞きましたよ。けど、山の上に居る人達だって十分警戒するべき相手の筈です。私達はその人達の所に用事が……」

「目の前に居る侵入者を排除する方が先です」

「「……」」

 

 銀時達は察する。

 この二人、絶望的なまでに仲が悪い、と。

 

「えっと、とりあえずこの犬っころは一体誰なんだ?」

「誰が犬っころですか!! 私はこれでも白狼天狗なんですからね!!」

 

 銀時の言葉に噛みつく。

 

「名前は犬走椛……この山で見回りをしている、昔からの知り合いです」

「やっぱ犬ネ。名前についてるアル」

「天狗です!! て・ん・ぐ!!」

 

 神楽が鼻をほじりながら言う。

 やっぱり椛は噛みついてきた。

 

「めっちゃ噛みついてくるわね……」

「銀さんが犬っころって言うのも案外分かる気がしてきたぜ……」

「なんで!?」

 

 霊夢と魔理沙まで同意したことにより、とうとう椛は何も言い返せなくなってくる。

 

「もぅ……!! とにかく!! 今は侵入者を排除するのが先です!!」

「くっ……椛の分からず屋!!」

「文さんの意地っ張り!!」

 

 何故か二人による戦いが目の前で始まろうとしていた。

 

「……あれ、これ俺らいらなくね?」

「……えぇ、確かに」

「けどそれだと私達の出番が極端に少なくなるネ」

「まぁ、面倒なことを片付けてくれるのならばそれに越したことはないわね」

「とりあえず二人の戦いの結果を見てから決めようぜ」

 

 他の五人は傍観することに決めた模様。

 

 

 

 

 

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