銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

112 / 254
第百十訓 人はいつどこでスタンばっているのか分からない

 異変解決後。

 万事屋銀ちゃんを背景にしたいつも通りのBGオンリー。

 

「いやぁ、今回は大きな戦闘もなくて本当によかったですね」

「あっちの神社側も、博麗神社に分社を建てることで納得してくれたからなぁ」

「あの時の霊夢は凄く怖かったアル……正直あまり関わりたくなかったネ」

「怒りに身を任せてたもんだからなぁ。向こうの巫女もなかなかにやべぇ奴だったしな」

「早苗さん、でしたっけ? 凄い美人さんなのに常識を何処かに置いてきてしまったみたいな人でしたからねぇ」

「よかったアルな銀ちゃん。銀ちゃんの追っかけが新たに誕生したネ。喜ばしいことアルよ」

「あんなしつこい追っかけ最早ストーカーと変わりねぇだろ!! やってることがさっちゃんとあんまし変わらないからな!?」

「追いかけ回されている様子とか写真撮られてましたからね……多分新聞に載りますよね、あれ」

「そして面白おかしく書かれるアル。銀ちゃんの記事がまた大々的に報道されるネ」

「勘弁してくれよな……頼むから誤解を生むような書き方だけはしないでくれよ……」

「それを祈るだけ無駄な気はしますけどね。実際誤解を生む光景であることには変わりないんですし」

「諦めも肝心ヨ、銀ちゃん」

「諦めたら試合終了なんだよ!! あの先生だってそう言ってたじゃねえか!!」

「どういうところで怒ってんのアンタ!?」

 

 と、いつもの調子で会話を続けている三人。

 百話を超えたところで三人のやり取りにほぼ変化はなく、常識から外れることもあまりない。

 そしてそんな三人のところに、来訪者が訪れるのもまたいつも通り、なのだが……。

 居間の襖が、ガタッという音を立てて揺れる。

 

「ん?」

 

 彼らのいる居間の襖は、幻想郷とかぶき町を結ぶ場所となっている。つまりはそこから誰かが登場してくるというわけなのだが、

 

「物音はしたのに入ってきませんね?」

 

 新八の言う通り、間違いなく誰かが来ているはずなのに、その襖は未だ開かれないまま。それでもガタガタと音は鳴り続けている。

 

「なんかもうホラー映画とかの何かにしか思えないアル……」

「そんなばかなぁ。ゆ、ゆうれいなわけ、ないじゃあないかぁ」

「何いきなり変な喋り方になってんすか!?」

 

 新八が思わずツッコミを入れる。

 何を隠そう、坂田銀時は幽霊が苦手だ。そもそも今の時間帯的にも幽霊が現れるような時間帯ではないし、何より九割の確率で幻想郷からの来訪者なのだが、一度言われてしまうとなかなか取り払えないもの。

 段々とガタガタ音は大きくなっていき、そしてそこから――っ!!

 

「銀時さーんっ!!」

 

 常識に囚われない女(東風谷早苗)が、満面の笑みと共に現れた。

 

「ギャアアアアアアアアアア!!」

 

 ある意味今話題のホット人物。

 そんな彼女は、銀時の姿を確認すると猛ダッシュで近付いてきて、逃げ場のない銀時に向かってダイブ。もちろん銀時はそのまま後ろにぶっ倒れる。フランではないのだ。体格が違いすぎる。

 

「アビィイイイイイイイイイイ!!」

 

 なんと形容したら良いか分からない叫び声をあげながら、転倒。

 その上に早苗が覆いかぶさるという構図。

 傍から見ると襲われているようにしか見えない。

 

「銀時さんに一日でも早くお会いしたかったんです!! 最近は宴の準備でほとんど銀時さん成分を補給出来ていなかったですから!!」

「おめぇちったぁ常識ってもん知らねぇのか!?」

「幻想郷では常識にとらわれてはいけないんですよ!」

「ここ幻想郷じゃねえからな!?」

 

 なんと潔い程までの暴走っぷりである。

 ここまで暴走出来るのならば、心配する必要もそこまでなさそうだと思わせられる。

 

「ところで、今日はどうされたのです? 宴の準備とかは……」

 

 新八が話を進めようとする。

 すると早苗は、

 

「あ、思い出しました! 宴の準備が整ったので、無理言って私が迎えに行けるようにおどs……頼み込んだんですよ!!」

「今完全に脅したって言いかけましたよね!? アンタ一体向こうで何してきたんですか!?」

 

 聞き逃すことをしない新八。

 確かに彼女は今、脅したと言ったように思えた。

 当の本人は知らんぷりである。

 

「ここまでシラを切るとむしろ潔いアル。軽く尊敬するネ」

「銀時さんにお会いしたかったので♪」

「俺はテメェなんざ願い下げだ!!」

 

 何とかもがいて脱出した銀時。

 と、そんな時。

 

「ふはははは! その者の言う通りだ銀時! 常識にとらわれてしまっては何事も上手くいかんぞ!!」

 

 何故か、机の下から桂小太郎が出てきた。

 

「なんでテメェが机の下から出てくるんだヅラァアアアアアアアアアアア!!」

「ヅラじゃない桂だ!! これくらい、常にスタンばっていたら当然のことだろう」

「いつからスタンばってたんですかアンタは!?」

 

 彼のスタンバイ精神は見習う所があるのかもしれない。

 

「あの、貴方は?」

 

 桂の登場で少しだけ気を取り戻した早苗。

 一方の桂は、

 

「これは失敬。俺は桂小太郎。常識に囚われないAB型だ!」

「今血液型知らせる必要ありましたか!?」

 

 何故か血液型を強調してくる桂。

 思わず新八はツッコミを入れてしまった。

 が、早苗は。

 

「凄い! 常識に囚われない仲間がこんなところにも!! あ、私は東風谷早苗です!!」

「早苗殿。其方は見どころがある!」

「ありがとうございます!! ですが、私はもう銀時さんの妻ですので……っ」

「誰がいつテメェの妻になったってんだコノヤロウゥウウウウウウウウ!!」

「そうよ!! 銀時の妻は私なんだからね!!」

 

 そして、天井裏から蓬莱山輝夜が現れた。

 

「って、テメェはどっから出てきてんだゴラァアアアアアアアアア!!」

 

 まさしくカオス。

 宴が始まってすらいないのに、既に銀時の妻を自称する輩が二人も登場するとんでも展開。

 

「なんなんですか貴女は!?」

 

 当然、早苗は牙を剥く。

 それに対して輝夜は、優雅に扇子を広げた後、

 

「私は蓬莱山輝夜。いえ……坂田輝夜よ!!」

「勝手に人の苗字名乗ってんじゃねェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」

 

 銀時はぶちぎれた。

 

「そうですよ!!! 銀時さんは既に東風谷銀時なんですから、坂田って苗字はありませんよ!!」

「何テメェもサラッと自分の苗字人につけてんだァアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 銀時のシャウトが部屋中に響き渡ったそうな。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百十訓 人はいつどこでスタンばっているのか分からない

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。