銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百八訓 冷静になれば見える道もある

「一体、上の方ではどうなっているのでしょうか……」

 

 射命丸文は、川上に向かって移動していた。

 先の戦いでは、結局引き分けに終わった。しばらくの間二人は動けず、痛み分けをするような形となっていたのだ。それでも先に目覚めた文は、銀時達に追いつく為に自身の速さを存分に利用していた。

 今もしかしたら、壮絶な戦闘が繰り広げられているのかもしれない。一応今回の自分は、守矢神社までの道案内を任されていた身だ。そんな彼らがもしやられてしまっていたとしたら――?

 

「一刻も早く、前へ……っ!」

 

 駆ける。

 飛ぶ。

 駆け抜ける。

 やがて彼女は目的の場所まで到達し、そしてそこで、

 

「……は?」

 

 彼女にとって、特ダネとなり得るような光景が繰り広げられていた。

 

「クンナゴラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「待ってください銀時さん!! どうして逃げるんですか!? 私はこんなにも貴方のことを想っているのに!!」

「その態度がクソこえぇんだよ!! いやなんかもう面倒な追っかけでしかねぇじゃねえかふっざけんな!!」

「白夜叉ァアアアアアアアアアアアアア!! 神の名において命ずる!! 死ぬがよい!!」

「神奈子待ってぇえええええええええええ!! 今は抑えてぇええええええええええ!!」

 

 死への追いかけっこを繰り広げている一同。

 

「神楽、どいて、そいつら殺せない」

「駄目アル!! 目がぐるぐる回っているアル!! やばい奴になってるネ!!」

「落ち着くんだぜ霊夢!! 話し合いで解決するんだろ!? 今ここで殺してしまうのは意味が分からないぜ!」

「そうですよ霊夢さん!! 戦闘なしで解決出来るならいいことじゃないですか!!」

「五月蠅いわね!! とにかくアイツをブッ飛ばさせなさいよ!!」

 

 霊夢が暴れ回り、それを必死に宥める一同。

 つまるところ、カオス。

 

「……なんですか、これ」

 

 茫然と見守る文。

 少し身体の力が抜けるような感覚さえ覚えた。何せ張り詰めた空気が一気に抜けたのだ。仕方のないことである。シリアス全開でいくのかと思われた中での、こんな感じ。

 文は安心したと同時に、

 

「……よし」

 

 何かを決意したかのように呟く。

 そして、

 

「特ダネ☆ゲットだぜぇえええええええええええええええええええ!!」

 

 余計に事態をややこしくするのだった。

 

 

「で、結局なんでこんなことしたんだぜ」

 

 仁王立ちで話を切り出したのは魔理沙だった。

 魔理沙の隣には新八が控えている。神楽はというと、今にも暴れ出しそうな霊夢を羽交い絞めにしていた。

 一方、神奈子と諏訪子の二人はというと、早苗を挟むように立っている。早苗の腕をしっかりつかんで、暴走しないようにしているのだ。挟まれている早苗は観念したかのように、暴走することはなさそうだ。

 そして銀時はと言うと、

 

「おいテメェその写真消しやがれ!!」

「いやですー! 私あんだけ頑張ったのにご褒美ないなんてつまらないじゃないですかー! そこで撮れた坂田さんのベストショットなんですから、今回の新聞に使わせていただきますからね!!」

「ヤメロォオオオオオオオオオオオオ!! もうやばいことになる未来しか見えねぇからヤメヤガレェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」

 

 という感じで、文と追いかけっこをしていた。

 早苗は悔しそうにその様子を見るも、神奈子と諏訪子ににらまれて反省する素振りを見せる。

 そして、当初の魔理沙からの質問に対して、神奈子が答えた。

 

「私達はまだこの幻想郷に来たばかりの存在なのよ。外の世界で信仰を得られなくなった私達は、早苗からの提案もあって、信仰を得られる場所へと移動しようとしたわけ。そこで思いついたのが……幻想郷という新たな土地で、新たな信仰を得ることだった」

「神様である私達にとって、信仰は存在する為に必要なものだからね。早苗には本当辛い想いをさせたと思うけど、それでも一緒に来てくれて……そんな中で、この幻想郷には既に博麗神社という神社があるということを知ったのさ。もしそこに参拝者が募っているのだとしたら、このまま私達が神社を残存させようとしたところで、いずれ信仰がとられてしまう……だからわざと怒らせるような手紙を送ることで、冷静さをなくそうとしたわけ」

 

 諏訪子が続く形で話をする。

 その間、早苗はもう動く気がまったくなく、むしろ二人に対して申し訳ないというような表情を見せていた。

 

「なる程。それでこうしてアンタ達は計画を企てたってわけなんだぜ……」

「えぇ。これが全部のあらすじよ。今回の一件に関して、乗っ取ろうとする以外に考えが浮かばなかったのよ。だからこそ……」

 

 神奈子が続けようとして、そこで、

 

「何よ、そんな単純なことだったのね。なら解決策位出してやるわよ」

 

 冷静さを取り戻した霊夢が、前に出た。

 神楽が羽交い絞めしなかったとしても、もう暴れる様子はなさそうだ。

 

「どういうこと?」

 

 諏訪子が尋ねる。

 そして霊夢は、今回の異変を解決に導く一つの提案をするのだった。

 

「アンタ達の神社の分社を、博麗神社に作ればいいのよ。そうすれば、私達の神社同士つぶし合うこともなく、そしてそのまま信仰も手に入れられるという算段よ。どう? お互いにとって悪くない話だと思うけれど」

 

 その提案に対して、彼女達が出した答えは――。

 

 

 

 

 

 

 

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第百八訓 冷静になれば見える道もある

 

 


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