銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百十九訓 リア充爆発しろ

「なっ……君は……!?」

 

 突然二人を邪魔するように現れた人物。

 その人物は右手にあるものを所持し、チラつかせながらゆっくりと現れる。

 間抜けそうな表情、適当につけられた両手、赤いフォルム──そう、ご存知ジャスタウェイだ。ただし今回は愛染香は入っていないのでご安心を。

 そして、これを手にしている人物といえば、前回ジャスタウェイを利用して事件を巻き起こしたあの兎しかいない。

 

「のこのことこの私、因幡てゐの前に現れるとはね! しかーし! この私が現れたからにはもう逃げられないよ! きししし!」

「いや私の前に現れたってか、自分からこっち来ましたよね!? しかも別に逃げてないんですけどォオオオオオオオ!? そしてなぜにジャスタウェイ!?」

 

 もはやツッコミどころが多過ぎる。深刻なネタ過多により、もれなくツッコミ役に負担が物凄いかかる。今回で言えば新八が被害者。割といつも被害者ではあるのだが。

 

「これは所謂爆弾……」

「いやそれが爆弾なのは知ってます」

 

 歌舞伎町から流れてきたものなので、てゐが持っているジャスタウェイについては新八の方が詳しい。

 しかしてゐはひるまない。

 

「しかし!! ただの爆弾ではない!! 河童に改造してもらった特注品で、ラブコメの波動を感じると爆発させられる……『リア充爆発ジャスタウェイ』だ!!」

「なんつー迷惑な発明依頼してんだァアアアアアアアアア!! シチュエーション限定的過ぎるけど随分と傍迷惑なジャスタウェイになってるじゃねえかァアアアアアアアア!!」

 

 本来のジャスタウェイにそこまでの力は存在しない。ただ爆発するのみだ。なんとも、河童の科学は幻想郷一というのが証明された瞬間である。

 

「うぅ……」

 

 一方、勇気を振り絞って自身の気持ちを伝えようとしたにもかかわらず突然の乱入者によって邪魔されてしまったリグルは、やり場のない怒りと、今さっき自分が言おうとしたことの恥ずかしさが入り混じった、なんとも言えない複雑な気持ちを味わっていた。ちなみに、リグルは別にこの世界においてぼっちというわけではない。きちんと友人と呼べる存在もいる。ただし、住んでいる場所や活動時間がたまにズレることがあるので、いつも一緒というわけではないのだ。

 

「第一、どうして僕らがここにいることが分かったんですか?」

 

 たまたま通りかかったにしては違和感のあることだ。何せてゐが普段いるのは迷いの竹林。そこを縄張りとしている彼女は、普通の森にたまたま立ち入る用事というのはそうそうないことだろう。

 つまり、新八達に会いに行くためには、必然的に……。

 

「探してたのさ! 眼鏡に悪戯するために! きしししし!」

「暇人じゃねえか!!」

 

 新八は思わず叫んでいた。

 だが、果たして本当にてゐはただの暇人なのだろうか。確かに暇ならば外へ出かけることはあるだろう。その過程で普段は行かないような所に辿り着くこともあるはずだ。

 しかし、暇だからという理由で人探しをするようなものなのだろうか。しかもご丁寧にその場にそぐった発明品まで手にして。

 これらのことから導き出される結論は、つまり……。

 

「え?」

 

 結論、リア充爆発しろ。

 

「あっ」

 

 突如として、てゐの手から離れたジャスタウェイは、新八のみを狙って一目散に飛びかかる。

 

「って、なんで僕だけ狙われてんダァアアアアアアアアアア!?」

 

 もちろん新八はダッシュで逃げる。

 リグルのいる近くで爆発させないようにするのも目的の一つではあるが、それ以上に自分が被害に巻き込まれたくないという気持ちがある。

 

「新八さん!?」

 

 側にいたリグルはただ驚くのみ。それ以外に取れるリアクションが見つからないという状況。

 てゐは結果的に新八相手にジャスタウェイを仕掛けることが出来たのだが、内心穏やかではない。

 

「(あの発明ってラブコメの波動を感じると、その対象を目掛けて爆発する仕組みになってた筈……え、つまり、今私と眼鏡の間でラブコメの波動が感じ取れたってこと!? それじゃあ私、あの眼鏡に気があるみたいじゃないか!! ち、ちがう! これは何かの気の迷い!! そ、そう! 河童の発明が失敗に終わったってことなのよ! き、きししし! まったくもー驚かせないでよね! 私が眼鏡のこと、すすすすす、すきだなんて、ああああああ、ありえないことなんだから!!)」

 

 声には出してないものの、十分過ぎる恥ずかしさがそこにはあった。これらがもし本人に全て伝わってしまっていたとしたら、それはもう告白するのと同じようなもの。

 とりあえず、顔を真っ赤にしながら立っていても全然説得力がないのは間違いない。

 

「今僕何かしましたっけ!? ただ質問しただけなのにジャスタウェイに追いかけ回されるとかいう珍光景に見舞われてるんだけどォオオオオオオオ!?」

 

 尚、新八からしてみたら完全にとばっちりである。何せてゐの心境なんて全くと言っていいほど分かっていないのだから。

 しかしこれだけは言える。

 

「ぎゃあああああああああああああ!!」

 

 鈍感系だとしても、ハーレム系だとしても、リア充爆発しろ。

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

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第百十九訓 リア充爆発しろ




今思ったのですが、本当に爆発したほうがいいのは新八ではなく銀さんでは……?
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