「きゃーっ! 本物の銀時さんだ!! 天然パーマも諏訪子様や神奈子様から聞いた通りですし、何より本当に木刀一本でここまで乗り込んでくるなんて!! まさしく侍!! 私の世界で見た通りの一騎当千獅子奮迅の漢って感じがします!! 握手していいですか? ていうか抱きしめていいですか? ああもうやっぱり守矢神社で一緒に暮らしましょう!! いいですかこれはもう確定事項なんですお持ち帰りしちゃいますね!!!!」
「何こいつめっちゃこえぇんだけど!?」
目をグルグルとさせながら、銀時を執拗に狙う早苗。
銀時は最早恐怖しか感じない。身体が自然と震え出す。
彼女のそれは、ヤンデレと称するものなのではないだろうか。
「……本当、なんでこんなアホみたいな奴に博麗神社狙われなくちゃならないの? ぶちのめしていいかしら? いいわよね? 意見は求めないわ。ブッ飛ばす」
「霊夢ーっ!! 落ち着くんだぜー!! 早まるなーっ!! どう考えても敵は一人だけじゃないんだから、それ以上は駄目なんだーっ!!」
怒りに身を委ねてすべてを破壊し尽くさんとする霊夢を必死に止める魔理沙の図。
「……ねぇ、神奈子」
「何、諏訪子」
「これ、どうする?」
「……もう戦闘するっていう感じじゃないと思う。あの暴走巫女二人組をどうにかするのが先だと思う。このままだと地獄絵図よ」
「だよねぇ……うん、私達で早苗は何とかしよう」
諏訪子と神奈子は、話し合いの結果、今回は余計な戦闘をすることなく、まずは巫女二人を落ち着かせないことには話が始まらないと判断したらしい。
神奈子は新八と神楽に対して、
「そっちの巫女については任せるわよ。自己紹介とか、今回の事件に関する経緯とか、色々説明しなきゃいけないことはあると思うけど、このままだと話し合いの場を設けることすら出来ない気がするから……」
「分かったアル」
「確かに、このままだと地獄絵図間違いなしだ……」
神楽と新八は納得し、引き受ける。
「あの、私東風谷早苗って言います!! 坂田銀時さんの話はいろいろ聞かせて頂いてますし、凄く興味を持ってるんです!! あ、でもこれからは東風谷銀時さんですね? はぁ……結婚生活凄く楽しいんでしょうね……チャランポランな貴方を私が支えるのも悪くないですし……あぁ……今日こうしてお話出来るのは運命なんでしょうねぇ……こうしてみると、その死んだ魚のようなした目も凄く癖になってしまうというか、ずっと見ていたくなるっていいますか……」
「もしもーし? 勝手にしゃべってる所申し訳ねぇんだけど、なんか随分話飛躍してるんだけど?」
「きゃーっ! 銀時さんの声、私の身体に沁み渡ってきます!! あぁ……もう、本当貴方の存在は何処まで常識外れで魅力的何ですかっ!! 何ですか!? 私を孕ませたいんですか!?」
「話しかけただけで勝手に発情してんじゃねえよ!! テメェは常時惚れ薬でもキメられてんのかコノヤロウ!!!!!」
「そんな……惚れてるだなんて……っ」
「都合のいいように解釈してんじゃねえぞ!? テメェのことなんざこれっぽっちも想ってねぇからな!?」
「もう抱きしめちゃいますね。ずっと離さないように私が守ってあげますからっ」
「こっちくんな!! 何も嬉しくなんざ……なんざ……っ」
銀時も男だ。
早苗の持つ凶悪な武器を相手に、少し動揺してしまった。
もし、こんな豊満なメロンパンに自分が包まれたら……一体どうなってしまうのか?
結論から言うと、坂田銀時はただの変態だった。
「おいちょっと待てチャランポラン。その反応は一体なんだ? 私達の早苗を相手に何変なこと企んでるんだ? ここで磔にするぞ? 神の裁きを受けるか?」
「神奈子ーっ!! 待って!! さっきの発言は私も見過ごせない所あるけど、今は事態を余計ややこしくしちゃいけない時だってばーっ!!」
銀時の反応は、神奈子の怒りにも火をつけてしまったようだ。
そんな彼女を必死に宥める諏訪子の図。
「もう、いつまでも私を待たせないでください銀時さん……っ」
「ギャアアアアアアアアアアアアア!! クンナァアアアアアアアアア!!」
思い切り抱き着こうとしてくる早苗。
一度は下心に負けそうになった銀時だったが、やっぱり早苗に対する恐怖の方が勝ったようだ。早苗が近づいてくるのを、ほぼ条件反射的に逃げ出していた。
「……ねぇ魔理沙。私、このやり場のない怒りを何処にぶちまければいい? 私にあんなふざけた脅迫状を送り付けてきた挙句、そんな計画はどうでもいいと言われた上、なんであんな光景見せつけられなくちゃいけないの? もういいわよね? あの二人まとめて始末するのでいいわよね?」
「いいわけないぜ!? だからお願いだから弾幕放とうとするのはやめるんだぜ!! 今はまず相手と話し合うのが先決だから!!」
「そうね。『O☆HA☆NA☆SHI』は大事よね。人の『O☆HA☆NA☆SHI』はしっかり受けなきゃいけないと思うの」
「それ絶対違う話し合いですよね!? 話し合いっていうか殴り合いですよね!? 駄目ですからね!! 今ここでやるべきことじゃないですからね!?」
ツッコミ二人組が、色んな怒りがごちゃ混ぜになっている霊夢を必死に止めている。
神楽もまた、霊夢が前へ行かないように必死に足止めしている。
「待ってください銀時さん! 貴方の帰る家はこちらにあるんですよ!!」
「テメェの婿になるつもりなんざサラサラねぇわコノヤロウゥウウウウウウウウウウウウウウウ!!」
最早神社乗っ取りとかそういう類の話し合いがまともに出来るような状況ではない。
最初の方は割とシリアスも混ざっていた気がするのに、果たしてどうしてこうなってしまったのだろうか。
「チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
銀時の叫び声が、辺り一面に響き渡った。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百七訓 どう足掻いてもシリアスにならない時は潔く諦めることも肝心
本当に申し訳ないと思っているんです……。
ですが……今更シリアスに戦いムードへ持って行けなかったんです……。
早苗さんが思った以上に暴走してしまいました()
一応、まだまだこのエピソードは続きます。