銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百十二訓 人の気配に敏感な人程何かに気付けるのかもしれない

 今回宴の会場として指定されたのは守矢神社である。何時もなら厳重な警備体制が敷かれる場所であるが、今日限りは宴に来る人もいるということでそんなに厳しくしていない。銀時達に関しては早苗と一緒にいるため、そもそもそこまで考える必要はなかったのだが。

 

「さて、この度は宴に来てくれて本当にありがとう。私は八坂神奈子。幻想郷に来てからはまだ日が浅いが、これでも神として通させてもらっている」

「同じく神である洩矢諏訪子だよ。この度は本当に迷惑かけてごめんなさい。そのお詫びとして、また、幻想郷に私達が来ることを受け入れてくれたお礼として、細やかながら宴の場を設けさせてもらったので、みんな楽しんでね!」

 

 神奈子と諏訪子によるスピーチが終わったことにより、宴は始まった。

 

「うぉおおおおおお!! たくさん食べるネ!!」

 

 早速神楽は食事に取り掛かる。酒が飲めない彼女にとって、宴の場での楽しみ方は食事に傾く(参加者との会話はあまり頭に入っていない)。

 

「あらあら、いい食べっぷりね……これは私も負けていられないわ」

「美味しい食事をたくさんいただくのだー」

 

 大食い達は引かれ合う。

 神楽のすぐ近くまでやってきたのは、幻想郷の中でも食いしん坊キャラとして通っている二人。西行寺幽々子とルーミアである。

 

「ここの食事は私のものアル!」

「私にも食べさせて欲しいのだー」

「みんなで仲良くたくさん食べましょう? けど、一番食べるのは……私よ?」

 

 何故か三人でフードファイト的なことが展開されているが、止められる人は誰もいない。というより、この場にいる者の大半が酒に注目している為、案外そこまで食事に手をつけていない。普段なかなか酒を飲まないので、こういう時のために抑えているのだろう。

 

「ぷはぁ〜! いやぁやっぱり大人数で飲む酒は格別だねぇ〜霊夢」

「本当アンタは美味しそうに酒飲むわね、萃香」

「私は酒を飲むのが好きなんだよ〜。こんだけ騒いで飲む酒は格別に美味いからなぁ〜。霊夢も楽しいだろ〜?」

「……そうね。騒がしいのも、たまには悪くないわ」

「お、話がわかるねぇ」

 

 萃香と霊夢の二人は、互いの盃に酒を注ぎ、この雰囲気を楽しんでいる。

 はてさて、各々色んな楽しみ方をしている中、

 

「あ、桂さん!」

 

 桂を見つけた妖夢が、嬉しそうに駆け寄ってきた。

 

「妖夢殿! あれから剣の修行は行っているのか?」

 

 話しかけられた桂も気さくに対応する。前回起きた大結界異変において彼らは剣を交えている。妖夢にとって、桂もまた自身を導いてくれた者の一人なのだ。

 

「はい! 今度また桂さんや銀時さんと手合わせしたいと思ってます!」

「そうだな……実戦形式の鍛錬も良いだろう。今度幻想郷に立ち寄った際には果たし合おう」

「本当ですか!?」

 

 剣の腕を上げるにあたって、魂魄妖夢はより強い者との戦いも大切であると実感している。かつての彼女は、師より学び受けた型を忠実に再現し、それを実戦に組み込むという形を取っていた。もちろん基本は大事である為最初のうちはそうした方が良い。しかし彼女はその域には既に到達している。そこから上へ行くためには、やはり実戦の中で培うことが出来るセンスや経験値を積み重ねていくしかない。

 

「ところで銀時さんはどちらに?」

 

 そうと決まれば、銀時にも予定を確認したいと考えた妖夢。

 しかし桂は、

 

「……今銀時の周りに近づかない方が利口やもしれぬぞ」

「え? どうしてですか?」

 

 桂には凡その理由は分かっているが、妖夢はここに来るまでにあったやりとりを知らない。なので桂の言っていることの意味が分からず、

 

「あ、あそこにいますね! 私声かけてきます!」

「あ、よ、妖夢殿!」

 

 桂の制止を聞かずに、妖夢は銀時の元まで駆け寄ってしまった。

 が、途中で。

 

「……っ!?」

 

 彼女の第六感が囁いたのか、銀時のところまで行く足を止めた。

 理由は、

 

「何ですか、あの重々しい空気は……?」

 

 銀時達の周囲に纏わりついている空気が、とてつもなく重かったからだ。誰も言葉を発していない。

 その場に居るのは、銀時・早苗・輝夜・幽香・フラン。およそ関わったらやばいメンバーばかり揃っているのに加えて、銀時を除いた四人が、殺気に近い何かを発している。しかもそれを互いに浴びせながらも、まったくと言っていい程動じない。

 

「はわわわわわわわ……っ」

 

 美鈴は身体を震わせて何もすることが出来ず、

 

「……御嬢様。ここは」

「分かっている。だが、妹の大事な瞬間なんだ……私達だけ逃げるわけにもいかない」

 

 咲夜とレミリアは、遠くでその様子を見守り、

 

「私、もう、駄目です……私より強い狂気を発するなんて……」

 

 鈴仙はギブアップ。

 元よりてゐはその場から離脱し、新八を弄って遊んでいる。

 

「くっ……記念すべき瞬間なのに……どうしてでしょう……手が……震えてカメラが……っ」

「そんな野次馬精神丸出しなのがいけないんですよ。バカバカしいことは放っておけばいいんです」

「この特ダネが分かっていないとは、やはり貴女は愚かですね、椛」

「その愚かさが分かっていないとは、やはり貴女は馬鹿ですね、文」

「「今ここで決着をつけなくちゃなりませんね」」

 

 何故か二人は、謎に決闘へと突入していた。

 

「って、なんで貴女達だけ勝手に決闘始めようとしてるんですか!?」

 

 思わず妖夢は、椛と文の二人にツッコミを入れてしまった。

 

「何ですか妖夢さん! 邪魔しないでください! 今からこの分からずやのワンコにお灸をすえる所ですから!」

「誰がワンコですか!! いつも他人の背中を追い掛け回すことしかしないストーカー烏に言われたくありませんよ!!」

「新聞記者ですよ!! 誰がストーカーですか人聞きの悪い!!」

「いいから落ち着いてくださいよ!!」

 

 妖夢は二人の仲裁に追われることとなったが、銀時達の周囲はそんなこといざ知らず。

 彼女達の修羅場は、果たして解消されることがあるのだろうか……。

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

 

 

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第百十二訓 人の気配に敏感な人程何かに気付けるのかもしれない

 

 

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