銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百二十一訓 天候は気持ちがよく現れる

 人里を歩いている銀時・神楽・妹紅の三人は、とあることに気付いた。

 それは、

 

「……なんか、天気おかしくね?」

 

 そう。

 歩いている三人の内、妹紅の周りだけがおかしいのだ。

 彼女の周囲だけ、現在謎に晴れている。快晴を通り越して最早真夏の地獄的な猛暑。

 

「なんでここだけ猛烈に暑いアルか? ちょっと私から離れろヨ」

「気持ちは分かるけど地味に傷つくからね? その言い方」

 

 妹紅は呆れながらそう言う。

 言われた人が人であれば、もしかしたらその場で泣き出してしまっていたかもしれない。

 何というか、言葉を選ばなければただの虐めである。

 

「坂田さーん!」

 

 と、そんなやり取りをしている間に、一向に向かって大きな声で呼びかけてくる一人の少女が現れた。

 呼び方、声のした方向、それらから銀時はすぐに察することが出来た。

 

「なんだ、マスゴ……」

 

 ただし、少女は雨風と共にやってくる。

 

「ミィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?」

 

 思わず叫んでしまう。

 何せ猛暑と雨風が同時に襲い掛かってくるような不思議過ぎる天気だ。

 これは誰がどう見ても異常気象。

 

「今度は台風アル!!」

「なんだこれ……おかしいぞ?」

 

 いくら幻想郷でも、『人』によって天候がコロコロと変わるなどという状況はそうそう起こるものではない。

 即ちそれは――。

 

「異変です! 異変が起きました!!」

 

 そう、これは異変が起きた証拠なのだ。

 

 

 射命丸文の話によると、この現象が起き始めたのはつい先ほど。 

 そしてそれを象徴するかのように、突然『博麗神社のみ』に大地震が起きたのだという。

 同時に、幻想郷に広がる緋色の空――人によって変わる異常気象。

 誰かが、何かの引き金を引いたとしか思えないような状況だった。

 

「つまり今、博麗神社は大変なことになってるってわけか……霊夢の奴、相当怒ってるだろうな」

「カンカンどころじゃありませんよ……怒りに身を任せて、片っ端からぶっ倒してます」

「おい誰か止めろ。異変解決どころか大量殺戮が起きちまう」

「弾幕ごっこだから死なないですよ?」

「いやもうそういう問題じゃなくね!?」

 

 銀時と文の二人による漫才のような掛け合い。

 それを見ていた妹紅が一言。

 

「アンタ達仲いいな」

「それほどでも~」

「ねぇな」

「認めてくださいよ?!」

 

 速攻で否定した銀時だった。

 文は思わずツッコミを入れる。

 どれだけ銀時はマスコミという存在に対して嫌な気持ちを抱いているのだろうか。

 

「しっかし、こうなると中々に厄介だな……」

 

 今はまだ二人しか確認出来ていないものの、他にも天候が崩れている人物は多く居ることだろう。

 即ち、天候がバラバラとなっている者達が固まって行動するのは難しいということになる。

 今こうして事情を聞いているだけなのに、猛暑の中で雨風が吹き荒れるという奇妙な光景が生まれている。

 

「こうなると、もしかして天気で誰が来るのか予想出来るのか?」

 

 幻想郷でスペルカードを持つ者達が、割とこうして天候に左右される可能性が高い。銀時や神楽、新八が影響を受けていないのは、彼らが弾幕を放つことが出来ないからだ。

 逆に考えれば、弾幕を放ったりスペルカードを持つ者がいるとすれば、何らかの形で影響を受けている可能性が高くなる。

 

「そしたら、私は私で探ってみるよ」

「私も引き続き調査しますよ! 坂田さん達も何か分かったら教えてくださいね!」

「しゃーねぇなぁ……」

 

 こうして、事件解決の為に四人は動き出す。

 妹紅は人里を、文は飛び回って色んな場所を、銀時と神楽はとりあえず周辺を散策することにした。

 

「なんだか大変なことになってきたアルな」

「まぁな……本当、来るたび色々起きてあきねぇ場所だなおい」

 

 幻想郷に彼らが足を運ぶ度に、何らかの事件が発生する。

 なんとなくそんなことを考えていた銀時達だったが、

 

「……ん?」

 

 先程まで晴れていた空が段々と曇っていく。

 ただし、その曇り方はあまりにもおかしい。

 ただ単に曇り空なのかと思いきや、鉛色に染まった曇天になったりもする。

 曇り方が毎回変わるのだ。

 

「今回は曇りの連中ってわけか……」

 

 ぽつりと呟く銀時。 

 そんな中現れたのは、

 

「おや、これは……銀時様。こんな所で何をされているのです?」

「もしかして、この異変が気になって? でも貴方達の周りは普通みたいね……」

 

 咲夜とパチュリーの二人が、並んで歩いていた。

 どうやら二人の周囲に雲がかかっていることより、この天候は二人の影響らしい。

 

「まぁな。さっきすげぇ雨風と猛暑にさらされたばっかだ」

「暑かった上にジメジメしたアル……」

 

 ある意味、暑さと雨風が混じったら地獄のような天気になる。

 夏の台風が相当の地獄なのはここからきているのだろう。

 

「御嬢様と妹様の周りは霧に包まれておりました故、外に出ることは難しいと判断しましたので……今回は私とパチュリー様の二人で解決しようかと」

「犯人は天候を操る程度の能力に準ずる何かを持っているのは確かだわ。でないとこんな状況を生み出せるとは思えない」

「なる程……確かにな」

 

 天気に関する異変が出ているということは、天気に関する能力を持っているということ。

 即ち、敵の周りには特徴的な何かがあるということを意味していた。

 

「今回ばかりは大人数で動くよりも、先に見つけた誰かが犯人を叩いた方がよさそうかと……」

「確かにな。探すのは多い方がいいだろうな……他の奴らも今そうして動いてんだろ」

「そうね。余程動けない天気じゃない限りはそうしてる筈よ」

 

 雨風が強くても飛んで探している烏天狗も存在するが。

 

「とりあえず私達は行くわね」

「銀時様も、犯人を見つけた時は……どうかお気をつけて」

「あぁ、テメェらも精々ばったりあわねぇよう、気をつけるこったぁ」

 

 こうして、ちょっとした異変解決の時間がはじまった。

 

 

 

 

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第百二十一訓 天候は気持ちがよく現れる

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、ポロリ篇にて緋想天のエピソードを進めますー。
たぶんこの話は三話程で終わるんじゃないかなーって思います。
長くても五話程かなーって。
何せ解決までの糸口は短いので(白目
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